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 歩くこと1時間半。<br /> 午後の1時。<br /> 岡部側の『道の駅・宇津ノ谷』にたどり着いた。<br /> この道の駅もトイレ改修中で、ごたごたしていた。<br /> さあここで、美味しいものを食べよう!<br /> と期待したのだが・・

宇津ノ谷峠・昔の道を歩く(3/4)旧東海道と明治大正時代の道を歩く

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2020/03/01 - 2020/03/01

6056位(同エリア31355件中)

旅行記グループ 宇津ノ谷峠・昔の道を歩く

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motogen

motogenさん

 歩くこと1時間半。
 午後の1時。
 岡部側の『道の駅・宇津ノ谷』にたどり着いた。
 この道の駅もトイレ改修中で、ごたごたしていた。
 さあここで、美味しいものを食べよう!
 と期待したのだが・・

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
自家用車

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  •  ところがレストランはなく、小さな販売所しかない。<br /> 残りわずかな五目飯おにぎりと、稲荷寿司とチーズパンを買って、

     ところがレストランはなく、小さな販売所しかない。
     残りわずかな五目飯おにぎりと、稲荷寿司とチーズパンを買って、

    道の駅宇津ノ谷峠 (藤枝市) 道の駅

  •  外の休憩所でついばむこととなった。<br /> 美味い!<br /> 口の中に拡がる絶妙な味。<br /> 空腹こそ最高の料理人だ。

     外の休憩所でついばむこととなった。
     美味い!
     口の中に拡がる絶妙な味。
     空腹こそ最高の料理人だ。

  •  おにぎり飯のありがたさを感じて、やって来た道を引き返す。

     おにぎり飯のありがたさを感じて、やって来た道を引き返す。

  •  せっかくだからと、坂下地蔵堂に立ち寄ってみる。<br /> 峠を越える旅人に、疲れを癒す木陰を提供する地蔵堂。<br /> 旅人は旅の安全を祈願したのだろう。<br /> この地蔵にはまか不思議な伝説があり、『稲刈り地蔵』とも呼ばれている。<br />(昔話は省略するが、このような話には、実際に起こった何かを暗示させるものが多いという。)

     せっかくだからと、坂下地蔵堂に立ち寄ってみる。
     峠を越える旅人に、疲れを癒す木陰を提供する地蔵堂。
     旅人は旅の安全を祈願したのだろう。
     この地蔵にはまか不思議な伝説があり、『稲刈り地蔵』とも呼ばれている。
    (昔話は省略するが、このような話には、実際に起こった何かを暗示させるものが多いという。)

  •  「明治トンネル」の案内標識のある地点に戻って来た。<br /> 元祖東海道の入口だ。<br /> 今歩いて来た道も昔の東海道の道筋だが、ここから古の面影を残す道となる。

     「明治トンネル」の案内標識のある地点に戻って来た。
     元祖東海道の入口だ。
     今歩いて来た道も昔の東海道の道筋だが、ここから古の面影を残す道となる。

  •  地蔵堂近くにあった地図だが、新旧のたくさんの道が絡まっている。<br /> 見ても、何がどうなっているのか判断しにくく、<br /> とにかく進んでみる。

     地蔵堂近くにあった地図だが、新旧のたくさんの道が絡まっている。
     見ても、何がどうなっているのか判断しにくく、
     とにかく進んでみる。

  •  豊臣秀吉が小田原征伐を行う際、蔦の細道では進軍に不足して整備した道だという。<br /> 蔦の細道よりも峠越えが楽になり、徳川時代になると東海道に発展し、<br /> 代わりに蔦の細道は廃れていく。

     豊臣秀吉が小田原征伐を行う際、蔦の細道では進軍に不足して整備した道だという。
     蔦の細道よりも峠越えが楽になり、徳川時代になると東海道に発展し、
     代わりに蔦の細道は廃れていく。

  •  江戸時代、大名行列も通り、幕末の志士達もここを歩いたはずだ。<br /> それにしても急な坂。<br /> 「髭題目碑」と呼ばれる石碑があった。<br /> 髭文字で「南無妙法蓮華経」と書かれている。<br /> 呪文を唱えて登るほどの峠だったのだ、と勝手に想像する。

     江戸時代、大名行列も通り、幕末の志士達もここを歩いたはずだ。
     それにしても急な坂。
     「髭題目碑」と呼ばれる石碑があった。
     髭文字で「南無妙法蓮華経」と書かれている。
     呪文を唱えて登るほどの峠だったのだ、と勝手に想像する。

  •  周囲は静まり返る竹藪となり、カサカサと枯葉を踏みながら歩くと、

     周囲は静まり返る竹藪となり、カサカサと枯葉を踏みながら歩くと、

  •  舗装された道路に出た。<br /> 「何なの、ここは?」<br /> 右は東海道と記されている。<br /> 左は明治トンネルへの案内標識。<br /> 「さて、どうなっているんだろう?」 <br /> トンネルへの道は元来はなく、東海道は一本道だったと思うと辻褄が合う。

     舗装された道路に出た。
     「何なの、ここは?」
     右は東海道と記されている。
     左は明治トンネルへの案内標識。
     「さて、どうなっているんだろう?」 
     トンネルへの道は元来はなく、東海道は一本道だったと思うと辻褄が合う。

  •  絡み合った新旧の道が、少しずつ分かりかけてきた。<br /> 左に進むと、石畳の道に出た。<br /> 石畳といっても今の時代の舗装だ。<br /> 明治や大正時代に主流となっていた道のようで、<br /> (左上の道は、今歩いてきた道)

     絡み合った新旧の道が、少しずつ分かりかけてきた。
     左に進むと、石畳の道に出た。
     石畳といっても今の時代の舗装だ。
     明治や大正時代に主流となっていた道のようで、
     (左上の道は、今歩いてきた道)

  •  高級外車が停まっている。<br /> ここから先は車は禁止なので、<br /> ここに車を停めて、明治トンネルを見学しに行った人がいるようだ。

     高級外車が停まっている。
     ここから先は車は禁止なので、
     ここに車を停めて、明治トンネルを見学しに行った人がいるようだ。

  •  坂道を登って行くと、トンネルが見えてきた。

     坂道を登って行くと、トンネルが見えてきた。

  •  明治9年に開通し、明治37年にレンガ造りに改修され、今に至っているトンネルだが、登録有形文化財となっている。<br /> 「懐中電灯、持ってくればよかったね・・」<br /> と後悔したが、

     明治9年に開通し、明治37年にレンガ造りに改修され、今に至っているトンネルだが、登録有形文化財となっている。
     「懐中電灯、持ってくればよかったね・・」
     と後悔したが、

  •  つまずかない程度に照明が灯されていた<br /> 子どもを抱いたカップルがすれ違って行く。<br /> コツン、コツンと響く足音が、異世界を感じさせ、空気までが別世界のもののようだ。<br /> これがトンネルの魅力。

     つまずかない程度に照明が灯されていた
     子どもを抱いたカップルがすれ違って行く。
     コツン、コツンと響く足音が、異世界を感じさせ、空気までが別世界のもののようだ。
     これがトンネルの魅力。

  •  トンネルの出口に、一眼カメラを構える人が見える。

     トンネルの出口に、一眼カメラを構える人が見える。

  •  自転車に乗った人が、さっそうと通り過ぎて行く。<br /> 野外活動を楽しむ人には絶好の環境で、<br /> 

     自転車に乗った人が、さっそうと通り過ぎて行く。
     野外活動を楽しむ人には絶好の環境で、
     

  •  写真マニアは腕の見せどころだ。<br /> 誰もが撮ろうとするトンネルではなく、山の木々に反射する光と影を、時間を忘れて追い求めているこの男性こそ、マニアのマニアたる姿勢だ。

     写真マニアは腕の見せどころだ。
     誰もが撮ろうとするトンネルではなく、山の木々に反射する光と影を、時間を忘れて追い求めているこの男性こそ、マニアのマニアたる姿勢だ。

  •  その先の公園に佇む二人のおじさんが、外車でやって来た人たちで、<br /> これから宇津ノ谷集落まで行こうか行かまいか、と迷っていた。<br /> 「行きましょうよ。」<br /> と女房が声をかける。

     その先の公園に佇む二人のおじさんが、外車でやって来た人たちで、
     これから宇津ノ谷集落まで行こうか行かまいか、と迷っていた。
     「行きましょうよ。」
     と女房が声をかける。

  •  峠の立体模型があった。<br /> 「なるほど、なるほど・・」<br /> 実際に歩き回りながら見ると、分かりにくかった道路のつながりが、すっきりと頭に入ってくる。<br /> ここまでの経過を、動画でご覧ください。<br />https://youtu.be/wGAKVW8AA-E

     峠の立体模型があった。
     「なるほど、なるほど・・」
     実際に歩き回りながら見ると、分かりにくかった道路のつながりが、すっきりと頭に入ってくる。
     ここまでの経過を、動画でご覧ください。
    https://youtu.be/wGAKVW8AA-E

  •  迷っていたおじさん二人を誘って坂道を下る。

     迷っていたおじさん二人を誘って坂道を下る。

  •  すると坂の下に現れたのは、宇津ノ谷集落で、<br /> 江戸時代に栄えた町並みだ。

     すると坂の下に現れたのは、宇津ノ谷集落で、
     江戸時代に栄えた町並みだ。

  •   大正トンネルが開通して、北側に新たな道路が完成すると、すっかり人通りが少なくなってしまったが、<br /> そのため再開発されずに昔の面影が残されたのは、今思えば幸運だったのだろう。

    大正トンネルが開通して、北側に新たな道路が完成すると、すっかり人通りが少なくなってしまったが、
     そのため再開発されずに昔の面影が残されたのは、今思えば幸運だったのだろう。

  •  静岡市はこの地区を都市景観条例を作って守り、地元住民は歴史文化を継承しようと心意気を見せてくれ、このような街道が保存されている。

     静岡市はこの地区を都市景観条例を作って守り、地元住民は歴史文化を継承しようと心意気を見せてくれ、このような街道が保存されている。

  •  多くの家屋には、当時の屋号を表す表札が掲げられている。<br /> ここは『角屋』だ。

     多くの家屋には、当時の屋号を表す表札が掲げられている。
     ここは『角屋』だ。

  •  脚が長く、胴がキュッと引き締まった犬が、お留守番をしていた。<br /> 人に慣れているのか、吠えないお利巧な犬だ。<br /> 「ヒヒみたいな顔してる・・」<br /> 「きっと血統書付きの犬だね・・」

     脚が長く、胴がキュッと引き締まった犬が、お留守番をしていた。
     人に慣れているのか、吠えないお利巧な犬だ。
     「ヒヒみたいな顔してる・・」
     「きっと血統書付きの犬だね・・」

  •  最近の私たちは、古い町並みや歴史が妙に好きになっている。<br /> なぜだろう?<br /> 終戦直後の貧しかった時代、<br /> 高度成長の科学万能の時代、<br /> バブル崩壊で就職難の時代、<br /> 格差の広がるグローバル時代・・<br /> 様々な時代のうつろいに流されながら、年老いてきた感傷もあるだろうが、<br /> 便利さや快適さを限りなく追及し、「経済発展、経済発展」と叫び続ける風潮や、<br /> 何でも金儲けに絡ませる世の中に、己の反省も込めて、反抗的になっているのだろう。

     最近の私たちは、古い町並みや歴史が妙に好きになっている。
     なぜだろう?
     終戦直後の貧しかった時代、
     高度成長の科学万能の時代、
     バブル崩壊で就職難の時代、
     格差の広がるグローバル時代・・
     様々な時代のうつろいに流されながら、年老いてきた感傷もあるだろうが、
     便利さや快適さを限りなく追及し、「経済発展、経済発展」と叫び続ける風潮や、
     何でも金儲けに絡ませる世の中に、己の反省も込めて、反抗的になっているのだろう。

  •  日本人はどう生きてきたんだろう・・?<br /> 嵐や落雷、凶作や飢饉、疫病や災難を天の仕業と考え、神仏を祀って祈願し、<br /> 争いもあったが協力して地域や家族を守り、徳を信じて生きてきた日本人・・<br /> 今の価値観では測れない時代もあったはずで・・<br /> と考えながら、『御羽織屋』の看板を見つめる。

     日本人はどう生きてきたんだろう・・?
     嵐や落雷、凶作や飢饉、疫病や災難を天の仕業と考え、神仏を祀って祈願し、
     争いもあったが協力して地域や家族を守り、徳を信じて生きてきた日本人・・
     今の価値観では測れない時代もあったはずで・・
     と考えながら、『御羽織屋』の看板を見つめる。

  •  『明治天皇・・』の石柱が覗く屋敷があった。

     『明治天皇・・』の石柱が覗く屋敷があった。

  •  明治維新のおり、京から江戸に移る明治天皇が休憩した屋敷だという。

     明治維新のおり、京から江戸に移る明治天皇が休憩した屋敷だという。

  •  数々の屋号を掲げた民家が並んでいる。<br /> 商い根性を控え、下卑た観光スポットになっていない集落に、心を打たれながら、

     数々の屋号を掲げた民家が並んでいる。
     商い根性を控え、下卑た観光スポットになっていない集落に、心を打たれながら、

  •  ゆっくり、ゆっくり歩を進める。

     ゆっくり、ゆっくり歩を進める。

  •  「昔の石畳がなくなってしまって、残念だ。」<br /> とおじさん二人は嘆くが、<br /> おじさん方の見た昔の石畳は、どんなだったのだろう?

     「昔の石畳がなくなってしまって、残念だ。」
     とおじさん二人は嘆くが、
     おじさん方の見た昔の石畳は、どんなだったのだろう?

  •  集落の出口は桜が満開だった。<br /> 早咲きでピンク色、下向きの花を咲かせるこの桜は、河津桜なんだろうか?<br /> 昔は桜なんかに関心はなかったのに、桜に一喜一憂する歳になってしまったと、寂しくもなる。<br />

     集落の出口は桜が満開だった。
     早咲きでピンク色、下向きの花を咲かせるこの桜は、河津桜なんだろうか?
     昔は桜なんかに関心はなかったのに、桜に一喜一憂する歳になってしまったと、寂しくもなる。

  •  集落を抜けると、大正明治時代そして昭和中期までの国道1号線と合流した。<br /> その先は二俣に分かれている。<br /> 道の駅はどっちだろう?

     集落を抜けると、大正明治時代そして昭和中期までの国道1号線と合流した。
     その先は二俣に分かれている。
     道の駅はどっちだろう?

  •  右に進む。<br /> すると、車が高速で行き交う国道1号線の上に出て、

     右に進む。
     すると、車が高速で行き交う国道1号線の上に出て、

  •  道の駅(下り線)は目の前で、<br /> そして、ウォーキングは完結した。<br /> この経過も動画にしました。<br />https://youtu.be/Yf4U6jPy1nE<br />

     道の駅(下り線)は目の前で、
     そして、ウォーキングは完結した。
     この経過も動画にしました。
    https://youtu.be/Yf4U6jPy1nE

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