![丸子宿から岡部宿までの直線距離は2里。<br /> しかしその中間には岩山が横たわり、旅人は転げ落ちそうな峠を超えなければならず、旅の難所の一つだったという。<br /> 今はトンネルが貫通しているが、鎌倉時代以前には『つたの細道』と呼ばれる山道が、東西を結ぶ交通の要だった。<br /> 現在残っている『つたの細道』の両側には道の駅がある。<br /> その東側の道の駅に到着し、古の古道へ歩き出す。](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/11/60/69/650x_11606903.jpg?updated_at=1584239195)
2020/03/01 - 2020/03/01
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motogenさん
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丸子宿から岡部宿までの直線距離は2里。
しかしその中間には岩山が横たわり、旅人は転げ落ちそうな峠を超えなければならず、旅の難所の一つだったという。
今はトンネルが貫通しているが、鎌倉時代以前には『つたの細道』と呼ばれる山道が、東西を結ぶ交通の要だった。
現在残っている『つたの細道』の両側には道の駅がある。
その東側の道の駅に到着し、古の古道へ歩き出す。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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-
道の駅は工事中で、トイレは仮設のものだった。
道の駅 宇津ノ谷峠 下り 道の駅
-
道の駅の西側に、つたの細道への入口がある。
-
坂道を登りながら振り返れば、ここはインターチェンジとなっている。
現在の国1(右から左)の上を、旧の国1へつながる道路が、ぐるりとカーブして山中に向かう。
「複雑になったなあ・・
ずいぶん変わってしまった・・」
と昔の風景を思い出そうとするが、脳裏に浮かんでこない。 -
山道を登って行く。
-
沢が流れている。
道はその沢に沿って薄暗い山中に入っている。
ここからが本格的な「つたの細道」になりそうだ。 -
ボロボロになった岩肌に、山の腐葉土が積もった道が続いている。
急な坂だが、ここまでは何と言うことはない。 -
沢を飛び超える小さな橋がある。
この後も沢の右へ左へと渡り移って、登っていくことになる。 -
岩が飛び出し、高い段差のある道となる。
「片足でスクワットしてるみたい!」
気道が狭くなりがちな女房は、ハーハーと息を切らし、 -
休み休み、息を整えて進む。
-
周囲は高い杉がそびえ、
-
つまずきやすい木の根や岩が、行く手をはばむ。
-
日ごろ使わない筋肉を酷使するが、それでも
「もう嫌!」
と愚痴をこぼさずに、頑張る女房。 -
地阿仏尼の歌が紹介されていた。
元寇が到来している最中の時代、鎌倉に向かう地阿仏尼が「十六夜日記」で詠ったものだ。
「我心 うつうつゝともなし うつの山 夢にも遠き 昔こふとて」
この歌に誘発されて、数々の歌がこの峠で詠まれることになったという。 -
それらの歌には、当時の人たちの様々な状況や思いが詰まっているという。
当時の峠越えは、もっともっと大変だったんだと思い、 -
「もう少し、もう少し」
と頑張って、私たちも登り続けると、 -
しだいに周囲が明るくなり、
-
見晴らしも良くなって、
-
ついに山頂に達した。
-
交差する道があり、北方の山から降りて来た人がいた。
さっそうとしたトレッキング姿のスポーツマンだ。
飯間山からの帰りだと言う。
ここは山登りも楽しめる峠のようだ。 -
西の岡部方面を眺める。
谷間にちょこんと見える場所が、道の駅周辺なんだろうか? -
南の山からも男二人が降りてきた。
彼らは満観峰を歩いて来たようだ。
「ここから先には石畳の場所があるけど、雨で濡れていて滑りやすいから、気をつけてね・・」
とアドバイスをくれて先に進んで行った。
ここまでを動画(前編)にまとめました。
https://youtu.be/jbVrQO9h6hQ -
彼らの歩いて行った道を、とぼとぼと下りていくと、
-
山の中からウズイスの鳴き声が聞こえてきた。
「あっ、上手、上手!」
と女房ははしゃぐ。
もう春だ。 -
みかん畑の中に民家がポツンと見える。
-
民家の手前に『猫石』がゴロンと座っている。
「どこから見ても、ネコには似てないよ。」
「これって、何?」
分からないまま通過したが、
後日調べると、納得できる説が見つかった。
この峠道は、山賊や鬼や妖怪が出そうな不気味さがあり、岡部宿の浮世絵には、『宇津ノ谷峠の化け猫』が描かれていると言い、
当時の人には、この石が化け猫の化身と見えた、とする説だ。 -
建物には人は住んでいなく、畑の作業所だった跡が残っているだけだった。
-
この辺りから石畳の道が続く。
-
滑らないよう慎重に降りて行くと、
-
石垣があった。
石垣の下に、何かを見つけたらしい。 -
茶色のカエルだった。
木の枝でつついてみるが、モソモソとしか動かない。
春だと思って穴から出てきたのに、寒過ぎるのか・・ -
崩れたような岩が転がっている斜面を降りると、
-
林道にぶつかった。
右へ下って行けば道の駅と思えるが、果たしてそうだろうか?
もしかしたら左が正解かも知れない。 -
そこに赤い実がなっていた。
初めてみる木の実だ。 -
右への道を下って行くと、子供を連れの家族とすれ違った。
確かめると、道の駅はやはりこの先だった。 -
広場に出た。
小川に沿った細長い広場だ。
『つたの細道公園』の標柱が立っている。 -
案内板を見ると、歩いて来た道は『木和田川砂防堰堤』まで続いていて、この道は砂防堤の学習コースとなっていた。
-
『羅径亭』の表札を掲げた建物には、ロープが張られているが、
-
そっと中をのぞくと、椅子があるだけだった。
-
「つたの細道の文学」と書かれた展示物があった。
つたの細道は在原業平の『伊勢物語』の歌に登場し、それ以来この峠は歌枕となり、峠を往来する歌人たちは、自らの思いを歌に託して旅するようになった、と書かれている。 -
見れば、有名な兼好法師の歌まであるではないか!
-
他にも知った名前の歌人の歌が刻まれている。
普段なら読み飛ばすであろう歌だが、峠を歩いてきた私たちは、他人事でないような気持になり、一つ一つの歌に歌人たちの心情や様子を思い描いてみる。
(勝手な想像で、不正確であるが) -
川に沿って歩いて行くと、
-
明治トンネルの標識が目に止まった。
「ここだったのか!」
帰りはこのトンネルを通って戻る予定で、このままトンネルに向かおうかとも思ったが、 -
岡部の道の駅で昼食にしようと、
その先にあった『坂下地蔵堂』を通り過ぎ、 -
まっすぐ進み続けると、車が往来する国道1号線に出てしまった。
道の駅は見えるが、道路の向こう側だ。
こんな場所を横断するわけにはいかない。
さて、どうしよう?
しばし立ち尽くす私たち。 -
これまで歩いて来たコースを白線で示してみた。
現在残っている『つたの細道』は案外短い道だった。
最後も動画(後編)でまとめます。
https://youtu.be/neCgjcVjtJg
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