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 丸子宿から岡部宿までの直線距離は2里。<br /> しかしその中間には岩山が横たわり、旅人は転げ落ちそうな峠を超えなければならず、旅の難所の一つだったという。<br /> 今はトンネルが貫通しているが、鎌倉時代以前には『つたの細道』と呼ばれる山道が、東西を結ぶ交通の要だった。<br /> 現在残っている『つたの細道』の両側には道の駅がある。<br /> その東側の道の駅に到着し、古の古道へ歩き出す。

宇津ノ谷峠・昔の道を歩く(2/4)つたの細道は文学の道でもあった

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2020/03/01 - 2020/03/01

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旅行記グループ 宇津ノ谷峠・昔の道を歩く

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motogen

motogenさん

 丸子宿から岡部宿までの直線距離は2里。
 しかしその中間には岩山が横たわり、旅人は転げ落ちそうな峠を超えなければならず、旅の難所の一つだったという。
 今はトンネルが貫通しているが、鎌倉時代以前には『つたの細道』と呼ばれる山道が、東西を結ぶ交通の要だった。
 現在残っている『つたの細道』の両側には道の駅がある。
 その東側の道の駅に到着し、古の古道へ歩き出す。

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
自家用車

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  •  道の駅は工事中で、トイレは仮設のものだった。

     道の駅は工事中で、トイレは仮設のものだった。

    道の駅 宇津ノ谷峠 下り 道の駅

  •  道の駅の西側に、つたの細道への入口がある。

     道の駅の西側に、つたの細道への入口がある。

  •  坂道を登りながら振り返れば、ここはインターチェンジとなっている。<br /> 現在の国1(右から左)の上を、旧の国1へつながる道路が、ぐるりとカーブして山中に向かう。<br /> 「複雑になったなあ・・<br /> ずいぶん変わってしまった・・」<br /> と昔の風景を思い出そうとするが、脳裏に浮かんでこない。

     坂道を登りながら振り返れば、ここはインターチェンジとなっている。
     現在の国1(右から左)の上を、旧の国1へつながる道路が、ぐるりとカーブして山中に向かう。
     「複雑になったなあ・・
     ずいぶん変わってしまった・・」
     と昔の風景を思い出そうとするが、脳裏に浮かんでこない。

  •  山道を登って行く。

     山道を登って行く。

  •  沢が流れている。<br /> 道はその沢に沿って薄暗い山中に入っている。<br /> ここからが本格的な「つたの細道」になりそうだ。

     沢が流れている。
     道はその沢に沿って薄暗い山中に入っている。
     ここからが本格的な「つたの細道」になりそうだ。

  •  ボロボロになった岩肌に、山の腐葉土が積もった道が続いている。<br /> 急な坂だが、ここまでは何と言うことはない。

     ボロボロになった岩肌に、山の腐葉土が積もった道が続いている。
     急な坂だが、ここまでは何と言うことはない。

  •  沢を飛び超える小さな橋がある。<br /> この後も沢の右へ左へと渡り移って、登っていくことになる。

     沢を飛び超える小さな橋がある。
     この後も沢の右へ左へと渡り移って、登っていくことになる。

  •  岩が飛び出し、高い段差のある道となる。<br /> 「片足でスクワットしてるみたい!」<br /> 気道が狭くなりがちな女房は、ハーハーと息を切らし、

     岩が飛び出し、高い段差のある道となる。
     「片足でスクワットしてるみたい!」
     気道が狭くなりがちな女房は、ハーハーと息を切らし、

  •  休み休み、息を整えて進む。

     休み休み、息を整えて進む。

  •  周囲は高い杉がそびえ、

     周囲は高い杉がそびえ、

  •  つまずきやすい木の根や岩が、行く手をはばむ。

     つまずきやすい木の根や岩が、行く手をはばむ。

  •  日ごろ使わない筋肉を酷使するが、それでも<br /> 「もう嫌!」<br /> と愚痴をこぼさずに、頑張る女房。

     日ごろ使わない筋肉を酷使するが、それでも
     「もう嫌!」
     と愚痴をこぼさずに、頑張る女房。

  •  地阿仏尼の歌が紹介されていた。<br /> 元寇が到来している最中の時代、鎌倉に向かう地阿仏尼が「十六夜日記」で詠ったものだ。 <br /> 「我心 うつうつゝともなし うつの山 夢にも遠き 昔こふとて」<br /> この歌に誘発されて、数々の歌がこの峠で詠まれることになったという。

     地阿仏尼の歌が紹介されていた。
     元寇が到来している最中の時代、鎌倉に向かう地阿仏尼が「十六夜日記」で詠ったものだ。
     「我心 うつうつゝともなし うつの山 夢にも遠き 昔こふとて」
     この歌に誘発されて、数々の歌がこの峠で詠まれることになったという。

  •  それらの歌には、当時の人たちの様々な状況や思いが詰まっているという。<br /> 当時の峠越えは、もっともっと大変だったんだと思い、

     それらの歌には、当時の人たちの様々な状況や思いが詰まっているという。
     当時の峠越えは、もっともっと大変だったんだと思い、

  •  「もう少し、もう少し」<br /> と頑張って、私たちも登り続けると、

     「もう少し、もう少し」
     と頑張って、私たちも登り続けると、

  •  しだいに周囲が明るくなり、

     しだいに周囲が明るくなり、

  •  見晴らしも良くなって、

     見晴らしも良くなって、

  •  ついに山頂に達した。

     ついに山頂に達した。

  •  交差する道があり、北方の山から降りて来た人がいた。<br /> さっそうとしたトレッキング姿のスポーツマンだ。<br /> 飯間山からの帰りだと言う。<br /> ここは山登りも楽しめる峠のようだ。

     交差する道があり、北方の山から降りて来た人がいた。
     さっそうとしたトレッキング姿のスポーツマンだ。
     飯間山からの帰りだと言う。
     ここは山登りも楽しめる峠のようだ。

  •  西の岡部方面を眺める。<br /> 谷間にちょこんと見える場所が、道の駅周辺なんだろうか?

     西の岡部方面を眺める。
     谷間にちょこんと見える場所が、道の駅周辺なんだろうか?

  •  南の山からも男二人が降りてきた。<br /> 彼らは満観峰を歩いて来たようだ。<br /> 「ここから先には石畳の場所があるけど、雨で濡れていて滑りやすいから、気をつけてね・・」<br /> とアドバイスをくれて先に進んで行った。<br /> ここまでを動画(前編)にまとめました。<br />https://youtu.be/jbVrQO9h6hQ

     南の山からも男二人が降りてきた。
     彼らは満観峰を歩いて来たようだ。
     「ここから先には石畳の場所があるけど、雨で濡れていて滑りやすいから、気をつけてね・・」
     とアドバイスをくれて先に進んで行った。
     ここまでを動画(前編)にまとめました。
    https://youtu.be/jbVrQO9h6hQ

  •  彼らの歩いて行った道を、とぼとぼと下りていくと、

     彼らの歩いて行った道を、とぼとぼと下りていくと、

  •  山の中からウズイスの鳴き声が聞こえてきた。<br /> 「あっ、上手、上手!」<br /> と女房ははしゃぐ。<br /> もう春だ。

     山の中からウズイスの鳴き声が聞こえてきた。
     「あっ、上手、上手!」
     と女房ははしゃぐ。
     もう春だ。

  •  みかん畑の中に民家がポツンと見える。

     みかん畑の中に民家がポツンと見える。

  •  民家の手前に『猫石』がゴロンと座っている。<br /> 「どこから見ても、ネコには似てないよ。」<br /> 「これって、何?」<br /> 分からないまま通過したが、 <br /> 後日調べると、納得できる説が見つかった。<br /> この峠道は、山賊や鬼や妖怪が出そうな不気味さがあり、岡部宿の浮世絵には、『宇津ノ谷峠の化け猫』が描かれていると言い、<br /> 当時の人には、この石が化け猫の化身と見えた、とする説だ。

     民家の手前に『猫石』がゴロンと座っている。
     「どこから見ても、ネコには似てないよ。」
     「これって、何?」
     分からないまま通過したが、 
     後日調べると、納得できる説が見つかった。
     この峠道は、山賊や鬼や妖怪が出そうな不気味さがあり、岡部宿の浮世絵には、『宇津ノ谷峠の化け猫』が描かれていると言い、
     当時の人には、この石が化け猫の化身と見えた、とする説だ。

  •  建物には人は住んでいなく、畑の作業所だった跡が残っているだけだった。

     建物には人は住んでいなく、畑の作業所だった跡が残っているだけだった。

  •  この辺りから石畳の道が続く。

     この辺りから石畳の道が続く。

  •  滑らないよう慎重に降りて行くと、

     滑らないよう慎重に降りて行くと、

  •  石垣があった。<br /> 石垣の下に、何かを見つけたらしい。

     石垣があった。
     石垣の下に、何かを見つけたらしい。

  •  茶色のカエルだった。<br /> 木の枝でつついてみるが、モソモソとしか動かない。<br /> 春だと思って穴から出てきたのに、寒過ぎるのか・・

     茶色のカエルだった。
     木の枝でつついてみるが、モソモソとしか動かない。
     春だと思って穴から出てきたのに、寒過ぎるのか・・

  •  崩れたような岩が転がっている斜面を降りると、

     崩れたような岩が転がっている斜面を降りると、

  •  林道にぶつかった。<br /> 右へ下って行けば道の駅と思えるが、果たしてそうだろうか?<br /> もしかしたら左が正解かも知れない。

     林道にぶつかった。
     右へ下って行けば道の駅と思えるが、果たしてそうだろうか?
     もしかしたら左が正解かも知れない。

  •  そこに赤い実がなっていた。<br /> 初めてみる木の実だ。

     そこに赤い実がなっていた。
     初めてみる木の実だ。

  •  右への道を下って行くと、子供を連れの家族とすれ違った。<br /> 確かめると、道の駅はやはりこの先だった。

     右への道を下って行くと、子供を連れの家族とすれ違った。
     確かめると、道の駅はやはりこの先だった。

  •  広場に出た。<br /> 小川に沿った細長い広場だ。<br /> 『つたの細道公園』の標柱が立っている。

     広場に出た。
     小川に沿った細長い広場だ。
     『つたの細道公園』の標柱が立っている。

  •  案内板を見ると、歩いて来た道は『木和田川砂防堰堤』まで続いていて、この道は砂防堤の学習コースとなっていた。

     案内板を見ると、歩いて来た道は『木和田川砂防堰堤』まで続いていて、この道は砂防堤の学習コースとなっていた。

  •  『羅径亭』の表札を掲げた建物には、ロープが張られているが、

     『羅径亭』の表札を掲げた建物には、ロープが張られているが、

  •  そっと中をのぞくと、椅子があるだけだった。

     そっと中をのぞくと、椅子があるだけだった。

  •  「つたの細道の文学」と書かれた展示物があった。<br /> つたの細道は在原業平の『伊勢物語』の歌に登場し、それ以来この峠は歌枕となり、峠を往来する歌人たちは、自らの思いを歌に託して旅するようになった、と書かれている。

     「つたの細道の文学」と書かれた展示物があった。
     つたの細道は在原業平の『伊勢物語』の歌に登場し、それ以来この峠は歌枕となり、峠を往来する歌人たちは、自らの思いを歌に託して旅するようになった、と書かれている。

  •  見れば、有名な兼好法師の歌まであるではないか!

     見れば、有名な兼好法師の歌まであるではないか!

  •  他にも知った名前の歌人の歌が刻まれている。<br /> 普段なら読み飛ばすであろう歌だが、峠を歩いてきた私たちは、他人事でないような気持になり、一つ一つの歌に歌人たちの心情や様子を思い描いてみる。<br />(勝手な想像で、不正確であるが)

     他にも知った名前の歌人の歌が刻まれている。
     普段なら読み飛ばすであろう歌だが、峠を歩いてきた私たちは、他人事でないような気持になり、一つ一つの歌に歌人たちの心情や様子を思い描いてみる。
    (勝手な想像で、不正確であるが)

  •  川に沿って歩いて行くと、

     川に沿って歩いて行くと、

  •  明治トンネルの標識が目に止まった。<br /> 「ここだったのか!」<br /> 帰りはこのトンネルを通って戻る予定で、このままトンネルに向かおうかとも思ったが、

     明治トンネルの標識が目に止まった。
     「ここだったのか!」
     帰りはこのトンネルを通って戻る予定で、このままトンネルに向かおうかとも思ったが、

  •  岡部の道の駅で昼食にしようと、<br /> その先にあった『坂下地蔵堂』を通り過ぎ、

     岡部の道の駅で昼食にしようと、
     その先にあった『坂下地蔵堂』を通り過ぎ、

  •  まっすぐ進み続けると、車が往来する国道1号線に出てしまった。<br /> 道の駅は見えるが、道路の向こう側だ。<br /> こんな場所を横断するわけにはいかない。<br /> さて、どうしよう?<br /> しばし立ち尽くす私たち。

     まっすぐ進み続けると、車が往来する国道1号線に出てしまった。
     道の駅は見えるが、道路の向こう側だ。
     こんな場所を横断するわけにはいかない。
     さて、どうしよう?
     しばし立ち尽くす私たち。

  •  これまで歩いて来たコースを白線で示してみた。<br /> 現在残っている『つたの細道』は案外短い道だった。<br /> 最後も動画(後編)でまとめます。<br />https://youtu.be/neCgjcVjtJg

     これまで歩いて来たコースを白線で示してみた。
     現在残っている『つたの細道』は案外短い道だった。
     最後も動画(後編)でまとめます。
    https://youtu.be/neCgjcVjtJg

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