ヘルシンキ かもめ食堂と多崎つくる的なひとり旅③日帰りでタリン編

2020/01/11 - 2020/01/11

漠然と1度は行ってみたいと思っていたヘルシンキ。昨年秋に旅の猛者である友人2人よりヘルシンキ旅の体験談聞くうちにもう興奮してしまい･･･2人と会った後もヘルシンキへの思いは強くなるばかり、恋だわ･･･我慢できずに当時予定したブタペスト行きをキャンセルして、ヘルシンキ行きの航空券、ブッキングでホテルを押さえちゃいました。
予習を兼ねてお正月休みにかもめ食堂を再度観て「やはりいい。」と唸りました。と、同時にギリギリで村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」にもフィンランドがでてくることに気づいてしまいました。（1度読んでたのに覚えてなかったし、本も実家にある。）これは読むしかないでしょ、と急いでネットで古本（ここ大切。）を注文し、出発の三日前から読み始め、当日成田空港で読了。そんなわけで下調べは不十分ながら気持ちはかなり盛り上がって出発しました。

エリア タリン(エストニア)

• 旅行の満足度: 5.0

• 交通手段: 船

タリン行きは何となく旅行前から考えていたのですが具体的な事は事前には何も用意せず。ヘルシンキ滞在初日に時差ボケで夜中に起きたのでタリン計画を考えることにしました。そして天気予報も考慮して今日の日に設定にしました。ネットで船の検索をすると何社か候補が出ました。時間が1番いい感じのこちらのエケロラインの便にすることに。日本円を選びカード決済、往復6183円也。他の会社より安かったです。確認メールは日本語バージョンも来たからわかりやすくて良かったです。行き当たりばったりでも何とかなるなあ、と思いました。
そしてスマホを変えたのを期に、AmazonでThreeのSIMを購入したので、ヘルシンキだけでなくタリンでもそのままネットが使えて本当に良かったです。

私、当日の朝、船の出航時間を何故か10時くらいと勘違いしておりました。朝ごはんを食べに行こうと思って念の為確認したら9時じゃんよ。30分前にチェックインしないとだから「朝ごはん食べてる場合じゃない！」と急いで西ターミナルの行き方を調べ、トラムに乗りました。検索より時間がかかった上にターミナルより離れたトラムの停留所を使うルートだったのでトラムを降りてからも少し歩かねばなりません。方向を一瞬見失いまだ暗く人がいないこともあり焦りが募る･･･たまたま犬を散歩している女性を発見。聞いてみたところ丁寧に教えていただきました。
無事に西ターミナルに到着。チェックインに予約メール画面を見せようとした所、パスポートだけで良いとのこと。帰りのチケットも出してもらいました。超あっさり。
チケットを自動改札でかざします。船に乗る前にペットボトルを買ったら3.5ユーロでもうびっくり。

ちょうど日の出と重なりますので寒いですがデッキに出てみました。東の空が赤く染まって綺麗です。

背後の空はまだ月が。写真よりも綺麗で大きく見えました。

時間の経過で空の色が変化するのを楽しみ、白っぽくなった所で満足して船内へ。
人がワサワサ沢山いたのであまり動き回らず空いてたベンチに座りました。結構地べた座りしてる人が多かったしラッキーだったかも。

タリン上陸。あ、ヘルシンキと違う、と直ぐに思いました。

ふとっちょマルガレータ。かわいいネーミング。だれが和訳するときにふとっちょにしたんだろうか。海側の攻撃からタリンを守る防衛塔だそうです。

エストニア海洋博物館 博物館・美術館・ギャラリー

1362年に建てられた商館「三姉妹」。こちらもネーミングが素敵。今はホテルとか？泊まってみたいです。

三人姉妹 史跡・遺跡

旧市街らしい小路に感動。ヘルシンキから2時間船に乗ったら全然違う風景に出会えるのね。

聖オラフ教会。屋根の色と形が素敵。別の展望台からこの屋根がきれいに見えました。冬場は塔に上ることができないので見るだけです。

聖オラフ教会の塔 建造物

お昼はkompressorと言うパンケーキやさんへ。なかなかの人気店のようで混んでいましたが怯んでなるものかと突き進む。こちらではまずカウンターでオーダーをし、ドリンクは渡されて席に座って待っていると注文したパンケーキが運ばれます。最初にコートを置いて席を確保。メニューを見ながら列に並びました。席に着くと男子がエストニア語で「いいですか？」みたいに聞いてきたのでどうぞとジェスチャーで答え相席に。私がオーダーしたのはマッシュルームとブルーチーズのパンケーキ。厚めのクレープみたいです。そして周りを見渡すと現地の人、もしくは西洋人ばかり。「キター！」と心で叫び「色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年」文春文庫295～296ページを開きます。主人公つくるがヘルシンキで1人でピザを食べるシーン、私はここの描写にすごく惹かれたのです！「孤立の二重否定」、「異邦人である彼がここで孤立していることは完全に理にかなっている。」を読みながらつくる同様に「自分は正しい場所にいるのだ」の気持ちを味わう。舞台のヘルシンキじゃなくタリンだけどね。完全に、悦に入りました。
パンケーキはすごいボリュームでゆっくりゆっくりフォークを進めます。

コンプレッサー カフェ

お腹一杯でまた旧市街を歩きます。
途中このみつあみちゃんに何回か出会いました。私の読みだとタリンの手編みのニットを扱うお店にいたような…こちらのお店、タリンで入ったお店の中で私は一番素敵だと思いました。お店のおばあちゃんがとても温かく接してくれたし、ニット製品は厚みがあって丁寧に作られているなーと感じました。ミトンの手袋がかわいくて「小さいサイズはありますか？」と聞くと「みんな違うサイズだから一つ一つ見てね。」と一緒に小さいのを探してくれました。18ユーロの手袋を選び20ユーロ札を出したら「これはエストニアのコイン。」と2ユーロコインを渡してくれました。うれしくてお財布の小さなポケットに別に入れて取っておくことにしました。

塔に上らずともこちらの展望台から絶景を望むことができました。先日行ったポルトの街も魔女の宅急便の舞台とありましたがこちらもそういわれているようです。ポルトやチェスキークルムロフを彷彿とさせるなあ。タリンはさらにこじんまりしていてかわいらしいです。

コフトウッツァ展望台 建造物

あそこの二股に分かれているところの通りと建物！味があるー。

すごく寒いのでホットワイン（グロッギ）も飲んでみました。以前に益田ミリさんの「美しいものを見に行くツアーひとり参加」でドイツのクリスマスマーケットでホットワインを飲んだことが書かれてあり、私もヨーロッパで、いつか飲んでみたいと憧れていました。

スパイシーで甘くて美味しかったです！寒い中湯気を立てながらちびちび飲んでいると私ってほんとに自由だなー、と幸せがこみあげてくる。

さて散策再開。アレクサンドリーネフスキー大聖堂。玉ねぎドームがロシアらしい。ウィキペディアによれば多くのエストニア人からロシア支配を想起させるものとして嫌われているとか…

アレクサンドル ネフスキー大聖堂 寺院・教会

トーンペア城とのっぽのヘルマン。また来ました、かわいいネーミングシリーズ。
ヘルマン塔に掲げられた国旗はこの国を統治するという伝統があってすごく重要な意味を持つそうです。恥ずかしながらエストニアの国旗を今回の旅行で初めて知りましたがクールで素敵です。

歩くたびに美しい景色が現れる。重厚感のある要塞…

キーク イン デ キョク 博物館・美術館・ギャラリー

タリンのかもめは人に慣れているみたい。

散策の合間でふらっとニットや手工芸のお店を覗くのがまた楽しいです。
織物のネクタイとか蝶ネクタイ、かわいいー！日本では実用的ではないだろうけど…

毛糸を見るだけでもわくわくする。

靴下がたくさん！こんなかわいい靴下に足を突っ込むなんてかわいそうでできないかも。もうオブジェですよ…

広場に出ました。1月ですがクリスマスツリーが。本当にきれいな街並みです。
近くに観光案内所があってとても分かりやすい日本語パンフをもらいました。散策にはほとんどグーグルマップを使いましたが、旅行を振り返ったときにこのパンフレットで復習ができました。何せノープランでガイドブックもほとんど見てきませんでしたので…

ラエコヤ広場 広場・公園

またもフラフラとニットのお店にすいよせられていきます…
一つのお店でニットスカートと息子用の指が開いた手袋を買いました。ちょうどセールで安かった！はて、夏の時期にはこういうお店では何を売っているんでしょう…

こちらはセーターの壁！少し値段もお安いようです。こんな壁が日本にもあったらいいのに。

そして近くのスーパーで食べ物のお土産をたくさん買いました。ヘルシンキよりずいぶん物価は安いようです。ちょっと重いけど水も買っておく…。

セーターの壁 専門店

もう暗くなってきたし、荷物もずいぶん重くなってきたので早めに港に戻ることに。お花屋さんがずらーと並んでいてとてもかわいかったです。

20分ほど歩いて港に着きました。道中とても寒かった。ヘルシンキより気温が低いようです。確か－５℃くらいでした。

タリン港 船系

ずいぶん早く着いたと思ったらすでにたくさんの人が。みなさん、カートに箱買いした荷物を大量にお持ちです。物価の高いヘルシンキからタリンに買い出しに来る人がけっこういるようです。ただ、酒飲みでない私にとってはビールの箱をどっさり運ぶ人を見て「そこまでして飲みたいか。」とちょっと思ってしまいました…
帰りも行きと同様に歩き回らず早めにベンチを確保。タリンのスーパーで買ったサンドイッチを食べましたが大きすぎて途中で断念しました。
ヘルシンキの西ターミナルに着くと雨が！でも外国の人はやっぱりあまり傘をささないのね…ギッチギチに混んでいる7番トラムに乗り込み頑張ってホテルに戻りました。リュックが重くてもう肩がちぎれそうでした…

タリンのスーパーで買ったもの。実はヌードルをもっと買っているの…恥ずかしいから写真では１パックだけ。

Scandic Hakaniemi ホテル

このミトンすごくかわいい！使えないかも…スマホばっかやっている息子には指が開いた手袋を。こちらはセールで5ユーロ、安い！ニットのスカートなんて年甲斐のない物も衝動買いしましたがなんとか膝が隠れるしありでしょうか。日本に戻って恥ずかしくなったら家で防寒用に履くことにします。家でかわいい服を着るということも大切だしね。
ああ、初めて船で国境越えをしちゃった！また新しい世界に踏み入れたなあと大満足。明日は遅ればせながらがっつりヘルシンキの街を巡ろうと思います。

この旅行記へのコメント （7）

• ことりsweetさん 2021/10/21 08:38:59

  はじめまして

  よよさん、
  
  タリン、ヘルシンキの記事が懐かしくて
  記事を読ませていただきました。
  
  タリンは観光もよかったですが
  やはり手工芸のお店が楽しかったです。
  広場でのマーケットや路面店でのフェルト製品、ニット製品と
  色々見つけました。
  
  私も編み込みのミトン買いましたが
  風の強い日だとスースーしてあまり防寒にはならないのですよね。
  あれはオブジェとしてとてもほっこりします。
  ニットのジャケットとかもよかったです。
  セーターの壁でおばさんにカーディガンを
  勧められのもいい思い出です。
  
  ヘルシンキでのアラビアもよかったですね。
  私も買い物のの時間しか取れませんでしたが
  どれを選ぶか、重さはどうかすごく悩みました。
  
  そしてマリメッコ。こちらは駅からちょっと遠いですよね。
  いい柄の生地がありましたね。
  狙っていた安売りの生地は全然いいのが残っていませんでした。
  あるもので何とかお気に入りを見つけました。
  マリメッコの食堂でランチできたのも羨ましいです。
  
  よよさんは手芸をされるのですね。
  マリメッコ生地を使った作品が可愛いです♪
  記事、楽しませていただきました。
  またヘルシンキ、タリンを再訪したくなりました。
  
  ではこの辺で。
  ことりsweet
  

  よよさん からの返信 2021/10/21 22:01:37

  Re: はじめまして

  ことりsweetさん
  
  はじめまして！旅行記をたくさん読んでいただきありがとうございます(^^)
  
  タリン、ヘルシンキ行かれたんですね！タリンの手工芸のかわいさを分かち合えて嬉しいです。実はミトンまだもったいなくておろしてないんですよー。眺めてニヤニヤしてます。こうなったらオブジェだと思うことにします。カーディガンやセーターも今考えると買えばよかったです(^_^;)
  
  マリメッコやアラビアもすごく良かったんですがコロナ禍で今は日本の手工芸に目覚めたんですよー。日本にも素敵なものがたくさんありますね。先日は島根の器をたくさん仕入れてきましたよ。マリメッコの布も可愛いのですが、福島の刺し子織りなども素晴らしくてうっとりします。
  
  ことりさんの旅行記にも遊びに行きますね！
  
  よよ

  ことりsweetさん からの返信 2021/10/22 20:32:28

  Re: はじめまして

  よよさん、こんばんは。
  
  ミトン、ふわふわで暖かそうです～。私は編み込みの柄で
  選んで防寒では選んでなくてちょっと寒い。。。
  セーターの壁の叔母さんに説明してもらった編み込みカーディガン、
  諦めちゃったけど思い返すと残念です。
  
  国内の手工芸もお好きなんですね。
  私も昨年8月に初めて島根行きました。
  あちらも工芸の地域ですよね。
  私は器は見なかったのですが、今頃スリップウェアとか
  気になってます。
  そして青森のこぎん刺しも私は気に入ってます。
  その時は小物しかゲットしなかったのですが、
  また探したいな～って思います。
  福島の刺し子も好きな工芸品です。
  
  工芸を通してみる旅、私も好きです。
  
  ことりsweet
  
  
  
  
  
  
  

  よよさん からの返信 2021/10/23 19:08:47

  Re: はじめまして

  ことりsweetさん
  
  わー！わかります、手工芸を見るのが旅の楽しい目的の一つですよね！というよりメイン目的かもしれません！
  
  こぎん、かわいいですよね。私もやってみようとブローチのキットを買ったらできませんでした(._.)
  
  青森はまだ行ったことなくて早めに行きたいです！こぎんは大物はお値段もしますし慎重になりますね。ブローチやペンダントちょっとするだけでもかわいいですよねえ。
  
  早く私のこぎんグッズに出会う旅がしたくなりましたよー。
  
  よよ
  

  ことりsweetさん からの返信 2021/10/23 22:04:01

  RE: Re: はじめまして

  よよさん、こんばんは。
  
  フォローありがとうございます！
  >
  > わー！わかります、手工芸を見るのが旅の楽しい目的の一つですよね！というよりメイン目的かもしれません！
  
  そうなんです。
  私の旅の目的はその国、地域の手工芸と出会うこと。
  
  青森のこぎん刺しも素敵です。
  それと佐賀もいいですよ。
  是非出かけてみて下さい！
  
  ではまた〜
  ことりsweet

• さくえもんさん 2020/01/27 11:18:49

  はじめまして！

  旅行記楽しませていただいています。
  私は昨年の3月にヘルシンキとストックホルムに一人旅してきました。
  
  真冬のヘルシンキとタリン、雪はないのですね。以前2度目のタリンというNHKの旅番組で見たタリンは雪ですごく寒そうだったので。
  
  私も飛行機で出会われたお姉さまみたいに一人のホテルの部屋が怖いので（特に夜）夏の白夜の日暮れが遅い時期にはまた行けるかなと、よよさんの旅行記を拝見しながら思いました！
  よよさんの知的で面白い文章、憧れます♪

  よよさん からの返信 2020/01/27 19:15:32

  Re: はじめまして！

  さく衛門さん、なんて、嬉しいメッセージ！ありがとうございます。
  
  ストックホルムも行かれたとは！すてきー。私は北欧は物価が高くて恐ろしいと思ってたけど、ヘルシンキが大好きになりまた行きたいんです！ストックホルムも調べてみます。
  
  今回はヘルシンキはそんなにさむくなかったなあ。雪もなかったし。タリンはマイナス5度位で意外と路面も凍結していてヒヤッとしたりしました。でも中世の街並みやハンドメイド作品が可愛くて本当に良かったです。
  
  あとでさくえもんさんの旅行記も見に行きます、絶対！
  
  取り急ぎお礼です(*^_^*)