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 かつての大平山(標高は162m~164mの範囲)は鎌倉市・横浜市の最高峰であり、山頂に今の天園ハイキングコースとなっている旧街道(と市境線)が通っていた。また、ここから今泉不動(称名寺)に下る街道が分岐していた。この地域の最高峰であるために見晴らしが良く、安房・上総・下総・武蔵・相模・伊豆の国々を望むことができることから六国峠と呼ばれていた。おそらくは富士見の名所だったに違いない。すなわち、現在天園ハイキングコースと呼ばれている旧街道にはおよそ等間隔で徧界一覧亭(瑞泉寺裏山)、大平山、勝上嶽(建長寺奥の院)と富士見のスポットが並んでいたはずだ。<br /> しかし、昭和38年(1963年)に鎌倉カントリークラブ(鎌倉CC)のクラブハウスからの眺望が妨げられるとして勝手に掘削され、平らな大平平になってしまった。当然、勝手に掘削した鎌倉CCの初代社長は鎌倉市から訴えられ、1年6か月の懲役刑を食らったという。<br /> かつての大平山が消滅してしまったために、六国峠も消滅し、鎌倉市・横浜市の最高峰も消滅してしまった。現在は天園休憩所下にある五差路を天園峠と呼び、公衆トイレ前のY字路や峠の茶屋跡のかつて「横浜市最高地点」のプレートが建てられていた地点には峠の名は付いていないようだ。<br /> 横浜市栄区上郷町にある通称「大平山」は、横浜市の最高地点とされ、標高159.4mあるとされている。昭和40年(1965年)の1/3,000の地形図(76-6 浄明寺)の等高線では158~160mになっている(ようだ)。ただし、天園峠の茶屋があった場所は、地図では中野町となっており、天園休憩所も中野町にあるように市境が不自然に南側にはみ出しているように思える。<br /> では、峠の茶屋跡の裏手の地点の頂きは標高159.4mあるのか?地元民の話ではかつて重機を持ち込んでこの峠の茶屋の裏手の地点の頂きを削っていたことがあったという。確かに、この場所は現在ではマウンドが立ち上がっているが、マウンドの上は北西側はなだらかに傾斜しており、峠の茶屋がなだらかな斜面になるように整地し、段差には階段を設けているように見受けられる。<br /> また、ここ通称「大平山」には国土地理院の基準点などは見当たらないようで、おそらくは、峠の茶屋があった時代に取り去られた可能性も高いだろう。あるいは、平成20年(2008年)当時は国土地理院の基準点(19599)があり、三角点測量成果データは標高157.70m(http://teishoin.net/blog/003053.html)とあったという。他にも、国土地理院データでは3級基準点:44302は153.317mという説もあったようだ。常識的には、ライオンズクラブが横浜開港150周年(2009年)記念で建てた立派な横浜市の最高地点のプレートが移されている場所は、平成21年(2009年)当時にあったであろう国土地理院の基準点をもとに標高を159.4mとしたのであろうか?<br />(表紙写真は通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡)

通称「大平山」-2019年師走

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2019/12/16 - 2019/12/16

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 かつての大平山(標高は162m~164mの範囲)は鎌倉市・横浜市の最高峰であり、山頂に今の天園ハイキングコースとなっている旧街道(と市境線)が通っていた。また、ここから今泉不動(称名寺)に下る街道が分岐していた。この地域の最高峰であるために見晴らしが良く、安房・上総・下総・武蔵・相模・伊豆の国々を望むことができることから六国峠と呼ばれていた。おそらくは富士見の名所だったに違いない。すなわち、現在天園ハイキングコースと呼ばれている旧街道にはおよそ等間隔で徧界一覧亭(瑞泉寺裏山)、大平山、勝上嶽(建長寺奥の院)と富士見のスポットが並んでいたはずだ。
 しかし、昭和38年(1963年)に鎌倉カントリークラブ(鎌倉CC)のクラブハウスからの眺望が妨げられるとして勝手に掘削され、平らな大平平になってしまった。当然、勝手に掘削した鎌倉CCの初代社長は鎌倉市から訴えられ、1年6か月の懲役刑を食らったという。
 かつての大平山が消滅してしまったために、六国峠も消滅し、鎌倉市・横浜市の最高峰も消滅してしまった。現在は天園休憩所下にある五差路を天園峠と呼び、公衆トイレ前のY字路や峠の茶屋跡のかつて「横浜市最高地点」のプレートが建てられていた地点には峠の名は付いていないようだ。
 横浜市栄区上郷町にある通称「大平山」は、横浜市の最高地点とされ、標高159.4mあるとされている。昭和40年(1965年)の1/3,000の地形図(76-6 浄明寺)の等高線では158~160mになっている(ようだ)。ただし、天園峠の茶屋があった場所は、地図では中野町となっており、天園休憩所も中野町にあるように市境が不自然に南側にはみ出しているように思える。
 では、峠の茶屋跡の裏手の地点の頂きは標高159.4mあるのか?地元民の話ではかつて重機を持ち込んでこの峠の茶屋の裏手の地点の頂きを削っていたことがあったという。確かに、この場所は現在ではマウンドが立ち上がっているが、マウンドの上は北西側はなだらかに傾斜しており、峠の茶屋がなだらかな斜面になるように整地し、段差には階段を設けているように見受けられる。
 また、ここ通称「大平山」には国土地理院の基準点などは見当たらないようで、おそらくは、峠の茶屋があった時代に取り去られた可能性も高いだろう。あるいは、平成20年(2008年)当時は国土地理院の基準点(19599)があり、三角点測量成果データは標高157.70m(http://teishoin.net/blog/003053.html)とあったという。他にも、国土地理院データでは3級基準点:44302は153.317mという説もあったようだ。常識的には、ライオンズクラブが横浜開港150周年(2009年)記念で建てた立派な横浜市の最高地点のプレートが移されている場所は、平成21年(2009年)当時にあったであろう国土地理院の基準点をもとに標高を159.4mとしたのであろうか?
(表紙写真は通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡)

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡から見る富士山。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡から見る富士山。

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡。なだらかな広場になっている。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡。なだらかな広場になっている。

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡。左に「横浜市最高地点」のプレート。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡。左に「横浜市最高地点」のプレート。

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡に移された「横浜市最高地点」のプレート。この辺りには国土地理院の基準点が見当たらないので正確な標高は確かめられてはいない。<br />このプレートにある「高度:159.4m」とは、10mの等高線では150mより高く、160mには届かない。あるいは、四捨五入してm単位で表記した場合には159mとなる。こうした意図的な感じさえする標高で、150m代の最大値でもある。「高度:159.5m」ではこうはいかない。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡に移された「横浜市最高地点」のプレート。この辺りには国土地理院の基準点が見当たらないので正確な標高は確かめられてはいない。
    このプレートにある「高度:159.4m」とは、10mの等高線では150mより高く、160mには届かない。あるいは、四捨五入してm単位で表記した場合には159mとなる。こうした意図的な感じさえする標高で、150m代の最大値でもある。「高度:159.5m」ではこうはいかない。

  • 「横浜市最高地点」のプレートの右には市境の石柱か。平成14年(2002年)に鎌倉市と横浜市の市境が確定した後に打たれたものか?

    「横浜市最高地点」のプレートの右には市境の石柱か。平成14年(2002年)に鎌倉市と横浜市の市境が確定した後に打たれたものか?

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド。

  • 通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド前の広場。

    通称「大平山」と呼ばれる峠の茶屋跡の裏手にあるマウンド前の広場。

  • つい最近に建てられた横浜市栄区の地図看板。

    つい最近に建てられた横浜市栄区の地図看板。

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