2019/02/21 - 2019/02/28
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タヌキを連れた布袋(ほてい)さん
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「この港からおキクは馬車に揺られて,椰子やゴムの木の並木道を通り,小一時間でクランの町に着いた。おキクの長くつらい旅はやっと終った。クランは今でこそ人口二十万程のちょっとした都市だが,おキクの頃は農園や鉱山に囲まれた田舎町であった。日本人はカランと発音し,中国人は巴生の字を当てている。
もちろん当時のクランにも200人程の日本人がおり,おキクが着いた大正5年(1916)には『カラン日本人会』がつくられ,のちには日本人墓地も開かれている。」
「おキクが買われたのは,クランの当時のマライ・ステレツ(ストリートのからゆきなまり)にあった二〇番娼館である。『サンダカン八番娼館』で知られたように,娼館は番号だけで,日本式の『花月楼』のような屋号はなかった。このマライ・ステレツがいわゆる色街で,後衛(裏通りの意)とも称され,当時の支那人(今の中国人)の娼家がズラリと並んでいたが,日本人の店も五,六軒あったという。二〇番には六人ほどの日本人娘がいた。」
「『マライ語はすぐ覚えたんよ。でも支那語はむずかしかったねぇ。英語はまあまあしゃべれるけどね』
言葉を覚えなきゃ商売にならない。おキクはマライ語(マレー語)は日本語と同じように,よどみなく話せるようになった。年若く渡ったからゆきさん程,早く言葉をしゃべれるようになった。」
「牧師の木村清松は,『世界一周伝道旅行』で述べている。
『赤煉瓦のような二階建に,JAPANESE HOTELと大きく書かれ,ローマ数字で家の番号が打ってある。さて,こんなところにいる女どものようすは実に見られたものではない。言葉をかけるのも汚らわしい』
どんな女たちが,なにゆえに,ここにいるのだろう,とは考えてみなかったのだろうか。何が牧師だ,何がキリスト教だ,と天邪鬼な私なんぞはひねてもみたくもなる。が,これが日本人のふつうの反応でもあったのだ。
明治も末の41年に,報知新聞紙上で嘆く津田梅子の反応もそうだ。
『日本は日露戦争に勝って尊敬されているのに,このような醜業婦のために日本人は劣等だと軽視されているのは残念だ』」
「からゆきさんの多くは,おキクやおユキのように十五,六で売られ,三,四年も稼がされた頃には,熱帯特有のマラリアや風土病,あるいは性病にやられてバタバタ斃れていった。私は何百というからゆきさんの墓石や木の墓標を調べてきたが,平均21.6歳で亡くなっている。」
大場昇著「からゆきさんおキクの生涯」(明石書店)より
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 2.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 3.0
- 交通
- 2.5
- 同行者
- その他
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
KLセントラル駅からKTMコミュータに乗って,西へ走ること約1時間。
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列車はクラン駅に停車。ここで下車する。
列車はさらに進んで,終着ポート・クラン駅まで行く。 -
クラン駅前。古い下町の風情が漂っていて,街歩きが面白そうだ。
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マラッカ名物の鶏飯団(鶏飯粒)。クランにもあるのか。
思わず食指が動くが,今は駄目だ。今日は「肉骨茶発祥の地」としてのクランにやって来たのだ。 -
クラン駅を出て左(西)へまっすぐ進むと,高架道路の橋桁に行き当たる。
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その脇に,一軒の肉骨茶店があった。
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「クランの橋の下のBKT」という感じだろうか。
肉骨茶発祥の店のひとつに数えられる有名店だと思うが,看板は「Since 1979」と抑えた表記になっている。 -
ひと目で親子と判る店主たち。
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店は大盛況で満席。
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この店に入るのは諦めて,橋を渡る。
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クラン川の風景。
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橋を渡りきると,MYDINのモールとその北側にやや大型のホテルがあり,
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その近くの大きな樹の下に,肉骨茶の店があった。
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四眼仔肉骨茶(Four Eye BKT)。
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メニューと営業時間。(1MYR=約28円)
拙い字だが,華人も三世,四世くらいになると漢字を書く機会が少なくなるのかも知れない。 -
ローカルな肉骨茶店のテーブルの上はこんな感じ。
醤油差しが2つあるが,ひとつ(赤の容器)はケチャップアシン(生抽醤油)で,もうひとつ(青の容器)はケチャップマニス(甜醤油)だ。
ケチャップマニスは,カラメルソースと鰻のたれを混ぜたようなごく甘いものだ。
ケチャップアシンは日本の淡口醤油に似た中国醤油で,肉骨茶を食べるときはこちらを使うのが一般的だと思う。 -
店員がカゴなどに色々な種類の中国茶のパックを入れて売りに来るので,好きなものを一包取る。
肉骨茶には,普洱茶か烏龍茶が合うと思う。 -
テーブルの近くに,火にかけられている薬缶があるのはずなので,
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使用する小皿,カトラリー,箸,湯呑み(茶杯)をボウル(あるいは洗面器)に入れ,そこに薬缶の熱湯を注ぎ入れる。
しばらく熱湯に漬けて,気が済んだら箸やカトラリーを使って食器を熱湯から引き上げる。
ここはくれぐれも火傷しないように注意。店によっては店員がやってくれることもあるので,できるだけ任せるべし。旅先での怪我は非常に面倒だ。 -
急須(茶壺)に茶葉を入れ,薬缶の熱湯を注ぎ,すぐに急須の湯を全部ボウル(洗面器)に捨てる。これを「洗茶」という。
急須の洗浄については,
*他の食器と一緒にボウル(洗面器)の中で洗浄する人
*茶葉を入れる前に,一度急須に熱湯を注いで捨てる人
*上記の洗茶をもって急須の洗浄を兼ねる人
というように様々である。洗茶をしない人だっている。要するに気分次第で,各人が気の済むようにやればよい。 -
洗茶が終わったら,再び急須に湯を満たして蒸らし,湯呑みに茶を注ぐ。
-
急須に茶が残らないように,余分の湯呑みを使って全部注ぎきる。通常,急須一杯の茶は湯呑6杯分くらいの量になる。
そのため,もしテーブルに用意されている湯呑みの数が少なければ急須の茶を注ぎきることができないわけだが,それはそれで気にしなくてよい(そういうことはよくある)。別に茶芸をしているわけではないので,余った急須の茶が濃くなり過ぎたら湯で割るなりして適当に飲めばよい。
大事なのは,茶をたくさん飲むということだ。二煎目,三煎目と味の変化を楽しむためには,一人あたり最低5杯くらいの茶を飲まなければならない計算になる。 -
熱湯洗浄した小皿に醤油を差し,薬味のきざみニンニクときざみ唐辛子を好みに入れてつけだれを作る。
湯肉骨茶(Soup BKT)の具材(肉)は,これに浸して食べる。
ときどき,つけだれを作っていなかったり,薬味や醤油を直接肉骨茶の中へ入れたりしている日本人を見るので,念のために書いておく。
(もちろん,知った上で好きでそうするのなら全然構わないが。) -
やっと話が肉骨茶のところまで来た。これが↑スープ(湯)の肉骨茶。
この店のは湯葉がたくさん入っているのでスープの色が見えないが,クラン(巴生)風は老抽醤油で黒く染まったスープである。
スープはそのまま飲んでも,米飯にかけてもいい。油條(揚げパン)を投入してスープを吸わせて食べると美味しいが,これは結構腹に応えるのでほどほどにしておいたほうがいいかも知れない。
スープが減ってきたら,店員に言えば追加してくれる。何も言わなくても係の店員が追加しに回ってくる店もある。(店員が忙しくて追加してくれないこともよくある。) -
こちらはドライ(乾)の肉骨茶。
スープを煮飛ばすときに煮干しなどの乾物を入れるため,湯肉骨茶とはかなり異なった風味に仕上がる。 -
大いに満足して店を出た。
お勘定は一人あたり17MYRほど。(1MYR=約28円) -
さて,せっかくクランへ来たからには”肉骨茶密集地帯”と言われるパンダマランを訪れておきたい。
Googleマップに目を凝らすと,クラン中心部から「707番バス」というのに乗れば行けそうな感じがする。 -
MYDINモールの東側にバススタンドが点在しているようなので,707番バスを探し歩く。
しかし,見つからない。
そこら辺にいる人に聞いて回るのだが,確かな情報は得られない。 -
小一時間探して見つからず,諦めてタクシーに乗る。
パンダマランは広い地名なので,パンダマラン警察署を目的地にして行ってもらう。運賃は20MYR。メーターなし。(1MYR=約28円) -
パンダマラン警察署を通り過ぎた辺りで降車。
付近は夜に営業する屋台街のようになっていて,一部はランチ営業もしているようだった。 -
屋台街の通り(Jl.Chan Ah Choo)を北東方向へ歩く。
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すると,パンダマランの立派な牌楼が見えてきた。
牌楼をくぐると, -
すぐに肉骨茶の店が目に入った。
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また肉骨茶の店。
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またまた肉骨茶の店。
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付近一帯は肉骨茶だらけである。
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さすがのパンダマランだが,こんなに多いとどうしたらよいものか迷う。
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それで,今回はこのパンダマランにある「毛山稿」(現地の発音も音読みと同じモウサンコウ)の支店に入ってみることにする。
毛山稿では,福建のルーツに近い肉骨茶を出すと聞いている。 -
バス探しで時間を食ったせいで,すでに肉骨茶は残り少ない時間帯になってしまった。肉骨茶の大鍋はすでに傾けられている。
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ここでは烏龍茶を選ぶ。
ピンク色の洗面器の中にあるのは「茶海」と呼ばれるピッチャーで,急須の茶をいったん茶海に移してから湯呑み(茶杯)に注ぐことで,茶の濃さを一定にすることができる。
面倒なら使わなくてもよい。 -
この店の薬缶は,プロパンガスの上で湯気を吐いていた。
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毛山稿の肉骨茶は,小さな碗に入れて供された。
普通の肉骨茶とは,見かけからしてかなり違う。 -
上の肉をよけるとこんな感じ↑。汁の量がとても少なく,濃厚ギトギトであることが判る。
一般的なクラン式のスープ肉骨茶とは明らかに異なり,ドライ肉骨茶というわけでもない。もっと言えば,これはあらかじめ「肉骨茶」と言われていなければ別の料理だと思ってしまうかも知れない。
これが肉骨茶の原型に近い,いわば「福建式」の肉骨茶なのだろうか。
濃厚な汁は,そのまま飲むにはきついので,飯に混ぜて食べる。 -
やがて大鍋の肉骨茶は底をつき,店は午前中の営業を終了した。
お勘定は一人あたり13MYR。(1MYR=約28円) -
この支店は,もうすぐ近所に移転するようだ。
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店を出て,クラン中心部へ戻ろうとパンダマランのバス停へ行ってみるが,とても寂れている。
もしかしたら707番のバスは現在運行されていないのかもしれない。 -
そうなると,最寄りのKTMコミュータの駅まで歩くしかない。徒歩約3km。30分くらいで着くだろう。
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方向を見定めて歩き始めたら,運よく流しのタクシーが通りかかった。
KTMコミュータ「ジャランカスタム」駅まで10MYR,所要約10分。
同駅からKLセントラルまでの列車は,所要約1時間20分。車内はガラガラであった。 -
☆二大肉骨茶(バクテー)とは,シンガポールの白バクテーとクランの黒バクテー。どちらも肉骨茶発祥を名乗っている。
☆クランは,KLセントラルから鉄道で約1時間のところにある街(KTMコミュータ,乗換えなし)。多くの肉骨茶の店が点在している。駅から徒歩や公共交通機関で行くことができる店もあるが,車(タクシー)でないと訪れることが困難な店も相当ありそう。
☆肉骨茶密集地帯パンダマランへの公共交通機関は,今回は見つけることができなかった。
☆ローカルの肉骨茶はとても安い食べ物なので,タクシーに乗って食べに行くのは「酔狂」「病膏肓」の謗りを免れず,悩ましい。自家用車を使えるKL在住の人が羨ましい。
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