2019/08/31 - 2019/08/31
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walkingmanさん
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奇岩と修道院で有名なメテオラを訪ねました。岩山は険しい印象ですが、実際には整備された道が続くハイキングコースです。道中に展開されるのはニョキニョキと屹立する岩塊。人をよせつけぬ地形に建つ修道院群は、どうやって建てたのか不思議で、驚くばかりです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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奇岩の上に修道院が建つ光景が印象的なメテオラを訪ねました。
メテオラ観光の起点となる町はカランバカ。カランバカまではテッサロニキからバスで往復しました。KTEAというギリシャでも大きなバス会社。テッサロニキからは、途中、トリカラという町で乗換、3時間30分の行程です。ちなみに、チケットは往復で買うと安くなります。
ギリシャではバスがポピュラーな移動手段。テッサロニキのバスターミナルは国内はもとより、トルコやブルガリア方面へのバスも発着する大きな建物です。ドーム形の建物が特徴的です。 -
テッサロニキからトリカラ、更に乗り換えてカランバカへむかいます。カランバカを出てしばらく走るとバスの正面に岩山がドーンと見えてきて、「あれがメテオラか…」って思いました。圧倒的な存在感、非日常の風景に期待が高まります。
カランバカはメテオラ観光の拠点。小さい町ですが宿泊施設やレストランは揃っています。市街地の近くまで岩山がせまって、独特の景観です。 -
さて、メテオラの修道院巡りについてですが、多くの人はツアーかマイカーでまわるようです。でも僕はいつものように歩いてまわることを前提に旅程を考えます。
観光案内所で情報収集です。
メテオラにはいくつか修道院がありますが、観光客が訪れるのは主に6ヶ所。カランバカの町からすべての修道院をまわって戻るルートは、一周約17kmだそうです。
岩山でもあるし歩行だけでも6-7時間かかると見積りました(実際はそんなにかからなかった)。更に修道院を見学する時間(各修道院にはきつい階段があるらしい)を加算すると、9-10時間かかると予想しました。すべての修道院をまわれるかというと厳しそう。
なんだかんだと考えて、アギオスステファノス修道院までバスで行き、そこから歩いてカランバカまで戻るルートに決めました。バスを使う分時間が短縮できるので、これなら6つの修道院を巡ることもできそうだなと。
ちなみに、修道院ごとに閉館日、開場時間が違うので、メテオラを訪れる際は目的の修道院の開館日時には注意が必要です。 -
町の中心の広場。左端に写るのがバス停です。ここからメテオラ行きのバスに乗ります(広場からら3分程歩いた所にバスターミナルがあります。そこが始発なので、確実に座りたいなら、バスターミナルから乗車するのもありです)。
メテオラ行きのバスは一日4本しかありません。第1便は朝9時発。この広場のバス停には、09:10にやって来ました。
バスは途中の町カストラキで満員に。そのあとは各修道院の近くに停まります。乗客のほとんどがメガロメテオロン修道院で降りてしまいました。
僕は終点のアギオスステファノス修道院まで乗りました。なんと、終点で降りたのはたった3人だけ。着いたのは09:45でした。 -
アギオスステファノス修道院。聖堂は狭いです。正面のイコノスタシス(イコンをはめ込んだ扉のような大きさの板)は4面。大きな教会だと十数面あるので控えめ。壁には聖人の絵がびっしり隙間なく描かれています。藍色が目立ちます。数多くの聖人に見られているようで、威圧感を感じました。
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裏手にでるとよく手入れされた庭がありました。ここは尼僧院だそうで、女性ならではの清潔感が反映されているのかもしれません。
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眼下にはカランバカの町が広がっていました。
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このあとわかったのですが、メテオラの修道院はどこも小さく、アギオスステファノス修道院は比較的大きな方でした。ちょっと考えたらわかることですけど、修道院は岩山の上に建っているのですから、大きな建物は造れないはずですよね。
ちなみに、アギオスステファノス修道院はバスを降りたら目の前です。ここは唯一階段がほとんどない修道院なので、足に自信のない人にオススメです。 -
次のアギアトリアダ修道院にむかいます。道は広い舗装路。概ね緩やかでやや下り。
その途中、アギオスステファノス修道院を振り返ります。岩山の先っぽに建っているのがわかります。バス停は写真の左部分にあるので段差なく修道院に入れますが、メテオラの町、つまり右側から見ると崖の上にポツンと建っているように見えます。位置によって見え方がまったく異なるのがメテオラの魅力です。 -
岩と岩の隙間からカランバカの町が見えました。
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二つ目はアギアトリアダ修道院です。岩山の上に建っています。広い車道を離れて石が敷かれた遊歩道へ。ここは下り。修道院は岩の上なのに、どんどん下っていくのが残念。だってその分どこかで上るはめになるわけですから。
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下った後、階段で修道院まで上り。段数はありますが、歩きやすい階段でした。アギオスステファノス修道院からは徒歩20分でした。
アギアトリアダ修道院はアギオスステファノス修道院よりさらにひと回り小さめ。見ごたえはやや落ちる。 -
巻き上げ機がありました(他の修道院でも見られます)。崖の上にある修道院に荷物を運ぶのはたいへんな作業。そこで下界で調達した荷物を巻き上げ機で修道院に引き上げていただそうです。
使うときは主軸の穴に横棒を通し、それを押して主軸を回転させて、下界まで垂らしたロープを巻きつけて引き上げるようです。 -
ロープの先端にはこのように網がついていて、この中に荷物を入れました。荷物だけでなく人も吊り上げたのだとか。
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下を覗き込むと…。
怖い…。
この網の中にに入って引き上げてもらうなんて、怖すぎる。僕ならしんどくても修道院まで歩いて上がりたいと思います。実際に落下事故もあったそうです。でも修道士達は“ここで落ちて死んでも、それは神様が定めた運命”って考えてたらしいです。 -
車道に戻り次の修道院にむかいます。
しばらく進むと先程のアギアトリアダ修道院が見えてきます。この位置からだと屹立した岩にしか見えません。数百年前だと道なんてあってないような状態だったでしょうから、どうやって建材を運び、建物まで建てたのか不思議です。先程の巻き上げ機を使ったのでしょうが、そもそも、その巻き上げ機の部材を運び上げるだけでも大変な労力だったろうと。
近代文明?の活用でしょうか、修道院から隣の岩山までロープウェイがひかれていました。業務用で工事関係の人が乗っていましたが、観光客は乗れません。もっとも、僕は乗りたいとは思いませんが。 -
見れば見るほど凄い所に建っている。
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アギアトリアダ修道院の遠景。
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メテオラにはこんな岩山がいっぱい。
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これは何て名前の修道院だっけ…。
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道中、絶景ばかりでつい写真を撮りたくなる。おかげで先に進めない。
各修道院を結ぶ道はよく整備されていて、観光バスが通れるように道幅も広いです。歩道はあまりついていないのですが、道幅があるので側道歩きでも安心感があります。
ただ、ドライバーの中には脇見運転をしている人が結構多い。こっちがドライバーを見ていてもちっとも視線があわないのです。それがちょっと恐い。まあ、これだけの絶景が広がっていたら、僕だって脇見運転しちゃいますけど。 -
次のルサヌ修道院が見えてきました。アギアトリアダ修道院からは80分でした。もっとも、この間、写真を撮りまくっていたので、真面目に歩いたら1時間程だと思います。
ルサヌ修道院へも階段があります。写真のように渡り廊下のようなものがつけてあるので、崖下から登らなくてもよい。本来よりは少ない段数ですんでいると思います。 -
修道院内に一ヶ所エアコンがあって、冷たい風が出ていました。この日は暑くて日差しも強かった。だからエアコン前が離れがたく…。
ルサヌ修道院は小さめで印象はうすい。だからか、このエアコンが一番の思い出です。 -
裸で歩いている人もいました。勿論、この姿では修道院には入れません。彼らは修道院の前でズボンをはいてシャツを着てました。いちいち面倒だけど、これだけ暑いと裸になって歩きたいって気もわかります。修道院では短パンミニスカート、タンクトップは厳禁です。
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絶景の岩山にて。それにしても派手な服、どこの国の人なんだろうか。
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昼食は持参したパンとクッキーを齧りました。ヴァルラーム修道院とメガロメテオロン修道院の前には移動車があって簡単な食料と飲料を買うことができますが、食料持参が肝要です。歩く人はミネラルウォーターも充分用意したほうがいいでしょう。僕は1リットル用意しました。
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ルサヌ修道院からヴァルラーム修道院へむかいます。ここは歩いて30分でした。
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ヴァルラーム修道院の手前に長い車の列。駐車場ではおさまらず、縦列駐車の車が続いていました。
メテオラでは多くの人が自動車かツアーバスで観光してました。歩いていたのは数パーセントでした。 -
ヴァルラーム修道院へは階段が続きます。
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格好いい建物。
ここは他の修道院とは壁画の印象が異なりました。他の修道院は聖人の姿を並べて描かれていたものがほとんどですが、ここは聖書の場面のような絵があったりして、他とは少し違う雰囲気でした。カトリックの影響もあるのかな。
また、聖書や聖杯の展示、100年前の修道院の様子を撮影したショートムービーもありました。わずか3分程の映像ですが、修道士の生活が垣間見られて面白かったです。 -
ヴァルラーム修道院にむかう階段。メテオラ巡りは道が全区間よく整備されていて、階段も整えられていました。歩きやすい路面ばかりです。スニーカーで充分、トレッキングシューズとか、重装備は不要です。
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5番目はメガロメテオロン修道院。メテオラで最も大きな修道院です。階段はここがいちばん多かった。
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『地球の歩き方』には17時までとあったけど、15時閉館でした。僕は14:30に着いたので、ギリギリ間に合いました。道中、眺めのいい展望台とか岩山とか、修道院以外もあちこち寄り道してたので、もう一ヶ所寄り道してたら間に合わなかったのではと思うとラッキーでした。危ない危ない。
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こちらの修道院は広く、聖堂の他にも宝物、キッチンや樽、巻き上げ機など、色々な展示がありました。聖堂の絵も見ごたえがありました。テラスも気持ちが良くて、30分では足りなかったなあ。
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岩の下のちいさな祠に、たくさんのコインが備えられていました。
メテオラの修道院は残念ながらどこも撮影禁止。だからこんな祠の絵でも“写真に撮れるぞ”って撮ってしまいました。 -
メガロメテオロン修道院からカランバカ方面に戻ります。約7kmだそうです。大変そうに思いますが、下りなので苦になりません。
歩いていると、路上に籠が…。
上を見ると…。 -
修道院から鎖が垂れ下がっていました。ちょうどここはルサヌ修道院の下。いまでもこんなもので荷物を運んでるんですね。
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奇岩を見ながら歩きます。景色に力があるから、歩き疲れは感じませんでした。
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16:10、アギオスニコラオス修道院が見えてきました。
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看板を見てがっくり。16時閉館とあります。10分前に閉まっていました。
ガイドブックには17時閉館と書いてあったのですが…。まあ、しょうがない。 -
道に意味ありげな矢印。地図で確認するとこの道を通ってもカランバカに戻れるみたい。しかも近道。舗装路は離れて歩いてみます。非舗装ですが、歩きやすい道でした。
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岩山に不自然な穴。おそらく、かつて修道士が暮らした跡かと思われます。
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この岩も個性的な形。
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カランバカに戻ってきたのが17時。ビールがうまかった。
町からでもこんな奇岩が見えます。
歩いてメテオラの回り方。
僕はアギオスステファノス修道院でメテオラバスを降りてメガロメテオロン修道院にむかうルートを選択しましたが、バスを使わずにすべて歩く場合は8時頃にカランバカを出発しアギオスステファノス修道院を朝一番で訪れ、反時計回りのルートがいいと思います。
修道院は似た感じの所が多いので、入場する修道院を絞るという手もあります。時間と入場料が節約できます。個人的評価は、Aクラス(ヴァルラーム修道院、メガロメテオロン修道院)、Bクラス(アギオスステファノス修道院)、Cクラス(アギアトリアダ修道院、ルサヌ修道院)です。ただし、アギオスステファノス修道院だけは長い階段がないので、足に自信がない人は優先していいでしょう。
開館日時が修道院ごとにバラバラなので、自分が行かれる曜日を考慮してルートを検討する必要があります。カランバカの中央広場に観光案内所があるので、事前に確認したほうが安心です。
文中にも書きましたが、95%以上の人は車で回ってます。でも、歩ける人は歩いてほしいですね。歩いている間は単調と思われるかもしれませんが、次々現れる絶景で飽きません。好きな場所で立ち止まって雄大な風景を思う存分楽しめます。車でサッと通り過ぎるのはもったいないです。
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この旅行記へのコメント (1)
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- Noraさん 2020/01/14 01:54:49
- 簡潔、かつ詳細な旅行記、参考になります。
- 近々、これらの修道院を自分も歩きで回りたいと思っていますので、walkingmanさんの簡潔で読みやすい文章と状況がよくわかる写真ありがたいです。。アギアトリアダ修道院の荷物巻き上げ装置、いたく感銘しました。荷物を入れるミノムシ形状の縄袋がいいですねー!!それと修道士達は“ここで落ちて死んでも、それは神様が定めた運命”って考えてた。。なんだか禅的悟りの境地。。
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