一般公開していない「旧芦山浄水場」を見学

2019/09/14 - 2019/09/14

映画「アルキメデスの大戦」ロケ地巡りツアー、続いてやってきたのは楽しみにしていた「旧芦山浄水場」です。
本来この場所は一般公開していないため立ち入り禁止ということですが、このツアーでは特別にこちらの内部に入っての見学です。
この「旧芦山浄水場」は一般公開はしていないものの、撮影場所としてはよく使用されていて、今回の映画「アルキメデスの大戦」のほか、昨年話題になった映画「カメラを止めるな！」や人気ドラマ「相棒」の劇場版の撮影、また欅坂48のMV撮影をした場所でもあるそうです。

エリア 水戸(茨城)

映画「アルキメデスの大戦」公開記念ロケ地巡りツアー。
続いてやってきたのは、今回私が一番楽しみにしていた「旧芦山浄水場」です。
ここは昭和7年(1932)年に造られた水戸市で最初の浄水所なんだそうで、最大で一日に11,250?を給水していました。
門扉の中央にあるのは水戸らしく梅の模様になっているようですね。
残念ながら本来ここは一般公開しておらず、今回茨城県やいばらきフィルムコミッション並びに水戸市のバックアップでツアー見学が許可されたそうです。

入ってすぐの右手にあるこの建物は事務所棟だそうです。
丸みを帯びた事務室も珍しいのでは？

事務所棟を進むと草木に覆われていて目につきにくいですが、左手には噴水の跡のようなものがありました。
浄水場に勤務している人たちの憩いの場として設けられていたのでしょうか？

こちらの「旧芦山浄水場」は、戦火や震災にも耐えてきましたが、操業としては平成5（1993）年に終了しており、その後は放置されていたそうですが、数年前から撮影場所として貸し出しをはじめ、今では年間何件もの撮影がここで行われているのだとか。

映画「アルキメデスの大戦」でもこちらの建物の正面入口を背景に撮影をしています。
他にも特撮ヒーローものや「金田一少年の事件簿」などもここの正面で撮影したそうですよ。

建物正面入口の扉はドアノブが壊れていて現在は出入り出来ないようになっているので、内部に入るには建物右手後方に回る必要があります。

建物正面入口の右手には地下に続く階段がありましたが、もう使われずに何年も経ているからか、草や蔓で隠れてしまっています。

建物右手後方にやってきました。
現在はこちらのドアのみ出入り口が可能です。

建物入ってすぐ右手にあるのが、こちらの空間。
地下1階部分が吹き抜けになっていますね。
様々な機器類がそのまま残されています。

地下1階部分を覗き込むとこんな感じです。
シメントリーに造られた左右の階段で降りることが出来ます。

映画「アルキメデスの大戦」の中では、さきほどの内部右手にあった地下部分に戦艦大和の20分の1スケールの模型があり、それを櫂(菅田将暉さん)が目にして驚くシーンが撮影されました。
私たちツアー一行がこの建物内部に入ったドアは、上の画像にある櫂(菅田将暉さん)の後ろに見えるグレーのドアです。
下の画像にある平山中将(田中泯さん)の後ろにある柱の裏にポンプやモーターがあり、左手後方にはメーターなどの計器類があります。

滑車や柱の位置からだと、作中で櫂(菅田将暉さん)が立っていたのは、左側の柱に近い柵部分でしょうね。

たぶんですが、この手すりをつかんでいたんじゃないかと思われます。

柱にあったメモ(落書き)。
満水という文字があるから、水量の計算をするために柱に書いたものと思われます。

おそらく管理室(?!)でしょうか、中には入ることが出来なかったので、内部の様子はわかりませんでした。
階段が扇状になっているのが珍しい気がします。

管理室のドアの隣にはポンプやモーターが整列しています。
ロープで規制線が貼られているので、このモーター類のそばまでは行けませんが、それだけに当時のまま残されている感がありますよ。
天井の鉄骨部分も不思議と芸術的に見えますね。
背の高い黒い窓格子のある側がさきほど観た外観(正面入り口側)になります。

こちらはポンプやモーターを管理する計器類でしょうか?!
今は虫の声以外静寂そのものだけど、稼働していた時はモーター音がすごかったんでしょうね。

ポンプやモーターがある側から見た計器類。
今ならコンピューター制御でしょうが、当時は技師の人たちがいて、管理していたんだと思われます。

作中で大和の模型があった地下部分には実際に降りて見学することが出来ました。
せっかくなので地下に降りてみます。

この地下にあたるスペースでは戦隊ヒーローものの撮影はもちろん、欅坂46のMV撮影、「相棒 劇場版Ⅳ」の撮影も行われたそうですよ。

一見すると体重計のようにも見える機器。
何かのメーターでしょうか？

明り取りのために設けられた内部にあった窓は丸窓に十字のデザインがいいですね。

そしてこの部分でピンと来るでしょうか?!
昨年大ヒットした映画「カメラを止めるな！」のシーンはここで撮影されました！

入口のドアの対局から撮りました。
地下の丸窓が並ぶ隣にある扉部分が映画「カメラを止めるな！」に登場していた扉です。

正面に見える格子窓側が建物の正面側になります。
今回のツアーで立ち入りが許可されていたのは、この地下部分と地下部分をぐるっと取り囲む回廊部分になります。

内部の見学を終えて建物の外に出ます。
出入口の前に見えるこちらの階段。
特に何もないように見えます。

実際には階段を上がるとご覧のようなバルブのようなものがありました。
ここで水量を調節していたのでしょうか？？

階段を上がったところの右手にはこちらのメーターがあり、奥には段々になった棚田のような場所があります。
きっと操業時はここに水が引き込まれていたんでしょうね。

本来予定にはなかったのですが、建物の裏側に回ってもよいと許可が出ました。
昨年話題となった映画「カメラを止めるな！」のほとんどの場面がこの「旧芦山浄水場」で撮影されていたそうです。
そしてその作中にも登場した小屋がこちらです。

春に「カメラを止めるな！」の聖地巡りツアーが開催された時は募集人数よりはるかに多くの申し込みがあり、ツアーに参加出来なかった人たちがツアーを追いかけ、敷地外からツアーの様子を見守っていたのだとか......

「旧芦山浄水場」は一般公開されておらず、警戒も厳重に行われているそうで、基本的には見学したくでも出来ません。
ただ今回の「アルキメデスの大戦」や「カメラを止めるな！」のように、ここでロケを行った映画が公開した際には、ここの見学が組み込まれたロケ地巡りツアーが開催されることがあるようなので、そのチャンスを狙うのが良いと思います。

時間にして約1時間ほどの見学でした。
立ち入り出来るところも限られているので、1時間でもじっくり見学出来たほうだと思います。
「旧芦山浄水場」は見学したいと思っても、なかなか見学出来るような場所ではないので、ここの見学が出来ただけでもツアーに参加して良かったと思いました。