2019/07/31 - 2019/08/01
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funasanさん
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ニュルンベルクと聞けば、私の知っていることは、ワーグナーの歌劇『ニュルンベルクのマイスタージンガ―(名歌手)』と、第二次世界大戦後、この地で開かれたナチス戦犯に対する「ニュルンベルク裁判」、この2つだけである。
ただそれだけの知識だったが、ニュルンベルクはフランクフルトとミュンヘンの中間地点にあり、ICE特急でフランクフルトから約2時間、ミュンヘンから約1時間と誠にアクセスがいい。欧州鉄道旅行の途中経過地として都合がいいのではじめて訪れてみた。
ニュルンベルクの旧市街にはレンガ色の街並みや石畳みの坂道、教会やお城など、中世の時代をそのまま再現したようなロマンティックな街並みが残っている。予想以上に素晴らしかった。
驚くべきことに、第二次世界大戦でこの町の90%近くが破壊されてしまった。しかし、戦後、市民のボランティア等で昔どおりの姿に復興されたという。ドイツ人の郷土愛と歴史に対する執念に感心する。
写真:ニュルンベルクのフラウエン教会と中央広場
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まずはニュルンベルク中央駅(写真)に驚かされる。重厚で壮大、豪華で荘厳、単なる駅にこれだけの御殿を造る必要があるのか?とコスト重視の日本人(私)はふと思ってしまう。しかし、感動だあ!
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中央駅の目の前に「ルメリディアン・グランドホテル・ニュルンベルク」(写真)がある。1896年創業の由緒ある老舗ホテルでヨーロピアンムードに溢れる。マリオットのエリートメンバーとしてはここに泊まるのが王道であるが、残念ながらクラブラウンジがない。値段もそこそこ高く魅力半減なので遠慮しておいた。
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中央駅前、グランドホテル前に深い堀と城壁があり、その向こうにフラウェントーア塔という丸い大きな見張り塔(写真)が建っている。ここが旧市街への入口である。
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旧市街に入ると、いきなりテーマパークの如く、楽しい路地になる。狭い小道の両側に多数のカフェ、ショップが店を開き、大勢の人々が行き交う。
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ここは「職人広場」(写真)と呼ばれる狭い一区画で中世のニュルンベルクの世界を再現している。
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人形、アクセサリー、アンティークショップ、手作りの品々を売る店が集まっているので、お土産を買うのに最適の場所だ。
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観光客も地元の人もここを通って中央駅から旧市街に入るので、いつでも賑わっている。ヨーロッパの雑貨が好きな人にはたまらない場所であろう。
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夕方になると、旧市街から中央駅に向かう仕事帰りの地元の人達がここで、「ビールでも一杯」となる。おつまみは「ニュルンベルガー・ソーセージ」、こんな楽しい時を毎日過ごせるニュルンベルクの人達は幸せだ。
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ニュルンベルクの人口は約52万人(2018年)と結構大きいが、市内の中心部(旧市街)はギュッと詰まっていて、全長5Kmにわたる城壁で囲まれている。よって、徒歩観光が可能である。
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職人広場を抜けると旧市街の大通り「ケー二ヒ通り」(写真)になる。丸い見張り塔から聖ローレンツ教会まで続き途中から歩行者天国になる。
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歩道が広くとってあり、オープンカフェはじめ様々な露店が店を構える。新鮮なフルーツがいっぱい並べてある。近くの森からベリー類が沢山採れるのか、山盛りになっている。
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さて、ケーニヒ通りを歩いてみよう。何だか凄い建物(写真)の連続で嬉しくなってくる。ホテルかオフィスか、1階(グランド階)には様々な店が軒を構える。
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ケーニヒ通りは途中から歩行者天国(写真)となり、まるでデズニーランドに来たような楽しい雰囲気になる。ここは日本のテーマパークではなく、本物のドイツ・ニュルンベルクだ。
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ケーニヒ通りの右側にも重厚な建物(写真)の連続で、近くで見てみると、インド料理店、スーパーマーケット、メガネ店、保険会社等、色々な店が入っている。
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ニュルンベルクの建物の多くに「幼少のキリストを抱く聖母マリア像」(写真)が飾ってある。ドイツ・バイエルン州では聖母マリア崇拝があるようである。
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ケーニヒ通りは「聖ローレンツ教会」(写真)でクライマックスを迎える。1270年から1477年にかけて建てられたゴシック様式の巨大な教会。天にそびえる2つの尖塔が美しい。
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聖ローレンツ教会の内部(写真)も荘厳!この教会が中世に200年間もかけて建設されたことは驚きだ。第二次世界大戦でこの教会も破壊されたのであろうか?そして、その廃墟から、今、私が見ている本物の聖ローレンツ教会を中世のままに復活させたのであろうか?
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ニュルンベルクの旧市街の中心にペグニッツ川(写真)が流れている。この川を谷とし、北と南が穏やかな丘になっている。南が中央駅で北が古城カイザーブルク。
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ペグニッツ川を渡るとすぐに中央広場に着く。その広場に君臨するように「フラウエン教会」(写真)が建っている。Frauen(フラウエン)とはドイツ語の夫人の意味でフラウエン教会とは聖母教会である。
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教会内部(写真)に入って一休みする。ここで、ふと、同じ名前のフラウエン教会に行ったことがあることを思い出した。それはドイツ・ドレスデンのフラウエン教会だった。
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忘れもしない今から4年前、2015年の夏、妻とドイツ(ベルリン)チェコ(プラハ)オーストリア(ウィーン)を鉄道旅行した時にドレスデンに滞在し、フラウエン教会(写真)とご対面した。全身に鳥肌が立つほど感動したが、この教会のみならず、ドレスデンの奇跡の復活劇が素晴らしい。
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詳しくは、以下の私のドレスデンの旅行記(写真)を参照して頂きたいが、ドレスデンも第二次世界大戦で壊滅的な被害を受け、そこから奇跡の復活をした。
https://4travel.jp/travelogue/11041794
https://4travel.jp/travelogue/11049263 -
ニュルンベルクよ、お前も第二次大戦の廃墟から奇跡の復活をしたのか。ドイツ人の郷土愛と歴史に対する執着心に恐れ入る。一方で、日本人は一般的に郷土愛が少なく、歴史に対しても淡泊(無関心)すぎるきらいがある。中央広場のカフェ(2階テラス席)からフラウエン教会を見ながら、ドイツ人と日本人の違いを考えてみた。
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中央広場の一角に「美しの泉」(写真)がある。1936年に建造された黄金に輝く美しい泉。尖塔の高さは19mあり、周りを囲む棚にはめ込まれた金色のリングを3回まわす間に願い事をすると、それが叶うという。
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美しの泉の脇から北の方向に進むと外壁の美しい建物(写真)があった。軍隊の行進のような壁画が描かれている。
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この道はやや上りになりニュルンベルクの古城カイザーブルクに続く。
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写真の大きな建物は新市庁舎と旧市庁舎の複合建築物で、ここの外壁の装飾も凄い。第二次大戦後の復元という。
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市庁舎の向かいにあるのが巨大な「聖セバルドゥス教会」(写真)である。13世紀建立ニュルンベルク最古の教会。
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お次が「フェムボハウス」(写真)、かって最も美しいと賞された大邸宅だったが、現在は個人宅ではなく「市立博物館」になっている。
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この先、道は急に上り坂になっており、坂道を一気に上りつめると古城カイザーブルク(写真)に出る。
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カイザーブルクは小高い岩山の上に建てられた古城で、ここがニュルンブクの北の境界になる。お城の高台からニュルンブルクの市街(写真)が一望できる。
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カイザーブルクから一端下り、城壁に沿って西にしばらく歩いていくと、お城への別の門(写真)がある。周囲にはカフェ・ショップもあり、結構賑わっている。いい雰囲気!
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ヨーロッパ中世の雰囲気そのまま…。
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この前に画家「デューラーの家」(写真)がある。この家は1420年に建てられ、ドイツ・ルネッサンスの画家デューラーが1509年から亡くなる1528年まで過ごした家という。
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デューラーの代表作『アダムとイヴ』(写真)等身大の裸体画で1507年制作。プラド美術館所蔵。彼は若い時、イタリアに2度訪問し、ルネッサンス美術に多大な影響を受けた。1512年、皇帝マクシミリアン1世(注)の宮廷画家となり、ドイツ国内はもとより、諸外国まで名声を得た。
注:マクシミリアン1世(1459年~1519年)‥‥自身と子・孫の結婚政策で成功をおさめ、ハプスブルク家の隆盛の基礎を築いた。 -
デューラーの家からそのまま下り坂をぶらぶら歩いていくと「おもちゃ博物館」(写真)前に来る。ニュルンベルクは毎年世界最大のおもちゃの見本市が開かれる「おもちゃの街」としても有名らしい。
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精巧なおもちゃが沢山売っているショップ(写真)もある。
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ヨーロッパの古い街歩きをしていて偶然出くわす美しい風景、この出会いは感動ものだ。写真はペグニッツ川にかかるヘンカ―シュテークという屋根付きの木の橋から見た「マックス橋」。
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この美しい風景とは相いれないが、写真右に見える屋根付きの橋「ヘンカ―シュテーク」とは死刑執行人の橋とも呼ばれている。ここで死刑が執行された訳ではなく、昔、この一帯は旧市街の外れで卑しい身分の死刑執行人たちが住んでいたことが名前の由来らしい。
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確かにこの付近まで来ると人通りは少なく静かだ。ペグニッツ川にかかるヘンカ―シュテークやマックス橋、そして対岸に建つ立派な木組みの館や歴史を帯びた塔を見ていると中世のニュルンベルクに迷いこんだような錯覚に陥る。
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ヨーロッパには宝石を散りばめたように美しい古都が沢山ある。それらの都市を鉄道で自由に旅してヨーロッパの歴史と文化に触れる。そして、問題山積の現代のヨーロッパと日本・世界を考える。ヨーロッパ国際特急列車の旅はいよいよ最後、今日の午後、ニュルンベルクからICEで1時間の「ヴュルツブルク」に行く。
→「ヴュルツブルク観光」に続く
私のホームページに新著紹介・旅行記多数あり。
『第二の人生を豊かに』
http://www.e-funahashi.jp/
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