2019/08/01 - 2019/08/02
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funasanさん
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いよいよヨーロッパ国際特急列車の旅の最後の訪問地「ヴュルツブルク」となった。ここはフランクフルトからICE特急で約1時間10分とアクセスがいい。
ヴュルツブルクは人口約124900人(2016年)の小さな町であるが、世界遺産の「レジデンツ」、大聖堂や教会、広場、そしてマイン川にかかるアルテ・マイン橋など見所満載である。この町はドイツ・ロマンティック街道の北の起点なのでドライブ組には最高のスタート地点となる。
長崎の出島で活躍した医師シーボルトはこの町で生まれ、X線を発見した物理学者レントゲンはヴュルツブルク大学で研究生活を送っていた。そんな歴史ある古都を駆け足で回ってみよう。明日の午後、フランクフルトから日本に帰る。
写真:マリエンベルク要塞から見たヴュルツブルク市街
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8月1日(木)今日は忙しい。午前中にニュルンベルクの市内観光をして、お昼にホテルに帰宅。ラウンジで昼食にしてから急いでニュルンベルク中央駅(写真)に行く。
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ニュルンベルクからヴュルツブルクまでのチケット(2等車、32ユーロ)を買い、ホームに急ぐ。そして14:00発ヴュルツブルク経由フランクフルト行のICE626号(写真)に乗車する。
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今日のドイツ鉄道は何も問題なく定刻通りに出発し、1時間の乗車後、午後3時ヴュルツブルク駅(写真)に到着した。駅は小さく周辺の建物も普通で、ドイツの田舎町の雰囲気がする。
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今日のお泊りは駅の目の前にある3星ホテル「Regina:レギーナ」(写真)。1泊2名朝食付きで約12000円(エクスペディア予約)。駅前の格安ホテルなので寝るだけと割り切って何も期待せずにチェックインした。ところが…
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部屋(写真)に入ってみて驚いた。予想以上に広い!我々の部屋403号室は最上階の角部屋だった。しかも、駅前広場に面しているので眺めもいい。最上階の部屋なので天井が高く開放感もある。
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2人分のデスク(写真)まである。これで1泊朝食付1人約6000円なので、ラッキーだ。実はヴュルツブルクは小さな町でマリオット系やヒルトン系のホテルはない。よってホテルには期待せず駅からアクセスが一番いいこのホテルを選んだ。
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バスルーム(写真)も白で統一され清潔感がある。さすがにバスタブはないがシャワーブースはしっかりしており、いつでも熱いシャワーが出てくる。
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部屋の窓から外を見るとヴュルツブルク中央駅が見える。駅の背後にブドウ畑(写真)が広がっていてのどかな雰囲気が漂っている。実はヴュルツブルクはワインの名産地でワイナリーが広がっている。
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さあ、市内観光に出かけよう!まずは、駅前のメインストリート「カイザー通り」を歩いていく。可愛らしいトラム(写真)が走る。走る走る路面電車は走る~だ。三叉路を右折し「ユリウスプロムナード」「シェーンボルン通り」という町のメインストリートをぶらぶら歩いていく。道の両側には結構豪華な建物が建ち並びヨーロッパの古都の雰囲気が漂う。
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駅前から30分も歩かないうちに町の中心「マルクト広場」(写真)に来る。広場中央にオベリスクが天高くそびえている。広場周囲の建物もなかなかいい。
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マルクト広場の入口に漆喰飾りの外壁が美しい「ファンケルハウス」(鷹の家)がある。1338年から1406年にかけては大聖堂主任司祭の住居として使われていた館で、1階に観光案内所、モーツアルト音楽祭事務局と市の文化課が入っている。
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このマルクト広場の北に、後期ゴシックのホール式教会「マリエンカペレ」(写真)が建っている。マリエンカペレという名前は「マリア礼拝堂」という意味で、1377年から1481まで、実に100年以上の歳月をかけて完成された教会という。
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厳かな気持ちになって教会の中(写真)に入ってみよう。空気はひんやりして気持ちいい~。天然のクーラーだ。いつものように椅子に座ってしばらく神に祈りを捧げる。(休憩する)
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すぐ近くに茶色の外壁をした「ノイミュンスター教会」(写真)がある。11世紀にヴュルツブルクの守護聖人である、聖キリアンの墓の上に建てられたもので、正面の赤砂岩によるバロック様式のファサード(18世紀に改築)が美しい。
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教会内部(写真)に入ってみよう。いかにも現代的な真っ白な外壁に驚く。実は第二次世界大戦でヴュルツブルクの街の大部分が被害を受け、このノイミュンスター教会も被害を受けた。しかし、その後の再建と改築により現在の姿となったという。
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それにしても中央祭壇や丸天井のフレスコ画(写真)は実に美しく、どうして残っているのであろうか?と疑問に思って調べてみたら…。オリジナルは空襲で消失し、現在の作品はレプリカという。ドイツ人の歴史に対する執念が凄い!
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ノイミュンスター教会の隣に「大聖堂」(写真)がある。11世紀から12世紀に建てられドイツのロマネスク教会を代表する大聖堂。ここも第二次世界大戦で破壊されたという。
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大聖堂の内部(写真)は現代的であるが、内装の主要部分は戦争の爆撃から免れたという。それにしても戦争による破壊は一瞬、その再建には莫大な費用と労力と政治力がいる。地方自治が確立し、地域愛と歴史への執念が強いドイツ人ならではの再建であろう。
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さて、ヴュルツブルクの最大の見所は「レジデンツ」(写真)である。ここはパリのルーブル博物館か?と思えるくらい壮大で美しい。
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このレジデンツ(写真:1981年世界遺産に登録)1720年から1744年に大司教の宮殿として建てられた。設計はバロックの天才建築家バルタザール・ノイマン。誠に残念ながら宮殿内部を見学する時間がない。
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その代わり、無料で入れるレジデンツの「ホーフ庭園」(写真)見学をする。噴水が水しぶきを上げ、その周りに夏の花々が咲く。背後には壮大なレジデンツがひかえる。ここも空襲にあったのであろうか?
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レジデンツ内部で最も有名な場所が「階段の間」(写真:ネット検索)で、階段そのものだけではなく、そこから上がった2階部分の巨大な天井部分までを指している。そしてこの大天井には世界で一番大きい1枚のフレスコ画が描かれている。ヴェネツィアのフレスコ画ティエボロ作。
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階段の間の天井は18m×33mと巨大な長方形で、支えとなる柱が一本もない。建築当時この天井は強度に関して「設計ミス」や「絶対に崩れる」などと酷評されたと言う。しかし、後の第二次世界大戦の時、イギリス軍による爆撃でレジデンツは破壊されたが、階段室は崩れずに残り、強さが証明された。
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大聖堂からアルテ・マイン橋へ向かう「ドームストリート」(写真)にもどろう。ここはマルクト広場の一区画南側でショップ・レストラン・スーパーマーケットなどが店を構えている。
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マイン川の少し手前に小さな広場(写真)があり、ここにいつも人が集まってくる。地元の人の待ち合わせ場所にいいのであろう。
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この周囲は人通りが多いので、ストリートパフォーマー(写真)達が自慢の音楽を奏でている。音楽好きの我々は、偶然出会った路上演奏に足を止め、良かったら少し聞いてチップをあげる。
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この先に「アルテ・マイン橋」(写真)がある。ここはビュルツブルクで是非お勧めの場所で、特に夕方がいい。その理由はまた後で…。
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橋の上からみるマイン川(写真)は川幅広く滔々と流れる。ヨーロッパの大河で大小様々な船が行き交う。
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このマイン川をクルーズ船に乗って下ればフランクフルトに至り、その先、ライン川に合流してライン川クルーズとなる。
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フランクフルトからボン、ケルン、デュッセルドルフとライン川はドイツ領内を流れ、最後はオランダ・ロッテルダムを通って北海に至る。ヨーロッパの大河を豪華クルーズ船に乗って川下りしてみたい。旅に出るとすぐ次の旅のプランが沸き上がってくる。困ったものだ。
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ヴュルツブルクのマイン川左岸、川から100mの高さの丘に「マリエンベルク要塞 」(写真)がそびえる。マイン川を渡り、狭い路地裏を上っていくと広い芝生の丘陵地帯になり、少々ハイキング気分で気合を入れて上っていく。
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マリエンベルク要塞(写真)は1201年に建設された歴代司教の住まい。ドイツ農民戦争、火災、30年戦争、第2次世界大戦時の空爆など、幾多の歴史を歩んだ砦である。
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現在は、庭園のあるマインフランケン博物館、領主館博物館として一般公開されているが、 残念ながら我々にはそれらの博物館を見学している時間がない。でも、大丈夫、庭園から眺めるビュルツブルク市街の絶景(写真)で十分だ。
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南ドイツ・スイス・オーストリアと宝石のように輝く古都を巡ってきた最後を飾るにふさわしい眺めだ。
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遠くにレジデンツ、大聖堂からノイミュンスター教会、マリエンカペレ、そして眼下にマイン川にかかるアルテ・マイン橋が見える。
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マイン川に大型リバークルーズ船(写真)が停泊している。今回の旅行中に「バイキングリバークルーズ」の現地ツアー団体に何度も出会った。どうやらヨーロッパでは大型客船によるリバークルーズが人気らしい。
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マリエンベルク要塞から下りてマイン川の堤防に来てみると偶然にも大きな船が水門を通過するところに出会った。
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写真は日本の旅行会社「IACEトラベル」の海外クルーズからとってきたもので、バイキングリバークルーズの紹介をしている。バイキングクルーズは世界各国に70隻もの大船団を擁する、名実ともに世界No.1のリバークルーズ会社だ。
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さて、太陽が西に傾き夏の空気がひんやりしてくる頃、アルテ・マイン橋(写真)にますます人が集まってくる。これは何かイベントでもやっているのか?
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この橋のたもとに「ワイン売り場」(写真)があり、皆さんここでグラスワインを買っている。そして、ワイングラスを片手にアルテ・マイン橋の上で楽しそうにお喋りしている。まさに、仕事帰りに一杯!
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我々は夕食だ。アルテ・マイン橋から少し下ったドーム通りの一等地にオープンカフェのレストランがあったので、ここに入る。後で気が付いたのであるが、ここは非常に歴史ある建物の中にある由緒あるレストランだった。
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名前は「Wurtzburger Ratskeller」(写真)。通りに一番近い席に座り、道行く人々を鑑賞?しながら夕食にする。
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メニュー表から、まずは飲み物としてコーラ(3.3ユーロ)、前菜として「Ratskeller salat(ヒレステーキ・サラダ)(16.9ユーロ)を注文する。
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メイン料理は「Shnitzel Wiener」(12.8ユーロ)。サービス料5.27ユーロを含めて合計33ユーロ。おつりを切り上げて35ユーロ払った。旅行当時のレート1ユーロ122円で換算すると4270円。
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1品の料理の量が多いので、全て妻とシェアしておいしく頂く。2人で分ければ1人2000円ちょっとの夕食なのでそれほど高くはない。丁度、我々が食事をしている時に、目の前の広場でストリートパフォーマー(写真)がヴァイオリンの演奏をしていた。
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夕食を食べ終わってトイレに行って驚いた。レストランの中はまるで博物館だ。ドーム天井や壁に壁画が描かれ、ここが普通のレストランではないことが分かった。
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美味しい夕食、ヴァイオリンの生演奏、夏のドイツの日暮れは遅い。このままホテルに帰るのは心残りだ。何となく妻ともう一度アルテ・マイン橋に行ってみよう、となった。夕日に紅く染まるテラスバー?
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橋の欄干が長いバーカウンター(写真)になっている。ここで皆さん、川から吹いてくる涼しい風にあたり、美しいマイン川を眺めて恋人と、友と、そして夫婦で夏の夕暮れを過ごす。1杯のフランケンワインと共に…。
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滔々と流れるマイン川(写真)を眺めていると時間がゆっくり過ぎていく。ヨーロッパの歴史ある古都を巡ってみると、そこでは時間が止まっている。中世時代に何100年もかかって創り上げた巨大建築物が今でも残っている。
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ドイツは自ら起こした2度の世界大戦で国土の大半を破壊された。その過ちは二度と起こしてはならないが、廃墟になった数々の歴史的建物をそのまま再生・復活させたドイツ人達の郷土愛と歴史に対する執着心は見習うべきであろう。
明日はいよいよ日本に帰る。
写真:夕暮れのマリエンベルク要塞
→「ルフトハンザ航空ビジネスクラス往路編」に続く
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『第二の人生を豊かに』
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