上野・御徒町旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 上野にある東京国立博物館(東博)では特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」の展示を行っている。直ぐにでも行きたいものだと思っていたのだが、梅雨寒や梅雨明け後の酷暑のために延び延びになっていた。今朝は熱帯夜でもなく、猛暑日(最高気温が35℃以上の日)にもなりそうもないので出掛けることにした。<br /> 展示室は?と職員に聞くと、通常展では仏像を展示している本館入って右の室である。ただし、今回は全部がカメラ撮影禁止である。<br /> 奈良県北東部に所在する、いずれも7~8世紀に創建された古刹である岡寺、室生寺、長谷寺、安倍文殊院の四寺の仏像と、安倍文殊院本尊の像内に納められていた文書(お経のような)が展示されている。<br /> 奈良・長谷寺蔵の銅造十一面観音菩薩立像(重文)と木造十一面観音菩薩立像が出迎えてくれる。しかし、長谷寺のご本尊も10mを越える十一面観音菩薩立像である。果たして、ご本尊以外に十一面観音菩薩立像などを祀るものであろうか?私たち一般の参拝者は10mを越えるご本尊の十一面観音菩薩立像の他に、背丈が10mも低い十一面観音菩薩立像が何躯もあるなどとは思ってはいないし、このご本尊に圧倒され、ご本尊さえ拝んでおけば十分だと信じてしまっている。どうして奈良の長谷寺にはご本尊の他にも十一面観音菩薩立像が何躯もあるのか疑問に思い、本館のインフォメーションセンターで係員に聞いてみた。しかし、仏像担当の一人は休みでもう一人は電話の通じない場所にいるということだ。この二人には会ったことがあるので顔が浮かんだ。しかし、居てもこの質問には答えられるかどうか怪しいと思い、「今度お寺に行った時にお寺の人に聞いてみます。」と言って引き返した。<br /> 今朝、鎌倉の長谷寺に電話して聞いてみたら、観音堂には9mを越えるご本尊の十一面観音菩薩立像の他に信徒が奉納した新しい十一面観音菩薩像と下の境内の伽藍にも十一面観音菩薩像があり、上の境内の阿弥陀堂にも出雲にあったお寺が廃寺となり、ご縁で引き取った十一面観音菩薩像が安置されているとのことだ。すなわち、鎌倉の長谷寺にはご本尊の十一面観音菩薩立像の他に3躯もの十一面観音菩薩像が安置されているのだ。それならば、奈良の長谷寺にもご本尊の十一面観音菩薩立像の他に何躯かの十一面観音菩薩像が安置されていてもおかしくはない。<br /> 室奥には、室生寺本堂に安置されている十一面観音菩薩立像(国宝)と地蔵菩薩立像が並んで展示されており、十二神将立像(巳神・酉神)の小さな2躯も脇に立っている。10数年振りの再会だ。この室生寺の十一面観音菩薩立像と地蔵菩薩立像は高さもあり、立派な仏像であり、うっとりするが、何よりも光背が手が込んでおり、素晴らしい。<br /> 他に長谷寺の阿弥陀如来立像・地蔵菩薩立像・赤精童子(雨宝童子)立像・難陀龍王立像、岡寺の菩薩半跏像・天人文甎・釈迦涅槃像・義淵僧正坐像(国宝)・釈迦如来坐像(国宝)、室生寺の釈迦如来坐像(国宝)、安倍文殊院本尊の像内に納められていた文殊菩薩像像内納入品 仏頂尊勝陀羅尼・文殊真言等(国宝)が展示されている。しかし、安倍文殊院からは仏像は出展されておらず、寂しい限りだ。実質的には「奈良大和三寺のみほとけ」といったところか。<br />(表紙写真は「奈良大和四寺のみほとけ」ポスター)

特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」

3いいね!

2019/08/21 - 2019/08/21

3275位(同エリア4227件中)

0

3

ドクターキムル

ドクターキムルさん

 上野にある東京国立博物館(東博)では特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」の展示を行っている。直ぐにでも行きたいものだと思っていたのだが、梅雨寒や梅雨明け後の酷暑のために延び延びになっていた。今朝は熱帯夜でもなく、猛暑日(最高気温が35℃以上の日)にもなりそうもないので出掛けることにした。
 展示室は?と職員に聞くと、通常展では仏像を展示している本館入って右の室である。ただし、今回は全部がカメラ撮影禁止である。
 奈良県北東部に所在する、いずれも7~8世紀に創建された古刹である岡寺、室生寺、長谷寺、安倍文殊院の四寺の仏像と、安倍文殊院本尊の像内に納められていた文書(お経のような)が展示されている。
 奈良・長谷寺蔵の銅造十一面観音菩薩立像(重文)と木造十一面観音菩薩立像が出迎えてくれる。しかし、長谷寺のご本尊も10mを越える十一面観音菩薩立像である。果たして、ご本尊以外に十一面観音菩薩立像などを祀るものであろうか?私たち一般の参拝者は10mを越えるご本尊の十一面観音菩薩立像の他に、背丈が10mも低い十一面観音菩薩立像が何躯もあるなどとは思ってはいないし、このご本尊に圧倒され、ご本尊さえ拝んでおけば十分だと信じてしまっている。どうして奈良の長谷寺にはご本尊の他にも十一面観音菩薩立像が何躯もあるのか疑問に思い、本館のインフォメーションセンターで係員に聞いてみた。しかし、仏像担当の一人は休みでもう一人は電話の通じない場所にいるということだ。この二人には会ったことがあるので顔が浮かんだ。しかし、居てもこの質問には答えられるかどうか怪しいと思い、「今度お寺に行った時にお寺の人に聞いてみます。」と言って引き返した。
 今朝、鎌倉の長谷寺に電話して聞いてみたら、観音堂には9mを越えるご本尊の十一面観音菩薩立像の他に信徒が奉納した新しい十一面観音菩薩像と下の境内の伽藍にも十一面観音菩薩像があり、上の境内の阿弥陀堂にも出雲にあったお寺が廃寺となり、ご縁で引き取った十一面観音菩薩像が安置されているとのことだ。すなわち、鎌倉の長谷寺にはご本尊の十一面観音菩薩立像の他に3躯もの十一面観音菩薩像が安置されているのだ。それならば、奈良の長谷寺にもご本尊の十一面観音菩薩立像の他に何躯かの十一面観音菩薩像が安置されていてもおかしくはない。
 室奥には、室生寺本堂に安置されている十一面観音菩薩立像(国宝)と地蔵菩薩立像が並んで展示されており、十二神将立像(巳神・酉神)の小さな2躯も脇に立っている。10数年振りの再会だ。この室生寺の十一面観音菩薩立像と地蔵菩薩立像は高さもあり、立派な仏像であり、うっとりするが、何よりも光背が手が込んでおり、素晴らしい。
 他に長谷寺の阿弥陀如来立像・地蔵菩薩立像・赤精童子(雨宝童子)立像・難陀龍王立像、岡寺の菩薩半跏像・天人文甎・釈迦涅槃像・義淵僧正坐像(国宝)・釈迦如来坐像(国宝)、室生寺の釈迦如来坐像(国宝)、安倍文殊院本尊の像内に納められていた文殊菩薩像像内納入品 仏頂尊勝陀羅尼・文殊真言等(国宝)が展示されている。しかし、安倍文殊院からは仏像は出展されておらず、寂しい限りだ。実質的には「奈良大和三寺のみほとけ」といったところか。
(表紙写真は「奈良大和四寺のみほとけ」ポスター)

PR

  • 「奈良大和四寺のみほとけ」ポスター。

    「奈良大和四寺のみほとけ」ポスター。

  • 東博玄関右に「奈良大和四寺のみほとけ」の垂れ幕。

    東博玄関右に「奈良大和四寺のみほとけ」の垂れ幕。

  • 「奈良大和四寺のみほとけ」ポスター。バックは室生寺の十一面観音菩薩立像。

    「奈良大和四寺のみほとけ」ポスター。バックは室生寺の十一面観音菩薩立像。

この旅行記のタグ

関連タグ

3いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから国内旅行記(ブログ)を探す

PAGE TOP