母が急にどこか行きたいと言うもので～首都圏から日帰り合掌造り集落へ

2019/07/14 - 2019/07/14

タイトル通りですが、母が7月の連休に日帰りでどこかに行きたいと言いだしたのがその月に入ってから。そんなピーク時に今更無理でしょ…と思いつつ、色々と調べてみたところ、やはりメジャーな観光地は軒並み足の確保が困難。でも富山往復ならば効率の良いエアが確保できること、しかもアクセスが悪いと思って、訪れることを諦めていた合掌造り集落にも行けることが判明。最初は接待のつもりでアテンドする程度だったのが、急転ノリノリの旅に。
現地では母の希望と体調に配慮して、観光タクシーを利用しましたが、富山は意外と情報が少ないので、自分でリサーチして回るよりもはるかに充実した旅になりました。

エリア 五箇山周辺(富山)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 家族旅行
• 交通手段: タクシー ANAグループ
• 旅行の手配内容: 個別手配

朝いちの便で羽田から富山へ。
川の傍にあるこぢんまりとしたきときと空港。とても雰囲気が良い立地。
ボーディングブリッジが長く、傾斜が意外と強いため、母には最初の難関でした。小さな空港なので車椅子のリクエストをしていませんでしたが、これは失敗。
空港で、予約していた観光タクシーの運転手さんと合流し、早速五箇山方面へ。
まずは地域最大級の合掌造り住宅である岩瀬家を見学します。

国指定重要文化財 岩瀬家 名所・史跡

囲炉裏端でご当主からお家の説明を聞きます。
地域の塩硝製造を検めるために、塩硝の取りまとめ役だった岩瀬家に加賀藩の役人が投宿していたとのこと。
囲炉裏の香ばしい香りで家の中が薫きしめられています。

国指定重要文化財 岩瀬家 名所・史跡

母を残し一人で上階に登ります。
囲炉裏で燻された建材が飴色～黒色になっています。煙の通りが良くなるよう、床には適度な隙間があります。
そこから聞こえてくる、次のグループに対するご当主の説明…まるでテープレコーダーでリピートしているかのように、私達にしたのと一言一句違わなくてちょっと笑ってしまいました。

国指定重要文化財 岩瀬家 名所・史跡

いい感じに燻された階段。

国指定重要文化財 岩瀬家 名所・史跡

上階には、蚕棚が設えられています。

岩瀬家を後に、次は菅沼集落へ。

国指定重要文化財 岩瀬家 名所・史跡

駐車場からエレベーターを利用。
トンネルを抜けると…

菅沼合掌造り集落 名所・史跡

合掌造り集落の端に出ます。
タイムスリップしたかのようです。

菅沼合掌造り集落 名所・史跡

緑の田んぼに合掌造り住宅。まさに日本の原風景。
首都圏から日帰りで来れるなんて思っていませんでした。

菅沼合掌造り集落 名所・史跡

塩硝の館。
火薬の材料である塩硝作りは、五箇山の地場産業でした。その製造工程を紹介しています。

塩硝の館 美術館・博物館

その工程はかなりユニーク。材料を作るため、囲炉裏の中心に深い穴を掘って材料となる草を埋め、囲炉裏の熱で発酵させていたのだそうです。それを精製して加賀藩に納めていました。

塩硝の館 美術館・博物館

一瞬村上家に立ち寄るも、運転手さん曰く「中は岩瀬家と基本変わらないです」。
ということで入らず。

国指定重要文化財 村上家 名所・史跡

村上家の近くにある橋の先には、見るからにヤバい雰囲気の「流刑小屋」。
当時は橋がなく、加賀藩の流刑人を籠で渡して収容していたそうです。

流刑小屋 名所・史跡

次に訪れたのは、相倉合掌造り集落。五箇山最大の集落です。

相倉合掌造り集落 名所・史跡

商店や民宿が主で、テーマパーク感が拭えないものの、地元の子が走り回っていたり、洗濯物が干してあったりと、生活感もあります。

相倉合掌造り集落 名所・史跡

神社の鳥居をくぐると、静謐な空気に包まれます。
輝くような苔に惹かれて撮った一枚ですが、現天皇陛下が皇太子時代に詠まれた、五箇山の歌の碑なのだそうです。

地主神社 寺・神社・教会

雪が積もる景色が有名ですが、田んぼの緑も映えます。

相倉合掌造り集落 名所・史跡

段々畑の中の小径を上がって…

相倉合掌造り集落 名所・史跡

ちょっと急な坂を上ると見晴らしの良いところに出ます。
観光資材でよく見る角度だ～（笑

相倉合掌造り集落 名所・史跡

お昼は天ぷらそば。
四角いのは、五箇山豆腐の揚げ出しです。

拾遍舎 グルメ・レストラン

五箇山豆腐のおさしみもいただきました。
がっちり硬いお豆腐です。

食後は、城端の曳山会館に寄り、曳山を見学。（撮影禁止）
曳山（山車）の装飾の、力強くも細密な彫刻に興味を持ちました。

拾遍舎 グルメ・レストラン

ということで残り時間に運転手さんが案内してくれたのは、木彫刻の街・井波。
職人のアトリエや店が並ぶ、門前通りは、店や通りの名前を示す看板が木彫です。

瑞泉寺門前町の町並み(八日町通り) 名所・史跡

多くの電柱に、こんな木彫作品が掲げられています。

瑞泉寺門前町の町並み(八日町通り) 名所・史跡

バス停のサインまで！

瑞泉寺門前町の町並み(八日町通り) 名所・史跡

通りの突き当たりにある瑞泉寺。
井波彫刻の装飾で知られています。

井波別院瑞泉寺 寺・神社・教会

井波彫刻の迫力は、彫りが鋭く深いところから来るのかなと感じました。社殿内は撮影禁止ですが、太子堂の欄間のそれが圧巻でした。この山門の欄間もなかなかですが、それに比べればまだ普通。

井波別院瑞泉寺 寺・神社・教会

山門の特徴は梁や柱に施された稠密な彫刻。これだけでも見応え十分です。

井波別院瑞泉寺 寺・神社・教会

ちなみに、瑞泉寺本堂の入り口にはこんな木彫も。さすがは木彫の街です。

この後は富山市内で「世界一美しかったスタバ」のある環水公園などを巡り、屋上に遊園地がある美術館などを見ながら、このエリアの再開発の話を聞きました。

富山の観光タクシーには「おもてなし優良タクシー」という資格があって、お願いした方もとても親切で知識が豊富でした。おかげで短いけれどとても充実した旅になりました。

井波別院瑞泉寺 寺・神社・教会