2019/08/03 - 2019/08/03
68位(同エリア198件中)
ミズ旅撮る人さん
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「チャツボミゴケ」という変わった名前の公園があります。
名前しか知らなかった公園を、地図で見つけました。
なんと草津温泉のすぐ北にあるのです。これは行くしかない。
駐車場からバスに乗り換え、坂道を上って行きます。その先は清流の脇を歩きます。
途中、「鉄鉱石が生成されている」というスポットを覗き込みながらさらに進むと、
広々とした苔と岩場の広場が現れます。「穴地獄」です。
強酸性の水が流れ落ちる、他ではまず見られない光景に「日本のプリトヴィツェ」と
勝手に命名。周囲を巡る木道を勇んで歩きました。
大きな駐車場から推(お)して、かなりの観光客が来るものと思われますが、
この日は猛暑日の真っ只中、時間も遅かったので、とても空いていました。
思う存分、撮影することが出来て大満足です。
チャツボミゴケは、穴地獄の特異な景観でばかり有名になってしまいましたが、
「酸性に強い」程度の説明で済まされてしまい、
そのおもしろい特性が語られていないのが残念です。
調べてみるまで知らなかった「銅苔」の一種であるチャツボミゴケ。
知っていると見方が変わるかも。
この後、ここから採れた鉄鉱石を搬出していた旧太子駅も訪れました。
2018年4月から復元されて一般公開されています。
ここで出会ったのが、太子駅がまだ現役だった頃のことをご存知で再現することに
尽力された方でした。
当時の話、復元する際のご苦労、これからのことについて話は尽きず、
文字通り日が暮れるまで伺えてとても有意義でした。
展示を見るだけではなく、こうした生の声が一番印象に残ります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
「チャツボミゴケ公園」は、草津温泉の北西にある天狗山・
草津温泉スキー場の駐車場前から県道55号線中之条草津線に入り、
10km。県道に入る所からずっと看板があるので、
迷うことなく辿り着けます。
また、中之条町六合地区を通って国道292号線で来ても、
「チャツボミゴケ公園9km」という看板が現れます。
春と秋には観光客が集中するため、駐車場は第3駐車場まであるので、
安心です。駐車場は無料です。 -
「受付→」の看板を辿って行くと、ロッジが2棟並んで建っています。
右側のロッジが受付事務所です。
事務所の左側に「トイレ→」の看板があります。
トイレはウッドデッキを乗り越えて、木立の奥にあります。
チャツボミゴケの見られる「穴地獄」にはトイレはありませんので、
必ずここで済ませておきましょう。 -
受付時にくれるパンフレットです。
2019年8月現在入園料は600円です。
以前は500円とバス代100円が別々だったようですが、
バス代が入園料に吸収されました。
開園期間は4月下旬から11月上旬です。
受付時間は4~9月は9時から15時まで、
10・11月は9時から14時半までです。 -
受付事務所の隣にある特産品直売所です。
ウッドデッキでは、農産品やアメジストセージの苗を売っていました。チャツボミゴケ公園直売所 グルメ・レストラン
-
園内巡回バスの乗降所です。受付事務所の真ん前にあります。
特に時刻表はなく、穴地獄のバス停と連絡を取り合って、
利用客の状況に合わせて運行しているようです。
運行距離はわずか1km。行きは上り坂なので、帰りは歩いてもOK。
車道は歩行禁止なので、遊歩道を歩いて来ることになります。
ここ数日間、夕立があったので足元がぐずついている箇所があるかも
ということでしたが、大丈夫でした。 -
温泉大滝です。乗降場に着くちょっと前に見られます。
この上流が穴地獄です。 -
穴地獄側の乗降場です。
この日は連日の猛暑日で観光客も出歩かないのか、
貸し切り状態でした。 -
チャツボミゴケ公園は、ラムサール条約に登録されている
芳ヶ平湿地群に含まれています。 -
温泉大滝。見ているだけで、さあっと汗が引く思いがします。
夕立のお陰か水量も多く、勢いよくほとばしっています。 -
滝の上の橋を渡って、川を左手に見ながら、
赤茶色のザラザラとした土の坂を上り始めます。 -
このチャツボミゴケ公園の敷地は、日本鋼管の保養所として管理され
(奥草津休暇村)、2012年に中之条町に無償譲渡されました。
元々は草津白根山の火山堆積物の上に沈殿生成された褐鉄鉱と
鉄明礬石を産出していました。
群馬鉄山と呼ばれた鉱床の規模は非常に大きく、
戦後、外国産鉄鉱石の輸入が再開されても
しばらくの間、露天掘りによる採掘が続けられていたそうです。
1965(昭和40)年、資源が枯渇したことから採掘を停止、
翌年閉山しました。 -
穴地獄に向かう道は、なんとなく赤みを帯びています。
褐鉄鉱を含んでいるからかな?
坂道は砂利道なので、青い網状のマットが敷かれています。
これは全然滑らなくて、足裏が柔らかくて、とても歩きやすいです。
管理者の配慮に感謝です。 -
これだけ近い場所に手頃な流れがあるとやりたくなるのが
シャッター速度遊び。
シャッター速度が遅いと、よくポスターなどで見る白い線のような
流れになります。 -
シャッター速度を上げると、水の勢いを感じられる写真になります。
残念ながら、ピントが手前の葉に合ってしまったので、失敗です。
穴地獄でも、試みてみましょう。 -
ここは、元は白根火山の爆発で出来たすり鉢状の大きな穴で
硫酸酸性泉の20℃程度の鉱泉が湧出し、動物が落ちると出られなくなって死んでしまうことから「穴地獄」と呼ばれていました。
今は地形が大きく変わり、穴とは言えなくなっています。
看板には群馬県の天然記念物と書かれていますが、
2017年2月9日に「六合(くに)チャツボミゴケ生物群集の鉄鉱生成地」として国の天然記念物に指定されました。 -
湯滝が見えて来ました。
-
夏山でよく見かける花だと思うのですが、名前がわからない。
-
そろそろチャツボミゴケが見られるようになって来ました。
ここがチャツボミゴケ公園でなかったら、ただの草むらと苔なんだけど。 -
湯滝の手前が「現在も鉄鉱石が生成されている」と示された場所です。
「鉄鉱石が生成」???
マグマでもない限り鉄鉱石なんか作れないと思うんだけど。
これを読んだ人で、この言葉の意味が理解出来た人っているのかしら? -
何を言っているのかわからないから無視。
せいぜい「ああ赤茶色になってるね」でしょう。
それじゃ、せっかく世界的にも珍しいチャツボミゴケを見ても、
全然理解しないで終わってしまってもったいない。 -
チャツボミゴケ(茶蕾苔)は別名:マリゴケ。 ツボミゴケ科ツボミゴケ属。
世界中には18000種の苔があり、その中でも最も耐酸性の
強い特異な苔です。 -
北海道・本州・四国・九州の、銅や鉄など重金属イオンを含む
鉱水あるいは温泉水などの浸出する強酸性の岩上に群生する苔植物。
群馬県中之条町と九州熊本県阿蘇の群生地が有名で、
チャツボミゴケ公園が国内最大規模を誇ります。 -
重金属を高濃度に蓄積するコケ植物の総称を「銅ゴケCopper moss」と呼びます。
チャツボミゴケは、数億年かけて鉄鉱石に変わっていくのです。
「苔が鉄鉱石になる」?
普通では考えられないことです。
そう、苔が直接、鉄鉱石になるのではありません。 -
オオシオカラトンボ。雄は成熟して濃いめの水色になり、雌は黄色。
シオカラトンボは、腰から下が急に細くなっていますが、
オオシオカラトンボは尾の先までほぼ同じ太さ。 -
湯滝。滝の中にもチャツボミゴケが生えています。
-
ギボウシ(擬宝珠)。ホスタとも呼ばれます。
湯滝のそばには、オオマツヨイグサ(大待宵草)も咲きます。
写真中央は、昨夜咲いて今朝閉じた花。 -
苔に覆われた岩が多い流れ。
渓流の眺めというと奥入瀬渓流が有名ですが、
ここのように緑色の丸々した苔の塊が目立つ渓流は、他にはありません。 -
苔と水流のコラボレーションが楽しめるのが、
チャツボミゴケ公園の最大の魅力。
これは、カメラマンが殺到するでしょうね。
かく言う私も釘付け。 -
夏なので、草が生い茂って視界を遮りますが、
「庭園」ではないんだから、これも風景の一つ。 -
さて、主役のチャツボミゴケのうんちく再開です。
パンフレットには「バイオミネラリゼーション」と呼ばれる
微生物の活動の副産物として、
現在でも鉄鉱石の生成が行われています」と書かれています。
「バイオミネラリゼーション」とは、生物が自身の身体の内外に
鉱物(無機化合物)を作り出す作用のことを言います。
サンゴや真珠、珪藻土などがその例です。
チャツボミゴケの場合、バクテリアが関与することにより、
今でも鉄鉱石が生成されていることが確認されています。 -
夏らしく、芒(すすき)とのコラボレーション。
チャツボミゴケ公園は春のレンゲツツジがたいそう綺麗なのだそうです。
もちろん秋の紅葉も見応えがあるのだとか。 -
うう、真ん丸の苔の塊、可愛い!
「銅苔」は、土の中の有毒な銅(緑青、イオン形、可溶)を
組織中に取り込み、無毒な銅(メタロチオネイン錯体、ペクチン錯体、
硫化物など、不溶)として蓄積して、枯れて土に帰り、
後には無毒の銅だけが残ります。
これが銅の生成です。鉄鉱石の生成も同様の仕組みです。 -
愛媛県旧別子銅山では、渓谷に沿って銅苔の群生地があります。
群馬県足尾銅山では、銅苔として知られるホンモンジゴケの
群落があります。
1910(明治43)年、桜井久一氏が、東京都の池上本門寺
(いけがみほんもんじ)の境内で初めて発見し、
1934(昭和9)年に新種として、ホンモンジゴケの和名が
付けられました。
なにしろ「銅」が好きなので、神社の銅葺きに集まるんです。 -
これを歩いて来ました。この先は木道が続きます。
いよいよ穴地獄です。
穴地獄はぐるっと一周できるので、どちら周りでもいいのですが、
なんとなく右回りになるようです。
すぐに水池・大池と書かれた看板があり、ハイキングコースを行く場合はそちらに逸れて行きます。
半日コースは2つの池と平兵衛池を巡って戻って来ますが、
一日コースは渋峠に抜けるのだそうです。
このコースだと途中、芳ヶ平湿地群を訪れることが出来ます。 -
銅苔の仲間は、毒性のある金属を細胞壁に入れて蓄積させます。
高濃度のアルミニウムを蓄積するムラサキヒシャクゴケや、
鉛を細胞壁成分へ吸着しているヒョウタンゴケなどがあります。
吸着できる量は、乾燥重量で74%が鉛、残りが苔というくらいの
ものすごい蓄積力です。
触れればすぐに取り込んで離さないので、
ほんのわずかな時間で取り込みます。
これらの内容は、理化学研究所の井藤賀操上級研究員による話として
いくつかのネット上に挙げられていました。
とても興味深い話で、ワクワクさせられました。 -
こんな小さな苔に、すごい力があるんです。
地球を汚染してばかりいる人類に賜った贈り物なんじゃないだろうか。
そうやって見てみると、なんだかハート型に見えて来た。 -
ツボミゴケは、胞子体の口が狭く蕾状になることから
付けられた名前です。
頭に「チャ」と付くのは茶色を意味するようなのですが、
いったいどこが茶色いのか・・・ -
さっきまで主役は苔だったのに、この流れを見ていたら、
だんだん水の流れに被写体の主流が行き始めた気がします。
歩ける場所は木道の上に限定されているのですが、
すぐそばにこれが見られるので夢中になってシャッターを切ります。 -
木道はとてもしっかりしていて、段差も緩く、歩くのが楽です。
これがぐるっと一周続いています。 -
奥にも木道が見えます。あそこが最奥地。湧水地です。
-
こうして見ると苔は、水際限定で生息していますね。
一般の苔も、湿気の多い所に生えますが、
チャツボミゴケは水が掛かる場所にしか生息しないようです。
だから、この独特の風景になるんですね。
京都などでは苔寺というのもありますが、
やはり人工的に作った苔の庭とは違います。
生き生きとしていて、作為的なものを感じない自然のすばらしさ。 -
ハネナガフキバッタ。久しぶりにショウリョウバッタ以外の
バッタを見ました。 -
対岸の木道が見えます。この辺が一番狭くなっている所で、
この先はウチワ型に広がります。 -
フカフカしているように見えるチャツボミゴケ。
遠目でしか見られないのが残念。
ここに生息しているのはチャツボミゴケだけではないので、
他の苔との見分け方などがあるといいのになあ。 -
白いヤマアジサイ。
-
チャツボミゴケ公園の最も魅力的な部分は、広範囲に亘って岩石に苔が
生(む)し、その間を清流が幾筋もの流れを作っている光景でしょう。
小さな流れは、そちこちで小さな滝を作り、淀みを作り、
また集まって流れ落ちて行く。
こういう風景を見たことがあるなあ。そうだ、クロアチアの
プリトヴィツェだ。あちらは壮大なスケールだけれど、
豊かな水の流れが最大の魅力なのはどちらも同じ。
「チャツボミゴケ公園は日本のプリトヴィツェ」。
勝手に命名して得意になってしまいます。 -
2017年に訪れたプリトヴィツェ湖群国立公園です。
写真の場所は上湖群のボート乗り場から少し行ったところです。
この時は上湖を重点的に歩きました。
上湖の方がチャツボミゴケ公園に近いです。
水量と規模が全然違いますが、コンパクトなのが日本らしくて
いいんじゃない? -
穴地獄の中心部分です。
チャツボミゴケ公園のある辺りは国内随一の褐鉄鉱(かってっこう)
鉱床であることが戦前から知られていました。
戦時中の鉄需要から、この地方の鉱業権を取得した日本鋼管は
国の命により鉱山開発を行うことになりました。
群馬鉄山と呼ばれ、国内2位の生産量を誇る露天掘鉱山として栄え、
最盛期には2000人が鉱山に携わっていました。
バスの乗降場辺りで鉄鉱石の積み出しを行っていたそうです。 -
現在チャツボミゴケ公園のある場所で採掘された鉄鉱石は、
索道を使って運ばれました。
索道とは「空中に鋼索を架設し,これに搬器をかけ,動力か搬器の重量を利用して運転,旅客や貨物を運ぶ装置。鋼索は急な斜面の山頂と山麓,
山間の谷間に張り渡して輸送を行う。」
索道の終点は、現在のJR吾妻線長野原草津口駅から少し北に
上ったところにあった旧太子(おおし)駅です。
昭和40年の閉山後、廃駅となりましたが、
2018年に復元されました。
帰りに寄ったので、太子駅の話は後ほど。 -
この辺は、一際チャツボミゴケが密生しています。
-
水はどこから来ているのか、あちこちから流れ落ちています。
この千々に分かれて流れ落ちる様子が、とても変化に富んでいて、
惹きつけて止みません。 -
振り返って見ると、ハイキングの装備をした人たちが歩いていました。
どこまで行って来たのかな? -
穴地獄の中は、どこにでも絶好の被写体があるので、
嬉しいやら困るやら。 -
一番奥まで来ました。穴地獄の全景です。
意外と普通の水辺と茂った夏草の風景です。 -
木道の先に、鉱泉(温泉水)が湧出しています。
この鉱泉はPH2.5という硫化水素を含む強酸性の温泉水です。 -
常にボコボコ湧いているのではなく、気まぐれにあちこちから
ちょこっとずつ湧いています。 -
この湧水地は穴地獄の水源の一つでしかなく、
他からも色々なところから流れて来ます。 -
フカフカの黄緑色の苔。水に良く浸かる部分は緑色。
環境によって色の違いがあるらしい。 -
イチオシ
まるで坪庭。自然の完成度の高さは天下一品!
日本植物生理学会のHP内に理化学研究所の井藤賀操上級研究員による
たいへんわかりやすく興味深い文章が掲載されています。
転写禁止とは書いてなかったので、引用させてもらいます。
「穴地獄から湧き出した強酸性水は、湧き出し直前まで無酸素の状態で毒性の硫化水素(H2S)を含んでいます。 -
湧き出し後、大気中の酸素(O2)が水に溶け込むことで、
酸性湧水に含まれていた硫化水素(H2S)は酸素(O2)によって
酸化され、白いイオウ(S)の沈殿物となり、底質の上を覆っています。 -
チャツボミゴケの群落は、毒性の硫化水素を含む湧き出し口付近では
流石に見られませんが、
この白い沈殿物が生じる湧き出し口から数m離れた地点からは
成立していますので、
チャツボミゴケが硫黄泉付近で暮らしていける理由は、
酸素(O2)が水に溶け込み、毒性の硫化水素(H2S)が
酸素(O2)によって酸化されることで無毒化されているためであると
考えられます。」 -
強酸性に適応しているとはいえ、硫化水素の濃度が高い場所では
生息せず、酸化によって毒性がなくなると繁茂するのです。
その境目のPH濃度はいくつくらいなんでしょうね。 -
温泉湧出地はPH2.5と表示されていますが、
まるでPH2.5の場所でチャツボミゴケが生息しているように
読めます。
パンフレットには「PH2.0~4.6程度までの強酸性火山性水域に
生育する」と書かれています。
まだよく研究されていないということでしょうか。 -
この公園が整備される前は、日本鋼管の保養所があったそうです。
その頃の穴地獄はどんな様子だったのでしょう。
これらの杭は遊歩道か橋の跡? -
先程の湧水地より更に奥から、水は豊富に滴り落ちています。
ついついこの先はどうなっているんだろうと思ってしまいます。 -
ハイキングコースにも3つの池があるように、
この辺りは水が豊富な土地です。 -
チャツボミゴケ公園の人気の時期は春と秋です。
「夏は行かない方が」などと書いている文章も見ました。
でも、標高があるので気温は平地に比べてかなり低く、
日差しは茂った草木が遮ってくれます。
それより何より、人がいません!
今回私は受付時間ギリギリの14時半頃に到着しました。
そこから今まで見掛けた人は10人いたかどうか。
バスは自分のチャーター便のようなもので、
駐車場は受付に一番近い場所に停められます。
緑が生い茂る景色が大好きな人なら夏はお勧めです。 -
こうした心地よい流れを見ていると、心がすごくリラックスしていくのがわかります。
どうせなら動画で撮っておけば良かった。
湧き水の様子は動画を撮ったんだけど・・・
ちょうどオオシオカラトンボが飛んで来て、ウロウロしていたので
いい被写体になりました。 -
穴地獄を上から見ると、段々畑のようになっているのがわかります。
さしずめ苔は田んぼの畔(あぜ)。
トルコのパムッカレなら、石灰の塊です。 -
ツリフネソウ(釣船草)。
公園内で見られる草花の紹介もあると嬉しいな。 -
あの水たまり、気持ち良さそう。
湧水地のPHは書いてあったけど、水温は何度なんだろう。
冷たいのかなあ?
駐車場近辺でいいから、川遊びが出来ると楽しいだろうな。
草津湯畑がPH2.1というので、強酸性でも大丈夫なのでしょう。 -
チャツボミゴケ公園を紹介する写真は、
大体この辺りのアングルだと思います。
こう撮ると確かに、すごい迫力のある場所に見えます。 -
チャツボミゴケと穴地獄の説明板。
-
全景で撮ると、こんな景色だけど、
-
上の方を撮るとこうなります。
景色をどう切り取るかが、腕の見せ所という訳です。
レンゲツツジが咲いている時などは、花が画面に入る場所を巡って
カメラマンたちの陣取り合戦があるんだろうな。
今は殆ど貸切状態だから、好き勝手に撮影できます。 -
古くからの自然公園ではなかったからか、チャツボミゴケ公園には
目立たないけれど、こうした人工物が埋没しています。
既に風景の一部になって、溶け込んでしまっています。
全部自然のままなのもいいけれど、こうした遺構が遺っているのも、
それはそれでいいと思う。 -
「四度(よど)の滝」。茨城県の袋田の滝を本来はこう呼ぶんだけど。
四段に流れ落ちる滝を、「四度の滝」と呼びます。 -
ぐっと視線が高くなりました。木道から逸れて斜面を上り、
四阿と表記されている方へ向かう途中で、穴地獄をぐるっと見渡せます。
大した高さではないけれど、気持ちがいいです。 -
イチオシ
ボコッとへこんだ部分に水が落ち込んで、勢いよく噴き出しています。
まるで○○渓谷のミニチュアみたい。 -
唐突に日が差し込んで来ました。水面がキラキラと輝きます。
すごいなあ、いきなりこんなに変わるんだもの。
それを捉えられて良かった。 -
それまで目立たなかった水の流れが、一気に白く輝いて、
こんなにあちこちに広がっていたんだと驚かされます。
夏の日差しは強いから、こんな変化も楽しめます。 -
日を浴びて、チャツボミゴケが明るい黄緑色になりました。
ああ、綺麗だね。 -
イチオシ
だんだんここの撮り方がわかって来て、おもしろくなりました。
いったい何枚撮ったことやら。
ここまで苔と水だけの写真にお付き合いいただきまして、
ありがとうございます。
でも、もうそろそろ一周です。 -
これがチャツボミゴケ公園での最後の一枚です。
公園の受付は15時で終わりですが、そこからバスで穴地獄に
向かうので、ゆっくり見学したい人のために、
帰りのバスは最終が16時半となっています。
ただ、帰りのバスの運転手が「あと何人くらいいた?」と
聞いて来たので、自分が最後だと言う人がいたら、
早仕舞いすることがあるかもしれません。
歩いて駐車場に行きたくなかったら、最後の方になった時は、
自分の存在をアピールしておいた方がいいかもしれません。 -
さて、受付をした時に、こんな冊子をもらいました。
「なかのじょう(中之条)周遊チケット」。
中之条町の宣伝なんだろうなと思って帰りのバスの中で見てみると、
なんと割引チケットなんです。 -
中之条町の有料見学施設や日帰り温泉、レストランなどで、
割引またはプレゼントが受けられます。
しかも1年間有効。1カ所の特典は1回のみ。
冊子はチャツボミゴケ公園に入園するともらえます。 -
早速、道の駅六合(くに)の裏にある「応徳温泉くつろぎの湯」に
入って来ました。
広くて最新式のという訳ではありませんが、泉質はさすがに草津の
そばだけあって含有量が多く、わずかに硫黄の匂いもする
なかなかの温泉でした。
受付が温泉宿の受付と一緒になっています。
受付の前に、「六合(くに)の水」がポットに入って置かれています。
湯上りに一杯どうぞというありがたい計らいです。
キンキンに冷えていて、癖のないスルっと喉を滑り降りて行くような
美味しい水でした。2杯もいただいてしまって、すみません。 -
さて、1番がチャツボミゴケ公園で、2番に「旧太子(おおし)駅」が
あります。
チャツボミゴケ公園付近から採掘された鉄鉱石は、
索道で旧太子駅に降ろされました。
索道とは、空中に鋼索を架設し、これに搬器をかけて貨物を運搬することで、運搬するのが人間ならロープウェイなどがこれに当たります。
なんと鉄鉱石は、空中を鉄の箱に入れられてロープで運ばれて
いたんです。
そして、行き着いた先が旧太子駅。行って見ました。 -
道の駅六合から国道292号線を南下。長野原草津口駅を目指します。
ハッキリ場所が特定できていなかったので、
道の下にいきなり見えて慌てました。
上から見るとヘリポートが目立って、この遺構が目に付かないのです。
ヘリポート脇が駐車場で、下に降りる階段がありました。 -
旧太子駅は、昭和46年に廃線となり、その役目を終えました。
2018年4月に復元公開されていて、10~16時、
200円で見学できます。(冊子があれば無料)
残念ながら、開館時間は過ぎてしまっていましたが、
外から見るだけでもと階段を降りて行きました。 -
これはチャツボミゴケ公園のバス待合所に掲示されていたものです。
廃線になった年が昭和47年になっています。 -
苔を見に来た筈が、廃線跡の見学になってしまいました。
-
駐車場から見た旧太子駅の駅舎。
目立たないから本当に通り過ぎるところでした。 -
階段を降り始めると、駅舎の綺麗な山吹色が見えて来ます。
この駅舎は新築なのですが、元の駅舎を忠実に再現しています。 -
何故斜めっているかというと、敷地をぐるっと高い柵が囲んでいて、
その柵の上にカメラを持ち上げて、不安定な状態で撮っているから
なんです。
有料施設なんだから仕方がないのかもしれないけれど、
カメラマンに優しくないなあ。 -
これならどうだ。
この施設は、ホッパー棟といい、本来は上に3階建ての木造の建物が
ありました。
上部の建物は解体され、コンクリート部分も残土に埋もれて、
半分は見えなくなっていました。 -
本当はもう少し低い位置で撮りたかったんですが、柵が高い・・・
-
奥の方の綺麗な部分が残土に埋もれていた部分です。
整備される前は土と草に覆われて、本物の廃墟でした。 -
復元された駅舎です。
ここでせっせと写真を撮っていると、地元の人が声を掛けて来ました。
その人は、この駅舎を復元するための図面を作成されたのだそうです。
「記憶を頼りに一生懸命作ったんだけど、よくよく考えてみると、
ちょっと待合室が狭いんだ。
どうやら増築部分を忘れちゃったらしい。
確か、ベンチに座ったらもう少し余裕があった筈なんだ。」
あらら、ここでバラしちゃいました。ごめんなさい。 -
閉館後なので、窓から覗いてみます。
展示されているのは鉄鉱石かな? -
企業の専用線だったので、普通の旧国鉄の廃駅とは
展示品が違うような気がします。 -
手前のマリーゴールドの咲いている所には、当時の車止めがあります。
-
現在、展示されているのはこの4輌です。
公開される前には、山形からSL・C11を引っ張って来る予定が
あったのだそうです。
土壇場で問題が起こって頓挫してしまったのだとか。
D51だとたいへんだからC11がいいのだそうです。
SLがあれば、ここの目玉になりますが、
維持管理もたいへんな負担になります。
旧太子駅は、元々長野原草津口駅と繋がっていたので、
鉄道車両を持ってくるのは意外と楽なんだそうです。 -
この貨車は、側面に大井川鐡道と書かれています。
元々ここで使われていた車輛ではないのでしょう。
背後のホッパー棟は、天井に穴が開いています。
索道によって運ばれて来た鉄鉱石は3階に運び込まれ、保管されました。
鉄道で運び出される時には、天井の穴から直接貨車に
落とし込んだのだそうです。 -
背後の山を越えて、索道が引かれていました。
なんともダイナミックな光景だったんですね。
チャツボミゴケ公園からここまでロープウェイのように
鉄鉱石が空中を運ばれて来て、あの山の上からこのホッパー棟に
やって来た。
話を伺わなければ想像もできないことでした。
駅舎の中に入れば、そうした当時の写真などもあったのでしょうか。
すごく興味深くて、ずいぶんたくさんの質問をさせていただきました。
駅舎の右隣に小さな小屋があります。
昔の駅にありがちな「別棟になっている公衆便所」だと思ったら、
「授乳室」と書かれていました。本来は公衆便所だったんだそうです。
しかし、駅舎にもトイレがあり、
別棟にもトイレを作るとなると浄化槽を2つ設置しなければならなくて、トイレの復元は断念したのだそうです。
元の公衆便所を壊さずに整備すれば良かったと話していました。
いろいろ面倒な問題が発生するんですね。
駅舎の色も、元は灰色だったそうなんですが、
綺麗な山吹色になりました。
これは展示館と割り切って、目立つ色でいいんじゃないかな?
あんまり忠実な復元にこだわると、色気ない施設になっちゃうから。
おもしろいのは屋根を赤く塗るという話があったそうです。
いや、赤まではしなくても・・いいんじゃないかな?
ただ、上の道路から目立たないので、上から見てわかるように
大きな看板は欲しいと思います。
駅舎の前の車道が、元の線路のあったところなのだそうです。 -
2輌ある貨車のうち、手前の1輌は或る人が2輌手に入れたものの
1輌しか要らなくなったということで、もらえたのだそうです。
手前の黄色い小さな車両もおまけだったとか。
これは車両を移動させる時に、牽引することが出来るもので、
SLでも動かせるそうです。
そういえば、SLを車庫から出して展示しているところで
これを使っているのを見たことがあります。 -
鋼索にぶら下がって、鉄鉱石を運んで来た籠。
ここの掲示板に当時の様子が示されています。
ただ、ごく控えめな展示のようで、
当時のダイナミックな様子が伝わりません。
ここから鉄鉱石は長野原草津口駅を経て、神奈川県横浜市の鶴見まで
運ばれて行きました。
そこに日本鋼管の製鉄所があったからです。
たまたま前日にNHKの番組(ボーっと生きてんじゃねーよ!)で
この製鉄所で鉄鉱石から製鉄が出来る過程を紹介していました。
駅だけでなく、ここから運び出された鉄鉱石がどうなったのかなど、
幅広い情報があると一層魅力が増すのではないかと思います。
中之条町は、2年に一度ビエンナーレというイベントを行っている
そうです。
2007年に始まり、第7回を迎える「中之条ビエンナーレ2019」では、
国内外から創造的、革新的なアイデアやプロジェクトをもつ多分野の滞在制作アーティストによるアート展示、演劇、身体表現などの
パフォーマンス、ワークショップ、マルシェなどを開催します。
【展示期間】2019年8月24日(土)-9月23日(月祝)の31日間 9:30-17:00
思いがけず、現場の詳細を聞くことが出来、
文字通り日の暮れるまで話し込んでしまいました。
これが旅の醍醐味ですね。ありがとうございました。
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