白河の関、まず心にかかりて・・・

2019/06/22 - 2019/06/22

出張で福島県に一泊したので、帰路、白河の関に寄ってみました。
新白河駅からレンタカーで白河の関へゆきました。
人里離れた県境との近くに関はありました。
左右に山が迫り、隘路である所に設けたことが見て取れます。
ただ、もう少し栃木側に寄せたほうがより隘路になるとは思います。やや福島側に寄せた、ということは旧白川城との連携を重視した故かもしれせん。

関とあるので江戸時代の関所をイメージしていたのですが、さにあらず。
城塞でした。
土塁ではありましたが、この時代の城塞としては大規模と言えるでしょう。
土塁の高さは、群馬県太田市の金山城より高い印象です。行政府もあったのでしょうが、かなり大規模です。
また、車で5分ほど走ったところにある栃木との県境はかなりの隘路で車のすれ違いは困難な狭さでした。
かりに関を抜かれても、この峠を抜くことは大兵力を以てしても困難でしょう。

旧白川城に行ってみましたが、ことらは山城でした。
行政の中心は白河の関であったことは地形からも読み取れました。
聞くと行くとでは大違いを実感するショートトリップでした。

エリア 白河(福島)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 2.5
• 交通: 2.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: レンタカー 新幹線
• 旅行の手配内容: 個別手配

白河の関跡の駐車場の前にある白河神社の社務所

社務所脇にひっそりと芭蕉句碑がありました

白河神社入り口

発掘箇所を示す地図。
まだ多くの部分が未発掘のようです

白河の関跡を示す石碑

神社入り口の『阿』狛犬

神社入り口の『吽』狛犬

松平定信が建てた白河の関の石碑

社殿への階段は整備されていました

源義経か平氏討伐の際、矢を射たてたと言われる松があったようですが、跡形もありません

社殿途中にある『吽』狛犬。
入り口の狛犬とは配置が逆でした。
こちらの配置がオリジナルなのでしょう

社殿途中にある『阿』狛犬。
入り口とは逆の右側配置。
表情には面白みがあります

社殿に到着

社殿奥に神殿があり、大きな神社であることがわかります

由緒。
起源は135年に国造命が任命された頃まで遡るようです。
国造命が配置されてから、律令制で白河の関が登場するまでの数百年に何があったのか？
ロマンを掻き立てます。

古い古い大黒様

もはや文字が読めぬほど年月を経た石碑

小さな祠

どんな神様が祀られているのでしょう？

ここが単なる関所ではなく、城塞であったことを示す空堀

白河の関を囲む土塁。
鎌倉期には既に砦の機能は無かった、との事で鎌倉期より古い土塁のはずですが、かなりの高低差です。
土塁の上に柵を築けば、矢くらいしか飛び道具の無い時代は攻めあぐねたことでしょう

面白い形の古木。
歳月は自然のオリジナル造形をもたらします

従二位の杉。
推定樹齢は800年

旗立の桜
こちらも源義経ゆかりの樹です。
ここに源氏の旗を立てた、とのこと。

少し脚を伸ばして、下野国と磐城国の国境へ。
昔と道幅は変わらないと思われますが、かなりの隘路になっています。
車はすれ違いができない幅であることから、軍路としては有効だったことでしょう

国境には神社がありました。
昔は国境の福島側と栃木側の両方に神社があったようですが、現存するのは栃木側のみです。

神社は急な階段を登った先にあります。
社殿はみたところ、村社のような印象。
昔、源義経がここを通って兄、源頼経に合流した、という伝承があるそうです。
行きにここを通った義経は数年後、敗残者としてここを再び通るとは想像もしていなかったことでしょう

良い感じの案内碑
『領』というキーワードから江戸時代以前にはあったと推定されますが、いつ、だれが設置したのか？
想像を掻き立てます

帰路、白川城跡に寄りました

遺構は土塁・空堀のみ

本丸への階段

本丸
かなりの広さです。
城塞機能だけでなく、行政機能もあったのが想像されます

白川城の説明板
かなりの大きさだったようです