2019/05/18 - 2019/05/18
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ホーランエンヤは、370年の歴史を持つ松江の船神事。
起源は、松江藩主、松平直政が出雲に入国して10年目の慶安元年(1648年)。天候不順のため、稲作をはじめ不作に見舞われた直政は、城山稲荷神社の神霊を阿太加夜神社に運び、五穀豊穣を祈願させたというのです。
そして、櫂伝馬船の始まりは、文化5年(1808年)。神輿船が暴風雨のため危険になったところに馬潟の漁師が助けて、阿太加夜神社まで送り届けたことから。以降、10年ごとに四地区が加わって、今の五地区体制になりました。
さて、10年に一度の祭り。今回の令和元年は、5月18日から26日までの9日間。期間中、「渡御祭」、「中日祭」、「還御祭」の3つの祭礼が行われるのですが、今日は、初日の「渡御祭」です。
「渡御祭」では、城山稲荷神社で宮出しが行われ、御神体が神輿船に載せられると、それに続いて、5隻の櫂伝馬船を中心に100隻を超える船の一団が集結。大橋川を下って阿太加夜神社へ向かいます。そして、見どころはその間に行われる櫂伝馬船上の櫂伝馬踊り。歌舞伎役者よろしくの剣櫂(けんがい)に女形の采振り(ざいふり)の華麗な舞いは5隻の櫂伝馬船それぞれに競い合ってまったく目を見張るもの。大橋川のほとりで見守る大観衆の中で、私もその魅力に酔いしれました。
一番船(馬潟地区)
二番船(矢田地区)
三番船(大井地区)
四番船(福富地区)
五番船(大海崎地区)
櫂伝馬船は、先頭から、大海崎-福富-大井-矢田-馬潟の順。錦絵巻の雰囲気が少しでも伝わればと思います。
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朝方、松江市内の大橋川に到着。見ると川を臨むすべてのスペースにござが敷いてある。こんなに早くから、みなさん場所を確保しているんですねえ。そう思ったら、そうではなくて。。
これは祭りのボランティアの皆さんが敷いたもの。つまり、一般の観光客に気持ちよく見てもらうためのおもてなしだったんですね。これはすごい。全国あちこちの祭りに行く私ですが、こんなことをしてもらったことはない。松江ってなんて、暖かいんでしょうね。もう、このことだけで今日の祭りの価値はあったというものです。
私もここで、見る場所を確保しておいて。。 -
先に、神輿船の出航を確認しましょうか。
こっちもすでに観客が大勢集まってますよ~ -
沖合では、それぞれ役割を担った小船。
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そして、櫂伝馬船も集まってきてますね。
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櫂伝馬船も橋の下をくぐる時は高い飾りは折りたたむ。動力もスクリューになってます。
まあ、そんなところは舞台裏。見ても仕方はないんですけどね。 -
さて、ここが神輿船の出航場所。懐石料理、なにわ本店の前です。
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と、城山稲荷神社から、御神体の行列が到着したようです。
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ふむ、ふむ。
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なんでしょうねえ。
いろいろ準備してまして、 -
これがご神体?
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皆さん総がかりで
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ご神体を
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船に乗せています。
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はい、完了。
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その後、行列の人たちも
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小船に分乗して
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出航していきます。
そうなんですかあ。気が付くと、宍道湖大橋の上にもあんなにたくさんの観客。すごいですねえ。 -
さて、やおら櫂伝馬船の周遊が始まりましたよ~
最初の周遊コースは、宍道湖大橋と松江大橋の間です。
櫂伝馬船の先頭は、五番船(大海崎地区)。 -
舳先の剣櫂(けんがい)に、後尾の女形の采振り(ざいふり)も見えますね。
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オールもきれいに揃って、
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悠々とした
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航行です。
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先頭の役目を終えて、
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またスタート地点に帰っていきました。
なるほどー、こんな具合ですか。 -
続いては、四番船(福富地区)。
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船体の色は黒。
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白いラインとのコントラストも渋いですね。
剣櫂は、二人。交代で務めます。 -
石川五右衛門のような千日鬘(せんにちかつら)に、腰に巻いた紅白の横綱、化粧まわしが特徴。きらびやかです。
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采振りは、青いたすきが美しい。
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これも一週目は
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イチオシ
終了です。
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続いては、三番船(大井地区)。
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剣櫂が天に向かって手をかざし。
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そして、前に突き出す構え。いいですねえ。
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緑の漕ぎ手も
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華やかです。
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今度は、二番船(矢田地区)。
剣櫂の横綱は、緑と桜色です。 -
船は、白地に黄土色のストライプ。
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全体に中間色でまとめた感じかな。
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これも、静かに去っていきますが、
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後尾の采振りが
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余韻を残しますね。
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イチオシ
最後は、一番船(馬潟地区)。
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船には「いーまかた」と入っていて、これは一番船であることを示します。
剣櫂は、桃太郎さんみたいな前髪鬘。 -
采振りは、赤い着物に手に巻いた青い手おいがアクセントですね。
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これも、行ってしまいました。
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さて、二周目です。
大海崎の剣櫂は、黒紋付。ちょっといなせな雰囲気です。 -
それに対して、采振りは、鮮やかな赤。
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ひらひらというか、
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くねくねというか。
女性的な体の動きで魅了します。 -
こちらは、福富の采振り。
黄色いたすきに -
青い手おいの
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ひらひらが魅力です。
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大井の采振りは、
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さわやかな赤。
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風の中を
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舞うような軽やかさがいいですね。
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矢田の剣櫂は、腕の部分の網のようなジュバンが粋かな。
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腕を掲げた時に目立ちますね。
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後ろ側からの角度だと漕ぎ手は正面になるので、こっちはその美しさがあります。
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そして、馬潟。
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このエリアの周遊はこれでおしまい。
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船団は、次のエリアに移動します。
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今度のエリアは松江大橋と松江新大橋の間。
今朝、場所を確保しているので、その場所に戻って拝見します。
櫂伝馬船は、二番めの福富からですね。 -
黒塗りの船体が近づいてきました。
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音頭取りによる「ホ~オオ、ラ~イエ~ンヤ ホ~ランエ~エ ヨヤサノサ エ~ララノランラ」
ここだと歌声がよく聴き取れます。ゆったりした調べですが、五穀豊穣を祈ったという祈りの響きも感じます。 -
舳先に座って手を振っているのは水先案内。矢田では早助(はやすけ)と呼ばれるようですが、手にした長棹を操り、スムーズな接岸、他船との接触回避を行います。ただ、ここでは、先端に陣取って、独創的ないでたちで目立っています。
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とはいえ、やっぱり剣櫂が主役。
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イチオシ
歌舞伎役者よろしく、
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大仰な動きで観客にアピールします。
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そして、もう一つの主役は女形の采振。華やかな衣装に
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両手には、七色の布を重ねつけた采(ざい)と呼ばれる竹の棒を持つ。四斗樽の上に立って、限界まで上体を反り返し、くねらせ、采を振ります。
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剣櫂より、年少の子が務めていて、剣櫂に負けないようになんか必死に食いついている感じですね。
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行ってしまいました。
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次は、大井。
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剣櫂が、まっすぐに天に向かって剣を差し出していますね。
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体を
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反転させて、
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遠くを見るしぐさ。
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それを繰り返して
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拍手、拍手。
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やんやの喝さいを浴びて、
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イチオシ
これがホーランエンヤの醍醐味ですね。
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「ホ~オオ、ラ~イエ~ンヤ
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ホ~ランエ~エ
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ヨヤサノサ
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エ~ララノランラ」
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イチオシ
こちらの采振りは、長身なので、
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華やかさが
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いっそう引き立ちます。
素晴らしいですね~ -
これも見送って。。
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矢田の船です。
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これも剣櫂がよく見えます。
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ここの剣櫂は、
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衣装の横綱がどっしりしていて安定感がありますよね。
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イチオシ
腰の入った振り付けがそれをまた強調しているような気もします。
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そして、采振。
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黄色の手おいがいいアクセントになってます。
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船の色とお揃いになっているようにも見えますね。
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最後の馬潟。
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紫色が特徴。
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紫は一番船にしか許されていなんだそうです。
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ここの剣櫂は、前髪鬘。
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ちょっと若々しい感じが漂います。
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メリハリをつけて
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はーい、
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シュ、シュ。
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イチオシ
エイ。
決まりましたね。 -
そして、青い手おいの采振。
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年少の子です。
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けなげな感じがいいですね。
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大海崎。
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黒紋付の剣櫂。
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悠々とした雰囲気。
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大ぶりな身の動きで、
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これも特徴がある。
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見事に決めポーズです。
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これは、ホーランエンヤの舟唄を唄い上げる音頭取り。櫂掻きの漕ぐリズムもこの唄で合わせます。ここがしっかりしていないとホーランエンヤは成り立ちません。
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こちらの采振は、真っ赤な衣装。
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体をのけぞらせて、がんばってます。
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そして、再びの福富。
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剣櫂の動きとリズムがだんだんわかってきて、
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シャッターのタイミングも合ってきたかな。
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ハイ、
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ハイ、
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ハーイ、
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ハイ。
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調子よく
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撮れてますよ~
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ハイ、
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ハイ、
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これが撮りたかったんですよ~
動きのキレまでは伝わらないかもしれませんが、雰囲気はなんとか伝わりますかね。 -
この采振も、
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なんかけなげな感じがして
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好きですね~
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大井です。
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上半身が青で
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下半身が暖色のツートンカラーですね。
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それをどっしりした横綱が締めて
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イチオシ
安定感を出しています。
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そして、ここの采振は、やっぱりナンバーワンかな。
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華やかさと
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女性らしい動きの中にも小気味のよさ。
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主役の剣櫂への注目を完全に食ってる感じです。
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矢田です。
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剣櫂の動きに再び注目しましょう。
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徐々に近づいてきて
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いいですねえ。
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たぶん、踊り手もだんだん慣れてきて
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イチオシ
余裕が出てきたかな。
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動きがゆったり大きくなっているような気がします。
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そして、しんがりは再び馬潟。
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前髪鬘の剣櫂が特徴的ですよね。
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若々しい感じ。
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本来は、佐々木小次郎みたいな若き武芸者なんでしょうが、
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やっぱり桃太郎さんのイメージかな。
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かわいらしい雰囲気もあるような気もします。
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そして、采振。
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樽の上は不安定ですけど
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ちゃんと踏ん張って、いい感じ。
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どっちにしても、この会場ももう少し。
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最後まで気を抜かないで、がんばりましょう。
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さて、もう最後の周遊。
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次の会場へ移動しつつ、
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櫂伝馬踊りを続けます。
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あー、そうそう。
この采振はは、髪がさらさら。 -
ひときわ目を引く美少女なんですよね。
うまく写真が撮れなくて、残念でした。 -
さて、
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皆さん、
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最後の踊り。
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よく頑張りました。
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次の会場でも
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がんばってくださいね。
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私の方は、ここの会場で終わりにしましょう。
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十分堪能させてもらったと思います。
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お疲れさまでした。
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ありがとうございました。
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では、では~
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さて、ここで昼飯にしたいと思います。やっぱり、松江なら出雲そばですよね。
橘屋は、松江市街中心部にある出雲そばのお店。店内はあちこち黒光りしていて、老舗感がムンムン。いい感じです。 -
割子蕎麦をいただきましたが、そばの香りがしっかり。ところで、割子蕎麦をおいしく食べるコツは、ゾロゾロっとそばと出汁を一緒にすすることなんですよね。しかし、ここの出汁は少し味が濃い目なので、それがしにくい。これでは、割子蕎麦の醍醐味が少し減ってしまうような。そこが少し気になりました。
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食後のスイーツは、リビドー洋菓子店。蔦の絡まる外観がとってもおしゃれ。店内も悠々と広くて、これは申し分ありません。
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シュークリームをいただきましたが、注文するとクリームを詰めてくれて、これがなかなか新鮮な香り。和菓子が有名な松江ですが、こんな洋菓子店も悪くないと思います。
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松平不昧公の茶室といえば、明々庵なんですが、他にもあると聞いてやってきたのが普門院。
堀尾吉晴が松江城を築き、城下町を造成した当時に開創されたという天台宗の寺で、堀川のほとりにあって、不昧公もしばしば松江城から舟で訪れたとか。 -
見どころは、建物奥の茶室、観月庵。
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客殿から改めて庭へ降りて、茶室を訪ねるという趣向。待合から始まる
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茅葺の美しい茶室。
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リアルな茶の湯の雰囲気を
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楽しめます。
傍らの日本庭園も華を添えているかなと思います。 -
ホーランエンヤを見てきたばかりですが、
ここで松江ホーランエンヤ伝承館にも行ってみます。もう一度、おさらいですね。 -
360年の伝統を持ち10年に一度行われる祭り、ホーランエンヤの歴史とその姿を伝える資料館。
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五大地の櫂伝馬船、櫂伝馬踊り、衣装などの展示では
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それぞれ、船首で歌舞伎役者のような衣装をまとって踊る「剣櫂(けんがい)」と船尾の女形「采(ざい)振り」の人形が圧巻。
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まつりを見ていない人でも、これなら水上で繰り広げられる錦絵巻を十分に想像することができる展示だと思います。
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私も、さっきの感動がまた蘇ったような気持ちになりました。
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ここから、塩見縄手の方をぶらぶら。
長岡屋茂助白潟店は、比較的松江駅に近い商店街の中。島根の名物、あご野焼きのお店です。 -
食べ歩き用にあご野焼きをカットして油で揚げたのがあって、それをいただきました。あご野焼きはトビウオの濃い旨味が特徴なんですが、ちょっと塩味が濃いかな。もっと薄味の方が、トビウオのうまみがよく分かるんじゃないかなと思います。
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そして、B級グルメの最後は喫茶きはる。松江歴史館の中にある喫茶コーナーです。食券を買って、好きな和菓子をチョイスするスタイル。日本庭園を全面ガラス越しに臨む大広間はとっても快適。これなら大勢でも周りを気にせずリラックスできるでしょう。
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さて、お菓子の方はお店お勧めのわらび餅は、中に餡子を入れたタイプですか。
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イチオシ
その中に豆みたいな食感の塊りがあって、実はこれマロングラッセ。あれこれと工夫しまくりのわらび餅でした。
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それから、島根県立美術館へ。堀江友聲展。
堀江友聲は、現在の雲南市の生まれ。京都で一時、あの海北家の養子となったほど才能を見込まれた画家。 -
伯耆、備後、美濃など諸国を遊歴し、萩の毛利家で多くの作品を描き、養子を解消されると国元に戻ってきました。
島根の旧家には、この人の作品が秘蔵されていることがあって、地元では友聲と三代有聲の作品は、「これはともごえ。」「これはありごえ。」と言って区別されて、それを持っていることは一種のステータスになっています。 -
私も、その作品をこれほどまとまって見るのは初めて。その緻密でしっかりした画風に圧倒されました。ただ、島根では圧倒的な人気を誇っていても、正直言えば、全国的な知名度はいま一つ。たぶん、結局、京都の正統派すぎる画風なんですね。それは島根からするとあこがれになるんですが、他県から見ると個性や特徴がないになってしまう。その辺りに原因があるのかもしれないと見ていて思いました。
しかし、この展覧会もやっぱり私にとっては貴重なものになりました。
以上、長々と最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。お疲れさまでした。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 前日光さん 2020/01/17 16:27:39
- すばらしい祭りですよね!
- たびたびさん、こんにちは。
この祭り、たびたびさんもご覧になっていたのですね。
私も同じ日に渡御祭を見ました。
どこかですれ違っていたのかもしれませんね。
ずいぶん前から楽しみにしていた十年に一度の祭り、ついに見ることができてとてもうれしかったです。
たびたびさんは、この後の阿太加夜神社にも行かれて、陸上の絵巻物もご覧になった様子で何よりです。
この祭りの数々の場面を微に入り細に入り見させていただき、たいへんうれしいです。
私はデジカメで、カメラのセンスもないので、あの美しさを再現することはできませんが、たびたびさんの、この旅行記を拝見させていただきましたので、あの祭りを二度見た気分になりました。
本当にありがとうございます<(_ _)>
前日光
- たびたびさん からの返信 2020/01/22 10:18:21
- RE: すばらしい祭りですよね!
- 日本三大船神事でいうと、ほかには宮島の管絃祭に大阪の天神祭があるんですが、迫力ある華やかさでいえば、このホーランエンヤが一番ですね。管絃祭は夜の祭りなので、写真ではなかなか伝わりにくいし、天神祭は、まあ見る場所にもよるんでしょうが、こんなに間近で見るというわけにはいかない。遠目で見るしかありませんからね。
次回は10年後だし、思い切って行って、やっぱり本当に良かったと思います。
ただ、このような演出はたぶんどこかで大幅な手直しが入ったんだと思いますが、その辺りの情報はあまりない。その辺りは、まだ少し気になっています。
宮島の管絃祭は、参考まで
https://4travel.jp/travelogue/11269862
たびたび
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