シェムリアップ逍遥（2018年12月カンボジア）～その１：ハノイからシェムリアップへ

2018/12/01 - 2018/12/10

　カンボジア国内には次々に工業団地が出現しているが、その多くは中国がつくっている。そこへの道路や橋なども中国の資本で建設が進む。
　首都プノンペン市内を走る市内バスも整備されつつあるが、バスのボディーには、『中国援助』の文字が躍っている。なんでも１００台近いバスが無償で届けられたという。
　いまの中国とカンボジアの間には、ここまでの関係ができあがってきているわけだ。
　その関係はシェムリアップの街にもあからさまな影響を与えている。
　アンコールワットの入場券売り場の移転もそのひとつ……と、シェムリアップのカンボジア人がこう説明してくれた。
「突然、入場券売り場が移転しました。その場所を教えられて、そういうことかと思いました。新空港からシェムリアップに入ってくる道が決まったってことです。観光客はそこを走るバスやタクシーでやってくる。その入口に入場券売り場をつくったんです。でもね、だいぶ前から裏では決まっていたんでしょうね。前から不思議に思っていたんです。どうしてソカホテルが新しくここにできるのかって。フタを開けてみれば、入場券売り場の横じゃないですか。まずソカホテルに誘導して、そこで入場券を買わせて、アンコールワットという流れですよ」
　ソカホテルはシェムリアップを代表する高級ホテルである。ツアー客も多い。経営するソカホテルグループが、アンコールワットの入場券を徴収している。そしてソカグループの背後にはベトナムがいるといわれている。
「みんなつながっちゃうじゃないですか。中国とベトナムは、新空港をフックに、新しくいくつもの収入源をつくっていく」
「でも、わからないんです。カンボジアではそのあたりは触れちゃいけないことになっている。そういう国ですから」
　そんな話を耳にしながら、アンコールワットの入場券売り場に向かった。新しい売り場である。37米ドルを払って切符を受けとる。その建物を出ると、目の前にどーんと博物館が現れた。これがグランドパノラマ博物館である。
「これですか」
　同行したカンボジア人に訊いてみる。彼はちょっと困ったように頷いた。
　これが北朝鮮がつくった博物館だった。クメール時代の生活や文化を描いた大型壁画が売り物の博物館である。２０１５年にオープンしている。
　ここを訪ねたという日本人から話を聞いたことがある。
「北朝鮮でしょ。どうせたいしたことはないかと思ったけど、意外にすごい。迫力ありますよ。入館料は20米ドルでした。この値段だったら、見てもいいかも」
　この博物館は北朝鮮がつくり、カンボジアに寄贈するかたちをとっている。しかし最初の10年間は、北朝鮮が運営を行なう。つまり入館料は北朝鮮に入っていくのだ。
　はじめ北朝鮮は、アンコールワットの入場料に、この博物館の入館料を加えたものを要求したという。仮にそれが加わると、アンコールワットの入場料は１日券が57米ドルになってしまう。
　カンボジア政府とのこの交渉はうまくいかず、結局、単独の博物館になった。カンボジア政府も、３倍近い値上げへの反発を考えたのだろう。

下川裕治「巨大な利権が絡むカンボジアのアンコールワット（下）」BizAiA! 2018年5月7日付け，2019年4月26日閲覧より
http://bizaia.asia/%E5%B7%A8%E5%A4%A7%E3%81%AA%E5%88%A9%E6%A8%A9%E3%81%8C%E7%B5%A1%E3%82%80%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%882/

シェムリアップ逍遥～その２：街歩き＆シェムリからバンコクへバスの旅
https://4travel.jp/travelogue/11494169

エリア シェムリアップ(カンボジア)

• 旅行の満足度: 3.0
• 観光: 3.0
• ホテル: 3.5
• グルメ: 2.0
• ショッピング: 3.0
• 交通: 3.5

• 同行者: その他
• 一人あたり費用: 25万円 - 30万円
• 交通手段: 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 航空会社: ベトジェットエア
• 旅行の手配内容: 個別手配

ハノイの最後は，ハイフォン麺店で「バインダークア」をもう一度食べ，

ハノイ駅東側やや南にある86番バスの起点から，ノイバイ空港へ向かう。

途中の停留所一覧。

バスの時刻表。05:10-21:45の間に20-30分間隔で運行されている。

運賃は一人35kd。（１kd＝約５円）

オレンジ色の車体が目印。

日曜日の昼間だったが，乗客はほとんどいなかった。

道路も混雑することなく，ハノイ駅から約50分で国際線Ｔ２に到着。

ノイバイ国際空港 (HAN) 空港

カンボジアは，入国に際して，イミグレカード，税関申告書，ビザ申請書＆顔写真（６×４cm）が必要。

ビザ申請から税関を抜けるまで最低１時間はかかる。毎度のことながらうんざりする。

シェムリアプの空港タクシーは中心街まで10USD。06:30-23:00営業。

隣に両替所もあるが，米ドルの少額紙幣（１ドル，５ドル）は日本の銀行で新札を用意しておくのがコンパクトで便利だと思う。

シェムリアップ国際空港 (REP) 空港

ソクサン通り近くの宿に落ち着く。

ブティックドミトリー 高知家 ホテル

ソクサン通り周辺は「１ドル飯」の食堂が集まっていることで有名だ。

メニューには一人前１～２ドルの料理が並び，生ビールはマグ一杯0.5ドルである（ビールは他のエリアでも同額）。（１USD＝約115円）

しかし，これを「安い」と喜んではいけない。

生ビールについては，0.5USD＝約11000VNDだ。ベトナムのビアホイと同額か，高いくらいである（安いビアホイは一杯7000VND前後）。

料理については，1USD＝約30THB，1.5USD＝45THB，2USD＝60THBだ。バンコクと較べてやや安いかな，という程度。タイの地方都市と較べるならほぼ同額といってよい。

そして重要なことは，タイとは違って，シェムリの１ドル飯というのはたいがい「激マズ」なのである。

朝食はまあ，我慢できる。

しかし，こういう店に入って，

１ドルの空心菜炒め，

１ドルの焼きそば，

こういうのを注文すると，味もそっけもない，子供が作ったような料理が出てくるのである（本当に子供が作っているのかも知れないが）。

やはり「１ドル」が良くないのかと考えて，３ドルとか４ドルの料理を注文してみるが（写真はロクラク），

大方の予想どおり，金銭的損害が３倍，４倍になっただけであった（心理的ダメージも）。

（写真は空心菜のソムロー）

損害を最小限に留めるためにまた１ドル飯に戻すが，ふと

「カンボジアくんだりまで来て，なんでこんなものを食べておるのか」

と我に返り，愕然とする。

元気を取り戻すため，市場（プサールー）へ行ってみる。

プサー ルー 市場

トンレサップ湖の恵みも多いが，

やはり肉屋の多さが目につく。

肉屋の主人は，たいてい体格のよいおばちゃんで，屋台の上にどっかと胡坐をかき，大きな木の中華俎板を使って肉塊を裁いている。貫禄である。

ムスリマの牛肉屋台も多い。

明日は遺跡などを回ってみよう。

夜，スーパーに酒を買いに行ったら，

こんな品揃えだった。

最近の東南アジアは，首都以外でもすごい。


シェムリアップ逍遥～その２：街歩き＆シェムリからバンコクへバスの旅
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