
2019/02/05 - 2019/02/07
16位(同エリア145件中)
琉球熱さん
『沖縄の島旅 体験レポートキャンペーン』に「当たってしまった」おかげで、今まで踏ん切りがつかなかった大東島に行くことができた。
この上ない機会に感謝、感謝である。
ノルマの旅行記は書きなぐるように仕上げたが、書き漏らしたこと、スポンサーの関係で書けなかったこと等々、これから旅を計画する人に役立ちそうな情報を徒然に記そうと思う。
例の如く、かなり私見が入る、しかも辛口(笑)
その点は加味して(差し引いて?)読んでいただければと思う。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- レンタカー JALグループ スカイマーク
-
のっけから不平で恐縮だが、今回の羽田発の便は6:30。
この通り、外はまだ暗い。
ターミナル内の売店もほとんど閉まっている。
ま、それはいいのだが、那覇着9:30で那覇発南大東行きが13:10だ。
南大東行きは動かせないことを考えれば、昼食時間を差し引いても羽田発8時半前後の便で充分だったはず。
さらに復路も北大東発那覇着16:35、ところが那覇発羽田行き19:10。
これも18時前後の便だったら羽田で晩メシ・ジプシーにならずに済んだ。
コストが理由なのはわかるが、ウロウロ歩くことでかえってお金を使ってしまうんじゃ?
まぁ、タダだから文句言っちゃいけないのだろうけど・・・
自腹で行く時は、この連絡を充分考慮した方が良いだろう。 -
【アクセス】
北にしろ南にしろ、大東島はアクセスが難点・・・と思いがちだ。
事実、空路も海路も運航日を事前にチェックしないと思わぬ足止めを食らう可能性がある。 -
たとえば空路。
那覇から南大東島へは毎日運航しているが、午前1便だけだ。
この便は北には行ってくれない。
午後便は北も南も周るのだが、曜日によっては「北経由で南」とか「南経由で北」というルートになる。
これは、那覇空港-南大東空港-北大東空港-那覇空港の三角ルートで運航され、曜日によってその回りが逆になるからだ。 -
整理すると
那覇-南大東 午前便は毎日1便
那覇-南大東-北大東-那覇が火・水・木曜 各1便
那覇-北大東-南大東-那覇が日・月・金・土曜 各1便
空路を考える場合、このスケジュールが大前提となる。
また、この路線を担当する琉球エアコミュータの機材は小さいので、荷物は5kg以下。1kg増えるごとに追加料金があるので注意。
ダイビングや釣りなどで荷物が多くなる場合、事前に宅配便で送った方が良いかもしれない。
この辺は、宿や催行業者に相談するのが最善だと思う。 -
今回は船を使わなかったので実感としてはわからないが、定期船「だいとう」の乗船はちょっとばかりややこしそうだ。
サイトで運航日をチェックして電話予約。(予約なしでは乗船できない)
これで安心してはいけない。なにせ名うての荒れ航路。欠航や変更がないか、ちょいちょいチェックした方が良さそう。前日・当日の運航の確認は必須。特に島から出る際は、出港する港も必ず確認。 -
こう書くと「やっぱり敷居が高いな」と思われるかもしれないが、他の島が比較的穏やかな航路で予定通りに運航しすぎる(笑)とも言えるのだ。
八重山でも波照間島や与那国島の航路は荒れやすいし、台風が近づけばどの島も行けなくなることも多いのだから、大東島への航路の長さを考えれば全てが順調に行く方が稀、と言えなくもないのだ。
空路であれば那覇から1時間。石垣に飛ぶようなものである。
距離は那覇から宮古、奄美とほぼ同じ。
アクセスが難点、といっても
実は難点なのは「先入観」かもしれない。
https://youtu.be/6yZdMLx-nvM
南大東から北大東へのフライト動画
離陸して南大東島を見下ろしたと思ったら、着陸案内の放送(笑)
2分と少々長いが、南大東に無数の池があることがわかるし、なによりCAのアナウンスが唐突(笑)(南大東上空の時点で出てくる) -
【宿とアシ】
さて、今回の旅で用意されたのは航空券のみ。宿・レンタカーは自分で手配だ。
当然のことながら島には交通機関がないから、アシは確保しておいた方が良い。
平坦な島とは言え、アップダウンはある。南よりも北の方がアップダウンが多いと感じた。(どれも短いが)
できれば動力付きの方が楽だし、フットワークも軽くなる。 -
南大東島には4軒、北大東島には2軒の宿がある。
注意しなければいけないのは、旅行のサイトには未掲載の宿もあること。そして、意外に競争率が高いこと。
「いい宿」から埋まって行く。南なら「よしざと」、北なら「ハマユウ荘」だ。
2月と言えば沖縄観光の最大のオフシーズン、宿はいつでも取れるなんて思ったら大間違い。
そう、この時期は公共工事のピークでもあるのだ。ということは、敵は法人の団体である。 -
だからか、宿側も強気だ。
案の定、上記2軒にはこともなげに断られた。
「よしざと」はこちらの人数(1人)を聞いてから、やや間を置いて「満室」と言ったし、「ハマユウ荘」は朝食だけでもお願いできないかと粘ったが、スタッフが足りないとにべもなかった。
あの「間」はなんだったのか?
たった一人分でスタッフの数? と勘繰りたくもなる。
まして「ハマユウ荘」は村営だから潰れる心配もないしね・・・
宿は2食付の方が安心であることは、離島旅に慣れた人ならわかるだろう。
特に大東島は食事処が多くない、北大東島は「ない」と思っていた方が良いくらい。
(正確には「部外者にはわかりづらい」)
北大東でハマユウ荘が取れなかった場合は、素泊まりのみの二六荘になるわけで、私は携帯湯沸かし器とカップラーメンを持参した。 -
レンタカー専業業者も非常に見つけにくいので、宿にセットでお願いするのが一般的だ。
事実、ハマユウ荘もよしざともレンタカーを持っているし、なんと二六荘も!(軽トラだけど(笑))
ただ、今回南の宿「KIRAKU」ではレンタカーを持っていなかったので、「ムーンピーチレンタカー」にお願いした。
その前に「サザンクロス」という宿にお願いしたのだが、宿泊客優先と断られた。まぁ仕方ないかもしれないが、それならそうと電話の最初に言うべきだろう。
ちなみに「ムーンピーチ」も宿との併設である。
宿・レンタカーともに、とにかく「早め」にネットではなく「電話で」予約すること。
「よしざと」も「ハマユウ荘」もネットでは予約できない。
※南のKIRAKU、ムーンピーチはネット予約可
正直なところ、出発前にこんな状況だったので、大東島に対する心証は決して良くなかった。 -
【観光】
今回は宿の予約でもレンタカーの予約でも「?」の印象を受けた。
工事関係者が団体でしかも長期で滞在する時期でもあるからだろう。 -
また2月は、沖縄観光の閑散期で海も荒れやすい。もとより、ビーチのない大東島では海遊びもままならない。
ダイビングは上級者向き。エントリーして即20mとか、ドリフトとか、耳抜きがすんなりできない人には無理だろう。(私も無理だ) -
では、最適なシーズンはいつか?と考えるとこれは難しい。歴史や風土に触れるのならいつでも良いわけで、真夏は暑過ぎて観光客が減るというから、春か秋か?
何とも言えないが、それでも2月はやはりダメだと思う。
大東島ならではの、地底湖探訪やダイトウオオコウモリを探すナイトツアー、これらを催行している業者が、長期休業してしまうからだ。
南大東島の固有の自然を体験できる貴重な機会が、むざむざ失われるのは何とも残念だ。 -
北にいたっては、せっかくの観光資源(となりそうなもの)も放置されたままで残念である。
燐鉱石貯蔵庫跡も瓦礫の山、裏手に行けばゴミ捨て場だ。(地元の人は「ただの廃墟」と言っていた)
「天然記念物」とうたうビロウ林も貧相な標柱が一本あるだけ。
長幕もとても天然記念物を有する一帯とは思えない。 -
なお、南のビジターセンター「島まるごと館」は触れ込み通りの内容を期待して行くと落胆する。
オフシーズンの平日、という事情を差し引いても、ここの展示内容はあまりに貧弱で、観るべきものはほとんどない。
かつての「ふるさと創生資金」で造られた典型的な「箱モノ行政」の成果物で、造りっぱなしと言う点も正にその典型である。 -
島の歴史や風土を知るなら「ふるさと文化センター」の方が格段に有益だ。
ここは是非訪問しておきたい場所。 -
【大東島の自然】
海が荒くて船が岸壁に接岸できない、というのは有名な話だ。
だからこそ普通に使える港が島民(漁業関係者)の悲願だったことは旅行記本編でも触れた。 -
この辺の事情を知り、両島の大規模漁港を見学すると感慨深いものがある。港に設置された建設過程の説明板も読んでみると一層である。
この漁港ができたことで港に係留できるようになり、それはつまりクレーンで陸揚げする必要がなくなることでもあり、村の漁船の大型化を推し進める要因ともなった。
入れ食い状態の漁場を前に、数十年もの間、両島の漁業関係者は切歯扼腕の想いであったに違いない。 -
しかし、もろ手を挙げて喜んでばかりもいられないようだ。
まず、要塞のような港は漁港であり、入港口は狭くて定期船「だいとう」は入れない。
相変わらずクレーンでの積み下ろしだ。
まぁ、これも観光資源になっているのだから悪いことばかりではないのかもしれないが・・・
そしてもう一つ。
実はこの大規模漁港ですら、海況によっては熟練の船長でも集中力を最高に高めないと岸壁に激突する危険性があるのだという。
事実、南では当初設けていた堤防の一部を敢えて撤去(破壊)した。
数百億の国家事業でも、大東の荒ぶる海を完全に攻略することはできないのだ。 -
台風シーズンの天気予報で必ず登場する大東島。
奇しくもその猛威を想起するには充分なものを見ることができる。
南大東島に設置された風力発電の風車。
一見、建設途中かと思ったのだが、実は「可倒式」。
台風に立ち向かうのではなく、「避ける」。逆転の発想である。
この器材の導入には沖縄電力の並々ならぬ熱意と苦労があった。
生まれは欧州、導入するにも国内各種の基準に合わず、粘り強く経産省やメーカーとの折衝を繰り返し、国内初の設置は波照間。南大東は2番目である。
この風車がブンブン回っているところを是非見たかった。 -
そして北大東島の西港緑地公園の遊歩道。
どう考えても周囲となじまない立派な公園だが、その遊歩道の柵が木端微塵になったまま。これを破壊する台風とは・・・
そして壊れたまま放置という、箱モノ行政の「あるある」。
巨額の補助金で後先考えずに造り、維持費はないからほったらかし。
この公園にはさらに立派なトイレとシャワー室まで完備されているが、誰が使うのだろう。
案の定、強い潮風は室内にも侵入し、錆だらけだった。 -
島の人が「ただの岩」と言い切ってしまう「台風岩」にしても、この島を襲う台風のパワーを想像する手立てにはなる。
確かに「ただの岩」だ(笑) しかしこの大きさの岩を飛ばす風ってナニ?・・・と思えるかどうかだろう。 -
台風と共に暮らす島・・・それは海だけではない。日の丸山展望台から見渡せばよくわかるのだが、北海道を思わせるような広大な農地の一画にアクセントのように防風林がポツンポツンと設けられている。
家の周囲を防風林で囲み、サトウキビ農家は台風に対処してきた。
コンクリートがなかなか入手できないという離島ならではの建築事情もあったという。 -
隆起サンゴでできた海洋島。
ゆえに地下は空洞だらけ。
代表的なものが「星野洞」だが、ここは一見の価値あり。
沖縄本島や石垣島、久米島、宮古島などにも観光鍾乳洞があるが、ここ星野洞は一番キレイかもしれない。
余計な「ライトアップ」をしていないのだ。妙な演出をしていないからこそ、自然の凄さを実感できる。そのくせ、懐中電灯などを使わなくても充分観察できるだけの照明は施されている。(以前は懐中電灯だったらしい) -
そしてここの鍾乳石は異常に細い。極細の鍾乳石が剣山を逆さにしたように大量にぶら下がっている。「ソーダ・ストロー」と言うのだそうだが、その景観、見事!
また、地底湖という滅多に体験できない場所にも行けるのが南大東島だ。
今回、絶対行こうと決めていたにもかかわらず、唯一のツアー業者が内地に帰省中・・・おいおい
やはり2月は観光シーズンとしては閑散期なのだろう。
同じような鍾乳洞は北大東島にもあるらしい。現に北と言わず南と言わず、島内至る所に不思議な穴が散見される。これらのほとんどが隆起サンゴによってできた島であることを表すものだ。
しかし星野洞と秋葉地底湖以外、一切観光化されていない。
北の島民の間でも話題には上るらしいが・・・ -
事前にちょっと調べていくか否かで、感じることも変わってくる。
南の「大池」もその一つ。
こんな小さな島にいくつもの湖沼があり、それが実は地底深くで海とつながっていて、わずかながら塩分を含んでいる・・・
おぉ!だからオヒルギが生きて行けるんだな!
と思うか思わないか、だ。
遊歩道は短くて行き止まり、何も見えなくてつまらない・・・etc
評価の低いクチコミも多々ある大池だが、この池の壮大なスケールを感じるか感じないかは人それぞれだろう。
海に接していない陸封型のマングローブ林は世界的にもとても珍しいんだけどね。
決して大きくない池に浮島があることや、そこがダイトウオオコウモリの棲家になっていることなども考えれば、やっぱり私は「凄いなぁ」と感心してしまう。
#どうでもよいけど、この写真、ハートに見えない?(笑) -
【戦跡】
戦禍はあまり感じない大東島だが、空襲や艦砲射撃の被害はあったそうだ。
今回は戦跡をターゲットにしていなかったので、きちんと見ることはできなかったが、それでも南に19、北に14の戦跡があるという。
戦時中は約6000人もの兵士が駐屯していたというから、戦跡があって当然。
ただ、事前に調べていないと探すことは難しいし、気付かない。標識も何もないからだ。 -
今はグレイス・ラムの工場となっている「旧南大東空港」も、元はと言えば日本軍が建設したもの。かつての滑走路はほとんどが取り壊され、村営住宅になっている。
-
日の丸展望台のすぐ下に「電波探知壕」がある。
「軍が日の丸を掲揚した形跡を感じる点はない」との声もあるが、展望台から真下を覗き込めば、不自然なコンクリート(かなり粗悪な)の塊が見える。
茂みの中の不自然さを見ればピンと来るはずだ。 -
北大東島にも灯台の脇に石碑がある。
傍らの穴が防空壕だったのかどうか不明だが、おそらく間違いないだろう。
ただ、内部はゴミ置き場と化している。 -
【夕陽】
南も北も海に沈む夕陽が美しい
島に行ったら是非見ておきたい光景だ -
朝日はそれなりに準備が必要だが、夕陽ならその日の行動の延長線上で見ることができるからオススメである。
-
南でも北でも、島の西側に行けば
-
素敵なサンセット・ショウを見ることができるだろう。
-
【おまけ】
グレイス・ラム
工場に行っても、商品によっては売切れだったりする。
商品購入なら島内の商店の方が確実。
勢いでラム酒は買ったものの、いまだ未開封。
ラム酒のケーキは驚くほどアルコール分が強く、子供は止めておいた方が良さそう。
美味しいけど食べ過ぎると酔う(笑) -
RACのCA
めちゃ可愛かった(笑)
しかし、南から北への移動だったため、わずか5分でさよならだ(涙) -
【総括】
良くも悪くも観光地化されていない大東島。
観光客を受け入れる態勢になっているとは言い難い。
しかしそれは「拒絶」と言う意味ではない。
厳しい自然環境の下、生活することは並大抵のことではないだろう。
内地にいる我々が想像できない苦労があるはずだ。
まして冬場はサトウキビの収穫期、お気楽な観光客の相手などしていられないというのが本音かもしれない。
島民によるガイドもあるにはあるが、お決まりの観光スポットを周るだけで(南は大東観光商事、北はハマユウ荘)、大東島ならではの鍾乳洞や地底湖といった固有の自然遺産についてはフォローできていない。地元の人にとっては洞窟など珍しくもなく、わざわざ相応の準備をしてまで行こうとは思わないのだろう。
南はそれでもいくつかの観光スポットと観光資源がある。しかし北は観光スポットも乏しく、宿が2軒と言うことからも観光が産業として成立しにくいことが想像できる。
観光客誘致がこの島にとって本当に幸なのかどうか・・・
そっとしておいてあげた方が良いのかもしれない。
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