2019/03/07 - 2019/03/08
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AandMさん
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工芸品はある程度の鑑識眼が必要ですが、絵画は見るだけで時代背景や画家のアピールポイントを理解することができるように思います。マニラ訪問の機会に、フィリピン絵画を見学することにしました。首都マニラには大小沢山の美術館や博物館がありますが、代表的なフィリピン絵画が展示されている二つの美術館として、マニラ都立博物館(Metropolitan Museum of Manila)とフィリピン国立博物館(National Museum of Fine Arts)を訪問しました。これらは日本語表示では「博物館」ですが、実際に訪れてみると展示品は絵画が圧倒的に多く、実質的な「美術館」でした。
フィリピンは熱帯で湿度が高い地域にあり、木や布は容易に劣化するため、古い絵画は殆ど残っていないとのことです。スペイン統治時代(16~19世紀)に書かれたものが最も古く、展示品は20世紀以降の作品が大部分でした。フィリピンの人々の宗教、歴史、生活、価値観などを美術館の作品群からある程度知ることができたように思います。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
- 利用旅行会社
- ジャルパック
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3月7日
宿泊したホテル(Pan Pacific Manila)の近くにマニラ都立博物館(Metropolitan Museum of Manila)がありましたので、訪問しました。マニラ湾岸沿いのベイウオークに面していますが、車通行が多い通り(Roxas Blvd)にありますので、車に注意しながら入り口まで進む必要があります。入場料は100ペソでした。メトロポリタン美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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中に入ると大きな広間がありました。彫刻や絵画がありますが、比較的最近の作品です。
メトロポリタン美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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中央ホールに展示されていた大作ですが、1990年代にフィリピンの画家が描いた絵です。
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こちらもとても大きな絵です。フィリピンの人々に降りかかった苦難を表しているようです。
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抽象的な絵です。
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労働する光景を描いた絵で、人々の生活の様子が分かります。
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富裕階級の女性の絵です。ベッドに二羽のニワトリがいるのが印象的です。
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フィリピン女性の肖像画です。
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高層ビルとスラムが混在するマニラの状況を描いたものです。画家Pablo Baen Santosが1997年に描いた"Bumnabum"というタイトルの絵である、と説明されていました。
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ピカソ的な抽象画です。
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こちらも抽象画です。$マークが沢山描かれていることから、成金や金儲けを批判しているように思われます。
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燃え盛る林の中に人が立っているように見える、彩色豊かな抽象画です。画家Ramon Estellaが1975年に描いた"Mi Ultimo Adios, Stanza I"と題する絵です。絵画名は現地語(タガロゴ語)のようです。英語説明をつけて欲しいものです。
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こちらも抽象画で、道に架かる橋の上に人が立っているように見えます。アピールポイントは何なのかが良く分かりません。
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地階に特別展示室がありました。装飾工芸品が沢山展示されていました。抽象絵画と違って、見ただけで面白さや緻密さが分かります。
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赤い嘴を持つ黄金色の鳥です。
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昆虫(カブトムシ、クワガタ)の行進です。昆虫の細部まで丁寧に作られています。
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大小様々なカエルです。2018年の作品で、真鍮、ガーネット、猫目石、金などを使った芸術品です。
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比較的分かり易い絵です。
グラフィックアーティストZny Laygo(女性)が1978年に描いた"Spanish Fort, San Esteban, La Union"と題する絵です。サンエスティバンにあるスペインが造った砦の廃墟を描いたものです。廃墟に茂る木、石壁に書かれた動物の絵、そして砦の下を歩む女の子の姿が、荒廃した砦の雰囲気を伝えてくれているように思います。この博物館にあった絵の中で、比較的分かり易い部類に入るように思います。
マニラ都立博物館(Metropolitan Museum of Manila)に展示されている絵画や芸術作品は、大略、1990年以降の新しい作品です。フィリピンの文化や芸術に大きな影響を与えているスペイン色があまり感じられませんでした。フィリピン独自の芸術展示が指向されているように感じました。メトロポリタン美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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3月8日
フィリピン国立博物館(National Museum of Fine Arts)は、リサール公園にあります。ホテル(Pan Pacifin Manila)からタクシー利用できましたが、タクシー運転手にはこの博物館の英語名称が伝わりませんでした。この周囲に似た名称の人類学博物館や国立自然史博物館などもあるので、区別がつかなかったようです。
国立自然史博物館の前でタクシーを降りて、グーグル地図を見ながら300mほど歩いて、この博物館に到着しました。フィリピン国立美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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博物館入り口に行列が出来ていました。開館は10:00amですが、ここに到着したのは開館の10分前でした。
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暫く列に並んで待っていると、10:00amに守衛さんが入り口を開けてくれました。国立博物館は大きくとても立派な建物です。以前はフィリピン議会などの公的用途で使われていたようです。簡単なセキュリティーチェックを受けて、博物館に入りました。入場料は無料でした。
フィリピン国立美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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最初の広間に掲げられている大作です。フィリピンを代表する画家Juan Lunaが1884年に描いた”Spoliarium”で、舞台はイタリアの古代ローマです。殺された戦闘士から武具や衣類を奪う様子が描かれています。この絵はマドリーッドで開催された競技会で金賞を受賞し、高く評価されました。
フィリピン出身の画家の世界デビュー作品、と見做されています。 -
広間に掲げられていた他の大作”Assassination of Governor Bustamante and His Son”で、1719年にフィリピンであったブスタマンテ総統と息子の殺害を描いたものです。フィリピン歴史に残る重要な事象のようです。
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フィリピン絵画として古いものは、1800年代に描かれた宗教画が中心です。沢山の宗教画展示がありました。フィリピン各地の教会で保存されていた絵が、この博物館に集められ、展示されているようです。
聖母子の絵ですが、マリアとキリストの顔つきがアジア的な感じがします。 -
聖者の絵です。Hilarion Asuncion Y Eloriaga (c.1840?)が19世紀後半(Late 19th century)に描いた"Nuestra Senora de la Asuncion"との説明が付けられていました。タイトルはスペイン語で、"聖母像”のようです。
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Castor Resurreccion (1840-1910)が1887年に描いた"Nuestra Senora de Guadalupe"です。スペイン語を翻訳すると"グアダルーペの聖母"となります。
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"La Coronacion de la Virgen", by auknown artist of Leyte, Mid 19th centuryの説明がありました。フィリピンのレイテの無名画家が描いたマリア像です。
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これも無名画家が19世紀初頭に描いた宗教画"La Santisima Trinidado"です。”聖三位一体”を絵にしたものです。スペイン語でなく英語説明にしてもらいたいものです。
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類似構成の3人聖者の絵”聖三位一体”です。
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同構成の別の画家による絵です。
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無名画家による"San Emigdiom Obispo Y Martir"で、18世紀後半から19世紀初めに描かれた、と説明がありました。”聖Emigdiom司教と殉教者”の絵です。
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聖母子の絵です。
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前作と似た構成の絵で、多分、別の教会に掲げられていたのではないかと思います。
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展示室の一角にあったプレートに、「この場所をRamon and Milagros del Rosario Family Hallと名付ける, August 27, 2016」と書かれていました。一連の宗教画はフィリピンのロザリオ家から国立博物館に寄付されたようです。
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博物館の回廊に彫像が並んでいました。
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小絵画も沢山回廊に陳列されています。
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十字架を運ぶキリストの絵で、ヨーロッパの教会などにも描かれている宗教画です。ボホールの無名画家が1830年に描いた、と説明されていました。
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前の絵と同じ無名画家による作品です。
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フィリピンの古い教会で保存されていた木製の彫像や祭壇も展示されています。18世紀頃に造られたものが大部分でした。
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祭壇と聖職者像は、Bohol州、Dimiaoの"Church of San Nicolas de Tolentino"にあったもので、18世紀に造られたものです。
フィリピンは湿度の高い亜熱帯にあるため、湿度の低いヨーロッパに比べて木製像などの劣化の進みが早いように思いました。 -
比較的近年の19世紀に描かれたフィリッピンの肖像画です。"Mrs. Banksの肖像”、Fernando Amorsole Y Cueto (1892-1972)が1956年に描いた作品です。
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Joge Pineda (1879-1946)による”フィリピン美人、Filipina Beauty"で1920年頃の作品です。
近代になると、宗教画から肖像画などの一般絵画が多くなり、描かれている対象がスペイン的ではなくてフィリピン的に移行しているのが分かります。 -
Isabelo Tampinco y Lacandola (1850-1933)による"A Pair of Figurines"で、1920-1930年に造られた彫像です。
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フィリピンが舞台となった戦争関連の絵画も展示されています。
Eduardo Perrenoud (1913-1995)による"Landing of the Liberation Forces in Lingayen", 1940年の作品です。 -
Romeo V. Tabuena (1921-2015)が1948年に描いた"The Leyte Landing"です。太平洋戦争の終期に米軍が日本軍と戦ってレイテ上陸を果たした状況を描いています。
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Fernando Amorsolo y Cueto (1892-1972)が1942年に描いた"Burning of Sto. Domingo Church"で、日本軍がマニラ攻撃をした際に焼失するドミンゴ教会の様子が描かれています。
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Dominador Castaneda (1904-1967)による"死の行進、Death March"で、1948年の作品です。世界大戦中にパターン半島であった「死の行進」はフィリピンの人に強い印象を残していることが伺われます。
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第2次世界大戦後のフィリピンの庶民生活を題材にした絵も多く展示されていました。
Fernando Amorsolo y Cueto (1892-1972)が1950年に描いた"Tinikling"で、農民達の収穫の喜びを表しています。 -
水遊びをする子供たちの絵です。
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海に浮かぶ帆舟を眺める母子の絵で、フィリピンらしいと思います。
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川辺で洗濯をするシーンを描いた絵で,ほのぼのとした雰囲気が感じられます。
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Fernando Amorsolo y Cueto (1892-1972)が1935年に描いた「マンゴーの木の下で、Under the Mango Tree」です。
この画家は、1972年に「フィリピンの国民画家、National Artist for Painting」の称号を得ています。庶民やフィリピン光景の絵を多く描いていますので、フィリピンを代表する画家として評価されたものと思われます。 -
Juan Luna y Novicio (1857-1899)が1892年に描いた"パリジャン生活、Parisian Life"です。
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"パリジャン生活、Parisian Life"を描いた画家(Juan Luna y Novicio)の経歴と業績が大きなパネルで説明されていました。博物館1階の大広間に展示されている”Spoliarium”も同じ画家の作品です。
この画家はヨーロッパ滞在中に油絵技法を習得し、世界的に高評価を受けた絵を多く書いています。フィリピンが世界に誇れる画家とされています。 -
2階と3階を通した博物館の中央スペースに広大な壁画が展示されていました。
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一連の壁画中央部にあったプレートです。現地語(多分タガログ語)で書かれているので正確には理解できませんが、この壁画は複数名の画家による共同制作のようです。
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フィリピンの歴史が描かれた壮大な壁画で、終わりの箇所には太平洋戦争での日本軍のフィリピン上陸、マカーサーが率いる米軍の上陸、そしてフィリピンの独立の様子が描かれています。壮大な絵巻物のような壁画で、ゆっくり鑑賞する価値があるように思いました。
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博物館の見学を終えて1階の大広間に戻ると、Juan Luna y Novicioが描いた”Spoliarium”の前で多数の学生がガイドの説明を聞いていました。絵の内容も含めて、多分、フィリピンの歴史なども説明されているように感じました。
絵画は画家の目を通して描かれてはいますが、各時代の人々の様子、問題、意識などが表されているように思います。マニラ都立博物館(Metropolitan Museum of Manila)とフィリピン国立博物館(National Museum of Fine Arts)を訪れることによって、フィリピン文化のルーツと人々の考え方を少しだけですが学べたように思います。フィリピン国立美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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