2018/09/07 - 2018/09/07
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mirilinさん
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ポルトガルの帰り、西の果てからのフライトは、この年季の入った身体には堪えるのではということで、経由地パリで1泊し、ホテルでゆっくりしてから日本に戻ることにしました。
僅か1.5日のパリ滞在でしたが、そこは貧乏性の私ですから、「ゆっくり」なんてしていられません。
いろいろ考えた結果、今回は前回駆け足でしか見なかったオペラ座見学と、30年ぶりのヴェルサイユ宮殿見学をすることにしました。めっちゃベタな観光地ですが(笑)
オペラ座は、パリ滞在中には何度も何度も前を通るものの、じっくり中を見学したことある人は少ないのではないでしょうか?ツアーとかだと、ほとんど外観見学だけですからね。そして外観だけでもとても感動しますし。
そんな外観だけで満足していたあなた!ぜひこのブログで、内部の素晴らしさを知って、パリ再訪を計画してくださいね。
…って決してパリ観光局の回し者ではありませんが(笑)
オペラ座は外観だけで満足しちゃいけませんよ~
- 旅行の満足度
- 5.0
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オペラ通りの正面に見えているのが、言わずと知れた「オペラ座」です。
この風景は、エッフェル塔、凱旋門に続く「ザ・パリ」って感じで、私のお気に入りの風景です。
ちなみに、オペラ座の眺望を楽しむのに邪魔にならないよう、という皇帝の望みのままに、木が1本たりとも植えられていないそうです。
だから、ドーンと目に入ってくるんですね。さすがナポレオン! -
う~んゴージャス!豪華絢爛な「ネオ・バロック様式」です。
これを見ると、「パリにいるな~」ってワクワクするんです。
(^―^) ニコリ -
さて、外観だけで満足するなと冒頭に書いたのに、いきなり外観で始まっちゃいましたが、オペラ座を語る上で、このゴージャスな外観を素通りするわけにはいきません。
まず、正面中央の一番高いところで、まるで王冠の上に立っているように見える銅像はエメ・ミレー作の「アポロ、詩情及び音楽」の彫刻群です。金色に輝く竪琴を高く掲げています。 -
その銅像をアップにしてみたら、おっとビックリ、ファサード最上部の金のフチ取りは、悲喜劇の金の仮面で出来ていました。
いろんな表情してますが、こんな高いところの装飾を間近で見られる人もいないのに、手を抜いてませんね~。 -
屋根の左右にある金の彫像はシャルル・ギュムリーの作で、高さは7.5m、金メッキを施した銅像だそうです。右側の彫像のタイトルは「詩情」
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そして左側は「ハーモニー」。琴を持っていますね。
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ファサードの2階部分の円柱の間には、左から右へロッシーニ、オーベール、ベートーヴェン、モーツァルト、スポンティーニ、マイアベーアとアレヴィの金の胸像が並んでいます。
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一番有名?なモーツアルトさんに代表してアップになってもらいました。
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そして1階部分の柱にも有名な音楽家のレリーフが掲げられています。
こちらはハイドンさん -
そしてこちらはバッハさん
誰でも知ってる作曲家ですね。 -
こちら東側の側面は、劇場の支援者らが四輪馬車から建物内部へと直接入れるようにデザインされた「支援者のパヴィヨン」があります。パヴィヨンは直径13.5mのドームによって覆われています。
このちょうど反対の西側には、同様のデザインで、安全を確保しながら皇帝が直接入室できるようにデザインされた「皇帝のパヴィヨン」があります。 -
劇場裏側の壁面にも、竪琴の飾りがずらっと並んでいました。
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オペラ座の内部見学は、正面左側の入口から入るのですが、この日は何かのイベントらしく、カメラやマイク、音響機材などを持って忙しそうにしている人がいっぱいで、いつもの入口が閉鎖。まさかの休館か!!と思ったら、小さな貼り紙発見。
どうやら裏手から入れるようです。 -
裏手に回っては見たものの、どこから入るのか分からず、あっちをウロウロ、こっちをウロウロ。本当に裏側から入れるのか心配(なにせ貼り紙がフランス語だったんで)しながらも、「皇帝のパヴィヨン」の写真は撮っておこうと撮った1枚。荘厳な感じの入口ですね。
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こんな立派な館内見取り図(?)もありました。
結局、現地ガイドと思しき初老の男性とともにやってきたグループの後ろにくっついていったら、無事入口発見! -
あ!怪我の功名ってわけではないですが、いかにもオペラ座って感じの琴の竪琴のマンホール発見!
マンホールコレクターの私には涎ものです。 -
いつもと違うところから入ったので、見学のチケット購入場所が分からず、ちょっと手間取りましたが、どうにかチケットを購入し無事入場。
こんな素敵な銅像が出迎えてくれました。 -
大理石の正面階段。いつ見ても神々しいです。
まっすぐ上がり、踊り場から二手に分かれるデザインと優美なラインが何とも言えません。 -
イブニングドレスにミンクのショールを身にまとい、タキシード姿のジェントルマンのエスコートでこの階段を歩いてみたい…妄想妄想
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天井は、「イシドール・ピル(Isidore Pils)によって「アポロの勝利」「その魅力を展開する音楽の魔法」「オリンポスの神々に見られる無慈悲と戦うミネルバ」「新しい歌劇場の計画を受け取るパリの街」が描かれていた。」とウィキペディアに書かれていました。ただ、劇場のオープン2か月前に初めて取り付けられたとき、この劇場の天井としては空間に対して暗すぎるということで、急遽書き直したというからビックリです。
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照明もゴージャス。大理石と、当時の最先端の建材であった鉄がふんだんに使われていますね。
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階段を上りきったところにある、1階ボックス席への入口です
このオペラ座の客席は5階建てで、
Amphitheatre(アンフィテアートル) 階段桟敷
Baignoire(ベニョワール) 1階ボックス席
Balcon(バルコン) 正面バルコニー席
Loges de côté(ロージュ・ドゥ・コテ) 両脇の席
Loges de face(ロージュ・ドゥ・ファス) 階段桟敷
Orchestre(オーケストル) 1階ボックス席
Stalles(スタル) 両脇の席
に区分されています。
入口では、何百年も立ち続けて疲れちゃったのか、足を曲げて佇むでっかいお姉様が迎えてくれます。ちょとお行儀悪いです。 -
そして後ろを振り返れば、劇場であることを忘れさせる景色が広がっています。
劇場も気になりますが、まずは、このゴージャスな空間を堪能させてもらいましょ! -
階段を上から見下ろしたら、こんな感じです。優美なデザインですね。
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さて階段を上がって最初に私を迎えてくれたのは、私は社交界のどこぞの令嬢に違いないと、妄想を上塗りさせる、美しいホワイエ…
と思ったら、ホワイエはこの奥で、ここはその前座。
いや、「前座」なんて言ったら申し訳ない!床のモザイクも天井のモザイクもそれはそれは美しいのです。 -
見てください。この豪華な天井と柱。天井はイタリア人アーティストがデザインしたモザイクだそうです
トレビア~ン -
デザインも、ブロックブロックで違うのです。
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この欄干(?)は鉄製で、緻密なデザインです。
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通路にいくつも掲げられていたこれ、上演作品の名前でしたっけ?
忘れちゃいました。 -
イチオシ
そして、ホワイエです。ホワイエとは、幕間に飲み物なんか飲みながら、休憩するところなんですが、ここが休憩室って!!
このホワイエは高さが18m、長さが154m、幅が13mで、パリ社交界の応接間として機能するようデザインされたそうで、今もオペラ座主催の晩餐会が開かれたりするそうです。 -
ヴェルサイユ宮殿だってびっくりの豪華絢爛さ。ここはさながらプチ鏡の間ってとこでしょうか。
何よりもヴェルサイユのようにゴミゴミとした人ごみはなく、その豪華さ優雅さを心ゆくまで堪能できるのが最高です。
それにしても、これが劇場の一角だなんて、帝国劇場も日生劇場も宝塚劇場も、3つまとめても足元にも及ばないですね~ -
では、プチ鏡の間のディテールを見ていきましょう。
まずは入って右側にある、ウエッジウッド風の大きな壺と暖炉。
この壺は何のために置かれているの?なんて無粋なことは言ってはいけません。そしてその壺を囲む豪華な飾り。ここにも劇場ブース入口の女性と同じようなスタイルの女性がいますね。
時計が随分低いところにあるのが不思議です。 -
そしてこちらは、肩こりが半端ないだろうと思われる照明スタンド。
頭でたくさんの電球を支えて…お疲れ様です。 -
ジャーン。
プチ鏡の間と言わせる要素その1である、豪華シャンデリア。これが10個もぶら下がっているんですから、口があんぐりです。 -
ここで再度確認しておきますが、ここは幕間に幕の内弁当を食べる…ことはなくても、飲み物飲みながら休憩する休憩室です。
刺繍が施された絹のカーテンも綺麗ですね。 -
柱のデザインもとても手が込んでいます。
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ジャジャーン!
プチ鏡の間と言わせる要素その2、美しすぎる天井画。天井一面がフレスコ画で埋め尽くされ、金のデコレーションがさらに豪華さを高めています。
天井画の題材は、音楽の歴史の様々な場面が取り上げられているそうで、パウル・ジャック・エメ・ボウドリーによって書かれたそうです。 -
イチオシ
とにかく、壁も、柱も、床も、天井も、どこもかしこもがため息ものです。
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オペラ座だけに、竪琴のモチーフは、ここホワイエ以外でも結構見かけました。
このゴールドに輝く竪琴は、豪華絢爛なオペラ座にはぴったりのモチーフです。 -
ほら、通風口にも竪琴柄が。
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そして、ホワイエ中央に鎮座するこの胸像は、ここオペラ座の製作者シャルル・ガルニエです。この劇場は設計者の名から「ガルニエ宮」とも呼ばれているのは、ご存知の方も多いかと思います。劇場ですが、「宮」と言いたくなるのはうなずけます。
逆光で上手く写真が撮れなかったのが残念です。 -
ホワイエの天井の角には、「怪人」風のキャラクタ-もいます。
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ホワイエからは、オペラ座正面の屋根付きバルコニーに出ることができます。
正式には「ロッジア」というらしいです。
明るい光の下なので、柱の大理石の白さやピンク色がはっきりわかりますね。 -
ロッジアからの眺めです。
オペラ座前のオペラ広場から真っ直ぐに伸びるオペラ大通りは、このオペラ座建設とともに作られたそうですが、まっすぐチュールリー宮に突き当たります。
このロッジアに立って眺めるパリの街は、なかなか乙なもの。
オスマン式の整然とした街並みが、いかにもパリって感じなんですよね!
でも、ここに出られるかどうかは運次第で、常にオープンしているわけではないそうです。
ラッキー O(≧∇≦)O イエイ!! -
ロッジアの天井にも、人の顔らしきものが描かれています。
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アップにしてみました。
なかなか凝ったデザインですね。いわゆる「道化」のようですが、いろんな表情の「道化」がいました。 -
さて、この辺りでホワイエに別れを告げて、劇場本体に向かいましょう。
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ちなみに、この神秘的な天井は、ホワイエ右端の小部屋です。
左右の端に「月のサロン(Salon de la Lune)」と「太陽のサロン(Salon du Soleil)」という小部屋が作られています。
似たような部屋ですが、微妙に装飾が違っていました。
こちらは、「月のサロン」かな?天井にこうもりが飛んでますからね。
でも、うまく露出とWBの調整ができず、その美しさが再現できていません。
o( _ _ )o ショボーン -
そしてこちらが「太陽のサロン」…かな?
太陽だけに、天井が光り輝いてますね。 -
こちらはボックスシートのフロアーです。
床のモザイクが素敵ですね。 -
そして、このボックス席No.5は、とある人の指定席で、扉にはネームプレートもあります。
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ちょっと暗くて見にくいかもしれませんが、「LOGE DE FANTOME DE L'OPERA」=「オペラ座の怪人の部屋」と書かれているんです。
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「オペラ座の怪人」のお話をご存知の方ならお分かりかと思いますが、このボックスシートは怪人が永久リザーブしているという設定なんですよね。
「ボックスの5番は空けておけといったはずだ!!」 ってセリフが蘇ります。
ちなみに私、ミュージカル「オペラ座の怪人」が大好きで、ニューヨークにまで見に行っちゃったくらいなんです!
中には入れませんでしたが、扉の小さな丸窓から中を覗いてみました。
もちろん怪人はいませんでしたが、なんだか雰囲気ありますよね~
(*^^*) フフ -
さあ、観客席です。
観客席は伝統的なイタリアの馬蹄型で、約2000席あるそうです。
そして舞台はヨーロッパ最大で、450人程度を受け入れることができるとのことです。
このオペラ座は、見た目は石造ですが、実は当時の先端の建材であった鉄を使用しており、石造では不可能な巨大空間を可能としています。これにより55m×55mの舞台や2,158の座席が確保出来たというわけです。ブラボー!
d(^0^)b グッ! -
このぐるっと半円形に囲む客席が、いかにもヨーロッパの劇場って感じです。
デザインは素敵ですが、実際観劇するときには、サイドの席は見づらいと思うんですよね~ -
怪人の席は、こちら側の一番端です。(舞台に一番近いところ)
舞台見えなくても良かったのかなぁ… -
運良く緞帳が下がりました。初めは開いていたので、緞帳は見られないかなぁと思っていたんですが、大ラッキーです。
なぜかというと、とてもユニークな緞帳なんです。
緞帳の表面に、タッセルと組みひもなどが絡み、めくれ上がり、しわがよったカーテンの絵が直接描き込まれているんです。お茶目ですよね(笑)
ちなみの緞帳の上中央には、1669年にルイ14世が音楽アカデミーを設立したことを示す紋章が掲げられています。 -
このオペラ座で一番有名なのが、この観客席の天井画とシャンデリアでしょう。
もともとは「ジュール=ウジェーヌ・ルヌヴー」による天井画があったそうなのですが、 1964年にが「マルク・シャガール」によって新しい天井画が描かれました。
この天井画は14人の音楽家のオペラやバレエの場面を描いているそうで、 その14人は、ムソルグスキー、モーツァルト、ワーグナー、ベルリオーズ、ラモー、ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキー、チャイコフスキー、アドルフ・アダム、ビゼー、ヴェルディ、ベートーヴェン、グルックだそうです。 -
黄色はチャイコフスキーの白鳥の湖、緑はベルリオーズのロミオとジュリエット、青はモーツァルトの魔笛を描いているとのことですが、それらのオペラやバレエの場面と共に、シャガール本人をはじめ、たくさんの人物やエッフェル塔や凱旋門、オペラ座などのパリのモニュメントも描かれているのがわかります。
-
ここには、オペラ座が描かれていますね。
でも…シャガールの絵といえば、ありがたい気もしますが、宮殿のようなオペラ座の天井画としては、ちょっとアンバランスな気がしてしまう私って… -
イチオシ
そして、このシャンデリア!これもとても有名です。
ガルニエ自らがデザインした高さ8m、重さ7トンのブロンズとクリスタルのシャンデリアですが、1896年にこのシャンデリアが天井から客席へと落下し、観客に死者が出る事故が起こりました。そしてこれが、小説の『オペラ座の怪人』の有名な場面の題材となりました。
ミュージカルでも、シャンデリアが落ちる場面が山場のひとつになっていますよね。 -
ロビーには衣装も展示されています。
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私もこんな衣装を着て、オペラ座の舞台で舞ってみたい…。
再び妄想タイムです。 -
1階の階段下にあった、いかにも「怪人」って感じの飾りに見送られ、劇場を後にしました。
-
イチオシ
こちらは朝日に輝くオペラ座です。
神々しさが増します。 -
そしてこちらはライトアップされたオペラ座です。
昼とまはた違った雰囲気ですよね。
外観も内装も朝も、昼も、夜も、全てがケタ違いの美しさを誇るオペラ座。
こんなに素敵なのに、結構すいていますから、パリのネオバロックを満喫するには超オススメです。
騙されたと思って、ぜひじっくり見に行ってくださいね~
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