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京都左京区北白川にある旧駒井家住宅を訪ねた。白川疎水のせせらぎが心地よい散策路の一角に駒井家住宅はある。この邸宅は、「日本のダーウィン」と称され、遺伝学面に大きな功績を遺した駒井卓博士(1886~1972)の私邸として、1927年(昭和2)ヴォーリズ建築事務所の設計で建てられた。<br /><br />アメリカ人建築家ウイリアム・メレル・ヴォーリズ (1880~1964)の設計による駒井家住宅は、現在 Japan National Trust (日本ナショナル・トラスト)によって買い取られ、ボランティアの方々が保守管理されている。<br /><br /><br />* 「旧駒井家住宅」(駒井卓・静江記念館)〈京都市指定有形文化財〉<br />  京都市左京区伊織町 64番地(075-724-3115 ☆公開日のみ)<br /><br />

ヴォ―リズ設計の京都旧駒井家住宅を見学

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2018/11/30 - 2018/11/30

1225位(同エリア6659件中)

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Weiwojing

Weiwojingさん

京都左京区北白川にある旧駒井家住宅を訪ねた。白川疎水のせせらぎが心地よい散策路の一角に駒井家住宅はある。この邸宅は、「日本のダーウィン」と称され、遺伝学面に大きな功績を遺した駒井卓博士(1886~1972)の私邸として、1927年(昭和2)ヴォーリズ建築事務所の設計で建てられた。

アメリカ人建築家ウイリアム・メレル・ヴォーリズ (1880~1964)の設計による駒井家住宅は、現在 Japan National Trust (日本ナショナル・トラスト)によって買い取られ、ボランティアの方々が保守管理されている。


* 「旧駒井家住宅」(駒井卓・静江記念館)〈京都市指定有形文化財〉
  京都市左京区伊織町 64番地(075-724-3115 ☆公開日のみ)

旅行の満足度
5.0

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  • ここは旧駒井家住宅の入り口で、あまり訪れる人はいないようでひっそりしている。現に小生が訪ねた時も一人いただけで、その後はしばらく見学者はいなかった。<br /><br />ここは常時開館しているのではなく月に何日か限定して公開されていて、主として毎週金曜日と土曜日が公開日に当たり、夏季と冬期はある期間開館されていないようである。

    ここは旧駒井家住宅の入り口で、あまり訪れる人はいないようでひっそりしている。現に小生が訪ねた時も一人いただけで、その後はしばらく見学者はいなかった。

    ここは常時開館しているのではなく月に何日か限定して公開されていて、主として毎週金曜日と土曜日が公開日に当たり、夏季と冬期はある期間開館されていないようである。

  • 小さなバラ園があり、ここを通って裏庭に行くことが出来るが、その前に建物の中を見学すべく玄関の方へ行った。

    小さなバラ園があり、ここを通って裏庭に行くことが出来るが、その前に建物の中を見学すべく玄関の方へ行った。

  • 駒井家住宅の全景。外観は、当時アメリカで流行していたスパ二シュ様式をベースにしながら、屋根はスペイン瓦ではなく日本の桟瓦を使うなど周囲の環境とよく調和し、ヴォーリズの特徴をよく表している。

    駒井家住宅の全景。外観は、当時アメリカで流行していたスパ二シュ様式をベースにしながら、屋根はスペイン瓦ではなく日本の桟瓦を使うなど周囲の環境とよく調和し、ヴォーリズの特徴をよく表している。

  • 駒井卓博士と静江夫人の写真。

    駒井卓博士と静江夫人の写真。

  • 玄関はまるでスペイン風な造りで、アメリカン・スパ二ッシユの様式を特徴としている。木製の立派な扉(この写真では扉が開いていて見えないが)と扉の上には光が取り込めるように半円のガラスがはめ込まれている。<br /><br />2階にちょうど小さなアーチ形の窓が2つあるが、実はこれは洗面所の窓なのである。

    玄関はまるでスペイン風な造りで、アメリカン・スパ二ッシユの様式を特徴としている。木製の立派な扉(この写真では扉が開いていて見えないが)と扉の上には光が取り込めるように半円のガラスがはめ込まれている。

    2階にちょうど小さなアーチ形の窓が2つあるが、実はこれは洗面所の窓なのである。

  • 玄関を入り、中から外を見てみた。

    玄関を入り、中から外を見てみた。

  • 玄関左の階段に当たる窓には小さなベランダが設けられている。ここにはステンドグラスがはめ込まれている。

    玄関左の階段に当たる窓には小さなベランダが設けられている。ここにはステンドグラスがはめ込まれている。

  • 玄関部分。広くはないが、機能的に作られている。

    玄関部分。広くはないが、機能的に作られている。

  • 玄関を入るとホールがあり、すぐリビング・ルームにつながっている。決して広くはないが、ゆとりのある広さで、明るい空間が広がっている。家具の配置や造りも住みやすさや使いやすさを考慮した造りで、健康的・能率的な建築を目指し、施主の希望を大いに取り入れて作られた。<br />

    玄関を入るとホールがあり、すぐリビング・ルームにつながっている。決して広くはないが、ゆとりのある広さで、明るい空間が広がっている。家具の配置や造りも住みやすさや使いやすさを考慮した造りで、健康的・能率的な建築を目指し、施主の希望を大いに取り入れて作られた。

  • 同じリビング・ルームの写真だが、その時々の光の具合や状況によってずいぶん感じが異なる。

    同じリビング・ルームの写真だが、その時々の光の具合や状況によってずいぶん感じが異なる。

  • リビング・ルームの奥にはサンルームがあり、アーチ型の窓が特徴となっている。駒井夫妻の存命時のそのままの配置になっている。

    リビング・ルームの奥にはサンルームがあり、アーチ型の窓が特徴となっている。駒井夫妻の存命時のそのままの配置になっている。

  • サンルームでは明るい光を受け、健康的な生活が送れるように考慮されている。

    サンルームでは明るい光を受け、健康的な生活が送れるように考慮されている。

  • 1階には玄関わきに和室がある。この部屋は普段着物で過ごす夫人のために彼女の要望で作られた部屋である。<br /><br />この部屋には外から見ると、洋風の窓に見えるようになっていながら内側には障子窓になっている。

    1階には玄関わきに和室がある。この部屋は普段着物で過ごす夫人のために彼女の要望で作られた部屋である。

    この部屋には外から見ると、洋風の窓に見えるようになっていながら内側には障子窓になっている。

  • この部屋は6帖ほどの広さで、床の間も設けられている。

    この部屋は6帖ほどの広さで、床の間も設けられている。

  • 和室の中には襖があるが、外に出てみると、この襖は裏側が洋風の仕切り戸になっている。

    和室の中には襖があるが、外に出てみると、この襖は裏側が洋風の仕切り戸になっている。

  • 天井から下がってる電灯はいかにも典型的な昭和初期の照明器具である。

    天井から下がってる電灯はいかにも典型的な昭和初期の照明器具である。

  • 2回へ移動した。階段が緩やかなカーブを描き、2階に続いている。これはヴォーリズ建築の特徴で、彼の作品には多く見られる作例である。

    2回へ移動した。階段が緩やかなカーブを描き、2階に続いている。これはヴォーリズ建築の特徴で、彼の作品には多く見られる作例である。

  • ヴォーリズ建築で小生が注目しているのは階段の造りで、彼の建築で見られる階段部分はどれもゆったりしていて、カーブが緩やかな造りになっている。<br /><br />着物でも上り下りがしやすいい様に段差が低くなっていて、ヴォーリズの何気ない配慮を感じる。

    ヴォーリズ建築で小生が注目しているのは階段の造りで、彼の建築で見られる階段部分はどれもゆったりしていて、カーブが緩やかな造りになっている。

    着物でも上り下りがしやすいい様に段差が低くなっていて、ヴォーリズの何気ない配慮を感じる。

  • 階段の上部。

    階段の上部。

  • 階段踊り場にある窓は光を受けて、柔らかく輝いている。

    階段踊り場にある窓は光を受けて、柔らかく輝いている。

  • 2階に上がると先ず目に入ったのは博士の書斎である。2方に大きな窓があり、そこから入ってくる光が大変明るい。<br /><br />駒井博士は現在の京都大学の教授を務め、動物遺伝学と動物分類学を専門とした。負債ともどもアメリカに留学し、コロンビア大学で、ショウジョウバエの研究に従事し、この研究が日本の遺伝学を導くきっかけとなった。

    2階に上がると先ず目に入ったのは博士の書斎である。2方に大きな窓があり、そこから入ってくる光が大変明るい。

    駒井博士は現在の京都大学の教授を務め、動物遺伝学と動物分類学を専門とした。負債ともどもアメリカに留学し、コロンビア大学で、ショウジョウバエの研究に従事し、この研究が日本の遺伝学を導くきっかけとなった。

  • 本棚の書籍がきちんと整理されている。専門は元よりあらゆる分野の本が並んでいる。

    本棚の書籍がきちんと整理されている。専門は元よりあらゆる分野の本が並んでいる。

  • 本棚の一部を見ていたら、小生も読んだことのあるイギリスの詩人に関する本があった。

    本棚の一部を見ていたら、小生も読んだことのあるイギリスの詩人に関する本があった。

  • 2階にもサンルームが設けられていて、窓の向には庭で一番大きな大王松が見える。

    2階にもサンルームが設けられていて、窓の向には庭で一番大きな大王松が見える。

  • 愛用していたロキング・チェアーが置かれ、博士が日頃愛用されていたものである。

    愛用していたロキング・チェアーが置かれ、博士が日頃愛用されていたものである。

  • この部屋はゲストルームとして使われていたが、今は展示資料室となっている。

    この部屋はゲストルームとして使われていたが、今は展示資料室となっている。

  • ここは夫妻の寝室だった部屋で、今はベッドなどは置いてないが、大きな和箪笥だけが残されている。

    ここは夫妻の寝室だった部屋で、今はベッドなどは置いてないが、大きな和箪笥だけが残されている。

  • 部屋の隅には何気なく花が活けてあり、かっての駒井家の佇ずまいをしのばせる。

    部屋の隅には何気なく花が活けてあり、かっての駒井家の佇ずまいをしのばせる。

  • 再度階下に戻って、細部を見てみた。リビング・ルーム南側には大きな出窓が設けられ、その下には作り付けのソファがある。<br /><br />このソファは静江夫人の慎重に合わせて作られており、施主への易しい心遣いが感じられる。

    再度階下に戻って、細部を見てみた。リビング・ルーム南側には大きな出窓が設けられ、その下には作り付けのソファがある。

    このソファは静江夫人の慎重に合わせて作られており、施主への易しい心遣いが感じられる。

  • ソファの下には物入れが作られている。駒井家住宅ではむき出しの家具類はほとんどなく作り付けの物入れが随所に作られている。

    ソファの下には物入れが作られている。駒井家住宅ではむき出しの家具類はほとんどなく作り付けの物入れが随所に作られている。

  • リビング・ルームにはピアノが置かれている。夫人が愛用されていたそうである。

    リビング・ルームにはピアノが置かれている。夫人が愛用されていたそうである。

  • 愛らしいクリスタルのドアのノブはヴォーリズの住宅建築でしばしばみられるものである。

    愛らしいクリスタルのドアのノブはヴォーリズの住宅建築でしばしばみられるものである。

  • リビング・ルームに面してダイニング・ルームがある。

    リビング・ルームに面してダイニング・ルームがある。

  • ダイニング・ルームから見たリビング・ルーム。今はこの2つの部屋がカーテンウォールで閉めることが出来るようになっているが、当時はなかったものと思われる。

    ダイニング・ルームから見たリビング・ルーム。今はこの2つの部屋がカーテンウォールで閉めることが出来るようになっているが、当時はなかったものと思われる。

  • 駒井ご夫妻の写真が掲示されているが、これは晩年の頃の写真と思われる。

    駒井ご夫妻の写真が掲示されているが、これは晩年の頃の写真と思われる。

  • テラスでくつろぐ夫妻。

    テラスでくつろぐ夫妻。

  • 外に出て裏側に出てみた。芝生の広い庭があり、樹木が生い茂り、草花が咲いている。それらは季節の変化を感じさせてくれる。

    外に出て裏側に出てみた。芝生の広い庭があり、樹木が生い茂り、草花が咲いている。それらは季節の変化を感じさせてくれる。

  • 右側が住宅、左側に離れがある。この物置は今では事務所として使われていたが、終戦直後は数年間アメリカGHQの軍人が母屋を使用したために、夫妻は離れで生活していたそうである。

    右側が住宅、左側に離れがある。この物置は今では事務所として使われていたが、終戦直後は数年間アメリカGHQの軍人が母屋を使用したために、夫妻は離れで生活していたそうである。

  • テラスに出てみた。ここには藤棚(バーコラ)が設けられ、柔らかな光の中で、かつては駒井夫妻がテーブルやパラソルを出して団らんのひと時を過ごしたのだろう。

    テラスに出てみた。ここには藤棚(バーコラ)が設けられ、柔らかな光の中で、かつては駒井夫妻がテーブルやパラソルを出して団らんのひと時を過ごしたのだろう。

  • この淡い紫色の花はしばしば見かけるが、名前は分からない。

    この淡い紫色の花はしばしば見かけるが、名前は分からない。

  • 階段の片隅に何のためのものか分からないような機械が収まっている。

    階段の片隅に何のためのものか分からないような機械が収まっている。

  • 駒井家住宅を設計したウイチアム・メレル・ヴォーリズは英語教師として滋賀県近江八幡に赴任したが、2年余りで退職し、キリスト教伝道と建築に携わり、生涯を日本で過ごした人物である。<br /><br />

    駒井家住宅を設計したウイチアム・メレル・ヴォーリズは英語教師として滋賀県近江八幡に赴任したが、2年余りで退職し、キリスト教伝道と建築に携わり、生涯を日本で過ごした人物である。

  • 十分に見学した後、駒井家住宅を出て、疎水の周辺を歩いてみた。その後、近くにある蕎麦屋に寄り、昼食をとった。

    十分に見学した後、駒井家住宅を出て、疎水の周辺を歩いてみた。その後、近くにある蕎麦屋に寄り、昼食をとった。

  • ランチメニューからこのような「日変わり麺定食」を選んだ。

    ランチメニューからこのような「日変わり麺定食」を選んだ。

  • 食事を終えて、三条通りに出てみた。あいにく雨となり、しばし休憩しようとあるカフェに入った。店内には客は誰もおらず、静かにクラシック音楽が流れているだけであった。<br /><br />アイスコーヒーを頼んだ。小1時間もいただろうか。テーブルの上の皿に乗っている丸いものはたべもの (ケーキ)ではない。これは単なる飾りで、オブジェのようなものである。

    食事を終えて、三条通りに出てみた。あいにく雨となり、しばし休憩しようとあるカフェに入った。店内には客は誰もおらず、静かにクラシック音楽が流れているだけであった。

    アイスコーヒーを頼んだ。小1時間もいただろうか。テーブルの上の皿に乗っている丸いものはたべもの (ケーキ)ではない。これは単なる飾りで、オブジェのようなものである。

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