2018/09/14 - 2018/09/15
3707位(同エリア6057件中)
かつどんさん
日頃、「好きな作曲家は?」と尋ねられたら、生年順にバッハ、ハイドン、モーツァルト、ブルックナー、ブラームスと答えています。
今回の旅は 家人と共にウィーンに6連泊し、その中でも2人の作曲家、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンとアントン・ブルック―ゆかりの地を日帰りで訪れることが主な目的。加えてウィーンの音楽家ゆかりの場所、加えてウィーンの音楽家ゆかりの場所にも多数訪れました。
【旅程】
9/08(土) 浜松~成田~ウィーン
9/09(日) ウィーン滞在
9/10(月) アンゼンシュタット
9/11(火) ショプロン、フェルトゥード
9/12(水) アンスフェルデン、ザンクト・フローリアン、リンツ
9/13(木) ウィーン滞在
9/14(金) ウィーン~
9/15(土) ~成田~浜松
この旅行記は、6日目 4travel.jp/travelogue/11410369 に続いて6日目。ウィーン滞在も今日まで。やり残したことがいくつかあるので、空港に向かうまでいくつかの音楽史跡を訪ねます。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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9月14日(金)曇りのち雨
ウィーン最終日。
8:50にホテル・ドゥ・フランスをチェックアウトしスーツケースを預けて、ショッテントーアからトラムに乗って2停留所「ランゲガッセ」で下車、すぐのところにある三位一体教会(通称:アルサー教会)。 -
小学生の時に読んだベートーヴェンの伝記で、ベートーヴェンのお葬式に2万人ものウィーン市民が訪れた、と書かれていて、それがとても印象的だったことを今でもよく覚えている。ここがその教会か・・・。
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教会の入口右側にベートーヴェンのプレートがあります。
ベートーヴェン1827年3月26日に亡くなり、29日にこの教会で葬儀が行われた。
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右側にはシューベルトのプレート。
1828年9月、シューベルトが亡くなる数週間前に、この教会の鐘の奉納のために聖歌「信仰、希望、愛 」D.954をを作曲した。
因みにシューベルトはベートーヴェンの葬儀にも参列していた。
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教会内部。
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祭壇。
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ホテル・ドゥ・フランスから歩いて2分。ベートーヴェンが暮らしていた高級アパート、通称「パスクァラティハウス」。
パスクァラティハウス 博物館・美術館・ギャラリー
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ベートーヴェンはこのアパートの最上階4階(日本式で言うと5階)に1804年から15年の間、断続的に暮していた。いわゆる「ベートーヴェン 傑作の森」の時代に丁度重なる。
現在はベートーヴェン博物館として内部が公開されて、ゆかりの品々が展示されている。 -
階段を上っていく。
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博物館入口のドア。
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このアパートのオーナーで、ベートーヴェンにこの部屋を貸し与えていたパスクァラティ男爵。
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歌劇「フィデリオ」第2版(レオノーレ)」の楽譜。
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「コリオラン」序曲の楽譜。
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ベートーヴェンに弦楽四重奏曲第7番、第8番、第9番の3曲、いわゆる「ラズモフスキー四重曲集」の作曲を依頼したウィーン在住のロシアの外交官、アンドレイ・ラズモフスキー伯爵の肖像(ヨハン・バプティスト・ランピ1世 作)。
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1808年にラズモフスキー公が創設したシュパンツィヒ四重奏団の第1ヴィオリニスト、イグナーツ・シュパンツィヒ。
彼らの演奏、尽力によりベートーヴェンの弦楽四重奏曲、特に12番以降の後期作品は、世に知られることになった。又、現在までに続くウィーンの弦楽四重奏の伝統は、彼らから始まったということもできる。 -
ベートーヴェンのデスマスク。
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若き日のベートーヴェン像。
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この絵はどこかで見たことが・・ ・。
ウィーン・フィルの名コンサートマスターだったG.ヘッツェルが率いたウィーン・フィルハーモニー室内アンサンブルの演奏したベートーヴェン「七重奏曲」のLPジャケットに使われた絵だ。
コーンマルクト通りの風景。 -
1950年代、W.バリリやL.ウラッハのウェストミンスター盤と並ぶこの曲の名盤。
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館内の様子。
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交響曲第7番のピアノ版手稿。
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交響曲第5番「運命」の自筆スケッチ。
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パスクァラティハウスを出てウィーン市街中心部へ。
コールマルクト通り。ミヒャエル門が見える。 -
ペスト記念塔。
ペスト記念柱 建造物
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ドロテーア通りのエヴァンゲリスト教会。あまり目立つことなく佇む。
1897年4月3日、肝臓癌により63歳で亡くなったブラームスの葬儀は、4月6日にこの教会で行われた。ブラームスはルター派のプロテスタントだったので、“カトリックの町”ウィーンで葬儀ができるところは限られていたであろう。因みに同じくプロテスタントであったヨハン・シュトラウスの葬儀もここで行われている。
内部を見学しようと扉を開けようとしたが閉ざされていたので、管理人室と思われる場所の玄関ベルを鳴らしたら、女性が出てきた。内部を見学したい旨お願いしたら、それはできないということだった。 -
カフェ「ティローラーホーフ」。
ウィーンに来たのだから、カフェでコーヒーとケーキを、と思っていたわけだが、ザッハー」や「デメル」、「モーツアルト」などは行列ができるツーリステイックな場所と聞いていたので、どこか我々にふさわしい場所はなかろうかと思い、探し当てたのがこの店。ティローラーホーフ カフェ
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1920年代のウィーン伝統のカフェスタイルが今でも残っている店らしく、店内は適度に薄暗く落ち着いた雰囲気。観光客と思われる人は少なく、地元の人々が普段から通って、思い思いの時間を過ごすような店だ。
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家人はアイス・カフェ(6.10ユーロ)とオリジナル・チョコレート・ケーキ。
私はダブル・モカ(4.30ユーロ)とこのお店の人気メニューだというアプフェルシュトゥルーデル(アップルパイ)。
墺独ではアプフェルシュトゥルーデルは定番のデザートだが、ここのは甘すぎずくどくなくて、でもしっかりとリンゴの味がする秀逸の一品。 -
博物館「音楽の家」に併設されているクラシックCD&DVDの専門店、ダ・カーポ・クラシックにてCDを4枚ほど購入。“ウィーンのクラッシック専門店”ということで期待していったのだが、品揃え、価格とも満足するレベルでは正直なかった。
そんな中、日本では見かけないCDということで、ハンス-ペーター・フランク/ヴァイマール・シュターツカペレ、1992年1月の実況録音盤、ブルックナー「交響曲第3番 ニ短調」を購入。“腰の据わった市井のブルックナー”といった趣き。 -
カノヴァーガッセのホテル・インペリアル前からカールス教会を望む。そして右前方に見えてきたのが楽友協会(ムジークフェライン)。
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楽友協会内にはウィーンのピアノ・メーカー「ベーゼンドルファー」もある。
ベーゼンと言えば、ヴィルヘルム・バックハウスがまず思いつく。 -
「世界一のコンサート・ホール」と呼ばれ、ウィーン・フィルハーモニーの本拠地。1870年の竣工以来、名演奏、名録音がここで生まれた。
ウィーン楽友協会 劇場・ホール・ショー
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ムジークフェライン正面。
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楽友協会の掲示板。
見慣れたあの方の写真・・・。 -
佐渡裕。
彼は現在、楽友協会大ホールを本拠のひとつとしているトーンキュンストラー管弦楽団の首席指揮者。9月28日と30日にここでハイドンのオラトリオ「天地創造」が彼らによって演奏されるコンサートの告知ポスターだ。
このコンビは既にハイドンの交響曲第6番「朝」、第7番「昼」、第8番「晩」をライブ・レコーディングしたCDをリリース。これがこのコンビらしい溌剌とした名演奏だったので、「天地創造」にも期待がもたれる。CDリリース希望!! -
コンサートに足を運ばずとも、楽友協会内部はガイドツアーで見学できる。本格的なコンサート・シーズンは10月開幕なので、今回はこの手で中に入ることにした。チケットは事前に楽友協会のWEBで予約し、クレジット決済済み。当日、会館の北側(裏側)にあるチケット・センターで予約確認メールを見せ、チケットと交換。料金は大人一人8.50ユーロ。
チケットは「黄金のホール」と呼ばれるに相応しいリッチ感。
参加したのは13:00からの英語ツアー。ツアー時間は50分程度とのこと。
スタート時間が迫るに従って、多くの人がチケット・センターに集まってくる。その数60名程度か?定員に達したためか、時間ギリギリに来てチケットを買い求めようとした中国人の方々は、丁重にお断りされていた。予約をしておいてよかった・・・。
女性のガイドが登場しガイドはスタート。
見学するのは順に、小ホール(ブラームス・ザール)→大ホール→2004年、地下に完成したグラス・ホール/マグナ・オーディトリウム。
いずれも会場の客席に座るよう促され、説明を受けるスタイル。落ち着いて話が聞けるのは良いが、勝手に歩き回れる雰囲気ではないので、例えば大ホール特有の柱の彫刻などを間近に見たり、ステージ側からホール全体を見渡したり、その逆で客席最後方からホール全体を眺めることができない。少しフラストレーションが溜まるのは事実。
大ホールでの説明でガイドさんは、このホールの音響の良さとその訳、そしてここで行われるおなじみニューイヤー・コンサートの座席を確保することがいかに大変であるかを、熱弁していた。それはその通りだけど、もう少しここでの演奏史とか、アーティストとのエピソードとかを話してもらえないものかと思う。まぁでも、若干偉そうかもしれないが、今、このツアーに参加している方々にとっては、そういう話はあまり興味がないものかもしれないな・・・、とも思ってみたりする・・・。
家人は「(ニューイヤー・コンサートを)テレビで見て思ったより、広くないのね」という感想。
それはそうと、チケットにもしっかりと記されており、ガイドさんからもツアー開始時に強くアナウンスされたが、館内はホールに限らず一切写真撮影禁止である。
しかし、である。やはりそんなのお構いなしに写真を撮ろうと試みる人たちがいる。中国から来た方々である。当然、ガイドが「No Photo!」と叫び、注意するがやめようとする気配は一向にない。私たち二人は偶然ガイドさんのすぐ後にいて移動をしていたので、彼女が我々の顔を見て「どうしたものかしら・・・」と肩をすくめて見せた。一言言っておきたかった。「We are not Chinese people ...」と。
ガイドツアーに参加して思うのは、良くも悪くも楽友協会(建物の意味)やスタッフに、プライドが漲っていること。写真撮影の件にしても「フラッシュなしでOKにすればよいのでは?」と思わないでもない。しかし、それはここに関わる人には許されることではないのかもしれない。「コンサートを聴きに来ずに、ここに来た気になりなさんな。貴方たちに許されるのは、じっとここに座って話を聞くことだけなのよ。」ということではないかと思う。
もし、そういう考え方、気概であったとしても私はそれを悪くは受け止めない。むしろ、世界中にひとつくらい、そんな音楽施設があっても良いのではないか・・・と。文化というのはそういう一面を持っているものだ。 -
楽友協会を出て、ホテルに戻りストアしていた荷物を戻してもらい、トラムDで中央駅東に向かう。
ウィーン中央駅。ウィーン中央駅 駅
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15:12発のレイルジェットでウィーン空港駅へ。
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ホームの逆側はプラハ行のチェコ国鉄のレイルジェット。
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空港着。
機内食を食べるつもりのない我々は、チェックインと預け入れ荷物の手続きをした後、マクドナルドで腹ごしらえ。
因みにこの空港でのチェックインは無人対応。チェックイン用の端末にパスポートをかざすなどすると、搭乗券と預け入れ荷物用のタグがプリントアウトされ、それをスーツケースに自分で取り付け、これまた無人の計量台に乗せ、重量オーバーでない限りそのままレーンを進んでいく、という流れ。思ったより簡単で時間もかからないのがよろしい。マクドナルド (ウィーン国際空港店) ファーストフード
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離陸準備中。
ウィーン国際空港 (VIE) 空港
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17:50発成田空港行き。
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日付変わって9月15日(土)曇り一時雨。
定刻通り11:50に成田着。
13:14成田空港(第一ターミナル)発の成田エクスプレスで東京駅へ。成田空港(第1旅客ターミナル)駅 駅
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東京駅着後、丸の内南口KITTEのレストラン・フロアにある「ダ・ボッチャーノ」でランチ。二人ともアンティパスト、パスタorピッツァ、ドルチェ、ドリンクのセット(1,750円)を注文。
ダ・ボッチャーノ KITTE丸の内 グルメ・レストラン
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釜揚げしらすと大葉のパスタ。
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クアトロ・フォルマッジ。
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というわけで、ウィーン6連泊、ハイドン&ブルックナーゆかりの場所へのエクスカーションはこれでおしまい。
ご覧いただいたようにウィーンの超定番スポットである王宮にもシェーブルン宮殿にも、そして音楽家ゆかりの場所を訪ねると言っておきながら、中央墓地にも今回は足を運んでいない。王宮やシェーンブルン宮殿は限られた時間の中で、今回のテーマとはそれほど関係が濃くはなかったので訪れなかったし、ハイドンとブルックナーのお墓(というより二人とも廟)は、ウィーンゆかりの作曲家としては珍しく中央墓地にはないので、こちらにも訪れなかった。ウィーン、そしてオーストリアへの旅としては、少々捻りが効いたものとなったが、この旅を通じてこの二人の作曲家により思いを寄せることとなった。
実際、帰国後にハイドンやブルックナーの作品が演奏されるコンサートに何回か足を運んだが、演奏の自分への入り具合というか理解度が、旅の前と後では格段に違っていることを強く感じた。特にブルックナーの交響曲は、ザンクト・フローリアン大聖堂を見学し、オルガンの音を聴いて、そこにブルックナーの音楽の源泉があることを知ったからこそ、これまで以上にその世界観に共感出来たという思いを強くした。
今回は本格的なコンサート・シーズン前ということもあって、オペラ以外のコンサートには足を運べなかったが、次回ウィーンを訪れる時はムジークフェラインでもコンサートが聴けるようスケジュールを組んでみようと思った。
そう言えば、今回何故か、ハイドンの葬儀が行われたグムペンドルフ教区教会や、アイゼンシュタットに移送されるまでハイドンの亡骸が埋葬されていたフントシュトルム墓地(現ハイドン教会)に足を向けることが抜け落ちていた。
その訪問も合わせてのウィーン再訪を近いうちに必ず・・・。
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