2018/09/12 - 2018/09/12
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mas98765さん
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ツアーに参加してエルミタージュ美術館に行きました。たくさん写真を撮ったので3回に分けて書きます。2回目は絵画などを見て回る話です。
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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前の旅行記から続きます。
https://4travel.jp/travelogue/11405511
引き続き、エルミタージュ美術館の公式サイトのフロアマップが役に立ちます。
※エルミタージュ美術館公式サイトのフロアマップ(2階)
http://www.hermitagemuseum.org/wps/portal/hermitage/panorama/virtual_visit/panoramas-m-2/?lng=en
(ちょっと重いサイトなのでタイミングによって直接表示できない時があるようです。エルミタージュ美術館の公式サイトから「Virtual Visit」を選ぶと表示されます。地球の歩き方のマップと逆で、上がネヴァ川、下が宮殿広場の方向です。番号をクリックしてもその部屋の360度イメージが表示されないことがよくありました。その場合はフロアマップのページを2つ開くと表示されるようになりました。)
14時27分、エルミタージュ美術館のパヴィリオンの間を出ました。 -
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すると、階段のあるホールに出ました。緑色の大きな孔雀石の花瓶が飾られていました。 -
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ガイドさんに続いて、まっすぐ先の部屋に進んでいきました。 -
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最初の部屋には14~15世紀のイタリアのイコンが並んでいます。ここにたまたま写っている左側はロレンツォ・ディ・ニコロ・ジェリー二の「聖母子」で、右側の半分切れているのはデュジャム・ブスコビッチ作の聖人のイコンです。 -
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14時29分、時間の都合上どんどん進みます。 -
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14時29分、210番の部屋に入りました。ここはガイドさんが立ち止まって説明しました。ガイドさんの話はよく聞いていませんでしたが、マジョルカ焼です。食べ物ではなく、ルネサンスの時期に発展したイタリアの錫釉(すずゆう)陶器です。錫釉薬を全体に塗り、火にかける前に金属酸化物などで絵を描いてから火にかけると鮮やかな色が浮かび上がります。
これはインターネットで調べたところではルカ・デッラ・ロッピアという人の「キリストの誕生」という作品のようです(公式サイトのVirtual Visitでは「Buglioni Benedetto」の後に?マークがあります)。 -
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14時30分、214番のダヴィンチの間にやってきました。右手にレオナルド・ダ・ヴィンチの描いた2つの絵画が並んでいます。 -
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右手は「ブノアの聖母」という作品です。エルミタージュ美術館がブノア家から購入したのでそう呼ばれています。1478年に描かれました。ダ・ヴィンチはヴェロッキオの弟子として絵を学んだ後、画家として独り立ちしました。これは独り立ちして最初に描いた作品だと言われています。 -
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この絵には、面白い特徴がいくつもあります。まず、赤ちゃんである幼子キリストが異常にでかいです。それから、聖母マリアはその辺にいる少女という感じで、額が高く剃り上げられ、眉毛もなく飾り気のない服を着ています。聖母マリアとキリストの頭の後ろにはちゃんと光輪があって、聖なる人物であることを表します。キリストは聖母マリアが差し伸べた小さな花を見つめています。聖母の輪郭はダ・ヴィンチに特有のスフマート(ぼかし技法)が使われています。後ろの窓が白く塗られていて、わざと塗りつぶしたのか、未完成なのか謎となっています。 -
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左手の絵は「リッタの聖母」といいます。エルミタージュ美術館がリッタ家から購入したことからそのように呼ばれます。1490年から1491年にダ・ヴィンチが描きました。アーチ形の2つの窓の外に遠近法を使って山が描かれています。 -
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聖母マリアは幼子キリストに授乳をしています。キリストの左手には、ゴシキヒワ(ゴールドフィンチ)という鳥がいます。この鳥はキリストの受難を表しています。アザミの種を食べることから、茨の冠と関連づけられました。転じてキリストの象徴とも考えられて、お守りやおまじないにもこの鳥が使われました。聖母マリアはキリストが落ちそうな抱き方をしていますが、救世主として人々に差し出す姿勢らしいです。この絵は弟子が描いたという説もありますが、エルミタージュ美術館はダ・ヴィンチの作品に間違いないとしています。 -
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ダヴィンチの間の天井はこんな感じです。 -
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14時36分、続いて221番のタイタン(ティツィアーノ)の間にやってきました。ティツィアーノはルネサンス時代のヴェネツィア派(ヴェネツィア共和国とその周辺で活躍した流派)の最も重要なイタリア人画家です。先ほど大使の階段の天井に飾られていたのもこの人の作品です。
ダヴィンチの間からタイタンの部屋に入ってすぐ右手に、このような絵がありました。これは「懺悔するマグダラのマリア」です。マグダラのマリアは聖母マリアではありません。新約聖書中の福音書に登場する、イエスに従った女性で、キリスト教の主な教派で聖人です。「罪深い女」というイメージで語り伝えられてきており、娼婦だったとかキリストと結婚していたとかいう説もあったりします。一般的には「罪深かったがキリストに会って悔い改め聖女になった女性」と考えられているようで、「懺悔するマグダラのマリア」というタイトルで多くの画家が作品を描いています。ティツィアーノ自身、同じタイトルでいくつか作品を描いていて、エルミタージュ美術館の他、パラティーナ美術館(フィレンツェ)やカポディモンテ美術館(ナポリ)などにあります。 -
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右下に本と髑髏(ドクロ)があります。本は聖書で、髑髏は悔い改めを意味しています。 -
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上の絵のすぐ右側、ダヴィンチの間の方向の壁を振り返るとこのような絵がありました。こちらはティツィアーノの「ダナエ」という作品です。ギリシア神話でダナエはアルゴス王アクリシオスの娘です。娘が産んだ子に殺されるという予言を聞いた父親に幽閉されてしまいますが、黄金の雨に化けたゼウスに妊娠させられペルセウスを産みます。後にペルセウスは競技に参加しますが、投げ損なった円盤が当たりアクリシオスは死んでしまいます。この話も様々な画家が作品を描いています。ティツィアーノも同じような作品を複数描いており、エルミタージュ美術館の他にカポディモンテ美術館(ナポリ)、プラド美術館(マドリッド)、美術史美術館(ウィーン)にあります。特にプラド美術館のものはエルミタージュ美術館のものにそっくりで、そちらには左下に犬が描かれているくらいの違いです。 -
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黄金をかき集めようとしているおばあさん(侍女)がいます。ここでガイドさんが「ゼウスはどこにいるでしょう」と質問しました。 -
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「実はここにいます」ということで、よく見るとなるほど真ん中の一番上にゼウスの顔が。「怖い」と叫んでいる方もいました。 -
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この部屋にはティツィアーノの作品がたくさんあります。ガイドさんが「ダナエ」の説明をしている間、わたしは説明もろくに聞かずこの部屋の写真を早撮りしていました。
これは「鏡を見るヴィーナス(公式サイトの英語ではVenus with Two Cupids in Front of a Mirror)」という作品です。右側には天使が2人いて、大きな鏡を両側から支えています。公式サイトのVirtual VisitではCopyと書かれていました。 -
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これは「教皇パウルス3世の肖像」です。第220代ローマ教皇です。イエズス会を認可し、プロテスタント側との対話を求め、教会改革を目指してトリエント公会議を召集しました。 -
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これは「聖セバスティアヌス」という作品です。ティツィアーノが90歳近くになって描いた最晩年の作品です。聖セバスティアヌスはキリスト教の聖人です。3世紀にディオクレティアヌス帝に迫害され殉教したと言われています。美術や文学では、柱に体を縛り付けられ、矢を射られた姿で描かれます。ゲイだったという説もあり、たくさんの人(例えば三島由紀夫)がその象徴として描いてきたようです。 -
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これは「祝福するキリスト」という作品です。右手は祝福を表す形をしています。左手には世界を表す水晶玉を持っています。 -
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これは「Madonna and Child with Mary Magdalene」、つまり幼子キリストを抱いた聖母マリアとマグダラのマリアが一緒に描かれた作品です。このように、聖母マリアとマグダラのマリアが一緒に描かれることも多いようで、他の画家たちもこのような作品を描いています。 -
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「十字架を担うキリスト」という作品です。光が写りこんでしまうのでこの角度から撮るしかなく、歪みを補正するとあまりに不自然になってしまったのでこのまま写真を掲載することにしました。ティツィアーノが70歳位のときに描いた作品です。 -
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14時41分、ガイドさんにつられて227番の「ラファエロの回廊」に向かいました。 -
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ラファエロとその弟子がバチカン宮殿回廊に描いたフレスコ画をエカテリーナ2世が気に入り、 2人の画家にコピーさせました。コピーが終わると今度はバチカン宮殿の回廊をそっくりコピーさせ、フレスコ画を同じようにはめました。バチカン宮殿の回廊のフレスコ画は部分的になくなってしまっていて、オリジナルの形がそのまま残っているのはこちらの方なのだそうです。 -
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旧約聖書をもとにした絵が天井や壁に描かれていて「ラファエロの聖書」と呼ばれているそうです。 -
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壁の部分もヴァチカン宮殿の回廊のコピーです。ただし、彫刻が絵になっていたりしているところはあるようです。また、誰かが質問したところ、一番下の部分にはロシア人の芸術家の作品も一部使われているということだったように思います。 -
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華やかさをアピールするため、ここにも -
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ここにも同じような写真をのせます。 -
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なお、手前左下に猫もいます。 -
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14時46分、続いて237番の部屋にやってきました。公式サイトでは「Small Italian Skylight Hall」と書かれています。「イタリア天窓の間(小)」とでもいうのでしょうか。ここは初めから美術館として設計された部屋のようです。広々としていて解放感があり、壁にたくさん絵が並んでいます。 -
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ラピスラズリのテーブルがあります。ラピスラズリは日本では瑠璃(るり)といいます。こういう色をした生き物の名前に瑠璃をつけて「ルリカケス」などと呼んだりしていますね。ラピスラズリを原料としたウルトラマリンは青色顔料として使われます。 -
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ガイドさんがテーブルの話をしている間、話を聞かずに目に着いた絵をいくつか写真に撮りました。
これは「聖ペテロの殉教」です。公式サイトでカラヴァッジョの名前があったので期待したのですが、インターネットで調べてみると、カラヴァッジョの影響を受けたリオネッロ・スパーダという画家の作品です。逆さ十字にかけられている聖ペテロの姿を描いています。 -
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これは、ニコラ・レニエの「聖セバスティアヌス」です。同じタイトルで先ほどティツィアーノの作品を見ました。ニコラ・レニエはフランドル地域生まれで、長くイタリアで働いた画家です。やはりカラヴァッジョの影響を受けました。 -
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これは、マッシモ・スタンツィオーネというイタリアの画家の「クレオパトラ」という作品です。この画家もカラヴァッジョの影響を受けました。 -
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ラピスラズリの大きな花瓶もありました。テーブルも花瓶も、ラピスラズリを薄く削ったものを表面にうまく敷き詰めて丹念に作っていくというような話をガイドさんがされていたように思います。 -
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14時48分、238番の部屋にやってきました。公式サイトでは「Large Italian Skylight Hall」と書かれています。「イタリア天窓の間(大)」とでもいうのでしょうか。 -
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右手にこのような絵があります。カナレット(ジョヴァンニ・アントーニオ・カナール)の「ベネチアにおけるフランス大使のレセプション」という作品です。この人は、ふるさとヴェネツィアをパノラマ写真のようにたくさん描きました。右手に見えるのはドゥカーレ宮殿ですね。この絵の特徴は、 -
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左側から見るとドゥカーレ宮殿が小さくなってしまうことです。うまく作ってありますね。 -
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広場の人たちも一人一人細かく描かれています。 -
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よく見ると宮殿のところにも人がたくさんいます。まるで解像度の高いカメラのようです。 -
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この部屋にはイノシシ入りのこのような彫像があって目をひきます。ジュゼッペ・マッツォーラの「アドニスの死」という作品です。アドニスはギリシャ神話に出てくる美少年です。もっと複雑な話なのですが「アフロディーテ(美と愛の女神)とペルセポネ(農耕の女神)がアドニスという美少年に恋して取りあい、アドニスがアフロディーテを選んだため、ペルセポネが怒ってアレス(軍神でアフロディーテの恋人)に告げ口をした結果、イノシシに化けたアレスがアドニスを殺してしまいました」というような話です。 -
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14時51分、239番の「スペインの間」にやってきました。イタリアの部屋からこの部屋にやってきてすぐ右の壁の裏側を見ると、ここにベラスケスの「昼食」という作品があります。ベラスケスは17世紀を代表するスペインの画家で、やはりカラヴァッジョの影響を受けています。これは初期の作品です。テーブルを覆っている折り目付きの布も、ザクロやパンも綺麗に表現されています。ザクロやパンは、これが宗教画であることを表しています。ここでガイドさんが「この中に人は何人いるでしょう」と質問しました。4人とか5人とかいう声が上がりました。 -
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正解はたった3人だそうです。テーブルを囲んで左側に老人、右と後ろに若者がいます。老人の右側で顔のようにも見えるものは、後ろの少年がつごうとして持っているワインの水差しです。後ろに立っているように見えるのは襟付きの帽子なのです。 -
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「してやったり」と得意げに指を立てている右側の少年は、ベラスケス本人だとも言われているそうです。 -
[46]
これは、ゴヤの「アントニア・サラテの肖像」という作品です。ゴヤもスペインを代表する画家です。アントニア・サラテはスペインの女優で、36歳の若さで結核により亡くなったようです。彼女の死後に息子で詩人のギル・イ・サラテに依頼されて完成したらしいです。 -
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ムリーリョの「少年と犬」という作品です。ムリーリョも、スペイン絵画の黄金期である17世紀を代表する画家です。この部屋にはムリーリョの作品が他にもいろいろあるのですが、時間の都合上撮影できませんでした。 -
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14時55分、240番の部屋に進みました。入ってすぐ右手に、エル・グレコの「使徒ペトロとパウロ」という作品がありました。エル・グレコは現在のクレタ島の出身で、本名はドメニコス・テオトコプーロスといいますが「ギリシャ人」を意味するこの名前で知られています。スペインのトレドに住んで絵を描き続けました。左側が聖ペトロで、キリストから授けられた天国の鍵を握っています。右側は聖パウロで、聖書の一行を指さしています。聖ペトロは弱弱しく、聖パウロは堂々と描かれていて、エル・グレコは聖パウロの方が好きだったと思われます。 -
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そして、聖パウロの顔はエル・グレコ自身だとも言われています。 -
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14時59分、254番の「レンブラントの間」にやってきました。レンブラントはバロック期を代表するオランダの画家の一人です。光の使い方がとても上手いと言われています。エルミタージュ美術館はレンブラントの作品が充実しています。入ってすぐ目についたのはこの作品です。「フローラに扮したサスキア」といいます。レンブラントの妻サスキアをフローラ(花と美の女神)に見立てて描いています。服の質感も見事に表現されています。サスキアは残念ながら若くして亡くなってしまいました。 -
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部屋に入ってすぐ左の壁を振り返ると、ここにもレンブラントの有名な作品がありました。先ほどティツィアーノのところで見たのと同じ題材の「ダナエ」です。同じ題材でも表現が違っていて面白いです。ダナエは蚊帳の中にいます。ダナエの姿はレンブラントの考える官能性を表現しています。ダナエはゼウスを恐れず喜んでいるような表情です。エロスが右上にいます。蚊帳の中を覗いているのは、黄金の雨を目撃するおばあさんです。黄金の雨がはっきり描かれていません。 -
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ガイドさんは必ずこの絵を説明します。「頭のおかしい人が硫酸をかけました。その後修復しましたが、左下のところは特にダメージがひどいんです。」エルミタージュ美術館が液体の持ち込みを禁止している理由です。 -
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この後、ガイドさんは「さあ行きましょう」と言って、この部屋の一番遠くの方にある別の絵のところに歩いて行ってしまいました。でも、わたしはできるだけ多くの絵を見つけて早撮りして回ります。これは「十字架降下」です。十字架の上ではキリストの手に打たれた釘を抜く男の姿があり、この写真では切れてしまいましたが右下に失神した聖母が描かれています。 -
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これは「耳飾りをつける娘」です。鏡を見ながらイヤリングをつける様子が描かれています。これはレンブラントが晩年に描いたものですが、その頃は老人の肖像画ばかり描いていて、若い女性は珍しいそうです。家政婦で愛人だったヘンドリッキエがモデルになっているらしいです。 -
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これは「ダヴィデとヨナタンの別れ」です。旧約聖書の話に基づいています。ダヴィデ(後にイスラエルの王となる人)はサウル(イスラエルの最初の王)に仕えていましたが、次々に活躍するダヴィデをサウルがねたみ暗殺を企てます。そんな時、ヨナタン(サウルの息子でダヴィデの親友)がそれを知らせ、2人はつらい別れをします。 -
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これは「天使のいる聖家族」です。ゆりかごの中で幼子キリストが眠り、聖母マリアが優しいまなざしで見つめています。マリアの後ろには道具らしいものをメンテナンスする夫の聖ヨセフが描かれています。後ろ側では天使が降臨している様子が描かれています。 -
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これは「ダヴィデとウリア」です。イスラエル王ダヴィデはウリアの妻バテシバのことが好きになり、わざとウリアを危険な戦場に送ってしまいました。ウリアは死亡し、ダヴィデは目論見通りバテシバを妻とし、生まれた子供ソロモンが次のイスラエル王になりました。後ろで送り出しているのがダヴィデで、手前に大きく描かれ諦めの表情をしているのがウリアです。 -
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これは「イサクの犠牲」です。信仰心を試すため、神様がアブラハム(全てのユダヤ人の祖先)に「息子イサクを犠牲にして神にささげよ」という無茶な命令をし、やむを得ずイサクに手をかけようとした瞬間に「合格」といって天使が手をつかみ、ナイフが宙に飛んだ瞬間を描いています。 -
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ガイドさんが説明していたのはこの絵です。「放蕩息子の帰還」といいます。新約聖書のルカ福音書の話に基づきます。道楽息子が家を出て遊び回り父からもらった財産を使い果たして一文無しになり、豚の世話をしてなんとか食いつなぎ、汚らしい身なりで実家に戻りました。どうしようもない息子ですが、それでも父親は優しく迎え入れました。 -
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みすぼらしい身なりもよく描かれています。 -
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この作品は、レンブラントが晩年に描いた集大成だと言われています。強調したいところに光が当たっていて、光の使い方が上手いです。レンブラントは若いうちに成功しましたが、妻サスキアが亡くなり、オランダの景気悪化とともに自らも没落していきました。そんなレンブラント自身の人生と放蕩息子を重ね合わせているのだとも言われます。また、最後の息子をこの頃に亡くしており、自分を父親の姿と重ねているのだとも言われます。 -
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これにて絵の説明はおしまいということで、ガイドさんの後について階段を下りて進みました。途中、世界最大だという巨大な器(?)のある部屋を通りました。 -
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次にエジプトコーナーの部屋を通りました。ロシアの皇帝たちはエジプトにあまり興味がなかったのか、それほど大きなコレクションではありません。 -
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それでも木棺があったり -
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ミイラがあったりします。 -
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15時15分頃カフェのところに戻って、15時45分までの30分間、自由時間になりました。集合場所は同じ場所です。まずはトイレに行こうと向かったのですが、場所がわからず迷った挙句、強烈に混んでいてあきらめました。ここで10分も時間をロス。続いて先ほどの宮殿部屋部分を詳しく観察。15時33分頃、小エルミタージュに入ってパビリオンの間に向かおうとしたら、観光客が「おしくらまんじゅう」状態になっていました。このあたりで同じツアーの2人組に出くわして合流。パビリオンの間はあきらめて反対方向に歩き、 -
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247番の「ルーベンスの間」に行きました。でも現在15時34分、時間はありません。あらかじめエルミタージュ美術館のVirtual Visitで予習してきた位置にガイドブックと同じ絵を見つけて写真を撮ります。反射して変な光が入っても気にしません。まるでオリエンテーリングの世界です。
これは「ペルセウスとアンドロメダ」という作品です。怪獣の餌食としてささげられ、岩につながれたアンドロメダをペルセウスが助ける場面です。ペルセウスの盾に顔がついている怖い女の人はメドゥーサ(ペルセウスがかつて首を切り落とした怪物)で、右側の天馬ペガサスはメドゥーサの首の傷から生まれたとされています。手前にはペルセウスが倒した怪獣が横たわっています。怪獣の顔がかわいいです。 -
[68]
これは「大地と水の結合」という作品です。左側の女性はキュベレーという女神で「大地」を表します。右手に豊穣の角を持ち、トラ(絵の一番左側)を従えています。右側で後ろ向きになり女性と向かい合っている男性は「水」を表します。ギリシャ神話ではポセイドン、ローマ神話ではネプチューンにあたり、三叉の矛を持っています。後ろでヴィクトリア(勝利の女神)が祝福しています。真ん中の器から流れ出ている水は、川や海を表しています。ルーベンスの故郷アントワープとスヘルデ川(オランダによる経済封鎖策で塞がれていました)の結合を意味しているらしいです。
時間もないので、これにてルーベンスの間はおしまい。一緒にいらっしゃった方が「あれ、もう1枚なかったでしたっけ」と言われましたが「たぶん2つだけじゃないでしょうか」と先に進んでしまいました。でも後で「あ、バッカス忘れた」と思いました。すみません。 -
[69]
15時36分、245番の部屋にやってきました。ここには、このようなごちゃごちゃした絵が並んでいます。あらかじめエルミタージュ美術館の公式サイトで調べていたとき、個人的に面白い絵だと感じました。これは、スナイデルスの「魚屋の店先」という作品です。我々がふつう口にしないような変な生き物もいて面白いです。 -
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15時36分、243番の「騎士の間」にやってきました。重装備して馬に乗った騎士の姿が並んでいます。 -
[71]
カラヴァッジョの「リュートを弾く若者」を探しに232番の部屋に行きました。「これじゃない?」と同行の1人が言われたので一応写真に撮りましたが、どうも違う。後で調べるとやはりカラヴァッジョではなく、ニコラ・トゥルニエの「リュートを弾く若者」でした。カラヴァッジョの絵を探して時間をロスしました。後でガイドさんに尋ねると、現在貸し出し中で日本を含めあちこちの外国を回っているのだそうです。 -
[72]
15時39分、230番の部屋に行って、ミケランジェロの「うずくまる少年」を見ました。エルミタージュ美術館で唯一のミケランジェロの作品です。背中の筋肉はとても発達しています。 -
[73]
足からトゲを抜こうとしている様子で、フィレンツェのメディチ家の墓のために造られたものらしいです。でも、手や足の先端部分を見ると未完成です。
さて、現在15時40分。集合時間まであと5分しかありません。イタリアの間、スペインの間、レンブラントの間を抜けて階段に出て1階に下り、同行していた2人と協力し、先ほどと同じようにエジプトの間などをはるばる通って、ぎりぎりの時間に戻りました。ここでわたしは気づきました。「あ、ラファエロ忘れた。」そういうわけで、この旅行記にラファエロの絵はありません。ガイドさんはすべてを網羅してくれるわけではないので、気を引き締めて回りましょう。 -
[74]
だいたい時間通りに集合し、入ってきたのと同じ扉から15時50分頃外に出ました。段差があるのでつまづかないように気をつけました。
なお、この旅行記の説明は、地球の歩き方の他、わたしの家の近所の図書館にあった本(まだこの町がレニングラードと書かれている1989年発行のNHK出版「エルミタージュ美術館」4巻シリーズ)とガイドさんの説明、それにフォートラベルをはじめとする様々な方のブログの説明をミックスしたものです。
次はエルミタージュ美術館の新館を訪れます。
https://4travel.jp/travelogue/11409113
なお、旅行記の最新の目次はこちらです。
https://www2.hp-ez.com/hp/travelmasa/page23
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