2018/07/18 - 2018/07/18
68位(同エリア123件中)
ロク69さん
7月18日(水)は、今夏2回目の小屋泊のハイキングだ。7/8~7/9のラウターアールヒュッテ(Lauteraarhütte、2392m)に続いて、オバーアレッチヒュッテ(Oberaletschhütte、2640m)を目指す。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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当初は7月17日(火)~7月18日(水)の予定だったが、天気予報が7/18と7/19が快晴となっていたので1日延しで予約を変更してもらった。SACの山小屋はかなりの割合でHPで予約、変更、キャンセルができるのでとても便利だ。
参考:オーバーアレッチヒュッテのHP
http://www.oberaletsch.ch/
朝7時50分ごろのブラッテン(Blatten、1327m)の様子。フィーシュからブリークまでは列車、ブリークからブラッテンまではバスでやって来た。ここからベラルプ(Belalp、2094m)、までロープウェイが運んでくれる。
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20名ほどの乗客を乗せてロープウェイが動き出す。はやる気持ちをなだめるように出発点を眺める。
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上部駅にある行先表示板。目的のヒュッテまでは4時間30分となっている。その下には「Panoramaweg Oberaletsch」と記載がある。9時ちょうどに歩き始める。
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本日のルート図。下のベラルプを出発し、アップダウンを繰り返しながら氷河からの流れに架かる橋を渡る。そこからはフスヘルナー(Fusshörner、3494m)の中腹をトラバースしながら高度を上げて小屋に到達するコースだ。10年少し前にコースが改良されて歩きやすくなったと聞くが、長い距離と登り降りの繰り返しが多いのでタフなコースであると思われる。
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出発してからしばらくは広いなだらかな道が続く。
振り返ると、左にフレッチホルン(Fletschhorn、3985m)、右にミシャベル(Michabel)山群が美しく眺められる。前に重なるのは数条の山腹氷河を持つバルフリン(Balfrin、3796m)、左の小さな黒いピークはリンプフィッシュホルン(Rimpfischhorn、4199m)、その左の白い山塊はアラリンホルン(Allalinhorn、4027m)だ。下にはブリークの街が広がる。 -
ミシャベル山群のズームアップ。中央の一番高いのが主峰ドム(Dom、4545m)、左の平らなピークは4000m峰のアルプフーベル(Alphubel、4206m)だ。
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フレッチホルンの拡大。サースフェー(Saas Fee)からはワイスミース(Weissmies、4017m)やラッギンホルン(Lagginhorn、4010m)に比べて目立ちにくいが、北方向からは堂々の雄姿が素晴らしい。
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その左にはモンテ・レオーネ(Monte Loene、3553m)が見える。右端はブライトホルン(Breithorn、3437m)だ。モンテ・レオーネの右手前にはワッセンホルン(Wassenhorn、3245m)が重なっている。
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フレッチホルンとミシャベルの間に煙突のある建物。
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ミシャベルと煙突。煙突の形が特徴的だった。
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20分ほど歩いた地点で右のワイスホルン(Weisshorn、4506m)とマッターホルン(Matterhorn、4478m)の頭が見えてくる。
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ホテル・ベラルプ(Hotel Belalp、2130m)の上にある礼拝堂が青空の下に美しい。手前のお花畑、後ろのフスヘルナーの荒々しい姿と妙なる調和が作られているようだ。
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ホテル・ベラルプから前方を眺める。左端の一段と高いのがグロセス・フスホルン(Grosses Fusshorn、3627m)、右手前にギザギザのフスヘルナーが続く。ここからは一旦170mほど降って、ルートの最下点まで進む。
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右側には大きくうねる大アレッチ氷河(Grosser Aletschglescher)が見えている。中央のピークはエッギスホルン(Eggishorn、2926m)、右にベットマーグラート(Bettmergrat)と連なっている。
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コースの最下点辺り(1970m)から振り返る。フレッチホルンと右端に通過してきたホテル・ベラルプの礼拝堂が小さく見える。
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最下点からはしばらく緩やかな山道が続く。フレッチホルンに背中を押されながら歩く。
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途中で有名な吊り橋(Hängebrücke)を渡るリーダーフルカ(Riederfurka、2065m)への分岐が二つある。これは2つ目の分岐点(2019m)である。
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正面のフスヘルナーが近づいて大きく迫ってくるようだ。深い山襞、鋭い岩の突起などすごい景観だ。このフスヘルナーの中腹につけられたコースを左へ進むが、ここからは見えていない。
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振り返って歩いてきたコースとフレッチホルンとミシャベルを一望する。左下にギビドゥム人造湖(Gibidum Stausee)の堰堤が小さく見える。
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小さな稜線を越えると前方にこれから進む対岸のコースが見えてくる。左下の橋を渡って右方向へ登るようだ。それにしても急峻な岩盤につけられた急坂はどんなものだろうかと興味と不安を感じる。
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稜線から降って橋に近づく。
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オーバーアレッチ氷河から流れてくる川を渡る。吊り橋でなくしっかりとした橋なので安心して渡ることができる。時刻は10時35分、出発から1時間35分経過している。
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橋上から上方を眺める。水量は多くないが、その流れる速度はとても速い。谷奥に見えているのは、3つのピークを持つウィスホルン(Wysshorn、3546m)と左のトルベルク3峰(Torberg)だろう。
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橋から下方の様子。V字の谷間を速い水流が走っていく。
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橋を渡り終えると狭い急坂を登る。右にはフェンスがあるので滑落の心配はないが、オーバハングしている箇所もあるのでスリルは大きい。
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急坂を登りきると眺望が一気に広がり、ミシャベルとホテル・ベラルプが見える。望遠撮影のため後方の山々は大きく見える。
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コースは南東方向から180度折り返して北東へ向くと、ロヘッガ(Lochegga)という地点になる。
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フスヘルナーを見上げる。近づいたので大きな山塊に見える。木々や草地も寄せ付けない峻厳な山肌がすごいと思う。
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反対方向にはマッターホルンとワイスホルンがより大きく見えている。
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フレッチホルンとミシャベルも雲がない青空の下に見えている。
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左にはモンテ・レオーネとヒューブシホルン(Hübschhorn、3192m)が見えている。
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2228m地点、小屋まであと2時間50分とある。
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ここからはモレーン上の登りが始まる。勾配が結構きついので高度がグングン上がる。抜けるような青空が心地よい。
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出発から2時間20分の地点、コースはアップダウンが多いので消耗が大きい。氷河のクレバスが生々しく見える。左奥に高峰ネストホルン(Nesthorn、3821m)が見えてくる。
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その左手の様子。氷河から立ち上がる岩壁の上のピークは昨年(2017年)登ったシュパールホルン(Sparrhorn、3021m)だ。
参考:シュパールホルンの記録
https://4travel.jp/travelogue/11294109 -
参考:2017年シュパールホルン頂上から眺めるオーバーアレッチヒュッテ(赤い丸)。右からアレッチホルン、小アレッチホルン(Kleines Aletschhorn、3747m)、ザッテルホルン(Sattelhon、3744m)、左にシンホルンと見える。右に大きく曲がっている氷河がオーバーアレッチ氷河だ。
小屋へは右斜面の中ほどを右から左へと歩くトレイルだが、写真ではほとんど見えない。 -
2579m地点のツレング・フェッシュ(Z'Leng Fäsch)にやって来た。一番下の行先表示のドリースト(Driest)は大アレッチ氷河へのルートらしい。
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すぐに次の分岐(2586m)がある。ここでフスホルンビバーク(Fusshornbiwak、2788m)との道を分ける。小屋までは1時間25分となっている。
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振り返るとマッターホルンの全貌が見えているではないか。遠方のため霞んでいるが、その雄姿ははっきりと認識できる。
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コースはやや降り気味になる。前方に男女ペア2組が歩いているのが見える。ベラルプ出発以来、つねに前後して歩いてきているので親しみもわいてくる。
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進行方向の右手は切り立ったフスヘルナーの岩壁が覆いかぶさるように迫ってくる。
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同じくやや前方のフスヘルナーの岩壁。稜線が見えないほど切り立っている。
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後方はフレッチホルン(左)からミシャベル山群までが一目で見渡せる。ホテル・ベラルプも手前下方に小さく望むことができる。これらの山々とはこの辺でお別れとなるようだ。
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このルートの最高点は約2700mの地点、ここを過ぎるとコースは降ったり登ったりの繰り返しが続く。左のネストホルンが近づいてくる。
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さらに進んだ地点からの展望。右側斜面にべったりと雪が貼り付いたネストホルンが素晴らしく迫る。
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そのズームアップ。右前に無名の前衛峰(3440m)を従えたネストホルンに魅せられる。
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ついにオーバーアレッチヒュッテに到着、時刻は13時11分、出発から4時間11分(昼食休憩8分含む)だった。
ルートが出たり入ったりするので、歩いているときは小屋の認識がし難い。直前になって飛び出すように現れるので、意表を突かれる。右上は業務用の物置、左下がトイレのようだ。 -
小屋前にある表示板。帰路のベラルプまで3時間30分となっている。
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小屋前からの眺望。中央の氷河はビーチ氷河(Bietschgletscher)。左がネストホルン、この方向の主役といえるだろう。
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小屋前からは丘陵が邪魔をしてアレッチホルンは見難い。少し進んでいくとオーバーアレッチ氷河が見える。さらにその奥に、右からアレッチホルン、小アレッチホルンが続く。アレッチホルンを最も近くで見る瞬間だ。左前の黒い山はディステルベルク(Distelberg、3127m)だろう。
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もう少しワイドで眺めると、左側にウィスホルン北峰(Nöldliches Wysshorn、3625m)、そのすぐ前がウィスホルン(Wysshorn、3546m)だ。
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ウィスホルンの拡大。北峰、本峰、南峰と続いて、左はオーバラー・トルベルク(Oberer Torberg、3325m)とミットラー・トルベルク(Mittlere Torberg、3160m)だ。
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アレッチホルンだけを拡大して眺める。こちらからの姿は4000峰の貫禄が十分でどっしりと根を張った山容が堂々としている。
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縦位置で見ると、曲がりうねる氷河とアレッチの山並みが奥行きを持って眺められる。
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小屋奥からの眺め。アレッチホルンなどはここまで歩いてこないと見えにくい。
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再び、ネストホルン方向を見る。右奥の氷河を持つ2峰はレッチェンタラー・ブライトホルン(Lötschentaler Breithorn、3785m)、その右の岩山はロンザヘルナー(Lonzahölner、3560m)だ。
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ブライトホルンとロンザヘルナーの拡大。レッチェン谷(Lötschental)からは大きな存在感を示すが、こちらではネストホルンを盛り上げる脇役のようだ。
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こちらはウィスホルンの拡大。オーバーアレッチ氷河を隔ててすぐ前に見えるので、その迫力は大きい。右はウィスホルン南峰(Südliches Wisshorn、3481m)、中央はオーバラー・トルベルク、左にミットラー・トルベルクと続く。
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小屋玄関にある銘盤。
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周りの景色を十分眺めてから、一旦小屋内に入る。女性のチーフキーパーが出てきて我が家の名前を呼んでくれる。予約で日本人と分かるので親切に対応してくれる。チーフキーパーはイリーナ(Irena)という女性で英語も堪能だ。簡素な室内ながらどこか懐かしさを感じる雰囲気がする。
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小屋の窓から外を眺める。これは東方向、ゴムス谷(Goms)向こうの山が見える。
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斜めに覗くとネストホルンの方角だ。
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白ワインを注文して小屋前のテラスで乾杯とする。山々を眺めながらグラスをかざして景色を取り込む。
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再びネストホルンの方向を眺める。
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小屋の周りを散策すると「Gross Fusshorn」と書かれた青白のペンキ表示がある。フスホルンまでは1000mの高度差を登ることになるようだ。
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2つの氷河が合流する地点を眺める場所には、快適な椅子が2つある。
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子供たちが楽しそうに遊んでいる。ここからは左にビーチ氷河、右にはオーバーアレッチ氷河が眺められる。ちょうど2つの氷河の合流地点の上部にあたる。
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小屋前には登山道具が並べられている。登攀から帰ってきた人たちの道具のようだ。
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登ってきた南方向の眺め。氷河の荒れた様子の向こうには渡ってきた橋が見えている(赤い丸)。右奥にモンテ・レオーネ、中央には深い谷を両脇に抱くベットリホルンがあるのが分かる。左の雲の下の尖峰はヘルゼンホルン(Helsenhorn、3272m)だろう。
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小屋に入って夕食を待つ間、ファンダン(Fendant、白ワイン)の500mlボトルを頼む。本日の宿泊は20人程度、登攀組は5~6名で少ない。ルートが改良されたためか、我が家のような小屋泊りのハイキング組が70%以上を占めていて、この小屋に以前から持っていた「高所アタックの基地」としてのイメージはあまり感じなかった。
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小屋に着いてから5時間があっという間に過ぎて、夕食の時間(18:30)となった。我が家は、中年の男女ペア、オランダからの若い兄弟2人と一緒のテーブルで合計6人だ。最初はトマト味のスープで始まる。
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大皿で配膳されるので我が家が皆の皿に取り分ける。
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次は野菜サラダ。
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メインは、穀物のビーフシチュー掛けだ。黄色い粟のような穀物はクスクスというものだと同席の男女ペアに教わった。スイスでは普通に食べられているらしい。
なんとパスタの一種。
参考:クスクスの説明/https://macaro-ni.jp/45440 -
デザートはクリームが乗ったプリンだ。
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夕食は1時間ほどで終わって、外の様子を眺める。陽は傾いて氷河に山の影が伸びてきている。
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氷河の対岸の山々にもたそがれが迫る。左端がシュパールホルン、陽の当たっているのはホッホシュトック(Hohstock、3226m)だろうか。
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アレッチホルンの良く見える場所まで移動すると、斜めの陽光を浴びて夕暮れが近い柔らかな雰囲気になっている。
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夕焼けが近い氷河とネストホルン。氷河は暗くなって眠りに就こうとしている。
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20時50分ごろ、青空に浮かぶ雲も少し紅く染まりだす。
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たそがれの小屋の表情はどこか柔和さがにじみ出ているような気がする。
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時刻は21時ちょうど、本日最後の写真。アレッチホルンのも紅く染まってきた。部屋に入って床に就くことにする。
本日の全行動時間は4時間11分、うち昼食の休憩8分、実動4時間3分、登り1030m、降り480m、距離9.9kmだった。
快晴の絶好の気候に恵まれて、谷の奥深くまで歩いて多くの素晴らしい山々と氷河を堪能することができた。本当に幸運なハイキングで大きな幸せをかみしめることができた。
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