2018/01/06 - 2018/01/06
135位(同エリア328件中)
norijiroさん
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マウントクックとならぶ南島の人気スポットとしてあげられるのが、世界遺産にも登録されているミルフォードサウンドである。サウンドといってもなにか音が聞こえるわけではなく、この場合は「入江」の意味らしい。
一応、クイーンズタウンから日帰りが可能とされてはいるが、車で片道4時間以上もかかる。無人の荒野を抜けて山を越えた先、といった立地なのでかなり遠い。地図上でクイーンズタウンとの直線距離を測ると100kmに満たないほどなのだが、残念なことに最短距離を取ろうとすると山に阻まれて道がない。前述のとおりニュージーランドはトンネルを作らない主義なので、山を迂回しながら延々と300kmの遠回りを強いられることになる(実際にクイーンズタウン・ミルフォードサウンド間のトンネル建設が計画されたこともあったらしいが、地元の反対で頓挫したという)。
最初は自力で行くことを考えたが、さすがに往復8時間超の運転はつらい。そこで、クイーンズタウンからの日本語バスツアーを利用した。レンタカーで自力で行くかツアーに参加するか迷う人もいるかもしれないが、曲がりくねった山道の運転が嫌というほど続くため、よほど運転が好きな人か交代ドライバーが豊富にいる人以外、おとなしくツアーを利用したほうがよいと思われる。ツアーの予約は日本人スタッフがいる「Qbook」で行った。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 乳幼児連れ家族旅行
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 観光バス 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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出発の朝。やや雲が多いが、現地は晴れているようである。
アパートメンツ アット スピネーカー ベイ ホテル
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まずは集合場所であるバス停までタクシーで移動。集合場所はよく知らされていなかったが、このタクシーは旅行会社が手配したものなので自動的に連れて行ってもらえる。もちろんツアー代にタクシー料金は込み。こういうツアーはいいなあ。鬼軍曹が出てきて「バス停まで歩け! 早く!」などとせき立てられなくてよかった。
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タクシーでホテルを出発しておよそ10秒。ホテルと道路をはさんで向かいの空き地にタクシーが止まった。どうした? ほかに誰か乗ってくるのか? と思っていると、集合場所はここだという。えーっ?? 道路を渡っただけ…。人生において最短距離のタクシー乗車であったことは言うまでもないが、なぜこの距離なのにわざわざタクシーが手配されたのか、いまだに謎である。
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腑に落ちないものはあったが、バスは予定どおりにやってきてツアー出発。広大な牧草地を進んでいく。日本語ツアー(正確には日本語併用ツアーなので、日本人以外の参加者と半々)だけあって、はとバスのような安心感である。
バスはリアルジャーニー社謹製のスペシャル仕様で、天井がガラス製なのはもちろん、後部にいくにつれて座席が高く設定されているシアタースタイルだそう。 -
誰しもが一度は疑問に思う「虹の端」を激撮。普通に地面から生えている。
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途中のテアナウの町でトイレ休憩の時間が取られた。目の前に広がるテアナウ湖は国内2番目の大きさらしく、これで1~3位まではすべて制覇した(テカポ湖・テアナウ湖・ワカティプ湖の順)。
観光案内所 アイサイト 観光名所
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羊の群れによる渋滞にもめげずにバスは行く。
ニュージーランドといえば羊のイメージだが、近年の世界的な需要低迷により、牛などに切り替える動きが顕著らしい。 -
エグリントン・バレーで小休止。かつて氷河が削り取った大規模なU字谷である。長時間座席にしばりつけられていることもあって、吹き渡る風が心地いい。
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続いての停車地はミラー・レイク。なんということのない水たまりなのだが、湖面がよく反射するらしく、看板が逆さに取り付けられているのがおもしろい。
この後に立ち寄ったトイレに、ポッサムの解説が書かれていた。ポッサムとはオーストラリア原産の有袋類の一種である。北島編で触れたように、ニュージーランドで運転していると、あちこちの道路で轢かれてスクラップになったポッサムを見ることができる(敢えて見たくはないが)。ニュージーランドでは外来種として増えすぎたため忌み嫌われており、「道路でポッサムを見かけたら迷わず轢け」などと言われているとか(時速100kmで走っている時に避けようとすると危ないという側面もあろうが、そもそも駆除対象にもなっている)。一方で原産地のオーストラリアでは保護動物に指定されているというから、どちらの国に生まれるかで待遇が違いすぎる。ミラー湖 滝・河川・湖
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ニュージーランドでは希少なトンネル「ホーマートンネル」を越えれば、ミルフォードサウンドはあと少し。トンネル内は真っ暗なうえに吸い込まれそうなほどの異常な勾配で、TDLの「スペースマウンテン」のようなスリルと興奮?が味わえる。
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休憩や道中の見学なども含めて、5時間かかってようやく到着。
ミルフォード サウンド 山・渓谷
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いざ出航。船内の特等席といえる窓際のテーブルは「JTB」の札に占領されており、しかも各席に松花堂弁当(ツアーだとオプションで一人前約3000円!)まで恭しくセッティングされている徹底っぷりであったが、残念なことに窓があまりクリアでない。清掃を放棄した風呂場の鏡のような有り様で、ついては早々に客室内から甲板に出て景色を楽しむことにした。
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まず右手に見えるのがボーエン滝。雨の日にはこのほかにも山肌に大小無数の滝が出現するといい、観光船を運航する会社のサイトには「ぜひ雨の日にこそ訪れてほしい」などと書いてあった。年間400日は雨なので、そう書かないと商売あがったりなのでは…とも思う。はじめての観光客は素直に晴れの日を狙いたい。
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「ミルフォードサウンド(=入江)」という名前ではあるが、実際には入江ではなくフィヨルドである。命名者にフィヨルドの知識がなかったため、間違ったまま名前のまま放置されて今に至るという。
フィヨルドの象徴である切り立った山々が見えてきた。氷河の侵食によって形成されているので、断崖絶壁に囲まれた光景となっている。 -
そろそろ外洋へと出る。海側から見ると、入り口がどこにあるのか分からない。
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この先はオーストラリアとの間に青々と広がるタスマン海。ちょうどこのあたりが折り返し地点となっており、ふたたびフィヨルド内へ。
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岩のうえで休憩するオットセイの群れ。
オットセイは一夫多妻制らしく、メスをめぐる争いに敗れたオスたちは、女っ気のない集団生活をしながら寂しい生涯を終えるらしい。お気楽そうに見えて、実はなかなかに厳しい社会なのだ。そう思うと、写真のオットセイたちにも、出世競争に敗れて閑職に追いやられたおじさん社員たちのような寂寥感が漂う。 -
ボーエン滝とならび、晴れの日でも見られるスターリング滝。船はしぶきがかかるくらいのかなりギリギリまで近寄ってくれる。岩壁に衝突しないかと心配になった。
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ミルフォードサウンド最高峰のペンブローク山。氷河の痕跡があるように見えるが、温暖化で消滅してしまったのだろうか。
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絶好の天気のなか、フィヨルドの雄大な景色を楽しめた。1時間半のクルーズもあっという間に感じた。
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本日お世話になった船。とりあえず、窓は磨いておけ。船着き場の売店でミルフォードサウンドの立体模型などのくだらないお土産を探したが、残念ながら見つからなかった。作ったら売れると思うのだが。
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帰りも4時間超のロングドライブを経てクイーンズタウンへと帰還。セスナ機だと1時間とかからないらしいが、何となく恐い。時間がかかっても着実に地に足着けて帰りたい(自動車よりセスナのほうが安全という意見もあろうが)。
美しい景色を見られて、丸一日かけたかいは十分にあった。
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