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蒲原城(かんばらじょう、静岡県静岡市清水区蒲原)はJR東海道線東蒲原駅を北進して椙守稲荷を通り、東名高速高架を潜りつづら折りの道路を登りきった善福寺公園の西側に在る蒲原丘陵の先端を城砦化したもので、海岸に沿って走る東海道と富士川の川筋の街道を抑える交通の要地を見下ろす山城です。<br /><br />築城時期は南北朝時代と伝えられているものの詳細は不明ですが、室町政権発足後足利一門の今川範国(いまがわ・のりくに、1295~1384)が駿河守護として入部すると、国人領主らは範国に臣属し当該城も今川氏の支城となり駿河東部の抑えとして重要視されていました。<br /><br />永禄11年(1568)それまでの駿甲相同盟を自ら破り、武田信玄が駿河に侵入し、駿河は武田氏の支配になろうとしており、これに対し翌年早々小田原北条氏は今川氏真(いまがわ・うじざね、1538~1615)支援を大義名分に駿河に出兵、蒲原城についても北条方管理下の城となります。<br /><br />城将に据えられたのは北条綱重(ほうじょう・つなしげ、出生不明~1570)で初代早雲の四男幻庵(げんあん、1493~1589)の二男で、綱重は着任早々城の改修工事を実施して武田氏の攻撃に備えます。<br /><br />同年12月信玄は今川方に奪還された駿府を再度攻撃するため障害となる蒲原城を攻略、武田方は信玄四男の武田勝頼を総大将に同信豊(信玄の甥)、山県昌景らが大軍を率いて北条方の籠城軍に攻撃をかけます。<br /><br />これに対し籠城の小田原北条将兵1千名はことごとく討死、城将の綱重はじめ弟長順や清水・笠原ら重臣も戦死するという激戦となりました。<br /><br /><br /><br />搦手(からめて)口から主郭に向かう途中に建てられた説明板には次の如く記載されています。<br /><br /><br />「 市指定史跡 蒲原城由来<br /><br />蒲原城は、蒲原丘陵から孤立した城山層を要塞化した山城で、築城時期は室町時代の前期か。<br /><br />築城者は今川氏が駿河守護として入国した後、その一族によって築城したものと思われる。<br /><br />文献上には特定の城主はなく、戦乱の折城代、城番が置かれた。永禄12(1569)年1月今川氏の盟友関東北条方の北条新三郎守城の折、本廓を大改修したが、同年12月6日武田氏の攻撃にあい落城。蒲原城は武田方に移る。<br /><br />その後、天正10(1582)年2月徳川勢による落城まで武田氏の治下にあって当地の土豪、地侍による「蒲原衆」を編成しこの地を治めたが、天正18(1590)年3月、小田原征伐の折徳川勢の着陣を最後に廃城となった。<br /><br />現在小字名に残る城関係の地名には的場、狼煙場、橋台、陣出ケ谷、根古屋、柵がある。<br />                   静岡市 」

駿河蒲原 駿甲相同盟を破棄し駿河進攻の信玄に氏康が苦境に陥った氏真救援を掲げて出兵し双方死闘を尽くした東海道と富士川を望む『蒲原城』訪問

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2018/03/25 - 2018/03/25

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滝山氏照

滝山氏照さん

蒲原城(かんばらじょう、静岡県静岡市清水区蒲原)はJR東海道線東蒲原駅を北進して椙守稲荷を通り、東名高速高架を潜りつづら折りの道路を登りきった善福寺公園の西側に在る蒲原丘陵の先端を城砦化したもので、海岸に沿って走る東海道と富士川の川筋の街道を抑える交通の要地を見下ろす山城です。

築城時期は南北朝時代と伝えられているものの詳細は不明ですが、室町政権発足後足利一門の今川範国(いまがわ・のりくに、1295~1384)が駿河守護として入部すると、国人領主らは範国に臣属し当該城も今川氏の支城となり駿河東部の抑えとして重要視されていました。

永禄11年(1568)それまでの駿甲相同盟を自ら破り、武田信玄が駿河に侵入し、駿河は武田氏の支配になろうとしており、これに対し翌年早々小田原北条氏は今川氏真(いまがわ・うじざね、1538~1615)支援を大義名分に駿河に出兵、蒲原城についても北条方管理下の城となります。

城将に据えられたのは北条綱重(ほうじょう・つなしげ、出生不明~1570)で初代早雲の四男幻庵(げんあん、1493~1589)の二男で、綱重は着任早々城の改修工事を実施して武田氏の攻撃に備えます。

同年12月信玄は今川方に奪還された駿府を再度攻撃するため障害となる蒲原城を攻略、武田方は信玄四男の武田勝頼を総大将に同信豊(信玄の甥)、山県昌景らが大軍を率いて北条方の籠城軍に攻撃をかけます。

これに対し籠城の小田原北条将兵1千名はことごとく討死、城将の綱重はじめ弟長順や清水・笠原ら重臣も戦死するという激戦となりました。



搦手(からめて)口から主郭に向かう途中に建てられた説明板には次の如く記載されています。


「 市指定史跡 蒲原城由来

蒲原城は、蒲原丘陵から孤立した城山層を要塞化した山城で、築城時期は室町時代の前期か。

築城者は今川氏が駿河守護として入国した後、その一族によって築城したものと思われる。

文献上には特定の城主はなく、戦乱の折城代、城番が置かれた。永禄12(1569)年1月今川氏の盟友関東北条方の北条新三郎守城の折、本廓を大改修したが、同年12月6日武田氏の攻撃にあい落城。蒲原城は武田方に移る。

その後、天正10(1582)年2月徳川勢による落城まで武田氏の治下にあって当地の土豪、地侍による「蒲原衆」を編成しこの地を治めたが、天正18(1590)年3月、小田原征伐の折徳川勢の着陣を最後に廃城となった。

現在小字名に残る城関係の地名には的場、狼煙場、橋台、陣出ケ谷、根古屋、柵がある。
                   静岡市 」

交通手段
JRローカル
  • 蒲原城址看板と駐車場

    蒲原城址看板と駐車場

  • 蒲原城址案内図<br /><br />蒲原城駐車場には簡単な案内図があり方向と場所を確認することができます。

    蒲原城址案内図

    蒲原城駐車場には簡単な案内図があり方向と場所を確認することができます。

  • 「通行止」看板<br /><br />駐車場の傍らから蒲原城に繋がる道が「通行止」となっていますが、ここまで来た以上何もせずあっさり引き返すわけにゆかず状況確認を含めて入城してみます。

    「通行止」看板

    駐車場の傍らから蒲原城に繋がる道が「通行止」となっていますが、ここまで来た以上何もせずあっさり引き返すわけにゆかず状況確認を含めて入城してみます。

  • 尾根道<br /><br />特に歩行前進に不自由はなく、しばらく歩くと右側に何やら看板らしきものが立っています。

    尾根道

    特に歩行前進に不自由はなく、しばらく歩くと右側に何やら看板らしきものが立っています。

  • 市指定史跡「蒲原城址由来」説明板<br />

    市指定史跡「蒲原城址由来」説明板

  • 蒲原城址・鳥観図<br /><br />どうやら搦手口から入って来たようです。<br /><br />

    蒲原城址・鳥観図

    どうやら搦手口から入って来たようです。

  • 駿河湾・展望<br /><br />尾根道を進んでいくと視界が広がり、駿河湾と共に伊豆半島が大きく広がっています。

    駿河湾・展望

    尾根道を進んでいくと視界が広がり、駿河湾と共に伊豆半島が大きく広がっています。

  • 駿河湾と蒲原市街展望

    駿河湾と蒲原市街展望

  • 蒲原城・虎口<br /><br />更に進むと左右の岩壁がに迫って狭い道となっています。

    蒲原城・虎口

    更に進むと左右の岩壁がに迫って狭い道となっています。

  • 蒲原城・登城道<br /><br />道は新しくメンテナンスされ歩きやすくなっています。

    蒲原城・登城道

    道は新しくメンテナンスされ歩きやすくなっています。

  • 蒲原城・腰廓入口

    蒲原城・腰廓入口

  • 善福寺廓入口<br /><br />城域に建立されたと思われる善福寺跡の案内板があります。

    善福寺廓入口

    城域に建立されたと思われる善福寺跡の案内板があります。

  • 善福寺廓入口(拡大)

    善福寺廓入口(拡大)

  • 主郭(南廓)

    主郭(南廓)

  • 主郭南曲輪立札

    主郭南曲輪立札

  • 蒲原城跡石碑

    イチオシ

    蒲原城跡石碑

  • 鳥居<br /><br />主郭は神社となっており奥には社が建っています。

    鳥居

    主郭は神社となっており奥には社が建っています。

  • 主郭風景

    主郭風景

  • 北条綱重・供養碑<br /><br />当該城を死守した北条方武将である北条綱重(戒名:善福寺殿衝天良月大居士)の供養碑と思われます。<br /><br />

    北条綱重・供養碑

    当該城を死守した北条方武将である北条綱重(戒名:善福寺殿衝天良月大居士)の供養碑と思われます。

  • 城山八幡宮

    城山八幡宮

  • 主郭と駿河湾<br /><br />城山八幡宮から主郭を通じて駿河湾が見事に展望できます。

    主郭と駿河湾

    城山八幡宮から主郭を通じて駿河湾が見事に展望できます。

  • 主郭風景

    主郭風景

  • 駿河湾風景<br /><br />主郭の東側先端から駿河湾の全景を捉えます。

    駿河湾風景

    主郭の東側先端から駿河湾の全景を捉えます。

  • 薩た峠方向の展望<br /><br />

    薩た峠方向の展望

  • 登城道<br /><br />主郭を離れ善福寺郭(北郭)に向かいます。

    登城道

    主郭を離れ善福寺郭(北郭)に向かいます。

  • 善福寺郭(全景)<br /><br /><br /><br /><br /><br />

    善福寺郭(全景)





  • 特大堀切<br /><br />左側の主郭と右側の善福寺郭の間には超特大の堀切が配されています。

    イチオシ

    特大堀切

    左側の主郭と右側の善福寺郭の間には超特大の堀切が配されています。

  • 善福寺郭跡中央部

    善福寺郭跡中央部

  • 桜並木

    桜並木

  • 善福寺郭模擬櫓<br /><br />善福寺郭の隅に模擬櫓が設置されています。

    善福寺郭模擬櫓

    善福寺郭の隅に模擬櫓が設置されています。

  • 善福寺郭全景<br /><br />模擬櫓から善福寺郭の土塁に沿って植えられている桜の樹木を捉えます。

    善福寺郭全景

    模擬櫓から善福寺郭の土塁に沿って植えられている桜の樹木を捉えます。

  • 善福寺郭周辺風景

    善福寺郭周辺風景

  • 善福寺郭                                                                        郭の周辺には見事な桜の樹木が咲き乱れています。

    善福寺郭                                                                        郭の周辺には見事な桜の樹木が咲き乱れています。

  • 逆茂木(さかもぎ)<br /><br />超特大の堀切入口には手前の善福寺郭切岸に沿って逆茂木が埋め込まれており珍しい風景です。逆茂木は木の根や枝を鋭利にして突き出させて敵の侵入を防ぐバリケ-ドのような柵です。

    逆茂木(さかもぎ)

    超特大の堀切入口には手前の善福寺郭切岸に沿って逆茂木が埋め込まれており珍しい風景です。逆茂木は木の根や枝を鋭利にして突き出させて敵の侵入を防ぐバリケ-ドのような柵です。

  • 善福寺郭入口<br /><br />当該郭の広場から入口方向を捉えます。右側には大堀切が控えています。

    善福寺郭入口

    当該郭の広場から入口方向を捉えます。右側には大堀切が控えています。

  • 城山の布橋桜説明板

    城山の布橋桜説明板

  • 腰廓

    腰廓

  • 腰郭<br /><br />善福寺廓から北側に一段降りた所に切岸に沿って土塁を施した腰郭が見られます。

    腰郭

    善福寺廓から北側に一段降りた所に切岸に沿って土塁を施した腰郭が見られます。

  • 腰廓土塁<br /><br />切岸に沿って施された土塁は半円形を造って走っています。

    腰廓土塁

    切岸に沿って施された土塁は半円形を造って走っています。

  • 腰郭と石垣<br /><br />左側の善福寺郭側には高さ1~1.5mほどながら石垣が積まれています。

    腰郭と石垣

    左側の善福寺郭側には高さ1~1.5mほどながら石垣が積まれています。

  • 腰郭と石垣<br /><br />腰郭は奥の方でしだいに狭くなっていきます。侵入した敵軍を誘導する袋小路と思われます。

    腰郭と石垣

    腰郭は奥の方でしだいに狭くなっていきます。侵入した敵軍を誘導する袋小路と思われます。

  • 腰廓と石垣

    腰廓と石垣

  • 腰廓<br /><br />振り返ると中央部がへこんだ地形となっています。

    腰廓

    振り返ると中央部がへこんだ地形となっています。

  • 石垣と土塁<br /><br />進んでいくと奥には石垣と土塁が低くなりかつ合流して下方向に落ちていくのが見えます。

    石垣と土塁

    進んでいくと奥には石垣と土塁が低くなりかつ合流して下方向に落ちていくのが見えます。

  • 石垣(近景)

    石垣(近景)

  • 石垣(近景)

    石垣(近景)

  • 腰廓入口<br /><br />腰廓の奥から入口方向に振り返ります。

    腰廓入口

    腰廓の奥から入口方向に振り返ります。

  • 大空堀<br /><br />

    大空堀

  • 空堀<br /><br />樹間からわずかに大規模空堀の状況が見られます。

    空堀

    樹間からわずかに大規模空堀の状況が見られます。

  • 空堀

    空堀

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