2018/03/25 - 2018/03/25
178位(同エリア937件中)
玄白さん
2か月振りに、老人ホームに入居している義母の元気見舞いのため、伊豆へ一泊小旅行に出かけた。3月下旬となり、今年は例年より早い桜便りが届いている。となれば、やはり今年も桜をカメラに納めておかねばなるまい。桜は全国どこでも見られるが、富士山大好き人間の玄白としては、伊豆方面に出かけるからには桜と富士山のコラボにこだわりたい。伊豆方面で、適当な場所を探していると、神奈川県南西部の足柄上郡大井町に見事な菜の花畑と桜、富士山の秀麗な姿が見えるところがあるというので、東名大井松田ICで降りて、立ち寄ってみた。
撮影を終えて伊豆に向かう途中、国道246号沿いに山北さくら祭りの立て看板が目に入って来た。全く下調べはしておらず、どんな桜が見られるのか皆目見当がつかなかったが、ついでにこちらにも立ち寄ってみた。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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大井松田ICで高速から降りて走ること10分で、大井町篠窪という中山間地に至る。ナビの目的地は富士見塚である。
富士見塚は、源頼朝が巻き狩りに来た時、ここで馬を下りてしばし富士山を眺めたという言い伝えがある場所である。 -
ここは、公共交通機関はなく、御殿場線松田駅と上大井駅の間を結ぶハイキングコースの途中に当たるので、歩くか、もしくは自家用車またはタクシーでのアクセスになる。そんなに広くはないが、トイレが整備された駐車場がある。塚の上方にも舗装されてはいないが、もっと広い駐車場もある。
その駐車場からの眺め。 -
富士浅間神社の分神として「富士山大神」の碑が建っている。
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ここの桜は、すでにピークを過ぎてしまったようだ。道路脇の散り桜。
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富士見塚の反対側の山の斜面に菜の花畑が広がっている。農業法人「蜂花苑」が経営・管理する畑である。
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3月21日に関東、箱根などで季節外れの大雪が降った。その時、富士山にも大量の降雪があったためか、富士山は真っ白である。真冬の1,2月より雪が多い。
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菜の花畑の周囲には桜が植えられている。この桜、「春めき桜」という何とも風雅な名前の桜で、南足柄市の農園経営者・古屋富雄さんという方が作り出した品種である。咲き始めは濃いピンクだが、満開になるにつれて淡い色に変わるのだそうだ。
手前の菜の花と奥の桜並木に間に土が露出している。ここも菜の花畑だったが、今年の冬は例年になく寒くて連日の霜で全滅してしまったのだという。残念! -
丹沢にも3月21日に降った雪が残っている。残雪の丹沢と菜の花という組み合わせは、毎年見られるものではなかろう。濃いピンクの花はハナモモだろうか?
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丹沢山地を背景に、菜の花。
ここは電線、電柱などの人工物がないので風景写真にはもってこいのスポットだ。 -
ローアングルで、間の冬枯れの林を隠して、もう一枚。
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イチオシ
春特有の霞がかかって、遠くの山並みはボヤッとした見え方をしているのだが、画処理で霞を減らして、くっきりとした山並みにしてみた。
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斜面に広がる菜の花畑の奥の方に行ってみた。雑木林の上に富士山の頂上だけ顔を出している。
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この辺りからは、富士山の左側に連なる箱根連山がよく見える。左側の白っぽく見えている当たりは大涌谷だ。大涌谷にも先週の雪が残っているのだろう。
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菜の花畑の隣には、茶畑がある。足柄茶というブランドで売り出されている。関東大震災の復興策として栽培が始まったそうだ。
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大井町篠窪地区は標高250mほど。奥深い中山間地というわけではなく、東京、横浜などの大都市圏に近いため、人口流出により農業後継者難により耕作放棄地が広がってしまった。
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イチオシ
こうした状況をみて、小出さんという方(現在、農業法人四季の里「蜂花苑」の代表取締役)が1980年に、趣味の養蜂をやるため、荒れた耕作放棄地を一人で整備して菜の花を植え始めたという。周囲の里山にはミカンの果樹園やニセアカシアなど蜜が撮れる花木も多く、少しづつ規模を拡張し今では2万平米の広大な菜の花畑を有する養蜂場に変わり、周辺には100本の春めき桜を植えて、富士山を借景にした絶景に生まれ変わったのである。
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しかし、今年は冬の異常な寒さより、相当な菜の花が霜枯れしてしまい、ちょっと寂しい風景になってしまった。
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本来なら、カーブミラーに写っている山の斜面すべてが黄色の絨毯のようになっているはずなのだが・・・
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珍しく、雲一つない快晴で、少し霞がかかってはいるが、秀麗な富士がよく見えている。「富士には月見草がよく似合う」と書いたのは太宰治だが、菜の花もよく似合う。
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菜の花畑最上段から蜂花苑全体を見下ろす。桜並木と菜の花の間に全滅した菜の花畑だったところが、無残にも土があらわになっている。それでも、ここは富士山と菜の花、桜が見られる穴場的スポットということが知られるようになって、少し桜が散り始めた平日にも関わらず、大勢の人が訪れている。
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菜の花畑の隣の畑で農作業していた農家の方から、今年は菜の花が霜でやられてしまったということを聞いたのである。菜の花畑と反対側の奥の方にちょうど満開になっている一本桜があるから行ってごらんと教えてもらったので、行ってみよう。
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木の下に潜り込んで見上げる。なかなかの枝ぶりだ。
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幹は太いが、それほどの古木ではない。
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花をアップで。
ぼんぼりのようにボリュウム感がある花付きで、蕾は濃いピンクが特徴ということなので、どうやらこの桜も春めき桜かもしれない。 -
学術的な資料がないため、確たることは言えないらしいが、春めき桜はシナミザクラとエドヒガンの交配から生まれたと推測されているようだ。ソメイヨシノより10日ほど早く咲くので、河津桜と並んで、早春の観光資源として貴重な花木になっている。
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ふたたび菜の花畑をブラブラしながら、駐車場に戻る。
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菜の花と春めき桜。
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紫木蓮の大木も満開。
あとは義母が入所している修善寺の老人ホームへ向かう。 -
途中、道路沿いに「やまきた桜祭り」という幟が目に入って来た。まだ時間はあるので、立ち寄ってみることにした。幟の案内にしたがって進むと、迷うことなく会場へ。
場所は御殿場線山北駅近くの山北鉄道公園。ここから御殿場方面の線路沿いに130本ほどの桜並木が続いている。 -
公園の一角にSL「D52」が保存展示されている。週末には模擬店やら、ヨサコイなどのイベントが行われるらしい。このSLはかの有名なD51(デゴイチ)をベースに戦時中に設計され、戦時の戦略物資である石炭を九州の産炭地から京浜工業地帯に輸送するために、東海道・山陽本線で運行された貨物列車牽引用の機関車である。設計性能は優れていたらしいが、戦時中の物資不足で、代用部品が使われたりして製造品質は必ずしもすぐれたものではなかったという。
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イチオシ
鉄道公園から御殿場方面に線路沿いを散策。ところどころに枝ぶりのい桜がある。こちらの桜は春めき桜ではないようだ。まだ7~8分咲きといったところ。
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鉄道公園のそばの陸橋の上から山北駅方面を望む。線路の両脇が桜並木になっている。
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イチオシ
ちょうど、JR御殿場線に乗り入れている小田急のロマンスカー、特急ふじさん号御殿場行きが通過して行った。この特急電車は、今月18日のダイヤ改正に伴い、従来の「あさぎり」から「ふじさん号」に愛称が変更になった。
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15分ほど待っていると、JRの普通電車が通過。
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御殿場線はかつては東海道本線の一部だったが、1934年に熱海の丹那トンネルが開通して東海道本線が熱海経由になると、御殿場線という地方路線に格下げになってしまった。レールなどの資材を有効活用するために、元々は複線だったのが単線にされてしまうという憂き目にもあっている。
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線路脇法面には、菜の花だけでなく小さな青い花も咲いている。ハナニラのように見える。
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11時を過ぎた。そろそろ修善寺へ出発。
以下、「西伊豆の夕陽と月明りの下のゴジラ岩」に続く。
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