2018/01/14 - 2018/01/14
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ミズ旅撮る人さん
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長崎県西海市の沖合に浮かぶ小さな池島。佐世保から西海パールラインを通って大瀬戸町へ行くと、西海沿岸商船のフェリーで30分。
周囲4kmの池島には、昭和27年に池島炭鉱が創業、平成13(2001)年に閉山されるまでの約50年間、炭鉱の島として栄えました。
九州で最後まで炭鉱を維持して来た池島には、廃墟しかない端島(軍艦島)とは違い、多くの巨大な設備が見られ、炭鉱夫たちの住んだ団地が林立し、そこにわずかながら人々が生活しています。
限定された通路と見学場所からしか見られない端島とは違い、池島には立入禁止区域こそあれ、炭鉱の坑道の中に入ることが出来(ツアー限定)、団地の中を彷徨い歩くことが出来ます(外観のみ)。
「生きている元炭鉱の島」。これが池島の魅力です。年々人口が減って行き、いつまで島の生活が維持できるのか案じられます。今が最高の行き時だと思います。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通手段
- 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
池島の小高い丘の上に広がる団地の数々。
展望台からの眺望を楽しんだ後、こうした団地の姿に引き寄せられて、彷徨い歩き始めました。 -
どの団地も炭鉱の社宅です。2間続きの存外広い間取りのように見えます。
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お湯や水を各家庭に配給していたパイプは、通行の邪魔になる場所では、こうして凸型に設置されるのですね。
水道管というのは地中に埋まっているのが当たり前と思っていましたが、ここではこれが当たり前。 -
そう言えば、ドイツなどでも太いパイプがベルリンの国立博物館の前でも、頭上を走っていました。
見栄えは悪いかもしれないけれど、点検は簡単です。 -
まだアルミサッシがなかったので、雨戸だけでなく窓枠も木製です。部屋の中にはカーテンが残されていました。
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ダイナミックな自然のオブジェ。給湯器が不似合いですが。
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道の先には海が見えます。右手には松島の電源開発(株) 松島火力発電所の白い煙突が建っているのも見えます。
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草むらの中には、何かに耳をそばだてている猫がいました。
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ものすごい密林の中に、何故かそれだけがハッキリ見える「男湯」。
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隣には、同様に「女湯」が。団地にはお風呂の設備はなく、このような共同浴場がいくつかあったようです。
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団地の手前の植物に覆われたところが、共同浴場です。
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味気ない鉄筋コンクリート造の団地を、少しでも飾ろうと工夫をしていたんですね。
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団地の入り口から、ちょっと覗いてみました。古い団地によく見られる鉄製の扉と階段が見えます。
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この部屋は、もしかして現在も住民がいるのかもしれません。
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まだ、ただの一人も住民を見掛けることのない小道を下って行きました。
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フェリー乗り場からバスで上がって来て、通った道に出ました。
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ひょっこり、共同浴場が現れました。しかもここは、現在も使われています。
家の中にお風呂がない団地の住人は、明るくて暖かい昼の間にここに来るようです。
人の気配のないところばかりを歩いていたので、中から聞こえる物音や声がじんわりと心に沁みて来ます。
ああ、人がいるんだ。姿を見ることは出来ないけれど、気配がするだけでなんと嬉しいことか。 -
人恋しいのは猫も同じなのか、ニャーニャーと鳴きながら、一旦別の道に入りかけた猫が、こちらにやって来ました。
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わざわざ、やって来てくれたので、何かあげたいのですが、カールしか持っていませんでした。
猫は食べづらいでしょうね。関東地方では販売が終了となったカール。九州では普通に売っていました。 -
1匹見掛けると、次々に猫が姿を現しました。
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いろいろな種類の猫が、そちこちにいます。やはり猫も人のいる所がいいのでしょう。
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「君、モデルになれるよ。うちに来ない?」思わずスカウトしてしまいたいほど、格好いいヒマラヤン。
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「公住入口」と書かれたバス停が、ポツンとあります。
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猫は現れたけれど、やっぱり人がいない団地の中で、実は迷子になっています。
お昼をこの島唯一の飲食店「かあちゃんの店」に行こうと思ったのですが、それがどうしても見当たらないのです。
道を聞こうにも誰もいない。頼りの「池島ウォークマップ」は、この辺りは描かれていません。
迷子になるのは結構好きです。予定していた道以外を歩くことで、すてきなものに出会えます。
でも、帰りのフェリーの時間があるので、そろそろお店に入れないと、お昼抜きで帰ることになります。 -
第一立坑の入り口です。
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結局、ここから、街の外周を通る車道を歩いて行く事にしました。
簡易郵便局です。港から上がって来たバスは、この建物の前は通らずに行ってしまうのですが、この道は、島一番の繁華街でした。 -
長崎市消防局北消防署池島派出所。
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池島中央会館。唯一、宿泊することが出来ます。
施設内には池島の資料を展示していて、見学自由です。周辺にはボウリング場等の娯楽施設の跡があります。 -
これらの公共施設の前を通り過ぎると、やがて池島小中学校が見えて来ます。
その校庭への入り口の前には信号機と横断歩道があります。お向かいの坂道には何故かタイヤが埋め込まれています。
坂を勢いよく下って来た子供が、そのまま道路に飛び出さないための車止めならぬ、子供止めでしょう。 -
狭い島の中でよくぞ、これだけ広い校庭が確保されたものです。
かつては、子供でいっぱいだっだんだろうなあ。 -
小中学校の隣には幼稚園もあったようです。平成11年度卒園生と書かれています。
炭鉱の閉山が13年ですから、そろそろ島を出る人が増えて、子供が減って来た頃かもしれません。 -
ピンクの制服だったのかな?胸に名前が書かれています。
しおり・たかゆき・あすか・ゆうや・まこと・たくや・こうき・けいすけ・ゆうき・あや・かずみ
彼らは、今どこにいるんでしょう。島を訪れることはあるのかな・・・ -
道路が小中学校をぐるっと回り込み、バスが通る道と交差します。
すると、黄色と赤のラインのある「長崎市設池島総合食料品小売センター」の建物が見えました。
ここの1階に目指す「かあちゃんの店」はあるのです。
バスでは、右側の窓から外を見ていたので、まったく気づかずに通り過ぎていました。
8階建てアパートからは、団地の中を通らずに車道を歩いて来ていれば、簡単に着いたはずです。 -
朝8時~夜6時まで。この建物の中で営業しているのは「かあちゃんの店」だけのようです。
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店内です。左手から入って来ます。「かあちゃん」は、このストーブのそばで、近所の人と歓談中でした。
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店内には、適当にテーブルが散らばっていますが、メインはここのようです。
フェリーまであまり時間がないので、メニューを選ぶより一番早く出来るものをお願いしました。
お水はなんと、2Lのペットボトルで来ました。 -
出て来たのが、このちゃんぽんでした。野菜高騰の中、こんなにいっぱい野菜が入っていて、感激です。
味もしっかりしていて、とても美味しかったです。余裕があれば、長崎名物トルコライスが食べたかったな。
食事の他にちょっとした食料品類も売っていました。旅行者が買うようなものではなかったので、余分にお菓子を買いました。少しでも長く店を続けて欲しいから。 -
「かあちゃんの店」のメニューです。メニューとしては普通なのに、何故かどれも美味しそう。
バスの運転手さんが、お店の場所を教えてくれた時、自分も後で行こうと思っているんだと言っていました。
迷子になっている間に、帰ってしまったようでしたが、私が来ることを知らせておいてくれたようです。
「ここに来る人は、みんな道がわからなくて迷ったって言うんだよ。」と「かあちゃん」は言います。
分かる気がするなあ。ついつい団地に誘われて、車道から逸れちゃうんだよね。
バスは団地の中で何度も曲がるから方向感覚がおかしくなって、90度間違えちゃった。
おかげで、すぐそばにいたのに、ぐるっと一番遠回りをする羽目になっちゃった。辿り着けてよかった。 -
店の奥の壁は一面、店を訪れた人達からのメーッセージが描かれています。
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店の前には猫ハウスがあります。飼い主が島を離れて、置いて行かれた猫がたくさんいるのでしょう。
バスがこの店の前を通るので、フェリー乗り場まで乗って行く事も出来ますが、まだ余裕があるので歩きます。
バスは停留所でなくとも、手を挙げればどこででも乗せてくれるそうです。 -
椿の咲く道を、てくてく下って行きます。
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消防署の先に、2階建てのアパートのような建物が見えて来ました。
2棟並んでいるここは、かつての池島の銀座・・・スナック・パチンコ店などがあったそうです。 -
もう1棟の手前は電気屋さんだったようです。この裏にもお店だった建物がありました。
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「池島事務所」って行政センターだったのね。
「池島ウォークマップ」より、この地図の方が、団地がはっきりわかって嬉しい。
出来れば、バスのルートと停留所の場所を書き込んでくれるといいんだけど。 -
ありゃりゃ?よっぽど構って欲しいんだね。
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池島の猫は、飼い猫だった猫が多いのか、とても人懐っこいです。
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第一立坑櫓を見ながら、県道を下って行きます。
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崖下の地区へと降りる急な階段がいくつもあります。
かつて漁をして暮らしていた人たちも、ここを上って炭鉱に通うようになったのでしょう。 -
「松島炭鉱株式会社池島鉱業所」。ちょっと紛らわしい名称ですが、会社の名前は松島、炭鉱の名前は池島です。
昭和37年に大島鉱業所から独立して池島鉱業所となり、平成10年に池島炭鉱に名称変更しました。
池島炭鉱の石炭は、隣の松島にある火力発電所の燃料として利用されていました。
閉山後の池島には、三井松島産業が「池島アーバンマイン(株)」を設立して、資源リサイクル産業をしていましたが、2016年9月に破産。
唯一残っている「三井松島リソーシス」は、アジア諸国の炭鉱会社を対象に、炭鉱に関するコンサルティング/研修事業を展開しています。長年培った炭鉱事業のノウハウをアジアの国々に継承しています。 -
古い集落のあった地区には、崩落寸前の古屋から、かなり新しい家屋まで混在しています。
今、ここの人達はどういう生活をしているのでしょうか。 -
「変電所前」バス停。
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この先は、選炭工場です。
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旧発電造水施設。
昭和41年に設置された石炭火力発電所です。
この発電所には発電時のボイラーの蒸気を利用し、海水から真水をつくる装置が日本で初めて設置されました。
この装置は1日に2,650トンの真水をつくり、水資源に乏しい離島である池島の人々の生活を支えました。 -
ここから、斜面にある選炭工場が良く見えます。
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選炭工場で選別された石炭は、ここで船に積み込まれます。
丘の上から港へと地形をうまく利用して作られた炭鉱施設がよく見渡せます。 -
石炭を利用した火力発電所は、この島の生命維持装置でもありました。
電力と飲料水。これがあれば、増加する人口を維持することは難しいことではなかったでしょう。 -
ニックネームは「象の鼻」だったんじゃない?
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丘の上の建物は、既に崩壊が始まっています。
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これだけの施設が丸ごと残っている炭鉱は他にありません。端島は廃墟となった団地ばかりです。
他の炭鉱は、閉山と共に施設も解体してしまったので、断片的にしか残っていないのです。
長崎の産業遺産が認定された時に、ここも含まれると良かったのですが。この規模はすごいです。 -
本来、工場施設などには興味はないのですが、何故かここには惹かれます。
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打ち捨てられた錆だらけの鉄骨の塊が、何を訴えているのでしょう。
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休むことなく稼働していた機械の塊が、今はすかすかになった体躯を晒して聳え立っている。
もう、役目を終えて、二度とあの日々は来ないというのに、夢を見ているようにそこに在る。 -
どれだけの人々の夢と希望を支えて来たんだろう。
これらの施設は、ただの金属の塊でしかないけれど、炭鉱の隆盛を共に生きて来た。
あの時代を語り継ぐために、その身で体現している。
今の時代は、古いものはどんどん壊してなかったことにしてしまうけれど、これまでの歴史を大事にして、学びながら進むべきじゃないのだろうか。
それこそが守るべき「遺産」であって、決して見世物ではない。 -
ここに確かにあった営みに心を馳せながら、火力発電所の建物を後にします。
希望に満ち溢れ、力強く生きていた人々の、たくましい生活の日々。それらがこの島の一番の遺産だと思います。
物で満ちるのではなく、心が満ちる。それがあったんじゃないかと。 -
炭鉱の体験ツアーが毎日開催されています。「池島炭鉱さるく」。三井松島リソーシスが運営しているツアーで、予約しておくとフェリー乗り場に迎えに来てくれます。
午前と午後の部があり、午前の部では昼食の時間を30分含みます。料金は2,680円で、120分。
ここに見えているトロッコで坑道の中に入り、採掘現場で体験が出来ます。
午前の部が終わると、オプションで島内の観光も出来ます。
行先は今回私が訪れた場所が殆どで、展望台は含まれていません。その代わり、団地の中の一室に当時の生活を再現してあるのを見ることが出来ます。
両方に参加したかったのですが、オプション終了後に乗れる高速船が神浦行きとなってしまい、大瀬戸に車を置いているため、17時のフェリーまで待たなければならないのがネックとなり、炭鉱内は諦めて、島内見学にしました。 -
もう何度も見た景色ですが、なんとも離れがたくて、また見返してしまいます。
施設そのものではなく、そこにあった人々の活気、力に満ち溢れた雰囲気をまだ隠し持っている様な気がして。 -
「産業遺産」これほどの規模のものが他にあるだろうか。
日本が失ってしまったものを見つめ直す場所がここにはあります。 -
さて、いきなりのどかな光景になりました。
歩いていると、メエーメエーとけたたましい鳴き声が聞こえて来ました。
野放しのヤギを集めて柵の中に入れているようです。 -
こちらでは、仔ヤギに引っ張られて小屋に向かっています。
港の周りには、事務所などがあり、人々が生活しています。 -
この辺りの団地は、衛星のアンテナがあって、まだ住民がいることがわかります。
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天気が良かったので、布団も干してあります。なんだか普通の風景にホッとします。
もっと暖かくなれば、ここで自転車を借りる人も来るのでしょうか。歩いてじっくり見るのがお勧めですが、気楽に見て回りたい人にはいいと思います。
電動自転車ですが、結構坂道が多いので頑張ってください。 -
港のロータリーには、ブイに色を塗ったオブジェがいっぱい。
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大仏様のような顔で、葉っぱをくわえています。
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このまま、海沿いに歩いて行きましょう。
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突端に在るジブローダー。あの辺りに県道が走っているので、近くまで行かれるのかもしれません。
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フェリー乗り場の横には釣り船が係留されていました。まだ、漁をしている人がいるのでしょうか。
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待合所に貼ってあったポスターです。
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炭鉱ツアーの参加者を迎えに来た元炭鉱マンです。
今度、また池島を訪れることが出来たら、お世話になりますね。 -
待合所の向こうには、路線バスがやって来ていました。
わずか何時間かの滞在でしたが、とても心に残る島でした。
池島へは、瀬戸港からと、神浦(こうのうら)港からフェリーが出ています。
他に、佐世保港からも2往復、長崎からはバスが神浦に1往復あります。
ありきたりの観光に飽きたら、この島で一日歩いてみませんか。
スマホなんか持たないで、自分の目でしっかり見て、歩いてください。
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