2017/11/27 - 2017/11/27
1406位(同エリア3393件中)
naoさん
京都市街地の北端に位置する京都市北区鷹峯は、京都と諸国を結ぶ街道の代表的な出入口である「京の七口」の一つ、長坂口から京見峠を越えて中川から周山に抜け、さらに若狭国との県境の山中にある名田庄を経て若狭湾の港町、小浜に至る鯖街道の入口にあたります。
この道は三つのルートがあった鯖街道の一つで、江戸時代には周山街道とも呼ばれ、若狭や丹波方面から海産物、材木、薪炭などが運び込まれ、鷹峯は各種問屋が軒を連ねる物資の集散地として賑わいました。
しかし明治23年(1890年)に、周山街道が宇多野から北上する現在の国道162号線のルートに変更されると、物資の集散地としての機能が薄れ、次第に静かな町へと変貌します。
ちなみに、かつてこの地は、世界の芸術界に大きな影響を与えたと言われる「琳派」の祖、本阿弥光悦が徳川家康から広大な土地を与えられ、一時は55軒もの屋敷が建ち並ぶ一大芸術村を築き上げたところで、先にアップした紅葉散歩の旅行記で取り上げた、源光庵や光悦寺などの寺院が点在しています。
京都が平安京と呼ばれていた時代の朱雀大路と符合する現在の千本通りを北上し、佛教大学の北側で北山通りと分かれて、緩やかにのぼるかつての周山街道の坂道に入ると、伝統的な町家が点在する、落ち着いた佇まいの鷹峯の町並みが始まります。
江戸時代後期から明治時代にかけて建てられたと思われる伝統的な町家は、切妻屋根の厨子2階建てに虫籠窓や格子を備えたものが一般的ですが、中には煙出しの越屋根が残る町家も見られます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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鷹峯の鏡石通りにやって来ました。
ここから鷹峯を北から南に向かって歩きます。 -
北山杉を加工して作られる北山丸太が、乾燥のために並べられています。
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京見峠を越えた先の杉坂や中川を中心とした北山杉の産地に程近いこともあって、この辺りでも北山丸太が生産されているようです。
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北山杉は室町時代の応永年間(1394年から1427年)の頃から作られてきたと言われ、千利休が完成させた茶の湯の文化を代表する茶室などの建材として盛んに用いられるようになり、今日まで600年もの歴史を歩んでいます。
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鷹峯の町並みには、ばったり床几まで備えた町家がありました。
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屋根の上には煙出しの越屋根も見られます。
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こちらはこの地区の集会所のようです。
作業中お邪魔してしまったようで、申し訳ありません・・・。 -
この辺の冬は寒いんでしょうね、薪が蓄えられています。
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さて、周山街道へ出てきました。
周山街道はこの三叉路を左に曲がって、京見峠へと続いています。 -
京都らしい佇まいのお茶屋さんです。
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浅黄色の土壁とベンガラ塗の木部が、良いコントラストを見せています。
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ガレージとして使われている町家です。
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こちらは、和服地の持っている素材としての良さを活かして洋服や小物づくりをされているお店です。
看板によると、簡単な飲物や軽食も出しておられるようです。 -
これらの町家は・・・
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石垣を積んで坂道の傾斜を吸収しています。
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こちらは、浄土真宗遣迎院派の本山、遣迎院(けんごういん)さんです。
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門の前に置かれているものを見てびっくりしました。
価値のある美術品とおぼしき中国風の瓶を、傘立てとして使っておられます。 -
周山街道の坂道を上って来た突きあたりにある源光庵の土塀です。
では、鷹峯交差点から周山街道を下って行きます。 -
煙出しの越屋根や虫籠窓を備えた伝統的な町家です。
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所々にベンガラが塗られています。
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新しく建てられた町家のようですが、雰囲気は伝統的町家そのものです。
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北山通りとの分岐点を目指して緩やかに下る・・・
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周山街道の町並みです。
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外壁から手前の屋根がむくっているように見える町家です。
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こちらの町家は変化をつけた千本格子がしつらえられています。
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こちらは、玄関わきに組紐がたくさん吊られているので組紐屋さんでしょうか・・・。
絹糸の束を販売されているのをみると、そうではないかと思います。 -
前庭に見事な台杉を植えた町家です。
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醤油醸造所の看板が見えてきました。
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手前の脇道を入ると、醤油醸造所のレンガ煙突が立っています。
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こちらの醤油醸造所は文化二年(1805年)創業の老舗です。
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秘伝の味、香り、風味を醸し出すため・・・
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厳選した原料を使って、今もかたくなに手造りにこだわっておられます。
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こちらは、築140年の風情ある町家を使った懐石料理のお店です。
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こちらの瓜型の下地窓が強烈な印象を与えます。
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こちらは、天下統一を果たした豊臣秀吉が築いた土塁跡です。
外敵の襲来から京都を防御する目的と、鴨川の氾濫から市街地を守る堤防としての目的の、二つを兼ね備えたもので、天正19年(1591年)に造られました。 -
京都で位置を表すのに使われる「洛中」、「洛外」という言い方は、この土塁の内、外を示しています。
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造園屋さんに至るアプローチでは、紅葉が出迎えてくれます。
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周山街道に面して、創意あるデザインの千本格子を配した町家です。
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こちらの町家は、クーラーの室外機にまで気を使っておられます。
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京都といえばお漬物ですよね。
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古い農具が飾られた店内では、京野菜の美味しいお漬物が並んでいます。
京都のお漬物は、地産地消の先駆けのようなものだったんですね・・・。 -
こちらは知る人ぞ知るブランジェリーです。
ハード系を中心にバランスのいい品揃えのお店ですが、中にはれんこんや白味噌を使った個性的なパンも・・・。 -
鷹峯の町並みです。
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3連の小さな虫籠窓が特徴的な町家です。
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今もベンガラ塗が残る町家です。
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緩やかなムクリのついた屋根のある町家です。
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こちらは、同じ3連でも背の高い虫籠窓です。
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公園のケヤキは紅葉真っ盛りです。
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こちらは、お漬物と並んで京都の食べ物を代表する、生湯葉の専門店です。
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こちらのお店は、大豆の味が濃い汲み上げ湯葉が好評だそうです。
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女将さんはとても気さくな方だそうですよ・・・。
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表札が二つ掛かっているので、2軒のお宅が入っておられるんでしょうね・・・。
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浅黄色の虫籠窓が落ち着いた表情を見せています。
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こちらは瓜型の虫籠窓のある町家です。
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坂の下から見ると、建物の高さが増幅されて見えます。
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こちらの町家は、駒寄風の外格子を巡らせておられます。
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こちらの玄関戸は木の香が漂って来るようです。
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鷹峯の町並みです。
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さて、そろそろ北山通りです。
では、この辺りで引き返します。 -
先ほどの公園の、きれいなケヤキの紅葉が見えてきました。
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風情ある懐石料理のお店にも暖簾が掛けられ、開店準備が整ったようです。
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醤油醸造所を過ぎて、もう少し上ります。
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さて、鷹峯交差点にたどり着きました。
きれいな源光庵の紅葉に癒されます。
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