冬の日光とＳＬ「大樹」

2018/01/28 - 2018/01/28

冬の日光にお出かけしてみました。

今回の目的は①レトロな建物を見る、②雪の社寺を見る、③東武が運行を始めたＳＬ「大樹」に乗る、の３つです。

エリア 日光(栃木)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• グルメ: 4.5
• 交通: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

東武特急で日光に１０時ごろ到着。
まずはバスで東照宮などのある山内へ。

バスは雪のため「西参道」バス停が終点。
バス停で降りたところにあった「日光聖公会　真光教会」。
聖公会は、キリスト教の宗派の１つ、イギリス国教会の教会です。

日光真光教会 寺・神社・教会

イギリス国教会はローマ・カトリック、ギリシア正教会に次ぐ信者を持つキリスト教の最大宗派の１つ。
イギリスの王・ヘンリー８世、この人は跡継ぎの息子がほしくて次々に王妃を離婚したり、殺したりして、とっかえひっかえした人だけど、王女しか生まれません。

ローマ・カトリックでは離婚は原則認められていないため（結婚式のときに、「神」の前で生涯添い遂げますと誓っていますからね）、ローマ法王から怒られたので、「離婚を自由」にするためにヘンリー８世が作った宗派がイギリス国教会です。
結局ヘンリー８世は６人の王妃から王子が生まれず、生まれた王女で跡を継いだのが、「ブラッディ・メアリー（血まみれのメアリー」ことメアリー女王、続いてイギリス史上もっとも有名な女王・エリザベス女王です

武人であるヘンリー８世の始めた宗教のためか、わりかしがっちりした感じ、ゴシック様式のような教会で、優美なカトリック教会より個人的にはこっちの方が気に入りました。
白い雪との組み合わせがいいな。

次は東照宮は昨年いったばかりなので、今日は輪王寺へ。
東照宮は江戸幕府初代将軍徳川家康のための神社ですが、こちらは「おじいちゃん子」だった家康の孫、３代将軍徳川家光のためのお寺です。
東照宮ほどではないけどなかなか立派な門。

日光山輪王寺 寺・神社・教会

家光は２代将軍徳川秀忠の嫡男で、当然３代将軍になる予定の人でしたが、母・お江は弟の忠長をかわいがり、家光ではなく忠長を跡継ぎにしようとしていました。
　そのため家光の乳母・春日局が家康に談判して、家康の命令で家光が正式に跡継ぎになった、といういきさつがありました。

そんなわけで家光は父母の秀忠、お江を生涯憎み、弟の忠長を切腹させる一方、生涯家康を敬慕し、日光東照宮とその隣の自分のための寺を建てたわけです。

本殿もなかなか立派で金と黒の組み合わせが、いかにも武士の作ったお寺という感じで、公家の作った雅な京都のお寺と違う雰囲気でなかなかいいです。

日光山輪王寺 寺・神社・教会

輪王寺は別名「大猷院」と言いますが、これは家光の諡号で、彼のお墓もここにあります。
　秀忠・お江のお墓のある江戸増上寺ではなく、家康の墓のある東照宮の隣に彼は眠っているのです。

日光山輪王寺 寺・神社・教会

輪王寺を出たところにある二荒山神社。
２社１寺の中でここだけは無料なので、ちょっと寄り道

日光二荒山神社 寺・神社・教会

輪王寺のあとの昼ごはんは、明治時代の建物を使った「明治の館」というところへ。
　もとはここは明治時代に建てられた外国人の別荘だったところを使っています。 有形文化財です。

明治の館 グルメ・レストラン

名物はオムレツハヤシライス。ビーフシチューのソースとの組み合わせがとてもおいしい（１８００円）。
あと、自家製のマイタケの鉄板焼き（１２００円）もおいしそうだったので、追加注文しました。

最初は合計３，０００円～で高いなあと思ったけど、味はよかったし、有形文化財の建物の維持にはお金がかかるし、しかもウエイターやウエイトレスさんもアルバイトではないプロらしい方々であることを考えると、安かったかも。

東京だったら、下手したら１万円くらいとられるかもしれない。

雪景色の神橋です。

神橋 名所・史跡

ＪＲ日光駅に戻ってきました。
この駅も大正時代に建てられたレトロな建物が健在です。

日光駅 駅

戦前は皇族、華族の別荘が多く日光にありました。
そのため２階部分はこれらの人の優雅な待合室がありました。
今はフリースペースですが、シャンデリアなどに当時の面影を見ることができます。

日光駅から、鬼怒川温泉の先の川治温泉というところの公衆温泉へ。
ここには露店風呂があって、一面雪化粧の露店風呂を期待していましたが、３月までは露店風呂はお休み。
でもいいお湯ではありました。

川治温泉 薬師の湯 温泉

鬼怒川温泉駅に戻って、ＳＬ「大樹」で日光方面に戻ります。
「大樹」は１日３往復してますが、結構人気があるようで一番遅い列車しか指定席がありませんでした。
　もうすっかり夜で景色も見えない・・・
　でも、夜汽車の雰囲気で、まあこれも悪くないです。

東武鬼怒川線 乗り物

客車は懐かしい「１４系」の客車。
　私の学生時代、首都圏から東北や北陸方面にはこの客車を使った夜行急行が多数発着していました。
　貧乏学生ですから、飛行機はもちろん、新幹線に乗るお金もないので、この夜行急行で旅をしたものです。
　青い車体の客車は寝台特急のブルートレインと同じですが、お金のない私はブルトレに乗ることもなく、それでもこの青い車体は当時美しく輝いて見えました。

上野駅から青森行急行「八甲田」、秋田周り青森行「津軽」、北陸方面行の「能登」などに何度もお世話になりました。

こんな粗末な座席でも、当時の学生の私にはデラックスに見えたものです。
　今ではよくこんな粗末な座席の夜行列車に乗ったもんだなあ、とわれながら感心。

　「大樹」は鬼怒川温泉から日光今市まで、わすか１２キロ程度をゆっくりゆっくり３０分ほどのショートトリップですがケチケチ東武にしては気合が入っていました。
　機関士さんたちの制服は昭和時代の国鉄の制服に合わせた特注品、１両に１人、きれいなおねえさんのアテンダントがオリエント急行のように案内してくれるし、終点の下今市駅も昭和レトロの雰囲気に建て替え。

　今度は紅葉の秋に来てみましょう。