悠久の歴史の流れを感じさせる旅　エジプト　～ルクソール西岸～

2016/03/16 - 2016/03/23

　一度は訪ねてみたい国エジプト。治安が良くない状態が続いて、行くことが難しい国でしたが、ツアーが催行されているのを知り、思い切って行くことにしました。砂漠にある国なので季節選びは大切。３月に出かけました。旅行日程は下記の通りです。
　第1日目　日本発
　第２日目　ルクソール着　カルナック神殿　ルクソール神殿
　第３日目　ルクソール西岸　王家の谷　ハトシュプスト女王葬祭殿
　　　　　　メムノンの巨象　エスナ水門　エドフ
　第４日目　エドフ　ホルス神殿　コムオンボ神殿　アスワン
　第５日目　アスワン　アスワンハイダム　アブシンベル大神殿
　第６日目　アブシンベル神殿　カイロ
　第７日目　ギザの３大ピラミッド　エジプト考古学博物館　カイロ発
　第８日目　成田着
　毎日移動ですが、３連泊でクルーズをするので思ったより忙しくありませんでした。この旅行記は第２日目のルクソール西岸を記したものです。

エリア ルクソール(エジプト)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 観光バス 船 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

　ルクソールに来て２日目は西岸の観光です。朝の天気はバッチリ晴れ。橋を渡ってルクソールの西岸へと向かいます。

ルクソールの村の中を通ってきます。

中には大きな家もあります。

一般の民家？エジプトの物価は日本の約７分の１。生活は大変そうです。

バスは一路、王家の谷へ。

ここが終点です。王家の谷。岩山のような所ですが。

　ここではツタンカーメンの墓に入りましたが、すべて撮影禁止でした。ツタンカーメン王のミイラもありました。損傷が激しくて足と顔だけ見えるようにしてありました。棺のある部屋はまばゆい黄金でした。

　一番高い山です。この山の下が谷になっているので王家の谷と呼ばれるのでしょう。残念ながら撮影は禁止です。

　撮影できるのはバスの周辺だけです。この王家の谷の墓は番号が付けられています。すべての墓には番号が付いています。ツタンカーメン王はKV６２でした。幸いに唯一盗掘させずに発見されました。黄金の部屋が地下にありました。

　次に訪れたのはハシュプスト女王葬祭殿。私がこの葬祭殿を知ったのは、1997年にイスラム原理主義過激派の「イスラム集団」が外国人観光客に対し行った無差別殺傷テロ事件の報道でした。

　この事件で日本人観光客10名を含む外国人観光客61名とエジプト人警察官2名の合わせて63名が死亡、 85名が負傷しています。こんな凄惨な事件がここで２０年前に起きました。

　一段目の階段を上がり２階のテラスに出ました。広いテラスです。
　事件のニュースを見て、葬祭殿の美しさに惹かれる一方、行くことはできない危険な場所だと思っていました。あまりにも無残なテロでしたから。
　

　その葬祭殿に来ることができる日が来るとは、思いませんでした。時間が立つのを待つと、幸運をもたらすことがあります。

それにしても観光客の多いこと。びっくりです。

　３階のテラスに出る階段んをゆっくり上り上ります。裏の岩山を利用して作られています。

　一番上のテラスに上りました。ハトシュプストの顔をしたオシリス神と某旅行案内書に書いてあります。

　ハトシュプスト女王はもともとはトトメス３世の摂政でしたが、ファラオになっています。女性のファラオは彼女だけです。トトメス１世が父親で、夫がトトメス２世、妾腹の子のトトメス３世が幼かったため、摂政をしています。公の場には男性と同じように顎に付け髭をつけて現れたとか・・・。

　ハトシュプトとは「最も高貴なる女性」という意味だそうです。かなり大きいです。一番上のテラスにあります。このオシルス神にも顎髭が勿論ついています。

　遠足に来ていた中学生くらいの子供たちに取り囲まれてしまいました。外国人が珍しいらしく、ちょっとした人気スター並みのモテようで、写真を一緒に撮らせてくれと言うのです。他の方たちも同じようでした。

　何かの物語を描いているのでしょう。上半身は前を向いていますが顔と下半身は横を向いている独特な絵です。

　壁画の絵です。BC１４７０年ごろに作られているので、色は変化しています。

　たぶんこれはアヌビス神です。犬の姿をした死者の神で、墓地の守護者でもあるのです。

カルトーシュが書かれています。真ん中に命の輪があります。

　移動して次のメムノンの１８ｍの巨像。メムノンはギリシャ人で軍人です。この像とは関連はありません。左右両方に立っています。アメンホプ３世の像です。元々はアメンホプ３世の葬祭殿の入り口に立っていたそうですが、その後のファラオが石材調達のために破壊したそうです。

　BC２７の地震でヒビが入り、夜になると温度差や朝露の蒸気のせいで、うめき声や口笛のような音を出していたということです。下に落ちていた像の上半身を取り付けると声を出さなくなったとか。

　ナイル川に戻って、移動します。

帆を挙げてヨットが行きます。ナイル川はヨットも行き交うようです。

私が乗ったクルーズ船はこんな感じの船でした。これではありませんが。

船の先頭にはエジプトの国旗が翻っています。

これは何？船に壁が迫ってきます。ぶつかりませんが・・・。

　ナイル川を上流に向かって航海してしていくと、エスナ水門と言う所にきました。ここは川の落差が大きくて船は遡ることが出来ません。そこで、運河のような所に入り、

　水門を閉めて、水を入れて船を上に浮かせて持ち上げるのです。

　船は浮き上がって、上流の水の高さまで昇ることが出来ます。フランスのストラスブールで同じように水門を閉めて水を増やして急流を登ったことがあります。ナイル川でも同じ原理を使っているのに驚きました。

　水がどんどん増えてきて、満水状態に近づいて、

　上流と同じ水面の高さになると、進行方向の水門が開きます。

開きました。水が少し流れ込んできました。

　それだけではありません。小さな船が開くのを待っていて、

　こちらに向かって入ってきます。

　どんどん小舟は近づき、

　なんと！「ワンダラー」と叫ぶではありませんか。ワンダラーとは？１＄のことです。１＄でこれを買ってくれと、押し売りに来ているのです。たくましい商魂です。日本では1＄は１１３円ですが、エジプトでは１０００円位に匹敵するようで、見る限りではとても、百円のバスタオルにはとても見えません。

　結局、投げ込まれたタオルを買う人はいないので、諦めて帰っていきました。仮に購入するとしてどのようにして代金を支払うのでしょうか？未だに謎です。１＄紙幣は風で飛んでしまいます。水面に落ちたのを拾うのでしょうか？

　航海は続きます。穏やか流れです。川幅はあまりありません。もっと大きな川をイメージしていましたが、向こう岸がもちろん見えています。

　今日も太陽が沈んでいきます。ナイル川の上で眺める夕日は格別です。

　夕日が沈むと暗くなってきました。川はこんな感じで、どこにでもある普通の川です。

　夕食の一品です。衛生状態がよろしくないとの噂が未だに残っていて、野菜を食べるのは止めました。某氏によると、かってエジプトに出張で来て滞在している間はずっとビールで歯磨きをしていたということです。水が危ないので。

　今はそこまで衛生状態が悪いとは思えませんが・・・。クルーズ船がきました。ゆったりとナイル川のクルーズを楽しんでいる感じです。明日はコムオンボ神殿です。寝ている間に目的地へ着くのでスーツケースの移動がなくて楽です。動くホテルといったところでしょうか。忙しい旅が多いのですが、この旅はゆっくりと楽しめました。