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宇佐神宮の荘園だった田染庄の小崎地区では鎌倉時代の地名がそのまま残っているという。その中でも台そん地区には、鎌倉時代と変わらない地割のままで屋敷群が建ち並んでいることが残された絵図から分かるという。<br /> そんな場所に身を置いてみたいと思っていた。<br />何百年前の人たちが川から水を引き、田を耕し、草をとり、足を洗う。そして、神や仏に祈る。そんな光景が見えてきたら・・・と思ながら歩いた記録です。

国東半島 田染庄小崎を歩く 鎌倉時代から続く屋敷群

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2017/11/24 - 2017/11/29

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tono202

tono202さん

宇佐神宮の荘園だった田染庄の小崎地区では鎌倉時代の地名がそのまま残っているという。その中でも台そん地区には、鎌倉時代と変わらない地割のままで屋敷群が建ち並んでいることが残された絵図から分かるという。
 そんな場所に身を置いてみたいと思っていた。
何百年前の人たちが川から水を引き、田を耕し、草をとり、足を洗う。そして、神や仏に祈る。そんな光景が見えてきたら・・・と思ながら歩いた記録です。

交通手段
自家用車

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  • やって来たのは田染庄のほたるの里。<br />しかし、平日は休刊のようだ。<br />だれもいない。

    やって来たのは田染庄のほたるの里。
    しかし、平日は休刊のようだ。
    だれもいない。

    荘園ほたる グルメ・レストラン

  • 前の畑で案山子と紅葉が迎えてくれた。

    前の畑で案山子と紅葉が迎えてくれた。

  • ここから台そん集落を望む。

    ここから台そん集落を望む。

  • ひときわ大きい建物がお寺。<br />集落歩きの鉄則1 「まずはお寺・神社を攻めよ」<br />お寺に行ってみよう。

    ひときわ大きい建物がお寺。
    集落歩きの鉄則1 「まずはお寺・神社を攻めよ」
    お寺に行ってみよう。

  • ぽたぽたとゆっくりと近づいていく。<br />遠くはない。<br />急がない・・急がない

    ぽたぽたとゆっくりと近づいていく。
    遠くはない。
    急がない・・急がない

  • 正面だけ赤い煉瓦壁が積まれている。<br />ここは中世は「尾崎屋敷」と呼ばれ、宇佐神宮の神官の子孫が田染氏を名乗り、荘官として居を構えていたという。<br />

    正面だけ赤い煉瓦壁が積まれている。
    ここは中世は「尾崎屋敷」と呼ばれ、宇佐神宮の神官の子孫が田染氏を名乗り、荘官として居を構えていたという。

  • 周囲の武士団(悪党)たちの「横領」から守るために、屋敷の周囲には今でも石塁や空堀が残っている。

    周囲の武士団(悪党)たちの「横領」から守るために、屋敷の周囲には今でも石塁や空堀が残っている。

  • 石塁の内側には、石塔群が立ち並ぶ。<br />田染氏の墓だろうか?<br />

    石塁の内側には、石塔群が立ち並ぶ。
    田染氏の墓だろうか?

  • 田染氏は宇佐神宮を後ろ盾としながら、ここで収穫された作物を、宇佐神宮に納め続けた。<br />圧迫を受けながらも荘園としての存続ができたのは、宇佐神宮を核とする共通の神仏への信仰心だったのだろうか。

    田染氏は宇佐神宮を後ろ盾としながら、ここで収穫された作物を、宇佐神宮に納め続けた。
    圧迫を受けながらも荘園としての存続ができたのは、宇佐神宮を核とする共通の神仏への信仰心だったのだろうか。

  • 境内は開放的だ。<br /><br />この地域の寺だから真言か天台かと思っていた。<br />しかし、江戸時代になって、荘園が消滅するとここに建てられたのは浄土真宗本願寺派のお寺だった。その経緯も面白そうだ。<br /><br />参拝を済ませ境内の紅葉を楽しむ。

    境内は開放的だ。

    この地域の寺だから真言か天台かと思っていた。
    しかし、江戸時代になって、荘園が消滅するとここに建てられたのは浄土真宗本願寺派のお寺だった。その経緯も面白そうだ。

    参拝を済ませ境内の紅葉を楽しむ。

  • 寺を出るとすぐに「高札場」跡の御札が建てられていた。<br />この辺りが集落の中心だったようだ。

    寺を出るとすぐに「高札場」跡の御札が建てられていた。
    この辺りが集落の中心だったようだ。

  • その前の家は人が住んでいる気配はない。<br />説明板を読むと母屋は明治後期の建物。<br />

    その前の家は人が住んでいる気配はない。
    説明板を読むと母屋は明治後期の建物。

  • この家屋群には「ネルベ」と呼ばれる「馬屋」が残されている。<br />江戸時代のもので、今は「農具展示場」になっていた。

    この家屋群には「ネルベ」と呼ばれる「馬屋」が残されている。
    江戸時代のもので、今は「農具展示場」になっていた。

  • かつて使用された農具が置かれている。

    かつて使用された農具が置かれている。

  • 家屋の敷地は広く家庭菜園が必ずある。

    家屋の敷地は広く家庭菜園が必ずある。

  • 川の方へ下りていく。

    川の方へ下りていく。

  • 集落の東側を走る岩稜尾根はおもしろい。

    集落の東側を走る岩稜尾根はおもしろい。

  • ここにも修験道者の修行場があったようだ。<br /><br />行場と集落の距離が近い。

    ここにも修験道者の修行場があったようだ。

    行場と集落の距離が近い。

  • 行場に行って見ることにする。<br /><br />観音さまが祀られ、今は朝日・夕日観音と呼ばれているようだ。

    行場に行って見ることにする。

    観音さまが祀られ、今は朝日・夕日観音と呼ばれているようだ。

  • 猪柵が入口には設けられていた。<br />「自分で開けて入ってください」と言われていたので、開けて進む。

    猪柵が入口には設けられていた。
    「自分で開けて入ってください」と言われていたので、開けて進む。

  • ここは国東トレイル道の一部でもあるようだ。<br />まずは、台そん集落が見える夕日観音をめざす。

    ここは国東トレイル道の一部でもあるようだ。
    まずは、台そん集落が見える夕日観音をめざす。

  • 歩き始めて10分少々で展望台に到着

    歩き始めて10分少々で展望台に到着

  • 眼下に集落が見える。

    眼下に集落が見える。

  • この景色は、平安時代から集落や水田の位置がほとんど変わらずに残されているものであるという。

    この景色は、平安時代から集落や水田の位置がほとんど変わらずに残されているものであるという。

  • 耕地整理のされていない田圃<br />河道が曲がったままの川。

    耕地整理のされていない田圃
    河道が曲がったままの川。

  • 親水性の小川や遊歩道的な農道を設けることで景観を維持・保存する努力が続けられている。

    親水性の小川や遊歩道的な農道を設けることで景観を維持・保存する努力が続けられている。

  • 鎖場で鞍部を抜けると、山の向こうの集落が見えてきた。

    鎖場で鞍部を抜けると、山の向こうの集落が見えてきた。

  • そして岩場の下には小さな祠がある。

    そして岩場の下には小さな祠がある。

  • 祠の中には・・・<br />石仏と黒くなった木造物が座っていた。

    祠の中には・・・
    石仏と黒くなった木造物が座っていた。

  • 彼らが見守るのは下界の集落。<br />「わしらはおまえ達を見守っているぞ」と言っているような・・

    彼らが見守るのは下界の集落。
    「わしらはおまえ達を見守っているぞ」と言っているような・・

  • 嶺の西側に戻って、少し進むと窪みに数体の神仏が並ぶ。<br />夕日観音だ。<br />まさに夕日に照らされている。

    嶺の西側に戻って、少し進むと窪みに数体の神仏が並ぶ。
    夕日観音だ。
    まさに夕日に照らされている。

  • 長い年月の風雨は、木造物を木辺にしか見えないまでに風化させた。<br />しかし、人たちはこれを変わらず仏として祈りを捧げる。<br /><br />その前には今年行われた六郷満山の御札が立てかけられてあった。<br />

    長い年月の風雨は、木造物を木辺にしか見えないまでに風化させた。
    しかし、人たちはこれを変わらず仏として祈りを捧げる。

    その前には今年行われた六郷満山の御札が立てかけられてあった。

  • ここからは、先ほど立ち寄った展望台、<br />その向こうに台そん集落とお寺の屋根が見える。<br /><br />ここでも人々は神仏の目を意識していきてきたのだろう。<br />「悪いことしたって、誰もみてないことないんで。<br /> 神様や仏様はちゃんとみとるけんな」<br />そんな言葉が聞こえてきそうだ。

    ここからは、先ほど立ち寄った展望台、
    その向こうに台そん集落とお寺の屋根が見える。

    ここでも人々は神仏の目を意識していきてきたのだろう。
    「悪いことしたって、誰もみてないことないんで。
     神様や仏様はちゃんとみとるけんな」
    そんな言葉が聞こえてきそうだ。

  • 行場を下りて、下から見上げるとこんな風に見えました。<br />神様・仏様があそこから見守っています。

    行場を下りて、下から見上げるとこんな風に見えました。
    神様・仏様があそこから見守っています。

  • あぜ道を歩き、川を渡り、目的無しのそぞろ歩きが続きます。<br /><br />ふと、集落歩きの鉄則2 「神社に行け」が思い出されました。<br />

    あぜ道を歩き、川を渡り、目的無しのそぞろ歩きが続きます。

    ふと、集落歩きの鉄則2 「神社に行け」が思い出されました。

  • やってきたのは二宮神社<br />

    やってきたのは二宮神社

  • 素晴らしい仁王様が迎えてくれました。<br />「よう来たの」と笑顔で迎えてくれているように感じました。 

    素晴らしい仁王様が迎えてくれました。
    「よう来たの」と笑顔で迎えてくれているように感じました。 

  • それも一瞬、見る角度を変えるとやっぱり憤怒の表情です。

    それも一瞬、見る角度を変えるとやっぱり憤怒の表情です。

  • 紅葉が不動明王の後背のようです。

    紅葉が不動明王の後背のようです。

  • 踏みしめた足は、長い年月の辛労からか砕けています。<br />包帯を巻いてあげたくなります。

    踏みしめた足は、長い年月の辛労からか砕けています。
    包帯を巻いてあげたくなります。

  • 参拝し、田染の庄を後にしました。<br /><br />以上、ありがとうございました。

    参拝し、田染の庄を後にしました。

    以上、ありがとうございました。

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この旅行記へのコメント (1)

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  • ottoさん 2017/12/01 19:58:48
    良くぞ教えて下さいました!
    タイムスリップしたような疑似体験をさせて頂き
    ぐいぐいと引き込まれるような魅力を覚えました。

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