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 東の空がぼんやりと明るくなってきた。<br /> ひんやりとした朝の空気が眠気を覚ます。<br /> どこかでエンジンのかかる音、そしてゆっくり動き出す車。<br /> こんな早い時間から、もう出発して行く人がいる。<br /> 今日はこのまま帰るつもりだったが、『城山』(じょうやま)に登ってからにしようと予定変更。<br /> 観光案内所のディスプレイで、城山の不思議な形を見たからだ。

エブリイが誘ってる・車中泊第二弾は伊豆の付け根 その4 ジオサイト城山(じょうやま)に登る

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2017/11/02 - 2017/11/02

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motogen

motogenさん

 東の空がぼんやりと明るくなってきた。
 ひんやりとした朝の空気が眠気を覚ます。
 どこかでエンジンのかかる音、そしてゆっくり動き出す車。
 こんな早い時間から、もう出発して行く人がいる。
 今日はこのまま帰るつもりだったが、『城山』(じょうやま)に登ってからにしようと予定変更。
 観光案内所のディスプレイで、城山の不思議な形を見たからだ。

同行者
一人旅
交通手段
自家用車
  •  お湯を沸かしてカップ麺を作り、コーヒーを手にして外に出ると、 

     お湯を沸かしてカップ麺を作り、コーヒーを手にして外に出ると、 

  •  東の空に太陽が登ってくるところだった。

     東の空に太陽が登ってくるところだった。

  •  狩野川の対岸にある山裾には、ミルクのような白いもやが漂い、

     狩野川の対岸にある山裾には、ミルクのような白いもやが漂い、

  •  富士山も朝の光に輝き出した。

     富士山も朝の光に輝き出した。

  •  近くの住民が散歩にやって来る。<br /> こんな朝は、遠い昔にあったような・・・

     近くの住民が散歩にやって来る。
     こんな朝は、遠い昔にあったような・・・

  •  城山は『道の駅伊豆のへそ』から南に2km、修善寺温泉の手前にある。<br /> 早朝の6時前は通勤する人もまばらだった。<br /> 空いている道路を南に走り、伊豆市役所の狩野川記念公園に停めて、登山道入口までは歩くことにした。

     城山は『道の駅伊豆のへそ』から南に2km、修善寺温泉の手前にある。
     早朝の6時前は通勤する人もまばらだった。
     空いている道路を南に走り、伊豆市役所の狩野川記念公園に停めて、登山道入口までは歩くことにした。

  •  その距離およそ1.5km。<br /> 誰一人いない田舎道を歩いて行くと、城山の姿が見えてきた。

     その距離およそ1.5km。
     誰一人いない田舎道を歩いて行くと、城山の姿が見えてきた。

  •  おお!<br /> 案内所のディスプレイで見た通りの山だ。<br /> マグマが噴火口への通り道で冷え固まったもので、「火山の根」と呼ばれるらしい。<br /> 伊豆半島の誕生と共にできた巨岩で、隣の葛城山も火山の根だ。<br /> その高さ340m。<br /> ジオパークで売り出そうとしている伊豆の、ジオサイトの一つで、伊豆半島の最古の火山だという。<br /> このそそり立つの巨岩に、どのようにすれば登れるのだろうか。

     おお!
     案内所のディスプレイで見た通りの山だ。
     マグマが噴火口への通り道で冷え固まったもので、「火山の根」と呼ばれるらしい。
     伊豆半島の誕生と共にできた巨岩で、隣の葛城山も火山の根だ。
     その高さ340m。
     ジオパークで売り出そうとしている伊豆の、ジオサイトの一つで、伊豆半島の最古の火山だという。
     このそそり立つの巨岩に、どのようにすれば登れるのだろうか。

  •  登山道入口に着いた。<br /> 近くには墓地もあり、車を停めておけるスペースもあった。

     登山道入口に着いた。
     近くには墓地もあり、車を停めておけるスペースもあった。

  •  案内板を見ると、頂上までは1時間ほどかかるらしい。

     案内板を見ると、頂上までは1時間ほどかかるらしい。

  •  葛城山や、シーパラダイス、長瀬ダム、益山寺等へと、ハイキングコースは複雑だ。

     葛城山や、シーパラダイス、長瀬ダム、益山寺等へと、ハイキングコースは複雑だ。

  •  この付近は、巨人軍のスター長嶋が、オフにトレーニングをした場所だと紹介されている。

     この付近は、巨人軍のスター長嶋が、オフにトレーニングをした場所だと紹介されている。

  •  近くに枯れ木の棒が置かれていた。<br /> 以前登った人が置いていってくれた杖だ。<br /> 一本もらって出発する。

     近くに枯れ木の棒が置かれていた。
     以前登った人が置いていってくれた杖だ。
     一本もらって出発する。

  •  勇んで登山道に踏み込んだが、大きな石がごろごろしていて歩きにくい・・

     勇んで登山道に踏み込んだが、大きな石がごろごろしていて歩きにくい・・

  •  それどころか、奥に行けば行くほど、道とは呼べない岩場となってしまった。<br /> ハイキングコースとはなっているが、これは自然が作った水路だ。

     それどころか、奥に行けば行くほど、道とは呼べない岩場となってしまった。
     ハイキングコースとはなっているが、これは自然が作った水路だ。

  •  ますます岩が大きくなる。<br /> どの岩からどの岩に足をかければ体力を無駄に消費せず、滑らずにつまずかずに登れるか、先を見通さないとならなくなった。<br /> 頭のトレーニングだ。<br /> 持ってきた杖のありがたさも増す。<br /> 足が一本増えたようなものだ。

     ますます岩が大きくなる。
     どの岩からどの岩に足をかければ体力を無駄に消費せず、滑らずにつまずかずに登れるか、先を見通さないとならなくなった。
     頭のトレーニングだ。
     持ってきた杖のありがたさも増す。
     足が一本増えたようなものだ。

  •  ロッククライミングルートへの分岐点が現れた。<br /> 「落下の恐れあり、クライマー以外の一般登山者は立ち入り禁止」の立て札も出ている。

     ロッククライミングルートへの分岐点が現れた。
     「落下の恐れあり、クライマー以外の一般登山者は立ち入り禁止」の立て札も出ている。

  •  只でさえ登り難い道・・・<br /> こんな絶壁に挑戦する人は、まずいないだろう。

     只でさえ登り難い道・・・
     こんな絶壁に挑戦する人は、まずいないだろう。

  •  ハイキングコースはこの崖を迂回して登っていくようだ。<br /> しかしどこまでこの道は続くのだ。<br /> 景色がまったく変わってこない。

     ハイキングコースはこの崖を迂回して登っていくようだ。
     しかしどこまでこの道は続くのだ。
     景色がまったく変わってこない。

  •  やっと休憩所が現れた。<br /> でもベンチは半分腐っていて、座ろうと思えるようなものでない。<br /> 少し立ち止まっただけで先を急ぐ。

     やっと休憩所が現れた。
     でもベンチは半分腐っていて、座ろうと思えるようなものでない。
     少し立ち止まっただけで先を急ぐ。

  •  岩だらけの道がしだいに土の道に変わり、歩きやすくなったと思った矢先、茂みの中でゴソコソする音が聞こえた。<br /> うっ・・<br /> もしやクマかも?<br /> それともイノシシか?<br /> ここに人がいるぞと音を出さねば・・・<br /> 杖を振り回して草や立ち木をたたき、騒いでみた。<br /> 恥ずかしさを忘れて、もう必死だ。

     岩だらけの道がしだいに土の道に変わり、歩きやすくなったと思った矢先、茂みの中でゴソコソする音が聞こえた。
     うっ・・
     もしやクマかも?
     それともイノシシか?
     ここに人がいるぞと音を出さねば・・・
     杖を振り回して草や立ち木をたたき、騒いでみた。
     恥ずかしさを忘れて、もう必死だ。

  •  暴れ過ぎたのか、杖がポキッと折れてしまった。<br /> 栗のイガがたくさん落ちている。<br /> 中身はない。<br /> クマが食べた証拠ではないだろうか・・?<br /> 冬眠のためにクマは餌をあさる時期だ。<br /> 現実感が増してきた。

     暴れ過ぎたのか、杖がポキッと折れてしまった。
     栗のイガがたくさん落ちている。
     中身はない。
     クマが食べた証拠ではないだろうか・・?
     冬眠のためにクマは餌をあさる時期だ。
     現実感が増してきた。

  •  クマに襲われてニュースとなった光景が頭をよぎり始めた。<br /> 急いで武器を探さなくては・・・<br /> 太めの棒を見つけて、木刀のように振ってみる。<br /> 歌も唄う。<br /> 「ある日♪ 森の中♪ クマさんに出会った♪・・」

     クマに襲われてニュースとなった光景が頭をよぎり始めた。
     急いで武器を探さなくては・・・
     太めの棒を見つけて、木刀のように振ってみる。
     歌も唄う。
     「ある日♪ 森の中♪ クマさんに出会った♪・・」

  •  しばらくすると茂みの中の音も止んだ。<br /> 出発してから45分がたっている。<br /> 二つ目の休憩所が現れた。<br /> 分岐点になっていて、直進すれば葛城山、右折すれば城山だ。<br /> 休憩していると、下からかすかな声が聞こえてきた。<br /> 助かった。<br /> 誰かやって来そうだ。<br /> じっと耳を澄ます。<br /> 「右に曲がります・・右に曲がります・・」<br /> なんだ、救急車の声ではないか。

     しばらくすると茂みの中の音も止んだ。
     出発してから45分がたっている。
     二つ目の休憩所が現れた。
     分岐点になっていて、直進すれば葛城山、右折すれば城山だ。
     休憩していると、下からかすかな声が聞こえてきた。
     助かった。
     誰かやって来そうだ。
     じっと耳を澄ます。
     「右に曲がります・・右に曲がります・・」
     なんだ、救急車の声ではないか。

  •  気を取り直し、城山への別れ道を登っていく。<br /> しだい右側も左側も下り斜面となってきた。<br /> 尾根を歩いているのではないだろうか。<br /> 城山の西には葛城山があり、ここはその山に続く尾根なのだ。

     気を取り直し、城山への別れ道を登っていく。
     しだい右側も左側も下り斜面となってきた。
     尾根を歩いているのではないだろうか。
     城山の西には葛城山があり、ここはその山に続く尾根なのだ。

  •  大きな岩が立ちふさがっている。<br /> この山の立役者、玄武岩の柱状節理の一部が、飛び出しているのだ。

     大きな岩が立ちふさがっている。
     この山の立役者、玄武岩の柱状節理の一部が、飛び出しているのだ。

  •  岩と岩の隙間を迂回するように道は続いていく。<br /> 探検だ。<br /> 小学生の頃、文化の度合いが低かった田舎では映画教室なるものがあって、そこで観た『蛇の森探検隊』を思い出した。<br /> その映画は少年の心に強烈なインパクトを残し、その後探検隊ごっこが流行って、仲間と一緒に山の中を歩き回ったのだ。

     岩と岩の隙間を迂回するように道は続いていく。
     探検だ。
     小学生の頃、文化の度合いが低かった田舎では映画教室なるものがあって、そこで観た『蛇の森探検隊』を思い出した。
     その映画は少年の心に強烈なインパクトを残し、その後探検隊ごっこが流行って、仲間と一緒に山の中を歩き回ったのだ。

  •  その時、こんな山があったなら・・・<br /> この歳になっても少年時代の興奮が冷めやらず、一人で蛇の森探検隊になっている。

     その時、こんな山があったなら・・・
     この歳になっても少年時代の興奮が冷めやらず、一人で蛇の森探検隊になっている。

  •  樹木の根が這い回る山道を、つまずかないように、崖っぷちを踏み外さないように意気揚々と歩いていく。<br /> 探検隊は恐いもの知らずだ。

     樹木の根が這い回る山道を、つまずかないように、崖っぷちを踏み外さないように意気揚々と歩いていく。
     探検隊は恐いもの知らずだ。

  •  行く先にまばゆい光が見えてきた。

     行く先にまばゆい光が見えてきた。

  •  頂上だ!!<br /> 300m以上の高さの岩山を登ったのだ。

     頂上だ!!
     300m以上の高さの岩山を登ったのだ。

  •  周囲の地形をガイドする石版も置かれている。<br /> さっそくスマホを出して、女房に画像を送った。

     周囲の地形をガイドする石版も置かれている。
     さっそくスマホを出して、女房に画像を送った。

    城山 自然・景勝地

  •  眼下には、狩野川とその沖積平野に広がる町並みが見える。<br /> 何という町なんだろう。<br /> 韮山?<br /> 長岡?<br /> 大仁町?<br /> いくつかの町が合併してできた伊豆の国市には違いないが、詳しいことは分らない。

     眼下には、狩野川とその沖積平野に広がる町並みが見える。
     何という町なんだろう。
     韮山?
     長岡?
     大仁町?
     いくつかの町が合併してできた伊豆の国市には違いないが、詳しいことは分らない。

  •  あれっ?<br /> 『道の駅伊豆へそ』と『みんなのハワイアン』が、すぐ下に見えるではないか。

     あれっ?
     『道の駅伊豆へそ』と『みんなのハワイアン』が、すぐ下に見えるではないか。

  •  となると、『道の駅ゲートウェイ』は、このずっと先にあるはず。<br /> しかし樹木がじゃまをしている。

     となると、『道の駅ゲートウェイ』は、このずっと先にあるはず。
     しかし樹木がじゃまをしている。

  •  樹木の間から見えるのは富士山と足柄山だ。<br /> 

     樹木の間から見えるのは富士山と足柄山だ。
     

  •  東方に目を転ずれば伊豆半島を形成する山々、そしてその谷間に向かう道路が一本。 <br /> あの道は山々をかいくぐって、伊藤温泉に到達するのだろう。<br /> 町の音も車の音も山頂までは届かず、風に揺れる葉や梢の音が鳴るだけの展望台だった。

     東方に目を転ずれば伊豆半島を形成する山々、そしてその谷間に向かう道路が一本。
     あの道は山々をかいくぐって、伊藤温泉に到達するのだろう。
     町の音も車の音も山頂までは届かず、風に揺れる葉や梢の音が鳴るだけの展望台だった。

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