2017/10/01 - 2017/10/04
506位(同エリア1928件中)
まりも母さん
4年ぶりの飛騨高山 ちょっぴり母を思い出すセンチメンタルな1泊
https://4travel.jp/travelogue/11295277
続きです。
高山の古い町並み見物を終え、今日は、乗鞍山麓のペンションに行くまでは自由観光時間。
今回、白河郷の合掌造りにも興味が無かった訳ではありませんが、
そちらまで行っている時間がないので、
高山市にある「飛騨の里」でお手軽に合掌造りの建物を見てしまおう、と言う事にしました。
どうやら、重要文化財の移築建物もあり、見ごたえもありそう、と。
そこは、結構広い敷地に たくさんの移築古民家のある 博物館施設でした。
重要文化財の建物は4棟もあり、内部も見学できる 興味深い場所でした。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 自家用車
PR
-
高山の観光客の多い町中から 少し外れただけの 静かな山間の場所に
博物館施設 飛騨民俗村「飛騨の里」がありました。
飛騨の里 公式サイト
http://www.hidanosato-tpo.jp/top.html
さほど、広くも無い「飛騨の里駐車場」に車を停めると、「駐車料金300円は受付で入館料金と一緒に
払って」と書かれていました。
(民俗村前駐車場、と言うのが、坂の少し下にあり、そちらは駐車料金無料だそうです。)
入り口で、入館料と払うとき、しっかり、車は停めましたか?と聞かれます。
入館大人700円 -
苔生した茅葺きの入り口建物を抜けると 目の前には池と その向こうに大きな合掌造りの建物が。
背後には山が広がり、里山の雰囲気の中に、移築建物が点在しているようです。
いい雰囲気です。
ぼちぼち紅葉し始めた木も見えました。
そして・・・そのあたりに居る観光客の方は・・・外国人ばっかり!
ジャパニーズカントリービレッジを見に来たのだなぁ~。 -
表示された順路は特に無いようなので、ま、適当に廻ってみよう、と。
まず、苔や植物で緑の屋根となった
「旧富田家」江戸時代末期 入母屋造り茅葺き
越中東街道(飛騨と富山を結ぶ)沿いの亜鉛・銀などの神岡鉱山あたりの荷物中継を行う
商いも行っていた家だそうです。
(1910年頃から この神岡鉱山から発生したイタイイタイ病はあまりにも有名です) -
軒下から屋根を見ると、割と近年に直されたらしい小屋組みが見えますが、
その割には茅葺き屋根の苔はものすごいです。
雪が降るし、山の中で湿気が多いのでしょうね。囲炉裏もこれだけの建物があると、
毎日火を入れてるのも大変そう・・・。 -
荷車の車輪や荷台が沢山並べられています。
ただし、富田家で実際使われていた荷物運搬用のものではなく、飛騨各地から集められたものだって。 -
隣にもう1棟 入母屋の建物が。
旧吉真(よしざね)家 江戸時代中期 安政5年(1858)以前
国指定重要文化財
安政5年に起こった大地震で ほとんどの民家が全壊した中、唯一無傷で残った強固な建物。
ムカイ柱という上部が二股になったものを左右側面の四隅に利用した特長があります。 -
建物の平面図が表示されています。
それぞれの部屋の名前は 囲炉裏のある「おえ」畳み敷きの「でい」居室である「ねどこ」
作業場兼炊事場の「にわ」馬をつないだ「まや」で構成されています。
この間取り図を見ると、「でい」は、来客用の奥座敷で、
土間の「おえ」が普段家族の使う居間だったと言うのが 驚きです。
日常的には、草履を履いたままの時間が長かったという事なんですね。 -
水屋(台所)は建物の外。「にわ」の裏にありました。
囲炉裏は屋内ですけど、水を使う炊事は、屋外・・・と同じですよね・・・。
冬とか、ありえん寒さだろうに・・・。 -
天井は張られていません。しかし、小屋組みの上には茅が見えるのではなく、板が置かれていました。
大きな板を張る事は出来なかったから、小さな木っ端みたいな物を重ねた天井なんでしょうかね?? -
これは、隣の
旧道上家 江戸時代末期 県指定重要文化財
入母屋の部分は、茅の壁風な部分と真ん中には、ムシロが下げてありました。
これは、かなり通気性が良さそう・・・と思ったら、
この家では屋根の内側、2階部分で養蚕を営んでいた為、明かり取りとして開閉されていたそうです。 -
旧八月一日(ほずみ)家住宅 江戸時代末期 市指定重要文化財
西願寺という寺の庫裡として建てられた家。
雪の多い場所に建てられた家で使われた そりの展示もありました。
牛や馬に引かせる大きなそりです。 -
旧田口家 江戸時代中期文化6年(1809)
国指定重要文化財
建設当時は榑葺き(くれぶき )であったが
移築時には鉄板葺きになっていたそう。
飛騨地方の農家でありながら、雪の少ない最南端にあったので、
こんな濡縁があり、屋根の勾配も低いのですね。 -
田口家は、代々名主を務めた家で、建物は巨大です。
集会にも使われたそうで、囲炉裏が三つもありました。 -
旧若山家 寛政9年(1797)国指定重要文化財
昭和33年(1958)ダム建設のよって水没する事になった為、移築された若山家の建物は住まい続けるうちの改変が少ない 良質で、代表的な合掌造りである事から重要文化財に指定されたものです。
大きな屋根のうちには、4階相当の養蚕部屋があります。 -
大きな建物ではあるものの、居室は1階の部分だけ。
2階~4階で行われていた養蚕は重労働だった事から、
家長以下 兄弟・使用人の数十人が同じ場所で生活していたそう。 -
小屋組みの構造が判る模型が展示されていました。
60度もある勾配の屋根は、豪雪地帯ならではのものです。 -
ここでは、1階と2階が見学できます。
2階へあがると養蚕に使われた広い空間が現れます。
2階では、手間のかかる若い蚕を育て、繭は更に上の階へ移されたそうです。 -
叉首(さす)と呼ばれる天井まで届く構造梁の下の方には「きざはし」と言う段組が刻まれ、
階段としても使われました。
凄く不安定な感じがするんだけど~。これを上がり下りして、お蚕様を運んだ訳ですね。 -
並んだ太い屋根の梁は、下部が鉛筆状に削ってあり、桁部分に乗っかっているのです。
こんなんで大丈夫なのか?と思ってしまいますが、
雪による垂直加重には 強いのだそう。
(ただし、横からの力には弱い。が、山が横風を遮るので、
飛騨においては、問題ないのだそう) -
当然ではありますが、屋根の小屋組みは 釘など使わず、ネソと言うマンサクの若木と縄で縛って組み上げられています。
合掌造りの建物は、1階の居室や土間のある部分は、大工が組み上げる軸組み構造で、
これは、素人には簡単に造れない「大工仕事」であります。
が、2階から上の屋根部分は、丸太や角材を縛った、
大工仕事とはちょっと違う組み方になって居るのです。
雪の多い地方の大屋根は今も、「結」という互助組織で葺き替えや修繕が行われている所からも
「結」による仕事で維持できる構造・材料で作られているという訳なんですねぇ。 -
「なかのでい」と言う部屋には 大きな仏壇がありました。
他の屋敷でもりっぱな仏壇を見ました。
ご先祖様を敬う気持ちが良く判るりっぱな仏壇です。 -
家族が使う部屋の囲炉裏には、座る場所が決まっていたのですね。
家長の座るヨコザ(奥)。台所に近いのが女性の座るカカザ。
キャクザは、お客様や成人男性の座る場所。
玄関側は子供。 -
旧中藪家 江戸時代中期 榑葺き(くれぶき)石置き屋根 県指定重要文化財
榑葺きとは裂いた榑板を重ねて葺いた屋根
榑葺き材としては、サクラ、カラマツ、ナラ、クリなど。何層か重ねて、上に石を置きます。
榑材は寿命が5.6年と短く、現在は 全国でも全く使われていないそうです。
このような博物館施設でだけ、かろうじて維持しているだけなので、職人もほとんど居ないのだそう。
茅葺き以上に絶滅が危惧される貴重な屋根のようです。 -
この建物の間取りをみると、半分以上が土間なのです。
生活空間の中心は土間であり、飛騨地方の民家の中でもとても古い形態だそうです。
他にも土間が居間であった家は何軒もありましたね。
ここに移築されている民家は、かなり古い形式で展示されていると言う事のようです。 -
土に塩と石灰を混ぜて練り、乾燥させた土間は、湿度が一定で 土ぼこりもたたない漆喰土間と言う物。
囲炉裏の周りに 籾殻をまき 上にムシロを敷いて座っていたという事です。
江戸後期になると、居間空間には板が張られるようになりますが、
それ以前の古い形態はこうであったのです。 -
それでも、畳の敷かれた「でい」には大きくてりっぱな仏壇が。
まぁ、土間で生活していた時代を表す為の再現なのでしょうから、
その時代から こんなりっぱな仏壇があったのかどうかは、判りませんが・・・。 -
もうひとつ、大きな屋根の合掌造りの建物がありました。
旧西岡家 江戸時代後期 県指定重要文化財
ここも4階建てになっていて、2階より上では、養蚕が行われました。 -
移築以前の写真がありました。
荒れた様子なので、移築直前の頃なのかもしれません。 -
西岡家は、白川村でも最も北の集落で、峠をひとつ越えれば、富山の五箇山と言う豪雪地帯にあった家。
展示物の中に、藁の長靴ズンベ、防寒具のツマガケなども。
藁って、断面に空気層があるので、保温性が高く、
それで こうした防寒具の素材として使われたと聞きます。
が、他に手に入るものはあまりなかったでしょうねぇ・・・。 -
先ほど見た、旧若山家の合掌造りの建物とは、違った所もありました。
チョウナ梁という雪の重みで根元が曲がった木をそのまま利用した特長がありました。
こんな曲がった材が揃うあたり、どんなに雪深い地域なのかも判ります。 -
2階は養蚕に関する展示がありました。
-
また、4階部の床板は外されているようで、合掌造りの屋根の一番上の小屋組みも見る事ができました。
木組みの箇所はほとんど見られず、縄で縛りあげてあります。
囲炉裏から上がる煙と熱が縄を締め上げ、強固にすると聞きますが、それにしても凄いです。 -
窓の外には 車田が見えました。
珍しい円型の田んぼ。
神様に供えるお米を作るための田、と考えられ、復元したそうです。 -
天井から、籠が下げられています。
と、言うのは、この西岡家は蓮受寺というお寺の庫裏として建てられたものだったのです。
その為、板戸には漆が塗られ、仏壇が無いと言った他の民家とは違った部分もありました。
広い便所もありましたね。便所の下は大きな穴で、もちろんそれは、肥溜めです。 -
大体の建物は見終えたと思い、「飛騨の里」を出ます。
と・・・後で気づきましたが、1つ国指定重要文化財の「旧田中家」だけ、見るのを忘れました・・・。
朝から歩きまわったので、そこそこ疲れたのもあり、予定より少し早めに乗鞍山麓の本日の宿へ向いました。
前川橋の所で、乗鞍高原に行く為の右折は禁止で700m進んでUターンしなければならないのが、ナンではありますが、早めにお宿へ向かって、ゆっくりできそうです。 -
昨夜、明日の天気が良さそうだという事で、帰宅を1日伸ばして、急遽予約した
乗鞍高原「ペンションカムス」
平日だから空きがあってよかったです。
玄関を入り、声をかけると、男性が出てこられました。
宿のお風呂や食事の説明を聞き、部屋に案内してもらいます。 -
2階のツインルーム。
わりと、あっさりしたインテリアです。
この「カムス」 車山にも系列のホテルがあり、おととしの夏、利用させてもらいました。
食事がとてもおいしくて、アットホームな感じやペンションと言うより、
プチホテルのような雰囲気が良かったのと、乗鞍には、温泉がある、と聞いていたので、
乗鞍と言ったら・・・一番に思い出したのです。 -
車山にもありましたが、ここにも、宿の方の手作りらしい露天風呂が。
別棟の建物が裏庭の先にあります。2つあって、空いていれば、貸切りで使う事ができます。
(この日は ひとつは故障で使えなかった) -
まだ、他のお客さんは来ていないようなので、先に露天風呂に入ってみました。
岩風呂に 近くのすずらん温泉が引いてあります。
さっぱりした湯質。臭いも色もありません。
ここには、石鹸やシャンプーなどは無く、それは、建物内の内湯が使えます。
内湯も、温泉で、基本的には、貸切りで使う感じです。
落ち葉の積もった部分に、もっと植栽でもあれば、よりいい感じだと思いますが~。
まぁ、ペンションで貸し切り露天風呂があるのはポイントになります。 -
夕食は、オードブル、スープ、魚料理、肉料理、デザート、コーヒーのコース料理。
ちゃんとメニューカードもテーブルに置いてありました。
前菜は 玉葱とベーコンのキッシュ。
キッシュ大好きなので、もっと食べたかった位。
この次に、発芽大豆のポタージュスープ。
枝豆のポタージュっぽくて、おいしかった~。 -
お魚はメバルのアメリケーヌソース。
と、車山でも同じでしたが、カムスでは、ディナーの時、パンではなくて、ご飯が出るのです。
ここまでフレンチなコースなのに、ご飯!?って気もしますが、
私たちは翌日 一応登山ですし、場所柄、スキーやスノボ、登山と言ったスポーツに来る方が多い事を考えると、がっつりご飯の方が、翌日のエネルギーとしてはありがたい、とも言えますよね。
その上、ご飯と一緒にサーブされたのは、自家製の行者にんにくの葉を醤油漬けにしたもの・・・。
これが~~めっちゃご飯にあうんですわ~。やばいですよ。これだけで、ご飯がイケちゃう~。
もちろん、お料理もバッチリおいしかったのですが、それとは別に ご飯と醤油漬けがおいしくて別腹~って感じ・・・。 -
メインのお肉は牛フィレのロースト。
デザートのりんごケーキ、アイスクリーム、フルーツも食べて、まんぷく~(毎日まんぷくじゃん・・・)
オーナーシェフは大阪のレストランで長年働いていたそうです。
今日は、食事のお供はビールにしましたが、ここ、ワインは色々揃っていますし、カクテルやウイスキー、焼酎などもちゃんとありました。
乗鞍のカムスは息子さん御夫婦が経営されていて、車山の方はご両親の経営なんだそう。
どちらも食事がおいしく、良いお人柄の方が経営されている落ち着く宿でした。
ゆっくり休んで、明日は少し朝食時間を早くして頂き、乗鞍登山へ向かいます。
この続きは、
日本一楽チンに北アルプス3000m峰へ。紅葉と雲海を見下ろす乗鞍岳
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