2017/08/05 - 2017/08/17
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HOUKOUさん
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シラムレン草原現地ツアーに、文字通り飛び込み参加。
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(2017/9/7) 旅行3日目)
翌朝当然早起きして,7時にはチラシにある旅行社が入っているらしいホテルへ歩いて行った。
付近の道路にはツアーバスがあちこちに停車している。
旅行社の服務員を探し当て,予約はしていないがシラムレン高原ツアーに参加したい旨伝え,コースと料金を確認する。
どうやら一日の一般的コースは100元らしく,これは予想してたより安い。
(もちろん,ぼったくりオプションが数多く用意されているのであろう)
朝食も取らずにここに駆けつけてきたので,売店でバスの中で食べるゆで卵などを買い込む。 -
ツアー客で外人は私一人で,あとは全員中国人であった。
強い紫外線を意識してであろうが,つばが広い帽子や,日焼け止めスプレーなど準備おこたりない。
なかなか用意周到である。
中国を旅して感じることであるが,ネット情報収集力などITリテラシーや活用力は日本より進んでいるような気がする -
フフホト市内は,全体的に再開発が進み非常にきれいである。
街並みだけでなく,空もきれいだ。
中国でこんなにきれいな空を見るのは,浙江省の寧波以来のことではないか。 -
-
バスはフフホトの北に連なる険しい「陰山山脈」をどんどん登って行く。
「シラムレン高原」というだけあって,この山々の上に草原が広がっているのだ。
草原に入っても,バスはどんどん進んでいく。
広大な草原にパオ(ゲル)の集落が点在するが,遊牧民の家という感じではなく,ほとんどが観光用に見える。
やっと着いたところは,そういうパオが整然と並んだ一角。
バスを降りると民族衣装を着けたモンゴル人による「馬乳酒」の歓迎イベントが待っていたが,ちょっと引っかかるものがあった。
「馬乳酒」を飲むことは今回の旅の目的の一つである。
私は少年時代からジンギスカンやモンゴル帝国に興味を抱いていた。
いろいろな歴史書や井上靖の「蒼き狼」なども読んでいる。
そもそも内モンゴルに来た理由の一つとして,そういう深い思い入れがあったからだ。
井上靖の「蒼き狼」は,前半はジンギスカンの幼少期からの死と隣り合わせからの壮絶な生き様,そして後半は,その長男ジュチとの複雑な愛憎関係を軸としている。
(ジンギスカンの正妻はボルテであるが,メルキト部族にさらわれおり,ジュチが本当に自分の子であるのか疑いを持っていたとの筋立て)
「馬乳酒」のことは,これを読む前から知っていたのであるが,この「蒼き狼」でも登場する。
「馬乳酒」はその名のとおり,馬の乳から作られる。
ただし,ワインのように発酵をじっと待つのではなく,ひたすら撹拌(かき混ぜる)させることが必要という。
井上靖の「蒼き狼」にも次のような場面がある。
ジンギスカン(テムジン)は,まだ子供のころ対立する部族にとらえられ絶体絶命の危機に立たされる。
手助けしてくれる者がおり,ゲルから聞こえてくる馬乳酒を撹拌する音がする中,暗闇にまぎれて命からがら脱出する。
いかに「馬乳酒」が遊牧騎馬民族の生活に密着したものかが感じられる場面である。
それを読んでますます馬乳酒が飲みたくなったのを覚えている。
さて,その念願の馬乳酒であるが,・・・これはどう考えても白酒であって馬乳酒ではない。
第一,写真で見るものは白濁しているが,このウェルカムドリンクは透明である。 -
さて,昼食まで自由時間である。
ツアーの目玉は何と言っても乗馬である。
というか乗馬しかない。
あとは縁日でみるようなしょぼい射的コーナーと小さなお土産屋さんがあるくらいである。
ところでこの乗馬のオプション料が信じらないような高さである。
最低420元,さらに馬具代もかかるようである。
「シラムレン草原に行ってきて馬に乗らなかった」とは口が裂けても言えない,メンツを重んずる中国人の弱みに付け込んだかのようなぼったくりぶりである。
事前にこのくらいの料金だということと,実際乗ってみて,たいしてよくなかったみたいな口コミを読んでいたので,予め乗馬体験はしないことにほぼ決めていたのだ。 -
私には農耕民族の末裔にふさわしい頑強な2本の足がある・・と自分に言い聞かせるようにしながら,この茫漠とした草原をあてどなく歩いて行く。
蒼い空,どこまでも続く大草原。
直射日光は確かに強く,気温も高いが,少しでも風が吹くと涼しい(時々ひんやりと寒さを感じることさえある)。
「あおいそら」と口にする。(「蒼井そら」ではない)
モンゴル語と日本語はともにアルタイ語系の言語グループに属するという。
そのアルタイ語系には「母音調和」(一語の中に現れる母音の組み合わせに一定の制限が生じる現象のこと)という特色があるといわれる。
日本語に母音調和がはたらいているかどうか定説はないというが,「あお」にしても「そら」にしても母音調和の彫琢が成立しているのではないかと感じながら,モンゴル人と日本人との関係性について更に思いを巡らしたりもする。
・・アルタイ語系の特徴の一つとされる「膠着語」(単語に助詞をくっつけて文を作る)という点でもモンゴル語,日本語には共通性がある。
フフホトの街中で,中国語に続けてモンゴル語のアナウンスをよく聞いたが,中国語の隙間や緩みのない機銃掃射のような単音節の羅列に比べて,なんとモンゴル語が優しく聞こえただろう。
私の勝手な推測であるが,こうしたモンゴル語に耳触りのよさを感じるのは,発音や文法上の日本語とのこうした共通性が脈打っているからではないかと思う。
どこまで歩いて行ってもほとんど風景が変わらないが,この時折吹いてくる風を感じながらの草原の散歩は気持ちよい。 -
何よりジンギスカンや様々な遊牧騎馬民族が蹄の音を轟かせ活躍した正にその舞台に立っていること自体が感慨深い。
こうやって昼食まで2時間ほど草原を散歩した。 -
さて昼食であるが,考えてみればはじめて中国人と円卓を囲む。
想像しいてたことではあるが,取り箸を使わない。
直箸で,みんなが大皿を突く。
それと少し意外だったのが,皆さんかなり控えめである。
料理は,塩茹で羊やオウ麺など民族料理と思われるものを含め何種類か並べられた。
中国人はもっとあわただしく回転テーブルを回して,自分本位的に食事をするかと少し偏見を持っていたのだが,本当に控えめにしか取り分けない。
格安ツアーなので,確かにあまり手間やお金をかけた料理とは言い難かったということもあるかも知れない。
「面子」に由来するものもあるかもしれない。
あるいは,こうした大皿スタイルの食事が日常である中国人は,全体の料理の量から即座に自分が食べるべき量を忖度する習慣が自然と身についているのかもしれない。
一番ガツガツしていたのは,多分私ではなかったか(W)。
なにしろ朝食はほとんどゆで卵だけだったのだ。
ご飯のお変わりは洗面器の御櫃から無限に提供される。
日本人の多くがまずいという中国特有のボロボロした米であるが,私は嫌いではなくて何杯もお変わりをする。 -
昼食の後は,再び自由時間。
今度は午前中散歩した場所と反対方向に広がるやや丈の高い草に覆われた草原を散歩する。 -
その内,広場に人垣ができて,乗馬ショーが始まる。
モンゴルがユーラシアの国々を次々と向かうところ敵なしの勢いで征服し,大帝国を築けたのも,すべての男が小さいころから馬に親しみ,乗馬の達人であったことが大きいとされる。
その末裔の技がどんなものであるか,大いに興味がわいた。
残念ながら,技というにはあまりにも単純なもので,疾走する馬上から地面に置いたタオルを身を乗り出して拾うというものであった。
ここは,できれば世界を制覇したモンゴル騎兵の格好でモンゴル弓を使っての騎射でも演じてくれたら最高であったが。 -
売店でお土産を物色する。
牛の角で作ったラッパと,地元特産のビーフジャーキーを買った。
中国のビーフジャーキーは,一般的に甘すぎるし,歯ごたえがなくうまいと思ったことがあまりなかったが,これはうまい。
モンゴル帝国の遠征軍の携行食にボルツというものがあったのを思い出した。
子供のころテレビ番組で紹介されていたものだ。
牛の肉を徹底的に乾燥させ,それを細かく細かくほぐし,今度はそれを皮袋につき固めて詰めていくというものだ。
保存がきくし,コンパクトな割にカロリー密度が高い優秀な携行食で,これも長いモンゴル軍の遠征を支えていたものである。
このジャーキーは,そうした肉を使った保存食作りの伝統的技を引き継いでいるものなのだろう。 -
こうして,イベント性が希薄だったが,かねてよりの憧れだった騎馬民族の活躍の舞台に立つこともできて,100元というツアー代の割には満足できるものであった(満足すべきであろう)。
帰りがけ,たちまち黒い雲が近づいてきて小雨がぱらついた。
帰りのバスで中国人が窓の外を指差している。
さっきの雨で虹ができたのだ。
形は完全ではなかったが,空気が澄んでいてすごく色鮮やかな美しい虹であった。
大草原が別れの挨拶をしているかのようで,ちょっと感動した。 -
ホテルに戻り,白酒を買いに行く。
昨日の「蒙古王」が気に入り,少しグレードの高いものを買ってきた。
シラムレン高原で買ったジャーキーをつまみに晩酌する。 -
ホテルから夕暮れを眺める。
本当にきれいな夕暮れである。 -
さあ,羊を食べに行こう。
私の中国旅行の楽しみの一つは,羊料理を食べることである。
何も内モンゴルだけでなく,中国の都市には羊を素材とする料理屋は必ず見かけるものだ。
日本ではジンギスカン鍋以外にはあまりなじみのない羊肉であるが,私は大好きである。
「癖がなくておいしい」という言葉は,軽薄グルメ番組の軽薄レポーターの決まり文句であるが,私に言わせれば羊肉は「癖があるからおいしい」のである。
そんなに「癖がない」ものが好きなら毎日ソーメンでも食べていたらよかろうと言いたい。
ここ内モンゴルは,羊料理のメッカともいえる場所である。
さっきのホテル横手の通りを物色する。
しかし,意外とモンゴル料理を看板に掲げた料理屋を見かけない。
かろうじて羊料理を扱う食堂を見つけ,羊雑碎と羊雑野菜炒めを注文。
羊雑とは羊のモツのことである。
ここの羊雑碎はジャガイモが大量に入っていて,少し羊特有の癖が薄められているような気がした。
これまで,いろいろな街で,この羊モツスープを食べてきたのだが,これまでで一番おいしかったのは瀋陽の回街で食べたものだった。
スープにはプリプリの内臓がいさっており,素材の新鮮さが際立っていた。
その味には及ばない。 -
羊肉と野菜のいためものも,味付けに工夫が足りず,塩もきつめでやや期待外れ。
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