2017/05/28 - 2017/06/15
1位(同エリア173件中)
ねんきん老人さん
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四国霊場巡りもいよいよ最後の県、香川(讃岐)に入ります。
この23か寺(66~88番)を「涅槃の道場」と呼ぶそうで、いわば遍路の仕上げ期間にあたるのだと思います。
あと数日で回り終えるとして、それで私自身が涅槃の境地に達するとは到底思えません。
でも、ひょっとしたら、本当にひょっとしたらですが、お大師様か仏様が、死んだ妻を涅槃に導いてくださるかも知れない・・・そう自分に言い聞かせながら車を進めます。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
【 雲辺寺ロープウェイ 】
雲辺寺は八十八か寺の中で最も高い標高911mにありますが、幸い(!)ロープウェイで行くことができます。
標高差657m、距離2600mを7分で結んでいるとのことで、スイス製だというのが売りのようですが、外国製ということがどうして自慢になるのでしょうか?
乗客は、私の他には若い女性が一人だけ。 リュックの上から雨合羽を着こんだ本格的なお遍路さんでした。
むろん、話しかけたりはしません。 なにしろ、私とは格が違います。雲辺寺ロープウェイ 乗り物
-
【 ロープウェイからの景色 】
そのロープウェイからの景色がこれ! 今朝からの雨は弱まる気配がなく、山頂は風もあるということです。
さてその山頂にある雲辺寺ですが、住所は徳島県三好市池田町です。
えっ、香川県じゃないの? と思ってしまいますが、ロープウェイの山頂駅から30mほど先に香川・徳島の県境があり、お寺は徳島県になってしまうのです。
なんだか「讃岐・涅槃の道場」というのに初手からミソがついたような感じですが・・・。 -
【 第六十六番雲辺寺 】
山頂駅を出た途端、目の前にご覧の光景が。
な!、なんですか、あなた方は?
ギョッとしますが、気を引き締めて進みます。
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【 整列した羅漢様たち 】
参道に列を成しているのは羅漢様たちです。
お釈迦様のお弟子さんたちでしょうから、こうして勢揃いされている前を通るのは、ちょっと緊張します。 -
【 五百羅漢 】
うわーっ、これはまた! いやはや、恐れ入ります。
五百羅漢像はあちこちにありますが、どこでも自分の知り合いに似た顔が見つかると言われますね。 これまでそういうお顔の羅漢様は見たことがありませんが、ここではいました、いました!
おや、田辺さん!
まあ、紅房堂のご主人!
あれ、太助寿司の板前さん! -
【 五百羅漢 】
まだまだ! 降りしきる雨をものともせず、豊かな表情で自分の思いを表しているように見えます。
羅漢様たちは、多くがいかついお顔と屈強なお体で見る者を圧倒しますが、さらによく見ると、どなたも底抜けの善人のようで、辺り一帯は実に心地よい空間になっていました。 -
【 釈迦涅槃像 】
お釈迦様ご入滅の場面に着きました。 羅漢様たちの「動」の世界から一転して、まさに涅槃寂静の世界です。
結局この雲辺寺では本堂も大師堂も全く記憶になく、ただただ羅漢様たちの中に分け入って過ごした忘我の時間だけが、今もそこはかとない充実感をもって思い出されます。
ちなみに、さしていた傘はほとんど役に立たず、全身びしょ濡れになりましたが、それすらもむしろ清々しい思いにさせてくれた天の恵みだったように思います。 -
【 第六十七番大興寺 】
飾らない雰囲気の落ち着いたお寺で、普段着の人たちのお参り姿が印象的でした。
白衣を着て山谷袋を下げて、一応 “お遍路っぽく” 装っている自分はなにか「よそ者」にしか見えないだろうと思って、ちょっとばかり居心地の悪さも味わいました。
このお寺は、珍しいことに本堂の中に納経所があります。 まあ、お経を納めた証が御朱印でしょうから、その方が本当だとも思えますが。 -
【 第六十八番神恵院(じんねいん) 】
仁王門に「観音寺」と「神恵院」、二つのお寺の寺号が書かれています。
いったい、どういうことでしょう? -
【 神恵院本堂? 】
正面に見えるコンクリートの建物、「第六十八番 神恵院本堂」と書かれています。
えっ、あれが本堂? ちょっと趣がないなあ。 -
【 ホントウのホンドウ 】
ご安心ください。 コンクリートの建物は階段になっており、その先は建物を通り抜けて外に出ます。 そこに本堂があるのです。 ちょっとお茶屋さんのようなシンプルな造りですが、紛れもなく本堂です。
コンクリートの建物は階段の左右にドアがあるのですが、トイレでしょうか? それとも寺務所でしょうか? 窓もない、不思議な建物です。 -
【 第六十九番観音寺・大師堂 】
同じ敷地の中に観音寺があり、これはその大師堂です。
さきほどの写真でコンクリートの建物の手前左右にお寺らしい木造の建物が見えますが、右が観音寺の大師堂、左が神恵院の大師堂です。 ??? -
【 神恵院・観音寺 御朱印 】
納経所は共通で、同じお坊さんが両方の御朱印を押し、揮毫もしてくれます。 当然同じ筆跡になります。
なぜこんなことになっているのかというと、元々は琴弾八幡宮という神社に本地仏として祀られていた聖観世音菩薩を弘法大師が本尊として第六十八番札所にしたそうです。 それが明治の神仏分離令で、本地仏は居場所がなくなり、仕方なく観音寺の西金堂に間借りをし、そこが第六十八番札所になったという次第。
いってみれば、観音寺は居候に離れを取られたということでしょうか。 -
【 銭形砂絵 】
さて、愛媛県に入ったあたりから、お寺を回るという「ノルマ」に捉われて、参拝と移動の連続になってしまったことは、前の稿で述べました。
妻の遺骨を携えて、自分では妻を連れての旅をしているつもりでしたが、妻はこんなスタンプラリーみたいな旅を喜ぶでしょうか?
なんだか妻に可哀想なことをしたんじゃないか? そう思った私は、せめて最後の香川県ではお寺以外にも妻の喜びそうな所をいくつか回ろうと考え、まずは観音寺市の有明浜にある銭形砂絵を見に行きました。
「お母さん、これが有名な銭形砂絵だよ。 俺、前にあの砂絵の脇の松林で野宿したんだよ」 -
【 第七十番本山寺 】
本山寺はご本尊が馬頭観世音菩薩だからでしょうか、境内に馬の像があります。
五重塔をすっぽり覆う足場が組まれ、「平成の大修復」が行われていました。 寄付を募る大看板が出ています。 私ですか? 寄付ですか? ええ、ちょっと、先を急いでいたもんで・・・。 -
【 湯だめうどん 】
毎日コンビニ弁当しか食べていないので、折角うどんの本場に来ているのだからと、丸亀市土器町にある「手打ちうどん渡辺」という店に入りました。
カウンター席に座って、何でもいいと言ったら、「釜揚げ」か「湯だめ」がお勧めだとの返事。 それじゃあ、初めて聞く「湯だめ」というのを食べてみようと思いました。
確かに旨いし、量もちょうどいい加減でしたが、一人で食べるのはなんともつまらなく、やっぱりコンビニにすれば良かったなと思いながら食べました。
あとで知人に話したら、カウンター席で食べたのなら釜揚げにすべきだった、湯だめなんかテーブル席で食えるよと講釈たらたら。
どっちにせよ、もう一度一人で行こうとは思いません。 -
【 第七十一番弥谷寺(いやだにじ) 】
弥谷寺ではいきなり「本堂迄540段」の表示にぶつかります。
石段をシャンパンタワーのように流れ落ちる雨でくるぶしまで水浸しになりながら上っていくと、「百八階段」というのがあります。
108という数字は、四苦八苦を落とすという意味があると書かれていますが、その根拠は四苦(4×9=36)と八苦(8×9=72)を足した数だそうです。
なんだか、こじつけっぽい感じがしますが。 -
【 百八階段 】
その百八階段を振り返ります。 本堂まではここからさらに170段あります。
いやだに寺じゃなくて、いやだね寺じゃないかな? と思えてきます。 -
【 第七十二番曼荼羅寺 】
本堂の棟瓦につけた黄色い〇が見えますか? その棟瓦の先代が参道脇に置いてあります。(赤い〇)
大きさは同じだそうです。 私の家に載せたら、そのまま家がつぶれます。 -
【 第七十三番出釈迦寺(しゅっしゃかじ) 】
弘法大師が7歳のとき、「自分は仏法に入って衆生を救済したいと思うのですが、できるでしょうか? できるなら、お釈迦様、お姿をお見せください。 できないのなら、一命を捨ててこの身を諸仏に捧げます」と言って、断崖の頂きから身を投げたそうです。 -
【 身を投げるお大師様 】
すると、蓮の花に座ったお釈迦様が現れ、落ちてゆく大師の下に天女が飛来して大師を抱きとめたとか。
それが出釈迦寺という寺号のもとになっており、その崖は寺から徒歩で30分の所にある捨身ケ嶽だそうです。
7歳・・・私が7歳のときは多分、鼻水をたらしながらチャンバラごっこをしていたと思います。 -
【 弘法大師求聞持修行の姿 】
ここはまた、弘法大師が虚空蔵求聞持の法を修行されたお寺でもあります。
求聞持の法とは、虚空蔵菩薩のご真言「のうぼう あきゃしゃ ぎゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか」を百万回唱える修行だそうで、物覚えがよくなるというご利益があるとか。 物忘れの多い方は是非、と書いてあります。
ああ、これは俺のことだな、と思いましたが、ふと、百万回唱えるのにどのくらいの時間が必要かと思い、計算してみました。
飲まず食わず、24時間一瞬の休みもなく唱え続けて58日かかると出ました。 物忘れする方がラクですかねぇ? -
【 びわの栽培 】
知りませんでしたが、香川県はびわの名産地だそうで、畑はもちろんのこと、民家の道路脇にも実に袋を被せたびわの木が沢山あります。
こういうものを見ると、旅に出ているという実感が湧きます。 -
【 第七十四番甲山寺(こうやまじ) 】
私は、若い女性というのは辺り構わず大声で騒ぎ回ったり、電車の中で化粧をしたりする、救い難い人種だと思っていますが、今回はあちこちのお寺で、一人でお経をあげている若い女性を見ました。
理由はそれぞれでしょうが、真面目な人もいるのだなと、ちょっと考え直しました。
「お母さん、お経にも若者言葉があるのかなあ?」 -
【 海岸寺 】
海岸寺は、別格霊場十八番だそうです。 山門に仁王様ではなく、お相撲さんが立っているのが面白くて、妻に見せようと行ってみました。
別格霊場とは何かということを受け売りで書き並べても、皆さん先刻ご存じでしょうから、省きます。
ただ、私は秘かに、八十八か寺にお遍路さんが押し寄せて、それぞれのお寺が潤っているのを座視できない他のお寺が、「オラッチの方にも人が集まるように手を打つべえ」と相談して作った名称ではないかと思っていました。
「思っていた」・・・で、今は? -
【 旅籠屋讃岐観音寺店 】
この日は全身ずぶ濡れで、パンツが尻にまとわりつくほどでしたので、車中泊ではなく、モーテルスタイルの「旅籠屋」に泊まりました。
妻の誕生日というと、私はコンビニでショートケーキを買って帰り、私の誕生日というと、妻は通販で安いズボンやシャツを買って、ささやかに祝っていました。
むろん誕生日おめでとうなどという歯の浮くようなことは言いませんが、それが誕生日のプレゼントであることはお互いに分かっていました。
今回の遍路で、私は妻が入院前に買ってくれた靴を履いていましたが、この日一日中降り続いた雨でもその靴はびくともせず、雨水の流れ落ちる寺々の石段でも、参道いっぱいに広がった水溜りでも、滑りもせず、重くもならず、私を守ってくれました。
妻が私を守ってくれたと思いたいところですが、実際には死んだ者が生きている者を守ることはできないでしょう。 ただ、妻の買ってくれた靴が私を守ってくれたことは間違いないと思います。 -
【 第七十五番善通寺 】
弘法大師が生まれた場所に建てられたという善通寺です。 大師の父・佐伯善通(よしみち)の名をとって善通寺の寺号ができたとか。 知りませんでした。 -
【 五重塔 】
国の重要文化財、五重塔です。
現在の塔は4代目だそうですが、建築に57年もかかっているそうです。
ところでこのお寺では大勢のお遍路さんを見かけましたが、八十八か寺の半分くらいでは一人も見かけませんでした。
お遍路さんは各寺を回るのでしょうから、どのお寺も訪れるお遍路さんの数は同じになる筈なのに、どうしてでしょう?
有名なお寺だけ回るという人がいるのでしょうか。 -
【 保育園児のお散歩? 】
「お母さん! 保育園だよ。 可愛いねえ!」
孫命の妻には、お寺より、神社より、こういう子たちを見せたかった・・・。 -
【 観光の団体さん? 】
お遍路さんではなさそうです。 実はしばらくこの団体さんに紛れてガイドさんの説明を聞きました。
私はこのお寺に来るのが初めてなのですが、初めてのときはバスツアーがいいと思います。
バスツアーというのは、見どころをちゃんと押さえていて、ガイドさんが見学のツボを見落としのないように説明してくれて、とても優れた文化だと思います。 -
【 御影堂(大師堂) 】
御影堂の地下では約80mの戒壇巡りができます。
自分の手も見えない真っ暗な中、壁に手を当てて進むと途中でやや明るくなり、そこに科学的に再現されたとかいう嘘っぽいお大師様の声が流れてきます。
遊園地のアトラクションじゃあるまいし、これがなかったら結構神妙な気分になれたのですが・・・。
以前、善光寺で戒壇巡りをしたとき、怖がりの妻は私の服を握ったまま一回りしましたが、今回はそんな様子もなく、やっぱり一緒にいないのかな、などと寂しい思いをしました。
どうも科学的なことと非科学的なこととの境が曖昧で、自分でも俺は馬鹿じゃないか、と何度も思いました。 -
【 売らんかな 】
げーっ! どうしてこういう安っぽいこじつけをするのでしょうか。 世に名高い善通寺ともあろうものが、急に俗っぽい金儲け寺になってしまいました。 -
【 琴平駅 】
妻を喜ばせるための次の寄り道は、香川県の一大観光名所、こんぴらさんです。
まずは土讃線琴平駅へ。 駅前に駐車場があります。 -
【 石段参道 】
そしてこの石段。 こんぴらさんと言えば石段で、両側の土産物屋を冷やかしながら上るところに味があるのですが、今回はそんな気にもならず、店内に入ることはありませんでした。
でも、100段目にある「松浦百段堂」というお土産屋さん、「凸凹堂」という天然石の細工屋さんなど、店名を見ながら歩くだけでも結構楽しめます。
丸いポストもあり、昭和の雰囲気も。 -
【 まだまだ 】
この階段の下で、60代と思われるご夫婦がかなり長いこと、話し合っていました。
「どうする? 行くねん?」
「・・・」
「やめ。無理やで」
「・・・」
「やめや。無理やって。まだあると」
九州弁なのか、関西弁なのか? 結局引き返して行きましたが、それを見届けるまでそこにいた私はいったい何でしょう? -
【 五人百姓 】
365段目に大門があり、その内側に五人百姓がいました。
金刀比羅宮の境内は商売禁止ですが、なぜか特別に許可されている5人の飴屋がいて、その5人を「五人百姓」と呼ぶのだそうです。
飴は「加美代飴」というそうで、妻と一緒なら「食べてみっか」となるところでしょうが、一人では試す気になどならず、買いませんでした。 -
【 神馬 】
430段の所に御厩があります。 神馬「月琴号」。 北海道帯広市で生まれた道産子で、12歳、人間なら48歳ということです。
48の壮年というのにこんな狭い囲いの中でただ藁を食べているだけの毎日とは! 人間も残酷なことをするものですねえ。 -
【 本宮 】
本宮に着きました。 ここまで785段。 本当は786段あるのですが、「なやむ」というのはまずいということで、途中の平らな道に1段だけ下りの段差を設けて無理やり785段にしているのだそうです。 本当かなあ? -
【 讃岐平野 】
海抜251mにある本宮前から見た讃岐平野です。
「お母さん、あれが讃岐富士だよ。さっきあのそばのお寺に行ったんだよ」 -
【 第七十六番金倉寺(こんぞうじ) 】
まず可愛らしい布袋様に迎えられて境内に入ります。
「巡拝七福神」の文字が。 -
【 境内の七福神 】
境内を歩いていると、あちこちに可愛らしい七福神が現れます。 -
【 お砂踏道場 】
「四国八十八ケ所 お砂踏道場」というのがあります。 各寺の本尊の御影が描かれた掛け軸が並んでおり、足元に各寺の砂というのがあります。
これを全部踏んで歩けば八十八ケ所を回ったのと同じご利益があるというアレで、それぞれの絵の前にちゃんと賽銭箱があります。
八十八ケ所分の小銭がないって? 心配ご無用、入口に両替ができる旨書かれています。 ご丁寧に、「防犯システム設置」とも。 -
【 第七十七番道隆寺 】
四国遍路の起源といわれる伝説です。
「伊予の国に住む衛門三郎という非道な者の所に弘法大師が托鉢にやってきました。 昼寝の邪魔をされた三郎が竹箒で大師の椀を叩き落とすと、椀は8つに割れて飛び散りました。 その翌日から、三郎の8人の子供が次々と死んでしまいます。 自分の非を悔いた三郎は大師の許しを乞おうと四国中を探し回りますが、ついに阿波の焼山寺で倒れます。 そこに大師が現れ、三郎は自分の非を詫びます」
この話はまだ続きますが、長くなるので省略して、その三郎が大師に詫びる場面を表したブロンズ像が大師堂の前に建っています。 -
【 第七十八番郷照寺 】
道隆寺を出ようとしたとき、私と同年齢くらいの男性が、郷照寺への道が分かるかと訊いてきました。 ナビを使うと言うと、それじゃあ後について行くから先導してくれとのこと。
むろん承知したのですが、ゆっくり走れの早めにウインカーを出せのと、しつこく注文を出してきます。 もとよりそのつもりであると答え、信号で離れないように気をつけながら7~8kmを走り、ここまで来ました。
男性はナビを褒め、さんざんオベンチャラを言った上、次の天皇寺までも先導してくれと言ってきました。
今日はこの辺でどこかに泊まると言うと、天皇寺の近くにも宿はある、行きましょうよと指図してきました。 いやいや、宿代がないから車中泊なんだと言うと、安い宿もあるよと重ねての指図。
ようやく断って境内に入ると、地下に万体観音洞というのがありました。 -
【 万体観音洞 】
寄付をすると、あらかじめ並べられている観音像の1体に名前をつけてもらえるらしく、多くの人がそこに縫いぐるみを縛り付けています。
左側はまだ「売れていない」のでしょう。 -
【 道の駅「滝宮」 】
寝場所が見つからず走り回った末に、道の駅「滝宮」という所に着きました。
優雅に踊る武士の像があり、説明文によれば国指定重要無形民俗文化財「滝宮の念仏踊り」だということです。
この辺りで西暦888年に大干ばつがあり、当時讃岐守であった菅原道真が城山神社に七日七晩こもって祈ったところ雨が三昼夜にわたって降ったそうです。 村人たちは道真の徳を称えて踊り、のちに法然上人が念仏を唱えながら踊るように振付をしたのが、この踊りだそうです。 -
【 第七十九番天皇寺 】
境内にはクチナシの花が咲いていました。 と今では書けますが、最初はそれがクチナシだとは分かりませんでした。 香りと葉は紛れもないクチナシなのですが、花の形が違います。
写真に撮り、その晩ネットで調べたところ、なんと私の知っている花は改良された園芸種で、ここにあるものこそクチナシの御本家なのだということ・・・、まあ、すぐに調べられて便利な世の中になったものではありますが、その分、自分の無知を思い知らされる場面が増えて、忸怩たる思いです。 -
【 第八十番国分寺 】
正面の本堂について、説明板がかかっています。
「往古の講堂にして、鎌倉中期の建造物で実測九間四面の規模を有し、本瓦葺単層屋根入母屋造りで廻縁を有し、柱は円柱、組物は和洋出組、軒は二重繁垂木で、内部は内・外陣に分かれ、内陣天井は鏡天井、外陣は格天井となっている」
・・・読んでも分かりません。
続いて十一面観世音菩薩像についても説明がありますが、これまた読んでも分からない悪文です。 おそらく書いた本人もこれでは分からないと思ったらしく、そのあとに赤い字で「即ち、願いを叶えてくれる観音様であります」と書き足してあり、思わず笑ってしまいました。 -
【 願掛け金箔大師 】
願い事をする人は金箔を買ってこの大師像に貼りつけるのだそうです。
立札に金箔の貼り方が書いてあり、その上に先祖供養・水子供養・家内安全・身体健康・病気平癒・商売繁昌・良縁成就・厄除祈願・除災招福・合格祈願他、とあります。
まあ、ご利益の大売出しみたいで、もうちょっと寺としての矜持はないものかと思ってしまいます。 -
【 第八十一番白峯寺 】
昔、この辺りに相模坊という天狗が住んでいたそうです。
ある夕方、白峯寺に急な来客があり、和尚さんは小僧に麓の村まで行って豆腐を買ってくるように言いつけました。
小僧が暗い道を恐る恐る下っていくと、突然天狗が現れ、小僧を背に載せて寺まで連れ帰りました。 小僧はいつの間にか手に豆腐を持たされていました。 しかもその豆腐は京の都にしか売っていない絹ごしの豆腐だったということです。 -
【 第八十二番根来寺 】
手摺りに皆が集まって。 わかる、わかる! -
【 根来寺・牛鬼 】
この辺りに昔、牛鬼と呼ばれる妖怪がいて、人や牛を食い殺していたそうです。 困った村人は弓の名手山田蔵人高清に牛鬼を退治してくれるようお願いしました。 高清は根来寺に戦勝祈願をして牛鬼を追い詰め、ついに退治します。
駐車場の近くの藪の中に立つブロンズ像は、その牛鬼です。 あまり目立たないので、多くのお遍路さんは見逃していると思いますが、そのちょっと控え目な立ち位置からしても、ちょっと間の抜けた(?)表情からしても、あまり憎めない妖怪です。 -
【 第八十三番一宮寺 】
本瓦の入母屋に唐破風と、本格建築の大師堂です。
「一宮」とつくぐらいですから、国分寺と並ぶ高格のお寺なのだと思います。 ただ、お寺なのにどうして一の「宮」とつけたのでしょうか? -
【 檀ノ浦古戦場 】
一ノ谷で敗れた平家は対岸の屋島に逃れたのですが、義経はまたしても平家を急襲します。 写真中央は檀ノ浦で、そこを流れる相引川は、当時は干潮になると馬でも渡れたそうです。 義経はそれを見て向こうの五剣山から駆け下り、どぎもを抜かれた平家は写真左の瀬戸内海に逃げたということです。
ですからこのときの戦いを檀ノ浦の戦いというそうですが、長門の壇ノ浦と紛らわしいので、屋島の戦いという言い方をするようになり、この場所の案内板には檀ノ浦古戦場・屋島古戦場と両方が書かれています。
「お母さん、分かりにくいね。 ここは屋島、あの那須与一の屋島だよ」
念の為ですが、ここは木へんの檀ノ浦。 源平最後の決戦場となったのは下関の壇ノ浦で、これは土へんの壇ノ浦。 私がこの違いを知ったのは修学旅行のバスガイドさんからです。 歴史の先生も教えてくれたとは思いますが、覚えていません。 まあそれは、先生とバスガイドさんでは聞く方の気持ちが違いますからね。 -
【 屋島駐車場 】
屋島寺へは、屋島ドライブウエイという有料道路を通らないと行けません。 領収書に往復と駐車料金込みだと言い訳がましく書いてありますが、無料の一般道路が別にある訳ではないのですから、払う方としてはあまりいい気分ではありません。
高松市もそういう声は気になっていたらしく、7月21日から無料になるということでした。 といって、今日は6月9日、料金所の前でそれまで待っているという訳にもいきませんから、渋々払います。
その駐車場、案内所の壁に有名な『弓流し図屏風』が転写されていました。 -
【 第八十四番屋島寺 】
手入れの行き届いた境内ですが、どうも以前の記憶と重なりません。 4~5回は来ている筈なのに、まったく記憶にないということは、脳の老化がかなり進んでいるということだと思います。
白状すると、さっきの『弓流し図屏風』も初めて見たような気がします。 -
【 蓑山大明神 】
境内に蓑山大明神というのがあって、大きな狸の像があります。 太三郎狸というのだそうで、あの阿波狸合戦のときに金長狸と六右衛門の争いを仲裁した狸だそうです。
このことは初めて知りましたし、実はここにこういう神社があるということも、まったく記憶にありません。 -
【 八栗ケーブル】
八栗寺に行くには、まずケーブルカーで五剣山に登ります。 あの義経が駆け下った山です。
ケーブルカーの乗客は往きも帰りも私一人。 これで経営が成り立つのかと心配ですが、運転手は高校生のアルバイトかと思われるような若い娘さんで、車掌も兼ねているようです。 人件費の節約ではありましょうが。
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【 上り下りのすれ違い 】
ケーブルカーの楽しみの一つはこのすれ違いですね。 -
【 第八十五番八栗寺・四国八十八ケ所石仏霊場 】
山奥のお寺とは思えない豪壮な堂宇が並ぶ中に、インスタント遍路があります。
初めのうち、私はあちこちにあるこの手の「霊場」に、ある種の嫌悪感を抱いていました。 インチキ、ずる、手抜き・・・そういう言葉を連想しました。
でも、いろいろなお遍路さんを見ているうちに、考えが変ってきました。
本当に八十八か寺を回れるのは、かなり恵まれた人だけではないのか? 時間、お金、体力、その他家族の理解、留守にしてもいい家族の健康というように考えていくと、真面目な人だったら必ずできるというわけではないことが分かってきました。
だったら、条件に恵まれた人だけが仏様やお大師様の功徳を受けられるという遍路はゆがんでいるのではないか? 階段を上れない人、時間をとれない人、お金のない人、字の読めない人・・・。
仏様・お大師様は、そういう人を見捨てるどころか、条件が合わないのに自分のできる範囲で一所懸命お参りする人に慈愛の御手を差し伸べてくださるのではないか、そう思えてきたのです。
「ミニ遍路」は、実際に全部のお寺を回るだけの条件に恵まれていない人のことを考えた、ありがたい施設だとさえ思えてきました。 -
【 八栗寺・無人の境内 】
そう思いながらこうして人のいない境内を歩いていると、今自分がここにいられるということが、つくづくありがたく思えてきます。
世の中には配偶者を亡くした人は星の数ほどいる筈で、その中で四国遍路をしたいと思ってもできない人がまた沢山いると思います。 そういう人は、もし可能ならミニ遍路をしてみたらどうでしょうか。 それもできない人は、代参を頼んでもいいと思います。 それもできない人は、自宅で四国の方角を拝んだらどうでしょう。
一番大切なことは、物理的に足を運ぶということではなく、心だと思うのです。 -
【 道の駅「源平の里むれ」 】
この日の宿は、道の駅「源平の里むれ」です。 房前公園という広い公園と一体になっていて、妻との日課になっていたウォーキングもできます。
「お母さん、歩いてみっか?」 -
【 公園のオブジェ 】
彫刻です。
「手? 尻? こういうのって、わっかんねえなあ。 熊・・・こっちは分かるよ」 -
【 第八十六番志度寺 】
遍路11日目、家を出てから14日目、私の誕生日です。
もとより誕生日の嬉しい歳ではありませんが、74になり、妻より10年長く生きたことになってしまいました。 それが申し訳なく、妻が可哀想で、かける言葉もありません。
人は「奥さんの分まで長生きして」と言いますが、私が長生きしたって、妻の人生が長くなるわけじゃなし、何になるというのでしょう?
妻が、待っていた筈の楽しい20年を断たれたというのに、私がその20年をもらってちゃっかり楽しめというのでしょうか?
重い気持ちを引きずって、あと3か寺に向かいます。
志度寺は、広い境内を埋め尽くすように低木が植えられ、さながら迷路のようです。 -
【 海女の墓 五輪塔群 】
日本史の勉強で必ず出てくる藤原不比等。
唐の高宗の妃から贈られた玉を志度の海で竜神に奪われてしまい、こっそり取り返しに来た。そこで純情可憐な海女と不倫をして房前が生まれた。海女は不比等の事情を知って自ら海に潜り竜神と戦って玉を取り返したものの、戦いで負った傷で死んでしまう。
後年、大臣となった房前はこの地に石塔を建てて母の冥福を祈った。
という、なんとも信じがたい物語を背負った「海女の墓 五輪塔群」で、さぬき市指定の有形文化財だそうです。 -
【 志度寺・本堂 】
納経所はさながら土産物売り場のようになっていますが、無人で、呼び鈴を押すようにと書いてあります。
押せども押せども応答はありませんでしたので、厨房(?)のような所に首を突っ込んで大声で呼び続けると、ようやく返事があり、それからかなりしてTシャツ姿の若いお坊さんが現れました。
こちらの挨拶に返事もせずに硯に墨汁をドボドボと注ぐと、立ったまま御朱印を押してくれました。 -
【 第八十七番長尾寺 】
志度寺とは打って変わって、殺風景といえるくらい植栽のないお寺です。
まあ、やぶ蚊がいなくて助かりますが。 -
【 第八十八番大窪寺 】
とうとう、最後のお寺に着きました。
さぞかし達成感が湧き上がってくるものと思っていましたが、何の感慨もありません。 逆に、妻にしてやれたのはこのくらいのことかと、自分の無力さが情けなくなったくらいです。 -
【 大窪寺・本堂 】
八十八霊場といいますが、そのうち八十か寺ほどは今回初めてお参りしました。
四国遍路という言葉に漠然とした思いがあり、そのうち、そのうちと思っていましたが、妻の死がなかったら一生実現しなかったかも知れません。
妻が背中を押してくれたのかどうかは分かりませんが、何でも途中で簡単に諦める私が最後まで来られたのは、妻を慰めたい一念があったからだと思います。
今さらながら、妻あっての私だということを思い知りました。
全部回ったということ、妻は分かったでしょうか?
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (10)
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- 栗マリさん 2021/12/06 00:12:34
- お疲れさまでした
- ねんきん老人さん、八十八ヶ所巡礼達成されておめでとうございます。奥様もきっとお喜びでしょう。コロナが終息したらまた旅に出て下さい。奥様がきっとねんきん老人さんを守って下さいます。
- ねんきん老人さん からの返信 2021/12/06 09:31:48
- 自分でもよく回れたものだと・・・
- 栗マリさん、書き込みありがとうございました。
なんでも簡単に諦めてしまう私が、とにもかくにも八十八ケ所を回れたというのは、自分でも驚いています。
仰るとおり、コロナが収まったら出かけたいですね。 今はせっかく行った先が閉鎖されていることが多くて、私のように年金をやりくりして出かける者にとっては悔しいことばかり・・・。
千葉県ナンバーの車で他県の駐車場に停めている間はどうも気が咎めますし。
栗マリさんも感染には十分お気をつけて、次の旅行に備えてください。
どうもありがとうございました。
ねんきん老人
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- ふわっくまさん 2020/07/15 08:24:48
- 四国八十八ヶ所巡り
- ねんきん老人さん、おはようございます。
四国八十八ヶ所を丁寧に廻って来られて、私のお遍路旅など大雑把なものだったなぁと朝から自分が恥ずかしくなりました・・
今でもはっきり覚えているのが、雲辺寺ロープウエイです。
スイス製のものだったそうで、確か運賃がお高かったように記憶しています。
・・五百羅漢像をお知り合いの方に例えてみる ねんきん老人さんのユーモアに、またホッコリさせていただきましたが・・
そして弥谷寺の百八階段が「いやだね寺」も、思わず1本!と感じました。
最後に大窪寺本堂前での奥様の、お花をバックにしたお写真を拝見して・・
「お父さん、お疲れ様でした。一緒に廻ってくれて、ありがとう。」と、おっしゃっている気がします。
ふわっくま
- ねんきん老人さん からの返信 2020/07/15 10:14:52
- 3年前にタイムスリップしました。
- ふわっくまさん、お早うございます。
3年も前の旅行記にお目をとめていただいて、ありがとうございました。
お遍路の何たるかも分からぬまま、やむにやまれぬ衝動だけで出かけた四国でしたが、どうにか形だけは全寺を回ることができて、そのときの納経帳は今でも仏壇に供えてあります。
ふわっくまさんもお遍路に行かれたのですね。 実際に行かれた方に読んでいただければ、私の拙い文章でも各寺の様子を思い出していただけたのではないかと嬉しくなりました。
それと、ふわっくまさんが書いてくださった「お父さん、お疲れ様でした。一緒に廻ってくれて、ありがとう。」という一節を読んで、不覚にも涙が溢れました。
妻がそう思っていたなら嬉しいと思い、旅行記を読みなおしました。そして最後にふわっくまさんの書き込みのところまで読んで、また涙が流れ落ちてしまいました。
妻の気持ちを思いやってくださったふわっくまさんの書き込みに、妻もきっと喜んでいると思います。
本当にありがとうございました。
ねんきん老人
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- sanaboさん 2018/03/19 18:19:09
- ご無事に結願されましたね。
- ねんきん老人さん、こんばんは
四国八十八カ所をご無事に巡られ結願されましたこと、おめでとうございます。
お疲れ様でした。 奥様への何よりのご供養となったことと存じます。
ご夫婦の強い絆を随所で感じることができ、私たち夫婦もこのようにありたいと願っております。
ずぶ濡れになったねんきん老人さんを守ってくれたのは、やはり(奥様が買って下さった靴ではなく)奥様なのではないでしょうか…。 全てのことは繋がっており巡り巡ってそのような形で、ねんきん老人さんのことをいつも案じていらっしゃる奥様が、たとえこの世にお姿がなくとも、見守って下さっているように感じられます。
桜の便りも届き始めましたね。
まだまだ寒暖差がありますので、どうぞくれぐれも体調管理にはお気をつけ下さいませ。
sanabo
- ねんきん老人さん からの返信 2018/03/20 11:52:10
- 今日も雨。でも大丈夫です。
- sanabo さん、お早うございます。
示唆に富んだご教示をいただき、ありがとうございました。
「ずぶ濡れになったねんきん老人さんを守ってくれたのは、やはり(奥様が買って下さった靴ではなく)奥様なのではないでしょうか…。 全てのことは繋がっており巡り巡ってそのような形で、ねんきん老人さんのことをいつも案じていらっしゃる奥様が、たとえこの世にお姿がなくとも、見守って下さっているように感じられます。」
「すべてのことは繋がっており巡り巡って」というお話には心底納得がいきます。そう思えば、私を守ってくれたのは靴ではなく妻だったというお言葉が胸に沁みます。
考えてみれば、今私は妻に心配をかけないように、生前の妻が〝うるさく”言っていたこと、たとえば「刺身に醤油をかけ過ぎないように」とか「毎日歩くように」とかいうことを守って生活していますが、そういうことは「自分のため」というより「妻を喜ばせたい」というだけでやっていることで、結果的にそれが私を守っているのだと思います。
sanabo さんに言われて、あのとき俺を守ってくれたのはお母さんだったのか、と素直に思えてきました。
偶然今日は雨で、室内に雨音が聞こえるほど降っていますが、あの日のことを思い出しながら雨を眺めています。
庭には、妻が貰ってきたレンギョウが大きくなって咲き誇っています。
いつも心に響く書き込みをしてくださって、本当にありがとうございます。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
ねんきん老人
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- frau.himmelさん 2017/11/16 23:12:44
- 感動しました。
- 四国霊場巡り八十八か所、完結おめでとうございます。
何を見ても何を聞いても何を食べても、奥様のことを思いださない日がないねんきん老人さんのお気持ち。私も胸を痛くしながら読ませていただきました。
ふと、つい先ごろ夫を亡くした友人のことを思い出しました。
「お母さん、急がなくていいからね。あとからゆっくり来てね。その時は入り口で待っているからね」。
友人の旦那様の最後の言葉だったそうです。
ねんきん老人さまの奥様もきっと同じように思っていらっしゃるのでしょうね。
- ねんきん老人さん からの返信 2017/11/17 09:57:34
- 良いお話をありがとうございました。
- frau.himmelさん、お早うございます。
私的な泣き言を並べただけの駄文にお付き合いくださり、その上書き込みまでしてくださって、ありがとうございました。
妻が一人で心細い思いをしているのではないかと思うと、早くそばに行ってやらなければという気持ちばかりが募り、一日も早くその日がくるようにと毎日神仏に祈っておりますが、frau.himmelさんのご友人の旦那様が仰った言葉を読み、もしかしたら妻は穏やかな気持ちで私の追いつくのを待っているかも知れないと思いました。
私の自惚れではありましょうが、妻は私を頼りにしていたと思いますので、一人にしておくことは可哀想でなりません。私が追いつくまで寂しさに震えているのだろうと、気が気ではない毎日です。
ですが、もし妻がfrau.himmelさんのご友人の旦那様のように穏やかな気持ちで待っていられるのでしたら、私にとってこんな嬉しいことはありません。
本当に良いお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。
これからもまたよろしくお願いいたします。
ねんきん老人
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- olive kenjiさん 2017/11/05 13:12:39
- 香川を代表して御礼とお詫び
- ねんきん老人さん 結願なされましたことお疲れさまでした。
香川の者として、金儲け主義や不愛想な住職などをお目にしたこと恥ずかしく、心苦しく思っています。代表しましてお詫び申しあげます。
といえども私など香川のお寺五つほどしか行ったことなく、この旅行記は大変参考になりました。知らないことばかりでした。今後の参拝に活用させて頂きます。
なるほどなと思ったことでは、確かに善通寺など大きな有名なお寺には沢山のお遍路さんみかけますが、小さなお寺にはそれ相当に少ないですよね。これ不思議ですね。同じ人数の方がお遍路しているはずですが。これは宗教学の問題でなく数学確率論の問題になるのでしょうか。
表紙の写真はとっても素晴らしくアート作品かのごとくです。
しかし、湯だめうどんの写真はだめですね。もううどんがだらんと出汁碗の中へ寄り添っています。
疲れたおじさんが寝ているかのようなうどんであります。
またうどん講釈があったようですが、300円位の食べ物に講釈はいらんです。どうせするなら数万円位の料亭料理について言ってほしいです。もうこの類が多くて讃岐人として困っております。
香川に来たのでしたらお会いしてご馳走でもしてあげればよかったのでしょうが。会わないからいいのかもしれません。
4Tで気が合うからと言っても、実際会えば、イメージしていたような面白い人物どころか陰険、気が合わない、話が続かないと言うこともあり得るかもしれません。
この4TもSNSというのでしょうか、自分でやっていながら不思議な気持ちや疑問に思ってくることがあります。
ラストの大窪寺での写真と文章がとっても印象的でした。
本当に先輩と奥様、長い巡拝ご苦労様でした。
- ねんきん老人さん からの返信 2017/11/05 17:02:23
- いやいや、香川はすばらしい所です。
- olive kenji さん、書き込みありがとうございました。
金儲け主義のお寺は香川の問題ではなく、私の住む千葉県もしかり、全国的な問題だと思います。
すべてのお遍路さんが88か寺を回るとすれば、どこのお寺も同じ人数のお遍路さんがくる筈なのに、明らかに人数が違うというのは変な話ですが、olive kenji さんの「これは宗教学の問題でなく数学確率論の問題」という指摘には妙に納得してしまいました。
300円位の食べ物に講釈はいらん、という一刀両断の一言にも、思わず笑ってしまいました。
今度、あの講釈師に会ったときに言ってやります。
会わないからいいのかも知れないというのはその通りだとも思いますが、会ったからいいということも沢山ありますので、機会があればお会いしたいものだと思います。
自分が幻滅されることは分かっていますが、若いころに「清楚な美人」と思って文通をしていた相手に会うのとはわけが違いますから、期待値が低い分、お許しいただけると思います。
大窪寺での写真は載せることにかなりのためらいがありました。
4トラがクチコミサイトであることをわきまえずに、私的な写真を多用することはご批判のもとだと思ってのことです。
ですが、自分としては妻のために思い立った遍路ですし、妻を意識しなければ途中で挫折していたであろうことも考えて、自己満足のために載せてしまった次第で、なんともお恥ずかしい限りです。
四国巡拝を4編に分けて書き綴った長々しい旅行記でしたが、全編をお読みいただいて、本当にありがとうございました。
ねんきん老人
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