厳島神社最大の神事、宮島管絃祭~月下の暗い海を進むかがり火の管絃船とそれを曳航する江波・阿賀の船。対岸の地御前神社からの復路6キロは、平安雅楽の一方で、必死に櫓・櫂を漕ぐ男衆の勇壮な姿もなかなかの見どころです~
2017/08/08 - 2017/08/08
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たびたびさん
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宮島は当然もう何度も訪れているのですが、考えてみると嚴島神社の管絃祭は聞いたことはあってもまだ見たことがない。人出が一番多いイベントは水中花火大会でこれは二回見たことがありますが、宮島の歴史を考えれば、やっぱり嚴島神社の最大の神事、管絃祭でしょう。それ以上のものはありませんよね。今回は、事前に観光協会に観光船の予約を入れて準備万端。乗り込みました。
管絃祭は、いわゆる渡御が見どころ。厳島神社から対岸の地御前神社までの往復を江波・阿賀の舟に曳航されて、神輿にあたる御鳳輦(ごほうれん)を載せ、雅楽を奏でながらの御座船が進みます。日が暮れるとともに、月に照らされた暗い海上にはかがり火に照らされた御座船が浮かび上がり。一方の江波・阿賀の船は漕ぎ手の男衆が太鼓に合わせて、エイヤーエイヤー。伴奏する観光船からはそれを間近に眺められて、これは興奮せずにはいられませんね。
ちなみに、神事がこのような形になったのは、江戸時代中期、元禄14年(1701年)の出来事がきっかけ。当時、宮島はまだ人が住んでいなかった時代ですが、管弦船が対岸の地御前神社から宮島へ帰る途中、急に風雨が激しくなり、転覆寸前となります。その時、九州からの帰路、厳島神社に参拝する予定だった江波村の伝馬船と、嵐を避けて錨をおろしていた阿賀村の鯛網船とが管弦船を救援し、本殿まで曳航して行ったというのです。なので、今でも、江波の船はいわゆるオールである十四丁の櫂を備えた漕伝馬、阿賀の船は六丁の櫓(ろ)を用いるお漕船の形式です。いずれにしても、すべて推進力は人力。それでもかなりの速さがあって、エンジンで走る観光船にも負けていない。滑るように進んでいました。
観光船から上がると、今度は御座船を迎える長浜神社へ歩いて向かいます。こちらは、提灯行列もかわいらしくて、ちょっとほのぼの系。御座船の方はここから厳島神宮に戻って祭りは終了となりますが、時間が時間だけに、私はここで切り上げました。
それにしても、期待以上に優雅で勇壮。宮島の長い歴史を感じるとともに、なんだか深遠な気持ちにもなる素晴らしい祭りだったと思います。
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宮島に渡る前に、前々から気になっていた高津堂へ。
こちらは、元祖もみじ饅頭の店。明治39年に、初代高津常助がつくった「紅葉形焼饅頭」というのが原型ということです。ただ、お店は、宮島口駅から線路沿いに少し歩いた場所なので、観光客にとってはちょっと不便な場所かもしれません。 -
店内に入ると、奥には職人さんの姿が複数見えてなかなか活気がありますね。
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いただいたもみじまんじゅうは、
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これ。
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イチオシ
モチっとした皮なんですが、ふんわりタイプに慣れているので、逆にちょっと違和感があるような。特徴あるもみじ饅頭です。
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ついでに、渡船乗り場の手前のみせん本舗 岩むらにもお邪魔します。
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いただいた粒餡のもみじ饅頭ですが、柑橘系の香りがして、あれっという感じ。包装に洋風という文字が見えましたが、そういうことですか。しかし、ちょっとひねりすぎのような気もしなくはない。もみじまんじゅうは普通でいいと思います。
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さて、連絡船に乗って、
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ほどなく、宮島桟橋に到着。
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たくさんの人が下りて行きますが、でも、今日が宮島の管絃祭だと知らない人も多いかも。まだまだ、日暮れまでには時間もあるし、そこまでいようと思うと大変です。
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桟橋から厳島神社と反対側。長浜神社の方も確認しておきます。
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長浜神社は、対岸の地御前神社から戻ってきた御座船が立ち寄る神社。
海に向かって小さな赤い鳥居があって、道路を挟んで本殿が建っています。 -
この辺りは、普段だと観光客もほとんどいない寂しい場所なんですが、
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さすがに祭りの日なので、提灯が下げられたり、賑やかな雰囲気です。
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ついでなので、杉之浦神社の方にも足を延ばしてみます。
とは思ったものの、なかなか遠い。 -
美しい入江が現れて。ここですね。
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ところで、宮島は周囲約30kmもある大きな島。浦々にはそれぞれに神社があって、この神社もその一つなんですよね。渡船乗り場から包みが浦方面に向かって3kmくらい行った海岸端。
ただ、別にどうということはなくて、この浦にもやっぱり神社があったよねという感じかなと思います。 -
散々歩いて、桟橋の方に戻ってきました。そこから町家通りに入ったところが存光寺。宮島桟橋からトンネルを抜けて、すぐ。本尊の薬師は一畑薬師なのだそうです。
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門は閉まっているように見えますが、脇戸は自分で開けて入れます。街中でも深山のような境内の雰囲気が少し味わえると思います。
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町家通りから厳島神社に向かいまして。
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町家通りの中ほどにあるのが、CAFE HAYASHIYA。けっこう歩いたし、ここらで休憩が必要です。
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イチオシ
店内の大きな大理石のカウンターに座って、かき氷をいただきました。柑橘系のシロップは新鮮さも感じるし、ヨーグルト味なんかも隠し味になっていて、奥行きのある味わい。ほー、なかなか研究しましたねという感じ。焼き牡蠣のはやしの娘さんがやっているんだそう。しっかり、本物の味を追求しています。
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元気が出たところで、嚴島神社に向かいます。
嚴島神社の裏手から反橋が見えます。かつては勅使がこの橋を渡って本社内に入ったという橋。赤い意外に大きな規模の橋です。
現在の橋は、毛利元就・隆元父子によって再建されたもの。毛利にとっては、宮島は陶氏を破った縁起の良い場所。この堂々とした姿にも感謝の気持ちが現れているように思います。 -
イチオシ
西松原の方から海岸に降りると、例によって、厳島神社の美しい眺め。
千畳閣と五重塔をバックにして -
厳島神社の優雅な社殿が広がります。
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イチオシ
そして、社殿の周囲を囲む赤い廻廊が
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厳島神社の最大の特徴。平家は滅びましたが、清盛はまったくいいものを残してくれました。
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さらに奥に進んで、これは嚴島神社の能舞台。国の重要文化財に指定されている5つの能舞台のうちの1つで、福島正則が寄進したものです。
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厳島神社の拝観コースの途中にありますが、潮が引いている時だとこうして浜の方から歩いて近くまで行けるんですね。下から見上げるとけっこうな大きさ。潮が満ちれば海に浮かぶ舞台となる。雅で荘厳な雰囲気が想像されました。
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再び、陸に上がって。
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ここから経塚へ。ちなみに、経塚は、清盛が一族の繁栄を願い、一字一石経を埋めたと伝えられるもの。通りから石段を登った小高い山の上なんですが、この石段って、まるでハシゴみたいに急でちょっと危ないですね。
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石の塚は昔の写真だともうちょっとあったはずなんですが、いまは崩れてしまったのか、
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根っこの方の石しか残っていませんでした。
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厳島神社の方に戻ってみると、沖の方では観光船がいくつも出ていて、神事が始まるようですね。ただ、予約した観光船は、もっと時間が遅いので、焦る必要はありません。
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商店街をぶらぶらして、晩飯も食べましょう。
古今果ancoは、宮島表参道商店街のなかほど。 -
宮島新名物という「揚げあんぱん」を一つ買ってみました。表面にカリカリのコーンフレークをまぶしたのが新味でしょうか。それに餡子の甘さは安定しているのですが、ちょっと小さいかなあという気はしなくはありません。
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吉川七浦堂も、清盛通りの中ほど。こしあんで勝負する創業90年の老舗というのですが、見た目は少々ふるぼっけた感じで、申し訳ないですが流行っているようではないですね。
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ただ、ここでももみじ饅頭の食べ比べ。と。。。いやこのもみじ饅頭。確かにこの滑らかな味わいの餡子のうまさは秀逸。1個70円と値段を安めに設定してますけど、それが誤解を生んでいる可能性もある。もっと価値あり。しっかり自信を持って販売してほしいと思います。
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山一料理店は、宮島桟橋を出てすぐ。広場の向かい側です。
店内に入ると意外な広さがあって、老舗の香りもムンムン。混んでいたので二階に通されましたが、こちらも大広間になっていて、この開放感は他の店にはないものでしょう。 -
気分のいいところでアナゴ飯定食を注文。ここのアナゴ飯はご飯にも味が付いているというのがウリだそうですが、本当に薄味で変な気取りがありません。
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イチオシ
宮島の老舗というのはこういうものかとちょっと感心させられました。
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さて、時間が近づいてきて、桟橋前のこのテントで受付をします。
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皆さんも、徐々に集まってきましたよ~
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時間になって。係の人に先導されて、観光船に向かいます。
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いよいよ、出港。宮島観光協会の人が管絃祭の見どころを詳しく説明してくれます。
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だんだん日は暮れてきていますが、まだそんなに気分はでてきませんね。まあ、普通の光景です。
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対岸の地御前神社に到着。船が浮かんでいますが、遠過ぎてなんかよく分からない。
係の人が江波の船がどうとか、阿賀の船がどうとかまた説明してくれるんですが、うーん。 -
御座船の方はまあまあ。地御前神社に向かって雅楽の演奏をしているようです。
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観光船は、我々の乗った船の他にもう一隻あって、これがその船。同じく、まだ待機しています。
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これは先導する舟。船団は、この船の光を頼りに進みます。この船が動き出しましたから、もうすぐですね。
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やっと暗くなってきて、少しづつ気分が出てきたような。
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御座船も動き始めましたよ~
宮島に向かう前に、ここで三匝といって、三回回転します。 -
これは、阿賀の船。電気を煌々と照らしています。
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御座船を引っ張っるために、御座船の方に近づいて行きます。
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阿賀の船は、二艘。
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御座船と結んで、
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さて、出発のようです。
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観光船の方ですが、こちらも少しづつ近づいて行きます。
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ほー、
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なるほどー
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イチオシ
煌々と電気が点いているし、櫓(ろ)を操る男衆の姿がちゃんと見えますね。
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これならOK。安心しました。
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さて、船団は力強い男衆の手によって、
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徐々にスピードが上がって行きます。
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ドンドンドン。漕ぎ手の息を合わせるための太鼓の音が響いて。とっても、勇壮じゃないですか。
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かがり火を焚いた御座船の方からは雅楽が聞こえてきて、こちらの船は優雅なもの。こちらは阿賀の船に曳かれて、もう安心しきった感じ。長浜神社に向かって、曳航船にすべてを委ねます。
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観光船がすぐ近くまで寄せて行くので、船上の様子がはっきり分かる。太鼓を叩く人の姿もはっきり確認できますよ~
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観光船は、船団の側面を走りますが、
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時として、かなり近づくので
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これはいいです。
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イチオシ
皆さん、身を乗り出して
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船団の様子を目を見張って眺めています。
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ちょっと分かりにくいかもしれませんが、
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阿賀の二艘の船に挟まれて、オール形式の江波の船もいます。
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阿賀の船と違って
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江波の船は、光が灯っていないので見えにくいんですが、
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暗いのに慣れてくるとこれもはっきり見えてきます。
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江波の船は、
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太鼓もないので、むしろ、ひたすら漕ぎに漕ぐ。
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オールが揃って、エイヤー、エイヤー。まさにエンジン全開です。
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イチオシ
うーん、
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いい、いい。
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平安絵巻といった説明もありましたが、
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必死で船を漕ぐこの勇壮さがなければ、
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祭りの感動はここまでのものにはなっていないでしょう。
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たまたまの遭難事件があって、このようなことになっているのですが、
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祭りはそうした偶然も乗り越えて、
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進化して行く。
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御座船だけでも神事としては成り立つんでしょうが、
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やっぱりさみしい。
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イチオシ
瀬戸内の静かな海には違いありませんが、それでも海には危険が付き物。
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かつての遭難の記憶をとどめることで、海への感謝の気持ちとともに、
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神への祈りの心が自然に湧いてくるのも
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当然なくはないでしょう。
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大潮の日を選んで行われる神事ですが、それはまた満月の夜でもある。ちょうどいい塩梅に月が出てきて、曳航する船を静かに照らします。これもまた見どころの一つでしょう。
さて、ここで観光船は船団と別れ、速力を上げて一足先に宮島桟橋へと向かいます。 -
宮島の海岸では提灯を振って、御座船を待つ人たち。
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ここでは、かわいらしいちょうちんに、ちょっとほっこりする気分です。
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桟橋から長浜神社へ大勢が待ち受けていますよ~
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鳥居の前に、御座船が到着して、
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イチオシ
ここで御鳳輦に祈りをささげます。
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しばらく祈りが続いて、
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これも厳かな一場面です。
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先導の船は傍らに待機。ここから最終目的地である本殿はもう目と鼻の先です。
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さて、もう10時過ぎ。広島市内まで帰るので、これ以上あまり無理はできない。ここらで退散しましょう。
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ミス宮島の皆さんの写真を撮らせてもらって、ハイおしまい。
無事に宮島管絃祭の観光は終了です。おつかれさまでした。
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