日光 二社一寺と今市・鹿沼も途中下車の旅(一日目)~例幣使街道の宿場町であった鹿沼は、今宮神社の例大祭、鹿沼秋祭りの街。一年を通じて、祭りの豪華な屋台が観光の中心です。その後は、日光安川町地区で旧市街をちょこっと巡ります~
2017/09/07 - 2017/09/07
3位(同エリア173件中)
たびたびさん
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東武日光線の沿線の鹿沼、今市、日光。同じ日光のエリアのようでいて、そうでもないような。。
東武日光線は日光街道に相当するという認識だったのですが、調べてみると日光の辺りになるとそれは微妙に違うよう。日光からの日光街道は、今市からだと宇都宮の方に延びているんですね。
ということで、整理すると三つの関係は、鹿沼は中山道の倉賀野宿から分かれる例幣使街道の宿場町。今市は基本、日光街道の宿場町なんですが、例幣使街道はここで日光街道と接続するという関係。それぞれは違う宿場街なので、違う歴史と文化もあるでしょう。
一日目は、鹿沼に途中下車して、市街を散策。その後、日光に入ることにしましたが、いずれにしても、鹿沼は祭りの街ということ。そして、観光のほとんどはその祭りの山車を拝見することになります。日光東照宮の彫刻は有名ですが、こちらの山車もさすがという豪華さがてんこ盛りでした。ただ、見応えがあるにはあるのですが、ここまでされるとちょっと食傷気味。リピートを考えるとけっこう限界があるかもしれません。
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鹿沼駅で途中下車して、市街の散策です。
鹿沼駅から市街中心部に入ると、まず見えてくるのはまちの駅 新鹿沼宿。常夜灯のモニュメントが目印です。 -
施設としては、駐車場も広いしほとんど道の駅と同じですが、
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休憩室が広くてそこはちょっと特徴かも。
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地元の産直野菜のコーナーとかも充実しています。
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そこから国道を少し進むと、仲町屋台公園。公園には鹿沼今宮神社祭で使用される屋台を展示する施設があります。
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見学自由の無人施設ですが、開館は9時から。
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展示室はこの奥です。
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ガラス越しに豪華な山車を見ることができまして、正面の龍の彫り物から、両脇の花鳥の類まで。
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透かし彫りに近い立体的な彫刻はこれでもか、これでもかといった豪華さです。
ここまでの彫りはあるようでないような。自慢の山車であることは間違いないでしょう。 -
清林寺は、境内に建つ19mの大きなアウナカ佛が見どころなんですが。
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山門を入って、
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本堂に向かって左手奥です。
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あまり周囲の風景と馴染んでいる感じはしませんが、それだけに異国の雰囲気は面白いかも。
スリランカ国のアウナカという地に1600年前造られた像を型取りしたものだそうですが、ただ、そもそもこの寺とスリランカとの関係がどんなものなのかは、ちょっと不明です。 -
松栄堂本店は、清林寺の通りにあるお菓子屋さん。看板商品のはとむぎサブレーをいただきました。
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ハトムギというのは、小麦よりも栄養価が高くて、この辺りで多く生産されているとのこと。そのハトムギの味わいということでもないと思いますが、香ばしく仕上がったサブレーはなかなかのもの。これなら、十分。鹿沼の銘菓と言ってもいいと思います。
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続いての御殿山公園は、鹿沼市役所の裏山と言った感じ。テニスコート、野球場などが整備されていますが、
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ここはかつて壬生氏が築いた鹿沼城があったのだとか。秀吉の北条攻めの際、北条氏に味方したことで城は破却される。壬生氏もここで滅亡したそうです。
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そこから、今度は川上澄生美術館のエリアに向かいます。
太陽堂は、その途中で目に止まった小さなパン屋さん。 -
朝早くから開いていて。餡パンが看板商品とあったので、それをいただきました。
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ボテっとした餡子の重量感が特徴と言えば特徴かなと思います。
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川上澄生美術館のエリアには、鹿沼市役所文化活動交流館という施設もありまして。
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イチオシ
鹿沼石の倉庫といった歴史的な建造物もありますが、
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これが展示室も備えたメイン施設。
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入口を入ると
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イチオシ
意外に悠々とした展示スペースがあって、鹿沼周辺の古墳群からの出土品や鹿沼秋まつりの関係を展示。
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ちなみに、祭りの屋台が見れるのは鹿沼市内では四か所あって、そのうちの一つ。古墳群からの出土品の方は写真撮影禁止ですが、祭り関係はも可となっています。
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イチオシ
川上澄生美術館は、これ。
個人の版画家を対象とする美術館としては立派な建物でしょう。
ちなみに、川上澄生は、宇都宮にゆかりがある版画家。本来は、長崎南蛮風俗、明治開化風俗が得意のようですが、この日は、大正時代、働きながら版画を彫ったという若い時期のアラスカ紀行の作品。まだまだ未開の土地だったアラスカの厳しい自然とその中での人間の営み。それらを直情的に捉えた作品が印象に残りました。 -
再び、市街中心部に戻ってきて、今度は屋台のまち中央公園の施設です。
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ここでも屋台の見物なんですが、
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ちゃんと有料だし、外観や雰囲気的にはここが一番のような。
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さて、入るといきなりこの彫刻。
すごいじゃないですか。 -
イチオシ
今でもこれだけのものを彫る力があって、しっかり伝統を引き継いでいますよということですね。なるほどー。
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何台かの屋台がありますが、極彩色の漆を塗ったタイプもあれば、白木のままの彫刻もある。
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それぞれ思いがあるのでしょうが、
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共通するのはその徹底的な彫り込み。
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もう彫るところがないくらいにびっしり彫り込まれていますね。
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イチオシ
東照宮の彫り物を想起させるような極彩色と
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唐獅子の意匠もそれと符合する。
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イチオシ
東照宮のおひざ元で、天下無双の屋台を作るんだという気概が
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隅々まで溢れているといった出来栄えです。
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ガラス越しなのがちょっと残念ですが、それぞれ現役の屋台ですし、事故がないよう大切に保管するにはこうするしかないでしょう。
いずれにしても、期待通りの施設でした。 -
ところで、鹿沼秋祭りは、市内中心部にあるこの今宮神社の例大祭です。
延暦元年(782年)の創立。 日光二荒山神社の分社的性格で、壬生綱房が鹿沼築城とともに城の鎮守としますが、その後、豊臣秀吉の関東平定で壬生氏が滅亡すると鹿沼宿の氏神となって現在に至ります。
境内は広場のような広さがあって、祭りの時には賑わうんでしょう。 -
その今宮神社の門前にあるのは、紀州屋。鹿沼名物「焼きんとん」のお店です。
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きんとんと言っても、大きく言えば、餡子のジャンル。それを求肥のお餅に包んだおまんじゅうは、ネーミングにインパクトがありますが、味わい自体はそこまでの珍しさはないと思います。丁寧に作ったお菓子という意味以上のものがあるのか。ちょっとそこははっきりしないように思います。
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屋台見物の最後は、木のふるさと伝統工芸館です。
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入口を入って、
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ここはガラス越しではなくて、直に見られるというのがウリ。
声をかけると屋台を置いた展示室の方に入れてくれました。 -
花鳥をモチーフにした女性的なデザインに特徴があって、
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これは石橋町が花街で、その屋台だからなんだとか。
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無料の施設ですが、ご主人があれこれ熱心に説明してくれました。
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イチオシ
極彩色ではあるんですが、青を抜いてのピンクと緑の組み合わせはちょっと穏やかな配色。
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ただ、そうした配色の効果は彫刻と一体となって醸し出されるもの。
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イチオシ
女性的なデザインと一言では表しきれない独創性を持っているのは一目瞭然です。
こうしてみると、鹿沼の屋台は、けっこう多彩。むしろ、あまり統一感にこだわっていないのも一つの特徴なのかなと思います。 -
そして、最後は例によって、スイーツチェックも。
松月は、鹿沼市街の中心部にある老舗の和菓子屋さん。 -
看板商品の屋台最中をいただきました。サイズがいろいろあるようですが、これは中。
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包みを開けると鹿沼祭りの屋台を象った最中が現れました。しっとりした餡子がぎっしり入って、中でもけっこうなボリュームです。
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鹿沼駅に近づいて。
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太田堂は、おばちゃんが一人で切り盛りしている豆大福のお店です。
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白くきれいな色合いの大福は出来立てみたいで、もっちりふわふわ。餡子の艶のある甘さもかなりのレベル。何度も作り続けてこの域に達しましたと言う豆大福でしょう。何気に素晴らしい逸品です。
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精光堂菓子店は、鹿沼駅前通りを正面に少し進んだ交差点そば。芭蕉のそば餅が看板商品です。
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そば餅なのでそば粉を使っているのですが、そば粉はしんこ餅のもっちり感を損なわないギリギリの分量。それでも4割くらいと言っていましたが、それでこのもっちり感って、かなりの技ではないかと思います。餡子のストレートな甘さもよくあっているし、これはいいものに出会いました。ちょっとサプライズもあるし、立派な鹿沼の名物です。
さて、以上で、鹿沼はおしまい。 -
日光に到着して、先にホテルに入ります。
日光千姫物語は、二社一寺にもほど近い旧市街の安川町の一角。なかなか構えが立派な大型ホテルですね。 -
玄関を入って、
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すぐに昼食タイム。
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ところで、日光は東日本大震災の後、原発被害も受けて影響が出ていたのですが、現在は日光東照宮は59年ぶりの大修復が終わって、大震災の前の水準まで客足は回復したよう。このホテルもけっこう賑わっていました。大宴会場や露天ぶろなど悠々とした広さで、大人数でも全然OK。朝飯も料理の品数がとても多くて、それもちょっと驚きました。
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昼飯を終えて。少し時間があるので、周辺の散策です。
綿半は、この地区に本店を構える唯一の羊羹屋さんです。 -
つまり、羊羹屋さんは、どこもこの辺りが発祥なのかと思ったら、そうでもない。むしろ、初めから大通りの方に店を構えた店が多いようです。
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小さな包みの食べやすい羊羹も揃っていて、その包みのスタイルも老舗の味わいがあるように思いました。
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磐裂神社は、さらに川の方に降りて行った辺り。
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石垣が組まれた上にこじんまりした境内。ちょっと陰気というか、ジメッとした感じがありますが、古びた神社であることは間違いない。かつては、星の宮と呼ばれ、地元の人達が氏神として崇敬している神社です。
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さらに進んで浄光寺です。
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日光開山の祖勝道上人が日光一山の菩提寺として、往生院を創設したのが始まりという古刹。山門を入ると、鐘がどうとか、古木がどうとか。あれこれいわれが説明してあって、寺の古さをアピールしていました。
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しかし、ちょっとイチイチ面倒くさい感じもあったりして、そこは微妙です。
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辿ろうとしているこの道は、史跡探勝路 含満ヶ淵・寂光滝ハイキングコース。磐裂神社の脇や浄光寺の門前を過ぎて、化地蔵の並ぶ憾満ヶ淵へ向かいます。地味というか陰気なコースなので一般の観光客にどれだけ人気があるのか疑問に思いますが、意外に欧米の観光客の姿が歩いていたり、ちょっと意外な人気です。
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そうこうしているうちに、慈雲寺。憾満ヶ淵や化地蔵の少し手前になります。
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無住の、小さなお堂のような建物が寂しげに建っているだけのところですが、化地蔵のあるのも慈雲寺の境内という関係。お堂の前に駒札があって、天海の弟子が創建し、阿弥陀如来と天海の像を祀ったと書かれていました。
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すぐに化地蔵が見えてきました。苔むした地蔵様は赤い帽子に赤いよだれ掛けをしてもらって。いったい何体あるのか分からないくらい並んでいます。
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そして、何体あるのか数を数えても数えるたびに数が違うので化地蔵。うまくつけた名前です。
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その脇を流れるのが憾満ヶ淵。ハイキングコースのハイライトです。男体山から噴出した溶岩によってできた地形に滝のように注ぎ込む川の流れがけっこう激しい。ヌメっとした表面の岩も溶岩が冷えたものだけに、全ては一体の岩なんでしょう。青い水の流れも美しいです。
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霊庇閣は、憾満ヶ淵の下手。憾満ヶ淵を正面から見下ろす川のほとりに建っているあづま屋風の建物。慈雲寺を創建した晃海大僧正が建立し、護摩供養を行った場所でもある。
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遊歩道から建物まではすぐですが足元が悪いのでちょっと注意。護摩供養が行われるような形の石の加工も分かります。
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含満ヶ淵・寂光滝ハイキングコースを切り上げて、今度は御用邸も近い大通りの方に出てきまして。
これは青龍神社。大通りの北側に参道入口がありますが、正直、ほとんど目立っていないでしょう。 -
空海の弟子が京都の醍醐の青龍神を移し祀ったという神社で、パワースポットのよう。しかし、細い参道は石がごつごつして歩きにくいし、さほどの距離のない本殿まで、向かうだけでも骨が折れます。
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その筋には他にもいくつか観光スポットがあって、これは金谷ホテル歴史館。
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お隣りのお菓子屋さんで受付を済ませて、建物に向かいます。
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この建物は、もともとは、金谷侍屋敷。
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つまり、日光の役人の官舎だった建物を買い受けて、ここで宿屋を始めたのが金谷ホテルのルーツなのだそう。世界的な旅行家、イザベラ・バードが宿泊した部屋とか、建物は大事に保存されています。
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官舎だった建物は飾り気がないようでいて、
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独特の落ち着いた美しさがある。
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イチオシ
それに目を付けて宿屋として利用しようとしたそのセンスは確かに非凡なものがあったのではないかと思います。
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続いては、輪王寺本堂からするちょっと離れた飛び地境内。
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御用邸の向かい側を少し上がった、正直陰気くさい場所に表門と赤い釈迦堂が建っていました。釈迦堂には、普賢、文殊の両菩薩像を脇侍として、釈迦如来座像を安置してあるそう。夕方だったこともあって、人けが全くない。まったく寂しい境内でした。
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釈迦堂の境内には、殉死の墓というのもあります。釈迦堂の横に大掛かりな石垣が築かれていて、その上の広いスペースに、これも巨大な墓石群が並んでしました。
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イチオシ
墓石と墓石の間隔が詰まっているのと横一線の配置なので、やはり大名墓地には見えませんが、迫力と威厳はそれに匹敵するもの。三代将軍徳川家光の死に殉じただけに、半端な扱いはできなかったということでしょう。
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八幡神社は、釈迦堂の境内と一応区別されていますが、釈迦堂からそのまま歩いて小さな赤い本殿が建つ神社に入れます。
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勝道上人が、ここに草庵を結んでいた時、天から丸石が飛んできて「八幡大自在である。国家守護のために来た」という夢を見、「飛石八幡」として祀ったのが始まりということ。傍らに駒札があり、そうした内容が書かれていました。
ここらで日が暮れてきました。一日目はこれで終了です。
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