旧ソ連の小国巡り、バルト3国ついでにフィンランド①（リトアニア）、2005年７月

2005/07/11 - 2005/07/13

　関空ってアジアにはそこそこ路線があるけれど、欧州方面は選択肢が少ないなあ。そんなことを考えていた2005年。そういえば、関空便もあるフィンランド航空ってロシアを除けば、欧州への最短コースを飛んでいるんだっけ。わざわざ成田を経由しなくていいってのは楽だな。では、ヘルシンキ経由の旅を計画してみようか。目的地に選んだのがバルト３国。比較的小さな国だから、１週間ほどの旅でも見どころをみてまわれそう。ついでにヘルシンキも寄っていこう。リトアニアからラトビア、エストニアを経てヘルシンキへ。まずはリトアニアのビリニュスから旅を始めます


日程は以下の通り

７月11日　AY78便　関空→ヘルシンキ
　　　　　AY6827便　ヘルシンキ→ビリニュス 　　　ビリニュス泊
　　12日　ビリニュス＆トラカイ観光
　　13日　カウナス観光（バス往復）
　　　　　BT344便　ビリニュス→リガ　　　　　　　リガ泊
　　14日　スィグルタ＆ツェースィス観光　　　　　 ツェースィス泊　
　　15日　リガ観光　　　　　　　　　　　　　　　 リガ泊
　　16日　リガ→タリン（バス）　　　　　　　　　 タリン泊
　　17日　フェリー　タリン→ヘルシンキ　　　　　 ヘルシンキ泊
　　18日　ヘルシンキ観光　
　　　　　AY77便　ヘルシンキ→関空（翌日着）　

エリア ビリニュス(リトアニア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩 飛行機
• 航空会社: フィンランド航空 エアバルティック
• 旅行の手配内容: 個別手配

関空から10時間、ヘルシンキのヴァンダー国際空港に到着

ヘルシンキヴァンター国際空港 (HEL) 空港

ビリュニスにはコードシェアのリトアニア航空のプロペラ機で向かいます。しかし競争の激しいヨーロッパの航空業界。小国の国営航空はやっていけず、2009年には経営破たんして運行停止に

ビリニュスの空港は小さなローカル空港でしたが、空港から市内へのバスも時刻表どおり運行してました。午後６時ごろの到着でしたが、サマータイムもあり１１時ぐらいまで明るいので、ホテルにチェックイン後に市内をかるくひと歩き。まずは大聖堂（アルキカテドゥラ）へ。残念ながら修復工事中です

大聖堂 (アルキカテドゥラ) 寺院・教会

大聖堂の手前にある鐘楼は高さ53ﾒｰﾄﾙ、基礎部分は13世紀の城壁の塔が使われいる

大聖堂の鐘楼 建造物

大聖堂内の見どころ、聖カジミエルの礼拝所を見学しつつ

大聖堂前のカテドゥロス広場にはリトアニア大公国の創設者ゲディミナス大公の像が

大聖堂の前からゲティミナスの塔へ。塔の上からはビリュニスの市街が

13世紀に建設が始まったゲディミナス城は16世紀にほぼ完成

丘の上の城博物館 (ゲディミナス塔) 博物館・美術館・ギャラリー

一部は修復もされているが、城の大部分は19世紀初め、ロシアに破壊されたという

ゲディミナス城 城・宮殿

午後８時ごろから40～50分かけて夜明けの門まで旧市街をぶらり。１年ほど前にＥＵ入りを果たしていたリトアニア。国も安定したのか、駅前やバスターミナルを含めて特に物騒な雰囲気もなし。他の２国に比べ経済発展が遅れているので、多少は治安が悪いかと思いましたが、スーパーも遅くまでやっているし、結構気楽でした

夜明けの門 史跡・遺跡

翌日はビリニュス市内を歩き回り、夕方から郊外のトラカイ城へ。まずはゲティミナス通りへ。ここにあるのは旧ソ連時代の負の歴史を残すＫＢＧ博物館。博物館には寄りませんでしたが、犠牲者へ向ける追悼記念碑が苦難の歴史を物語ってくれる

KGB博物館 博物館・美術館・ギャラリー

カテドゥロス広場を通って

マイロニオ通りの聖アンナ（オノス）教会（左）とベルナルディン教会（右）へ

聖アンナ (オノス)教会 寺院・教会

まずはフレスコ画が美しいベルナルディン教会を見学

ベルナルディン教会 寺院・教会

観光シーズンなので教会内にはツーリストが多い

そして16世紀に建てられたゴシック様式の聖アンナ（オノス）教会へ

33種類の異なるレンガが使われている教会の尖塔の美しさはほれぼれするばかり

敬虔なカトリックの国リトアニア。聖アンナ（オノス）教会の向かいにも聖ミカエル（ミコロ）教会が。街中にはホントに教会が多い

聖ミカエル (ミコロ)教会 寺院・教会

17世紀初頭、リトアニア大公国の最高位にあったレオ・サピエガにより一家の廟として建てられた聖ミカエル（ミコロ）教会

聖ミカエル (ミコロ)教会 寺院・教会

レオ・サピエガと２人の妻の墓碑だったはず

ビリニュスで面白かったのは結構、歴史があるビリニュス大学へ行った時。ここ入場料を取るんですよね。なかなか商売をしているなという感じ。日本の経営の苦しい大学も参考にしたらいいのでは、なんてね。て、ことで旧市街で最も高い鐘楼（63ﾒｰﾄﾙ）を持つ大学内の聖ヨハネ教会へ

聖ヨハネ教会の鐘楼 史跡・遺跡

６つの礼拝堂を備えた教会は見応え十分なんだけど、旧ソ連時代は倉庫として使われるなど大きなダメージを受けたという。いやもう、何とも

ビリニュス大学は1579年創立。12の中庭があるというキャンパスは落ち着いた感じ

ビリニュス大学 建造物

王冠をかぶった塔が印象的な聖カジミエル教会。支配者が変わるたびにカトリックから正教会、プロテスタント、無神論博物館と変遷を遂げてきた受難の教会。カトリックに戻ったのは独立直前の1989年とか

聖カジミエル教会 寺院・教会

かつてビリュニスを囲んでいた城壁が残るボクシュト通り。そういえばビリニュスの旧市街は他の２国に比べて境界があいまい。かなり歩く距離もあって疲れます

ボクシュト通り 散歩・街歩き

ボクシュト通り周辺は円形城砦としてきれいに整備されている。もう少し時間があれば城壁の外もゆっくり見て回ったのだけれど

結構歩いたなあ、と思いながら夜明けの門に到着。ここは９つあった城門の中で現存するただ一つの門

夜明けの門 史跡・遺跡

多くの信者が一心に祈りを捧げる聖母のイコン。信心深いとはとてもいえないし、クリスチャンでもないけど、こういうところでは少し厳かな気分になる

思ったより見どころが豊富なビリニュス。まだまだ見たりないなと思いつつ、見逃せない場所がある。夜明けの門から旧市街を眺めつつ、バスに乗ってトラカイへ

夜明けの門通り 散歩・街歩き

やっぱり湖に浮かぶトゥラカイ城は外せないでしょう、ってことでやってきました

トラカイ城 城・宮殿

ビリニュス以前、リトアニアの都がおかれていたトゥラカイ。トゥラカイ城は14世紀後半に建設されたという

14世紀後半に建設されたというトゥラカイ城。時代を経るとともに荒廃したけれど、1961年から復元が始まったという

いやあ、まさに湖に浮かぶおとぎ話にでてくるよう。時代考証とか、歴史的価値という面では微妙なところもあるかもしれないけど、観る価値は十分すぎるほど

行きは路線バスを使ったけれど帰りは鉄道で。所要時間は変わらないけど、鉄道の方が旅しているなあ、って感じがして好きなんだよなあ

13日には「命のビザ」の元リトアニア代理領事だった杉原千畝で有名なカウナスへ日帰りします。何はともあれ、着いたならまずは杉原記念館へ

杉原記念館 博物館・美術館・ギャラリー

ちょうど、行きのバスの中で亡命リトアニア人のおじさんにナチ及びソ連の占領された当時の話を聞いたのもカウナス訪問を印象深いものにしたかも。そんなことを考えつつ、ライスヴェス通りを通って旧市街方面へ

ライスヴェス通り 散歩・街歩き

新市街を貫く一本道。ビリニュスとは違ったリトアニア第2の都市

旧市街に近づくとリトアニアの最盛期を築いたヴィタウタス大公の像が。足元に従えるのはロシア、ポーランド、タタールとドイツ騎士団だとか。現在では小国に分類されるだろうリトアニアも中世では強国だった。隣国に翻弄された歴史があるだけに複雑な感情もあるんだろうなあ、っと思ってしまう

ヴィタウタス大公像 モニュメント・記念碑

ライスヴェス通りを進み、さらに旧市街のビリニュス通りを歩きつつ

ビリニュス通り 散歩・街歩き

赤レンガが美しい聖ペテロ＆パウロ大聖堂。時間があればゆっくり観光したいところ。しかし、16時前にはビリニュスに戻りたい。で、時刻は午後２時少し前。少し駆け足で街を巡らないと

聖ペテロ ＆ パウロ (ペトロ イル ポヴィロ)大聖堂 寺院・教会

13世紀にドイツ騎士団の侵略を防ぐためにつくられたカウナス城

カウナス城 城・宮殿

城といっても残っているものは塔と城壁の一部だけれど

かつては激しい戦闘が繰り広げられた城も今は穏やかに時が流れていく

もう少し時間とっておくべきだったかな

15世紀に建てられたヴィヴィウタス大公教会や

ヴィタウタス大公教会 寺院・教会

かつて雷神を祀った神殿があったと場所に建つという言い伝えのあるペルクーナスの家を駆け足で廻り

ペルクーナスの家 建造物

残念ながら白鳥に例えられる旧市庁舎は修復工事中。そろそろビリニュスに戻らなければいけない時間。急いでバスターミナルまで戻りましょう

旧市庁舎 (カウナス) 史跡・遺跡

18時20分発のエアー・バルティックでリガへ向かいます

ビリニュス空港 (VNO) 空港