2016/11/19 - 2016/11/26
66位(同エリア96件中)
ミズ旅撮る人さん
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2016年11月、インド南西部のカルナータカ州のデカン高原を巡るツアーに参加しました。
このツアーの主な目的地であるハンピに来ました。ハンピの見どころはたくさんあるので、1日半かけて観光します。初日は王宮地区とヘマクータの丘の夕日を鑑賞しました。今日は午前中にヘマクータの丘とヴィルパクシャ寺院を観光します。
ちょうど結婚式が行われていて、寺院の中は人でいっぱい。それはそれは賑やかで、次に何が行われるのか、そちらの方が楽しみで観光そっちのけです。寺院の写真と結婚式の写真とどちらが多いのかという状態になってしまいました。
お昼はハンピ・バザールと呼ばれるゲストハウスやレストランの集まる地区でいただきました。世界中からバックパッカーの集まる地区のレストラン。ドキドキ・ワクワクのエリアでした。
ルピーの高額紙幣使用禁止令が出たため、現金が手に入らず、ショッピングエリアには殆ど立ち寄らなかったので、この時とばかり、お土産漁りに没頭しました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通手段
- 観光バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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ハンピ・バザールのメインストリートです。トロイの木馬のようなものの奥方向にバススタンドがあります。
メインストリート(人の歩いている所)を真っすぐ左方向に歩くと突き当りが、ヴィルパクシャ寺院です。 -
ヘマクータの丘から降りて来て、ヴィルパクシャ寺院の正面玄関の真横に着きました。
丘の上から見てもこのゴプラム(塔門)は大きいだろうとは思いましたが、真下から見ると聳え立っています。 -
遠くから見たらわかりませんでしたが、ゴプラムの下層には結構彫刻がされています。
しかし、どうもこれがいただけない。インドの彫刻はヒンドゥーの慣習でエロティックなものが多いのですが、それなりに美しいものです。
しかし、これは個人的意見ではありますが、芸術面でよろしくないと思います。ポーズは言うに及ばず、顔もざっくりとしたどれも同じ顔。このゴプラムは遠くから大きさを見るだけにした方が良かったなあ。 -
上層になると、彫像は見られなくなります。
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ヘマクータの丘から見たゴプラムです。私たちは、紅白の縞のある塀を回り込んで、右手からゴプラムの前に行き、その下をくぐって前庭に至ります。
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これがヴィルパクシャ寺院の全景です。
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ゴプラムをくぐってヴィルパクシャ寺院の中に入ります。
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前庭に入りました。なんだか急に明るい場所に出たような日差しの強さを感じます。それにしても人がいっぱい。
観光客がカメラを向けると、即座に反応してポーズをとるインド人。これって、習性なのかしら。 -
奥で何か行われています。先ほど、ヘマクータの丘からみた結婚式の何かかな?
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南インドで観光をするなら、この目線に耐えなくてはなりません。
肌が黒くて、強い日差しの下では目の辺りが暗くなるので、より一層、眼光鋭く見えます。本人たちは、睨(ねめ)付けているつもりはないんですが・・・ -
大人も子供もカメラが大好き。もちろん例外もいますが、こぞって撮るんでしょ?という態度になります。
特に、今日は結婚式に参列しているのでよそ行きの衣装です。撮って欲しいよね。
真ん中の赤と白の衣装の女の子は、ドゥルガー女神のような出で立ち。そう言えば腕も4本あるような・・・ -
こちらの一角は、もう何が何やら。どこかに新郎新婦がいるようなのですが・・・
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インドの結婚式はとにかく大掛かり。ホテルやレストランを貸し切って、3日くらいはやります。
新郎は白馬に乗って、迎えに来るのが習わしで、ジャイプール在住のガイドもやりますと言っていました(まだ未婚)。
しかし、それには莫大な費用が必要です。 -
また、花嫁は多額の持参金(ダウリー)を要求されます。1961年ダウリー廃止法が制定されていますが、名を変え、様式を変え現在も残っています。また、立件しても有罪になるのは3割程度なのだとか。
ダウリーが少なかったり、息子を産まなかったりした女性が焼き殺される事件がインドでは頻繁に起こると言います。
かつて、マハラジャ(藩王)の妃たちは、マハラジャの死とともに、火中に飛び込むサティーという殉死の慣習がありました。その影響なのでしょうか。2010年代に入っても毎年8千人規模の被害があるのだとか。 -
華やかなサリーを身に纏い、両足を地面に着けて、どっしりと生きているように見える女性たち。
しかし、彼女たちを古い恐ろしい慣習が襲い掛かることがあるのだと知ると、インドの違う側面が見えて来ます。 -
それはさておき、お金のない人たちは、費用の掛からない寺院で結婚式を挙げます。
これは、ようやく見つけた新郎です。体全体に黄色い粉がついています。これは、魔除けの意味でターメリックを掛けられるのだそうです。全身真っ黄色になった新郎新婦は、今、粉を洗い流しています。
ここにターメリックが使われるところが、インドですね。 -
花嫁は、こちらでお化粧直しの真っ最中。
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こちらでは、式の参列者への振る舞い料理の準備中。
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うひゃ~、いったいどれだけ炊くんでしょう。
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実は、お釜(鍋)はこれだけではなく、近くに3~4個ありました。ご飯がこれだけあるのですから、どこかにカレーもある筈ですが、この時点ではまだ、匂いもしていませんでした。う~ん、匂いがしていたら、お腹が鳴りそう。
でも、日本で食べるようなカレーの匂いって、インドではあまりしないんです。もし、日本のような香りづけがインドでされていたら、町中カレー臭い筈ですが、食事時でも感じたことはありません。 -
車座に座る人々。彼らは親族と思われます。葉っぱのお皿に木の実や、野菜を錠剤のような形にくり貫いた物などが載せられています。
インドの結婚式は、誰でも参加できます。例え観光客でもちょっとお邪魔することが出来ます。
今までも、ホテルなどで結婚式に遭遇しましたが、追い出されるどころか、もっと中に入って行って写真を撮って来いと招じ入れられます。 -
さて、では観光に戻りましょう。前庭から見上げたヘマクータの丘です。中からだとあまり見えないんですね。
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前庭から中庭に入る途中の門です。こちらもミニ・ゴプラムになっています。ここから先に入るには入場料が要ります。
また、右の角に靴を置く所があるので、ここに靴を預けて、裸足で入ります。 -
有料ゾーンに入ったので、いきなり人が少なくなりました。気分が観光モードに切り替わります。
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居並ぶ獅子の彫像の上に柱が並んでいます。ここの浮彫はなかなかいいようです。
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南部特有の滴れ落ちるような屋根の形。その上の彫像も、いい感じ。
ヴィルパクシャ寺院のあるハンピは、南インド最後のヒンドゥー王朝です、ヴィジャヤナガル王朝の都でした。
ヴィルパクシャ寺院は、ヴィジャヤナガル王朝より以前から存在していたと言われています。建立以来増築を繰り返して、今の規模になっています。ヴィルーパークシャ寺院 寺院・教会
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ヴィジャヤナガラ王朝の建築様式には、1本の柱をくり抜いて、何本かの柱を束ねたように見せる「束ね柱」といった手法があります。
これの最高傑作が、午後に訪れるヴィッターラ寺院にあります。 -
寺院の奥から象が出て来ました。結婚式に出演するのかな?
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首から鎖で大きなベルをぶら下げていますが、それ以外に装飾がありません。
結婚式に出るなら、それなりに飾り立てている筈ですが・・・ -
象は中門を出ては行かず、角で前足を折って姿勢を低くしてから、こちらに向かって来ました。
ここでも前足を折って屈(かが)みます。これは、観光客に向けているのではなく、私たちの背後に祠があるからです。
象は、寺院に飼われていて、こうして角にある祠の神様に膝を折って参拝して歩くのです。 -
突然の象の出現に、中庭は色めき立ちます。
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象が鼻で祝福してくれると言うので、有志が手を挙げました。「象の鼻水でべちゃべちゃ」だったとは、ご本人の言(げん)。
志納金3ルピー程度で、結構念入りにポンポン、どころかバシバシ、重たい鼻でやってくれます。写真はご本人の了承を得て掲載しています。 -
象のショーが終わったところで、中門から楽隊が入って来ました。またまた、喧噪に包まれます。
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楽隊が普段着な所を見ると、こちらも有志なのでしょうね。花婿の友達かな?
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楽隊に続いて、人々が入って来ます。
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先頭には、神様へのお供えを持った女性たち。彼女たちがこれだけ着飾っているのなら、花嫁はどんなでしょう。
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後に続く女性たちも、いろいろ持っています。いったい何が始まるのでしょう。
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人々の列は本堂の中に吸い込まれて行きました。やれやれ、ちっとも本来の寺院見学に集中できませんねえ。
手前の地面には、昨日、バーダミの石窟寺院群で見たのと同じ、チョーク画がありました。 -
正面玄関のゴプラムとは向いている方向が、90度異なる小さい方のゴプラムです。本堂の前にあります。
結婚式の団体さんが中に入ってしまったので、私たちは本堂をスキップして、周りのお堂を見学します。 -
右側の本堂の列柱は、先ほど見た「束ね柱」になっています。
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振り返って正面のゴプラムを見ます。左が本堂です。
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周囲のお堂は一部修復が為されています。でも、かなりしっかり作り上げてしまうので、周りとは違う雰囲気に出来上がりそうです。
こういうことを気にしないのがインドなのかなあ。生々流転。失われるものを惜しむ気持ちはあるでしょうが、それをなんとか留めようと努力するよりは、次の物を作って明日を生きる。煩悩解脱(ぼんのうげだつ)の極意かもしれません。 -
ヴィルパクシャ寺院は土着の神パンパ女神をシヴァの妻として取り込んでいて、ヴィルパクシャ=シヴァの寺院として建立されました。
本尊にシヴァ・リンガでないものが安置されているのは、「ヴィルパクシャ」神だからでしょうか。
左右の守護神と本尊の間に、白い三叉戟と、蓮の花が描かれているので、シヴァと思われます。 -
脇には、シヴァの息子ガネーシャの像もあります。
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薄暗く、建て増しを繰り返した複雑な建物の中をどんどん歩いて行きます。
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ほとんど真っ暗な一角に入って行きます。上の方に小さな明り取りの窓があります。
この窓が、小さないたずらをするのです。 -
反対側の壁に、ゴプラムが逆立ちをした姿の影絵を作り出します。
どうやら、ピンホールカメラの条件を満たした結果、ちょうどあの巨大なゴプラムがここに逆さまの映像を結ぶことになったのでしょう。
自然現象とは言え、よくぞここに出来たものです。ヴィジャヤナガル王朝の建築士が計算して仕掛けたのでしょうか?
インドは「0(ゼロ)」の概念を作り出した文明の発祥地です。数学にはたいへんに秀でています。もしかすると計算ずくで、作ったのかもしれません。その可能性が高いのが、インドの魅力でもあります。 -
暗い中をあちこち歩いて来たので、今どこにいるのかわからなくなりました。明るい方向が本堂だと思うのですが・・・
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小さな神様がいました。もしかして、土着の女神というパンパ?
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力強いハヌマーンがいました。「ラーマーヤナ」に登場して、ラーマ王子を助ける猿です。
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このお堂の中は撮影禁止。
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諸堂の見学を終え、反対側の回廊を見ています。
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回廊の上には、小ゴプラム。
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人でごった返している本堂です。この柱には、騎馬像が描かれています。
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これは、ヴィジャヤナガル王朝の特徴で、馬ではなく、伝説の動物ヤーリーです。
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横たわるヴィシュヌ神です。
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ヴィルパクシャ寺院の本堂は、素晴らしい浮彫や天井画で有名なのですが、今日は見学が難しいです。
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マンダパ(前室)と本殿を分ける1枚の壁のこちら側だけが、自由に行き来できます。
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しかし、それ以外はこの状態。
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マンダパのど真ん中で挙式をするとは思ってもみませんでした。これでは、マンダパの見学が出来ません。
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こうなったら、元凶の新郎新婦の写真くらいは撮ってやろう!と、群衆の中に分け入りました。
こんなことは、日本では絶対に出来ないし、やらないけれど、インドでは誰も咎めません。
むしろ、目の前のカメラマンにカメラを向けられました。外国人も見に来てるぞ、の図ですかね。
向こう向きに座っている男女が新郎新婦と思われます。反対側にも行ってみたのですが、なぜか正面からの新郎新婦はどこにいるのか見つけられませんでした。花嫁の顔は見られず仕舞い。残念。 -
こうして見ると、確かに素晴らしい天井です。これがろくに見られなかったのが、残念至極ではありますが、結婚式には勝てません。こちらも楽しませてもらいました。
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天井画。ああ、つぶさに見たかったなあ。
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一部を拡大します。
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こちらも拡大です。
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本堂から回廊を臨む。
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一部壊れているのが残念ですが、この柱は見事です。
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結婚式はまだまだ続きます。私たちは、そろそろお暇(いとま)します。
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中門から正面のゴプラムを見ます。これがさっきは逆さまの影絵になっていた訳です。
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預けておいた靴を履いて、前庭を歩きます。最後にもう一度振り返って、ヴィルパクシャ寺院を後にします。
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ハンピ・バザールのメインストリートを東に歩きます。南側には今朝上って来たヘマクータの丘が見えます。
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左右には回廊が続きます。これは北側の回廊。
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南側(ヘマクータ側)の回廊。
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さて、本来のコースはこの後ヴィッターラ寺院へ向かい、それから昼食だったのですが、枚数の都合で、場所が近いこともあって、ヴィルパクシャ寺院編にハンピ・バザールでの昼食を付け足します。
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お土産用の皮革製品屋さん。すごく履きやすそうなサンダル。
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「マンゴー・ツリー」。ガイドブックにも載っているレストラン。マンゴーラッシーは美味しかったです。
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店内には椅子席と、直座り席とがあります。
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バックパッカーなどが、ここに座ってのんびり過ごすのでしょう。
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ルピー高額紙幣使用禁止令が出たため、極端に紙幣が不足し、ツアーのほとんどの人が現金を持てませんでした。
そのため、買い物に寄ることもなく、これまで過ごしてきたのですが、さすがにここには土産物屋さんがたくさんあって、見るだけでも楽しいので、ちょっとだけ自由時間がありました。
旅行記の初めで説明したように、わずかに両替の出来た私はここで、インド綿のパンツを買いました。あの2千ルピーの新札を初めて使ったのがここです。ちゃんとお釣りももらえました。
写真の店は、買い物をした場所とは違い、バススタンド付近のインド人向けの土産物屋です。 -
最後に、ここを訪れる人のために。バススタンドのすぐ近くに郵便局があります。
写真の左手がバススタンドですが、この露店の先の白いアーチ(左の木と貯水タンクの間)がある所を右手に入ると郵便局があります。 -
赤(?)い看板にインディアン・ポストとあります。ここで先(せん)だって買っておいた切手を貼った絵葉書を出すことが出来ました。
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バススタンドです。次回は、あの山の向こうにあるヴィッターラ寺院へ向かいます。
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