インド・デカン高原の旅　２　（ハレビードのホイサレーシュワラ寺院）

2016/11/19 - 2016/11/26

2016年11月、インド南西部のカルナータカ州のデカン高原を巡るツアーに参加しました。
最初の観光地はホイサラ朝最大の寺院ホイサレーシュワラ寺院です。ここの外観および内装はあまりにもすごい彫刻の量で、圧倒されます。今朝２時にインドに到着したばかりのボケた頭でもその迫力はズド～ンと迫って来ました。
この回は、ホイサレーシュワラ寺院オンリーです。よって、内容も彫刻の数々にほぼ占有されますので、ご承知おきください。
たまに、インドの楽しい人々が参戦します。なぜ、彼らは「写りたがり」なんでしょうね。

エリア バンガロール(インド)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 交通手段: 観光バス
• 航空会社: キャセイパシフィック航空 キャセイドラゴン航空
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

ホイサラ朝の王家のために１００年かけて造られたというホイサレーシュワラ寺院。シヴァ神を祀ったヒンズー寺院です。
前回は、北側の入り口から東に回り込んだ、たった４分の1の外観とガネーシャで終わってしまいました。これから、中に入ります。

ホイサレーシュワラ寺院 寺院・教会

今、入って来た東側の玄関です。中はホールになっていて、柱が林立しています。

ホールの真ん中には床に円盤があります。ここで踊りなどを奉納したのでしょう。

天井です。

拡大してみると、それぞれのマスがあちこちを向いているのがわかります。

屋根を支えるたくさんの柱。それが全部模様が違うのです。

その柱の上部には見事な彫刻が取り付けられています。

少し広い天井にも、マス型の彫刻。先程は９マスですが、こちらは１５マス。

周囲の壁には細かい抜型で開けたような穴が開いていますが、中に強い日差しが入らないようになっています。

こんな場所でも自撮りするんだ？どんな写真が撮れるの？

天井の美女

天井は、柱ごとの区画に仕切られ、梁が渡されます。柱自体も付け根の構造が複雑で、独特です。
インドは、欧米とは全く別の独自の文化・芸術を発達させてきたので、本当に見ごたえのある寺院がたくさんあります。

大写しです。

あちこちにいます。

正面奥のお堂です。その手前を守護する像がすごいです。

向かって左側

これでもかと言うほどの装飾品を身に着け、アイラインがくっきりした独特の顔立ちに、額の第３の目が目を引きます。

うわ～すごい！と言う他に、私は何を言えばいいのでしょう。こんな見事な彫像を前にしては、言葉も出ません。

お堂の本尊はもちろんシヴァ・リンガです。

お堂の脇にある祠。彫刻に触らないでと、珍しく書かれています。

王のものと王妃のものと、２つの本堂が並んでいます。

シヴァ神を祀る本堂にも、もちろんナンディ君が座っています。

多種多様な柱。ここは柱の博覧会場です。

太くて、頼りがいのある柱。

この柱の上なら、彼女たちも安心でしょう。

右が入って来た東の本来の入り口、正面奥が現在の北の入り口です。

柱の展覧会場。とても面白かったです。

では、南の玄関に向かいましょう。

南口の内側を守る像。

北口の像とよく似た像が南口を守っています。

まん丸目玉に弓なりの眉、額の第3の目、口元には牙。髪の毛は大仏と同じ螺髪（らほつ）？
ひょうきんな顔に見えるけれども、守護神像だから、結構怖い人？なのかな？

ひょうきんな彼が身に纏っている衣装。これ、本当に石像なの？とても彫ったものには見えません。

他にもガネーシャを始め、様々な像が彫り込まれています。

これは、右側の守護神。

インドの技術の高さ、芸術性の高さは群を抜いています。

南口です。さて、これからがたいへんな彫刻群の始まりです。

南口玄関の上部。

本堂に入る前に見たナンディのお堂が右側。そちらにカメラを向けるとたまたまそこにいた彼は、すかさずポーズ。

どこでも、家族で記念写真を撮るのが、インド人は大好き。

ヒンドゥーのあらゆる神様が集います。

いったい、どれだけ職人がいたんでしょう。

彫刻専門の美術館でも、こんなにびっしり作品が並ぶことはないでしょう。

「破壊」の神シヴァ神と神妃パールヴァティ

３大神の一人ブラフマー。「創造」神。日本では「梵天」様です。4つの顔を持っています。

３大神の一人ヴィシュヌ。世界の「維持」を司ります。

子供たちの百面相。

手に持っている杖は何でしょう？

あちこちを向いている像を彫るのは難しいでしょうね。

「見る者を圧倒する」としか形容の仕様のない彫刻群。
ホイサラ朝の寺院は、このように１辺で簡単に終わるような部分でも、たくさんの襞を作り、彫刻を施す面を作り出します。

彫像はそれぞれが艶（なま）めかしいポーズをしていて、とても魅力的です。

この形の帽子？をよく見掛けますが、実際にはどんなものだったんでしょう。

片手で山を持ち上げ、牛飼いを大雨から救ったというクリシュナかな？

ほとんど「一糸まとわぬ」状態なのに、この流し目。

これが、すっごく怖い像なんです。象をかっさばいて、シヴァが踊っています。
象の頭と前足が下に、後ろ足が上部にあるのが分かると思います。シヴァ神を取り巻いているのが、象の胴体です。

よく似た二人。

腕が８本の女性。遠くを見据える眼差しがすてき。

いったい、どれだけの彫像を彫れば満足するのでしょう。そのどれもが完成度が高いのがすごいです。

この部分は未完成のままで終わったようです。
首都ドーラサムドラ（現ハレビード）は、ホイサラ朝の末期の１４世紀に戦火に遭い、破壊されました。そのため、完成には至らなかったのかもしれません。

双子の踊り子？外側近くの簡単に見られる彫像より、奥に入ってようやく見える彫像の中に、気に入ったものを見つけるのが楽しみです。

それにしても、先は長いなあ。

この辺は一段と細かい。それにしても彼は何を踏みつけているんだろう？
日本の四天王が踏んでいる邪鬼みたいなものかな？牙があるし。

楽隊

みんなで踊れば怖くない

弓を持つ女神。

こんな構造じゃ、全然先に進めない！見応えがあり過ぎ！！

いったい、どこまで続くの？

入り口付近の屋根は低く造られています。

左側の目玉が飛び出した猿のような彫像は、ヴィシュヌ神の変化（へんげ）のひとつ、ナラシンハです。
ヴィシュヌ神は、芸達者な神様で１０の化身を持っています。中でも人気があるのがクリシュナで世紀のプレーボーイとも言われる通り、１万６千人の妻がいたと言われています。
バターが好物で、よくバターボールを供物にしています。南インドのマハーバリプラムには、クリシュナのバターボールと呼ばれる大岩があります。

仲睦まじい神様の像がたくさんあります。ヒンドゥー教の神様はすべて奥さんがいて、その他にもたくさんの奥さんがあちこちに点在しています。これは、各地の土着の神々をヒンドゥー教に取り入れるために奥さんにしている訳で、男神の場合は、「化身」とするのです。便利ですね。シヴァ・リンガがそもそも男根と女陰を模式化したものです。

正面の窪みには、まだ右に窪みがあるんです。
星形になっていると言われますが、普通の５つの角のある星ではなく、最低でもダビデの星（六芒星）以上はあります。

それぞれが背負った光背（こうはい）のようなもののデザインも凝ってます。

神獣たちが、神様たちを乗せています。

二人が語らっているようじゃないですか。６００年も何を話しているんでしょうね。

ぐぐっと下から撮ってみました。

ガンジス川が神格化したのがガンガー女神です。右側の下半身が蛇の像がそうです。
天界のガンガーの奔流を受け止められるのはシヴァ神だけであり、シヴァはその髪の毛で受け止めました。
そのため、シヴァ神の髪からガンジス川がほとばしり出る絵などが、よく描かれます。

ここまで来ると、だいぶ慣れて来ました。

あまりに複雑な壁面なので、鳥瞰図が見たくなります。

この寺院は、２つの寺院がくっついた形で出来ています。

目玉があるように見える像。

これはと思う像は、まなざしが素敵。

頭の上に何を乗っけているのでしょう？？？

その奥が気になる。

像に次ぐ、像。像また像。

そして、顔に次ぐ顔。

インドの少女は、生まれついてのモデルです。カメラを向けると自然にポーズをとってくれます。

さすが！お母さんからしてモデルでした。

一人を撮ると、瞬く間にモデルが増えました。お金をせびる訳でなく、撮った写真を見たがる訳でなく、ただ写るのが大好きな人々。シャイな日本人とは大違い。

すごいです。そこにいて、こっちを向くんですね。

ホイサレーシュワラ寺院。いきなり最高級の芸術作品に遭遇してしまいました。
もっと後にとっておきたかったなあ。心の準備が出来ていなかったよ。素晴らしい宗教芸術でした。

寺院の前には、供物を売る店が並んでいます。

このレイは、たいへんいい匂いがします。車のバックミラーに吊り下げているのをよく見掛けます。
さあ、次のベルールに向かいます。