2016/11/19 - 2016/11/26
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ミズ旅撮る人さん
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2016年11月、インド南西部のカルナータカ州の州都ベンガルールから、12~13世紀に栄えていたホイサラ王朝の首都ハレビード・ベルール、14~16世紀に栄えたヴィジャヤナガル王朝の首都ハンピを巡る8日間の旅に行って来ました。
一般のツアーでは、まず馴染みのない地域ですが、それはみごとな彫刻と特異な様式の寺院があることで世界遺産にも登録されています。
折しも、モディ首相がルピーの高額紙幣使用禁止を宣言した直後。果たして、ルピーへの両替は出来るのか。
現金を持たない旅行は、どんなものになるのか。そして、おそらく混乱しまくっているインドの人達はどうしているのか。
いつもとはちょっと違った緊張感のある時期のインド。といっても、インドはいつでも何かあるもの。
こういう珍しい時期に行くことになったのも、旅行の神様のお計らい。行ってみましょう。!
1回目は、ベンガルールに到着して1泊。翌日、マイソールのもう少し西にあるハッサンへ向かいます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 観光バス
- 航空会社
- キャセイパシフィック航空 キャセイドラゴン航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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今回は、初めてキャセイパシフィックで香港、香港からキャセイに吸収されたドラゴンエアでベンガルールに行くコースでした。
いつものエアインディアよりは、まともな運航をするのかと思いきや、ドラゴンエアが見事に1時間遅れで出発。
元々、ベンガルール到着が0:30だったのに、それが1時間遅れではたまりません。香港国際空港 (チェク ラップ コック空港) (HKG) 空港
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チェックインが午前3時近くという時に、こんないいリゾートホテルなんて・・・
ケンペゴウダ国際空港 (ベンガルール国際空港) (BLR) 空港
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室内シャワーの向こうに、なんと室外シャワーがあります。別にその先にビーチがあるなんてことはないんですが。
使ってみたい気もしますが、なにしろ午前3時。近所迷惑なので、室内シャワーで我慢。そうそう、このシャワー室には、椅子も用意されていました。 -
さて、いきなりの高額紙幣です。これは2,000ルピー札。刷りたてホヤホヤの新札です。
ベンガルールの空港に着いて入国審査を済ませ、ターンテーブルで荷物が来るのを待とうとしたら、いきなり自分のスーツケースが、目の前に出て来ました。うわ!早い!インドなのに信じられない。
周りを見回しても、荷物が出て来た人はまだほとんどいない様子。すぐ左手に両替窓口が見えました。
しかも、今、対応されている人しかいない。すかさず窓口に突進しました。出発前に、空港での両替は不可能だと言われていました。まず、新札が全然足りていないので、手に入らないかもと。
でも、目の前で両替を行っているということは、新札がここにはあるということ。事実、こうして手に入れられました。 -
しかし、こちらが希望両替金額を指定できるのではなく、4,000円で2,000ルピーという規定。その倍数しか受け付けてくれませんでした。通常なら、とんでもないレートです。でも、千載一遇のチャンスです。
これを逃したら、現金は手に入らないかもしれません。ツアーなので、自由に行動できません。
普段なら、もっと小額紙幣に交換してもらうのですが、両替所にも2,000ルピー札しかないようでした。
今回のルピー騒動は、2016年11月8日の夜に、モディ首相が翌日から1,000ルピー札と500ルピー札の使用を禁止したことに始まります。
それぞれ1,600円・800円ですが、インドの物価ではこの紙幣でもお釣りがないからと断られることがあります。
現金主義のインド人は、家に箪笥預金をしています。これらの高額紙幣は、400枚に1枚が偽造なのだとか。それを撲滅するための強硬策でした。
かくして、初日から信じられない幸運に恵まれて、やたら高額な新紙幣を手にすることが出来ました。 -
見てください、このコテージ。午前3時にチェックインして、出発が8時半だなんて。もったいなさ過ぎます。
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ああ、これが最初で最後のプールかも。
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ヤシの木を真下から見上げると、太陽の形でした。
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さあ、これからがインドの旅の始まりです。いや~、牛に洗濯場。インドだあ。
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バイクの3人乗りなんて、まだまだ少ない人数。でも、この子、只者じゃない・・・額の黒いビンディは何?
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あれ?ひょっとして大都会?そうベンガルールは1537年に造られた計画都市で、かつてのマイソール王国の首都でした。現在では、チェンナイと共に南インドの中心都市です。
IT産業の中心地でもあり、イギリス植民地時代の建物が多く見られます。ベンガルール宮殿は、イギリスのチューダー様式のウィンザー城をモデルにしています。 -
でもやっぱり、こういう風景の方がインドらしいなと思ってしまうのです。何に並んでいるんでしょうね?
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鉄道の高架橋です。頭の上を走っているけれど、地下鉄です。まだ、建設途上で完成はしていませんが、一部開業しています。
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車が停まる地点には、物売りがやって来ます。手前はワイパー、後ろのひょうきんな兄さんはおもちゃを売りに来ました。
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向こうのサリーを着た人、実はお兄さんなんです。タイのニューハーフは有名ですが、意外にもインドにも結構いるんだそうです。
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メトロの駅です。7月にデリーに行った時にも、同じような高架の上を走る地下鉄に乗りました。
インドは後発国なので、先進国の最新技術を取捨選択して取り入れています。買って欲しい国はたくさんいるので、その中から天秤にかけて、上手く選んでいます。8つの路線があり、それぞれ採用している国が違います。
この辺の話は「デリー一日ぶらり散歩(地下鉄でコンノートプレイス、レッドフォート、チャンドニーチョウクへ)」でどうぞ。 -
どうやら、メトロの駅のデザインはどれも同じようです。若干屋根の色が違うくらいかな?緑色の電車がいました。
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青い屋根
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そして、唐突に高架は途切れます。
ベンガルールという名称は、2006年に州政府が改名しました。それまでは、イギリス植民地時代に付けられたバンガロールという名称でした。
インドは様々な都市の名称を変更して来ました。
ボンベイをムンバイに、カルカッタをコルカタに、マドラスをチェンナイに。イギリスから脱却して元のインドに戻って行くのですね。 -
高速道路をハッサンに向けて走ります。街路樹は日本の高速道路でもお馴染みの夾竹桃(きょうちくとう)です。
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角が尖った牛の引く荷馬車。トウモロコシ畑が広がります。
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昼食に立ち寄ったレストラン。
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彩りは綺麗ですが、なかなか大胆なぶつ切りサラダ。こちらの玉ねぎは紫です。輪切りがサラダとして生で出て来ます。
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品数は結構あります。ツアーの配慮なのか、さほど辛いものはありません。
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デザートのフルーツ。これが一番うれしかった。
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街路樹は、夾竹桃から黄色い花に代わりました。
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椰子の実を売っている露店。これは、ジュース用だと思いますが、この辺りでは、椰子の実はココナッツオイルを採るために栽培されています。
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バスの中で、添乗員が声高に話します。「サトウキビの花が咲いています!初めて見ました。」
後で運転手が言うところによると、本来はサトウキビは花が咲く前に収穫してしまうので、こんなに咲いている光景を見ることはありません。
しかし、今年は、ルピー騒動のために農家が現金を用意できなくて、収穫の際の日雇いの人(現金払いが原則)を雇えなかったのではないか。
この畑は収穫を諦めた結果なのだということです。ルピー騒動はこんな所にも多大な影響を及ぼしています。
日本で言う5千円札・1万円札が使えなくなり、手元にある千円札か、ATMから下ろして来る新札くらいしか持っていないのです。
ATMは一日当たりの引き出し限度額があります。それは、日常生活にも困る程度なのだそうです。 -
ずっと先まで、黄色い花の街路樹が続きます。あんまり小ぎれいなので、インドらしくないような気がします。
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高速道路の料金所です。今回のルピー騒動で、11/9~24の間は、高速道路も無料の措置を取っているそうです。
なぜなら、大多数の人が現金を持っていないからです。お釣りを出す方もたいへんです。だから無料。すごい国だなあ。
ETCが普及していたら、こういう措置はないのかな? -
ひゅ~!カッコいいバイクだね、おじさん。紫色のシャツもバイクに合ってるよ。
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大量のスイカを地面に直置きで売っています。形は細長いですが、味は日本の物と変わりません。
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色とりどりのクッションや布を売る店。ちょっと覗きたいなあ。
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ちゃんと箱の上に置いて靴が売られていました。
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街中に入って来たので、いろいろな店があります。さとうきびをその場で絞って売るスタンド。
左後方の女性たちが傘をさしています。インドでは日傘の習慣はないので、とても珍しいです。 -
ハッサンに到着しました。今夜泊まるホテルです。一旦チェックインして、午後の観光に出掛けます。
日本ではチェックインは15時以降ですが、インドではあまり時間制限はないようです。
インドでは、妙に緩い部分があって、それでイライラすることもあれば、ゆったりした気分になれることもあります。 -
ホテルのフロントにあった掲示です。「500と1,000ルピー札は使えません」。
使えなくなったのはこの2種類だけなので、100・50・20・10ルピー札は従来通り使えます。 -
ハッサンのメインストリートです。バスはこれからホイサラ王朝の首都だったハレビードに向かいます。
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地面に広がっているのは紫色の玉ねぎです。右が生姜、麻袋に山盛りに入っているのは唐辛子です。
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収穫の終わったトウモロコシ畑で牛を引く女性。牛の種類が、デリーなどにいるこぶ牛とは異なります。
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牛に水を飲ませています。背後の山には風力発電の風車が並んでいます。インドは風力発電に力を入れています。
風車をどんどん立てているようで、輸送中のトラックとすれ違うことがあります。 -
ハレビードに到着しました。インド南西部で後期チャールキヤ王朝を分割する形で12世紀に成立したホイサラ王朝の首都を担った町です。当時はドーラサムドラと言いました。
ホイサラ朝はインド北部から攻め入って来たハルジー朝に征服され、細々と続いていましたが、1346年にヴィジャヤナガル王朝に滅ぼされました。
広大なインドでは、大小様々な勢力が起こっては消えていく過程を頻繁に繰り返しました。あまりに目まぐるしいので、その歴史を捉えるのは困難です。 -
ホイサレーシュワラ寺院です。ホイサラ王朝最大の寺院でシヴァ神を祀っています。
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1121年、ヴィシュヌヴァルダナ王によって王家の専用寺院として建てられました。
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ハイビスカスの赤がよく似合う
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参拝者が多く、大多数はインド人のようです。前の女性が抱っこしている男の子。面構えがなかなか。
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ホイサレーシュワラ寺院は、繊細な彫刻で外壁が埋め尽くされていることが最大の特徴です。
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本堂に向かって左側です。なるほど、びっしり細い帯状に彫刻が施されています。
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これだけ細かいと、何が描かれているのかわかりにくいですね。
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騎馬像や踊っている女性、想像上の動物など、多岐に亘っています。
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玄関わきのガネーシャです。ガネーシャはシヴァ神の息子で、スカンダという兄弟がいます。知恵と幸運の神様で、商売繁盛を祈る人の信仰を集めています。商店や寺院の入り口には、必ず彼がいます。
ところで、このガネーシャ像は、ちょっと普通と違います。ガネーシャはいつも大好物のお菓子の入った鉢の中に長い鼻を突っ込んで表されるのですが、これはクルクル巻いています。 -
こちらが、よく、見るガネーシャです。左手に持った鉢に鼻を突っ込んでいます。
ほとんどお向かいに据えられている両者。なぜ、違うのでしょう。 -
お堂の柱に飾られたこの像。あまりに精密で石で出来ているようには見えません。
「レース編みのような」と形容される所以(ゆえん)です。 -
カジュラホで有名なミトゥナ像らしいものもあります。
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屋根の裏側まで、びっちり彫刻です。
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上がライオン、下が象。ライオンはヴィシュヌ神の4番目の化身がライオン(ナラシンハ)であることから、神獣となっています。
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あまりに彫刻が多すぎて、一体何を見ているのやら、わからなくなって来ます。まだ、最初の角を曲がったところなんですが。
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あれだけ精緻な彫刻がありながら、こんな粗削りなものもあります。神様と芸人の差なんでしょうか。
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この怪獣、よく見掛けますが、何?
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首がないのが残念ですが、「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」です。アンコールワットの壁画で有名な一場面です。
神々とアスラ(阿修羅)がヴァースキ(7つの首を持つ大蛇)の胴体を持って大亀クールマの上にマンダラ山を置いて軸として綱引きをし、不老不死の霊薬「アムリタ」を得ようとする場面です。 -
インドの彫刻には美女の定番ポーズというのがあって、それがこれ。鏡を見るポーズです。
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象もいっぱい。
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右は髪を櫛削るポーズの女性。これも定番です。
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イチオシ
角と言っても、一つではなく、このように段々になっているので、見どころ満載です。
ホイサラ朝の彫刻の特徴に、このような構造によって、壁面を増やし、彫刻を増やしているという点があります。 -
本堂には3方向に入り口があります。これは東側の入り口。
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本堂の東側には、2つ並んでナンディのお堂があります。これは、王のものと王妃のものとがあるからです。
現在は北側の出入り口を利用していますが、本来はナンディのいる東側が正面です。
ナンディは、シヴァ神の乗り物です。 -
これがナンディです。いろいろ触るとご利益があるようで、みんなペタペタ触っています。
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でもやっぱり、鼻先を触るのがいいのかな?
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ナンディ像の周りは回廊になっていて、ぐるっと回ることが出来ます。
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ナンディ君のお尻にて、今回は終了。
これから、本堂に入り、また外観を見て行きますが、その彫刻の分量が半端ではないので、ここで分割します。
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