2017/02/13 - 2017/02/14
31位(同エリア230件中)
玄白さん
写真好き仲間5人で、冬の絶景を求めて、最低気温氷点下17℃の美ヶ原へ出かけて来た。数日間天気が良すぎて、期待していた霧氷は見ることが出来なかったが、360度の眺望が利く雪原の風景をたっぷり堪能してきた。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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今回の撮影旅の宿泊先は美ヶ原頂上にある王ケ頭ホテル。無雪期には近くの自然保護センターまで自家用車で行けるが、冬期は、通行止めとなる。麓の美鈴湖駐車場に駐車し、ホテルの送迎バスで王ケ頭ホテルに向かうことになる。
送迎バスは12:15出発だが、余裕をみて早めに宇都宮を出発したので、10時には美鈴湖に到着。ウテナ荘という宿泊施設兼食堂・売店で一休みしたり、美鈴湖で撮影を楽しんだりして、送迎バスを待つことにする。 -
美鈴湖は、農業用水の溜池であり、古く安土桃山時代にすでに造成されたという。当時は芦の田池と呼ばれていた。昭和に入り、大規模な改修が行われ、美鈴湖と改称された。
ヘラブナやワカサギ釣り、夏場はオートキャンプ場としても賑わうそうだ。例年だと冬は氷上でのワカサギ釣りが楽しめるのだが、今年は氷の厚さが十分ではなく、氷上での釣りは禁止となっている。釣り人たちは桟橋からの釣りに限定されていた。この日の釣り人は10人にも満たない。 -
池に張り出した桟橋の麓からは北アルプス、笠ヶ岳が顔を覗かせている。
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ヒマなので釣り人と世間話。
この方、松本市内からよく来ているそうだが、今年はあまり釣果は芳しくないとぼやいていた。釣りの道具がすごい。右側に置かれている電子機器は、なんと魚群探知機だそうだ。ワカサギ釣りに魚群探知機を使うとはオドロキだ! ほとんどの釣り人は魚群探知機を持っている! -
仲間のうち何人かは、ウテナ荘で、早くもビールを飲んでいる。
湖の周りをウロウロして、ときどきシャッターを押す。 -
美ヶ原で吹雪かれたら、撮影どころではないが、どうやら好天に恵まれそうだ。
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池は完全結氷はしておらず、ところどころ水面が顔を出している。その模様が面白い。
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美鈴湖全体像。右側の岸付近は、凍っていない。
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氷が描き出した文様
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定刻どおり、王ケ頭ホテルのバスで、美ヶ原頂上へ。
途中の自然保護センター。無雪期は、ここまで自家用車で来られる。ここから先は、一般車は通年通行禁止になっている。ここから王ケ頭ホテルまでの間には、レンゲツツジの群生地があり、花の時期には、ハイカーで賑わうそうだ。 -
1時にチェックイン。
このホテルの冬の見どころの一つが、売店奥の部屋の窓ガラスだ。ホテルのロビーや部屋などは防寒のためすべて窓は2重になっているのだが、ここだけは1枚ガラスになっている。 -
何が面白いのかというと、この一枚ガラスに霜がびっしり付着している。
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こんな具合に霜がついているのだが、これだけでは何ということはないが、窓ガラスの外側に偏光板が取り付けられている。これを偏光フィルターを付けたレンズで、クロスニコル(偏光方向が偏光板と偏光フィルターで直交するように調整すること)で撮影すると・・・
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イチオシ
霜が鮮やかに色づいた幾何学模様に見えるのである。霜の華だ。
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霜の形は様々、自然が作り出した幻想的な作品である。
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その幾何学模様は、窓ガラス一枚ごとに、また日ごとに変わり、同じ模様は二つとない。
窓によっては、ホテル側でクロスニコルにした偏光板2枚を取り付けてあるので、偏光フィルター付きレンズがなくても、鮮やかに色づいた霜の華が撮影できる。 -
2時半から美しの塔まで雪上車の無料体験乗車できるというので、さっそく予約した。それまで、ホテル周辺で雪景色の撮影タイム。
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東の方向。明朝、天気がよければ、なだらかな起伏が続く丘陵の向こうから日が昇ってくるはずだ。
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イチオシ
逆光で、雪に覆われた木立をパチリ。
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ホテルの横には、電力、通信、放送各社の電波塔が林立している。
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無料体験乗車する雪上車は3台で運行されている。先発グループの雪上車が戻ってきた。
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いよいよ、雪上車に乗り込む。運転席は乗用車とはだいぶ違う。大きな車だと大型特殊、乗車人員10名以下なら中型特殊免許が必要だそうだ。しかも、営業運転になるので、2種免許でなければならないらしい。ホテルの従業員でも雪上車の運転ができる人は限定されているそうだ。
乗り心地は決してよろしくない。 -
美しの塔までの往復である。
美しの塔周辺で、10分ほどの撮影タイム。 -
王ケ頭ホテルと電波塔群遠望。
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雲っているが、北アルプスがくっきりと見えた。
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冬の美ヶ原に来る目的は、大方、写真撮影かスノーシュートレッキングのどちらかである。
今回は、写真撮影だけだが、機会があればスノーシューを履いて雪の上を歩き回るのも楽しそうだ。北側の斜面はいたるところ、スノーシューで歩き回ったトレースが残っている。 -
ホテルに戻り、5人のメンバーは思い思いに過ごす。残念ながら、ここは温泉はないので、またホテルの周辺をウロウロ。
ちょっと形は悪いがエビの尻尾ができていた。これが巨大になるとスノーモンスターになるのだが、ここは、それほどの豪雪地帯ではないので、スノーモンスターにはならないのだろう。 -
ようやく日暮れ時になり、メンバー5人そろっての夕景撮影の始まりだ。
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浅間山も夕日に染まった。
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イチオシ
浅間山をアップで。
火山性の水蒸気が雲となっているようだ。 -
夕焼け雲で覆われた電波塔群と王ケ頭ホテル。
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お待ちかねの夕食。
上段左より、信州プレミアム牛の赤ワイン煮、イワナの塩焼き、デザート、下段左より福味鶏の葛うちの吸い物、イワナそぼろのお茶漬け、金目鯛のしょっつる鍋、中央左より、ホタテの柚子味噌焼き、セリと蕪のお浸し、なすの田楽、信州サーモンのサラダ、信州そばなどなど・・・
旅館会席料理は、得てして見てくれはよくても味は今一つということが多いのだが、ここの夕食は、いずれも美味で期待を裏切らないものだった。 -
イチオシ
ひと風呂浴び、持参した飲み物で2次会。同行した4人はいずれも年配で、昼間の移動、撮影で疲れたのか、9時過ぎには寝てしまった。
一人、夜の撮影で、零時過ぎに外に出た。寒い!
昨日が満月で、今宵も月が煌々と輝いている。好きな星景撮影には最悪の条件! -
西の空には電波塔の上にオリオン座が出ている。
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北の方向には上田市の夜景が見えている。北極星を中心に星の日周運動の光跡写真を取ろうと思ったのだが、インターバル撮影用のリモートコントローラーが寒さのせいか、働くなってしまった。霜よけ用のレンズヒーターは準備してあったのだが、リモートコントローラーの電池が寒さでやられてしまうことは想定外だった。しかも雲が出始めたので、早々に撤収。
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早朝5時半に起床。今度は夜明けの撮影だ。
6時過ぎ、朝のマジックアワーの時間帯になってきた。 -
南東方向に目を向けると富士山がくっきり見えている。空には夏の星座、さそり座の星がまだ輝いている。月がなく、もう少し早い時間だったら、この方角に夏の天の川が見えているはずだ。
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イチオシ
富士山をアップで。その左の山並みは八ヶ岳。
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さらにその左には、蓼科山。
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電波塔
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西の空には、ホテルの上空に十六夜の月が残っている。赤い灯りが灯っている塔はNHKの電波塔。
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東の空の赤みが増してきた。
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もうすぐ日の出だ。
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朝焼けの空に噴煙たなびく浅間山のシルエット。山裾には雲海が広がっている。
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地平線上に朝日が昇ってきた。
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イチオシ
雪原が朱に染まる。
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風紋ができた雪原で、雪の結晶がキラキラ輝いている。
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朝焼けに染まる雪の丘陵
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ホテル内に戻り、再び霜の華の部屋へ。偏光板はないが、朝日でオレンジ色が輝く霜の華。
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イチオシ
ファンタジックなおとぎの国の森に入り込んだよう。
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空の青も入れてみた。
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どんどん、日が高くなる。コントラストを強くして雪原の光と影を強調してみた。
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朝食後、8時半に予約していたホテルのバスで、撮影ポイントへ。思い出の丘までの道の途中、好きなところで下してもらえる。一度思い出の丘まで走り、自分たちが撮影したいポイントを見定めて、帰りにそこで下ろしてもらうのである。これも王ケ頭ホテルの無料サービスの一環だ。
我々は思い出の丘から500mほどホテル側に戻った武石峰を見上げる場所付近で下車。他の乗客たちも、皆ここで降りた。条件が良ければ、この付近で霧氷が見られるのだが・・・ -
銘々、思い思いに撮影しながら、自然保護センター方面に戻る。迎えのバスは10時半から11時の間に来ることになっている。たっぷり2時間の撮影タイムだ。
冬枯れのレンゲツツジの向こうに見えるのは霧ヶ峰、車山高原。 -
雪の結晶が朝の光を浴びてキラキラ輝いている。この雪の結晶のキラキラはピンボケぎみにする方がよく写る。
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レンゲツツジの長く伸びた影。はるかかなたには王ケ頭の電波塔群。
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なにかの野生動物の足跡。狸かな?
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森の中。スノウシューをはいていないので、あまり奥には入り込めないが、ひざ上まで雪に埋まりながら、木々の影を撮影。
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かなり大きな動物の足跡。まさか熊では? しかし、今の時期は熊は冬眠中のはずだから、何の足跡だろう?
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浅間山遠望
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焼山頂上付近に野生の鹿が群れていた。このあたりは雪が少ないので、餌となる草を求めて集まってくるようだ。望遠ズームで目いっぱいアップしてもこの程度。もっと近づきたいが、スノウシューなしでは登れない。
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この季節は雄も雌も同性だけで集団生活をしているという。
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疾走する雌鹿たち。
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ダケカンバの森が広がっているところ。自然保護センターの少し手前のあたり。
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またまた、なにかの動物の足跡。足跡ばかりで、本体にはなかなか出会えない。
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雪原に延びた木立の影
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松本市の市街、その先には北アルプスの山並みが続いている。
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ダケカンバの白い幹が青空に映える。
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雪原の雪のキラキラをもう一度。
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日が高くなり、雲が湧いてきた。
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イチオシ
彩雲が現れた。
自然保護センターまで戻ってきた。ここで送迎バスに乗り込み、ホテルへ。 -
ホテルの軒先のつららを一枚パチリ。
美鈴湖駐車場への送迎バスの出発は13:00。まだ一時間以上時間があるので、温泉ではないが、ひと風呂浴びて、しばしリラックスタイム。
定刻どおりバスは出発し、13:50に駐車場着。あとは国道254号、三才山トンネル有料道路、県道174号、81号経由して東部湯の丸ICで上信越道に入り、北関東道経由で宇都宮への帰路についた。
天気が良すぎて霧氷は見ることはできなかったが、撮影会としてはまずまずの成功だった。幹事役として責任が果たせたとホッとしたところである。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 旅人隊長さん 2017/03/04 21:38:16
- キーンと青空が良いですね〜
- 玄白さん こんばんは!
いつもながの素晴らしい写真にただただ見入ってしまいました。
PLフィルターにあんな素敵な使い方があること、初めて知りました。
毎回フィルターはPL、ND数種、ソフトフィルターと持参するものの、あるプロの方と出会い、今はほとんど使わなくなってしまいましたが、やはりフィルターワークも楽しそうですねー
冬の長野の晴天率の高さはダテじゃありませんね!
私は本日またまた美瑛に来てまして、この冬延9日間ほどになりますが、あいも変わらずモノトーンの世界にあります。
晴天率が低いのか行いが悪いのか・・
これからも素敵な写真楽しみにしてます。
隊長
- 玄白さん からの返信 2017/03/05 10:09:43
- RE: キーンと青空が良いですね〜
- 隊長さん、こんにちは
またまた、美瑛ですかぁ、いいですね。
今年は無理ですが、来冬には、美瑛に行ってみたいなと思っています。
また、隊長の旅行記、参考にさせていただきます。
美ヶ原は初めてでしたが、天気に恵まれ、まずまずの撮影旅行でした。大きな偏光板があれば、霜だけでなく、身近なところで氷の偏光写真が撮れて面白いかもしれませんね。
玄白
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