2015/09/19 - 2015/09/19
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mirilinさん
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昨年、パリのアール・ヌーヴォーにすっかり嵌ってしまった私。
今年は勇んで聖地ベルギーを訪問することにしたのでアール。
ってことで、アール・ヌーヴォーの聖地と言われるブリュッセルを巡っていたのですが、アントワープもアール・ヌーヴォー建築の宝庫として、知る人ぞ知る存在ということで、ブリュッセルのアール・ヌーヴォーとは、一味違う雰囲気のアントワープのアール・ヌーヴォーを巡ってみることにしました。
アントワープはフランダースの犬だけではないのです!
※ちなみに、ブリュッセルのアール・ヌーヴォーも気になる方は、こちらをご覧ください。なんと5部作です。
http://4travel.jp/travelogue/11183762
AM9:01 Bruxelles Central(ブリュッセル中央駅)発の Antwerpen Centraal(アントワープ中央駅)行き IC3108に乗って50分(7駅)で、アントワープ中央駅に到着です。
アントワープまでの列車は、たくさん出ているので、ブリュッセルから気軽に日帰りできます。
「2 round-trip tickets to Antwerpen 」とチケット売り場の窓口で言って往復チケットで行けば、ちょっぴり安くなります。
あ!「アントワープ」では通じませんよ。「アントウェルペン」と言ってくださいね!
と、前置きはこの辺にして、いざ、アントワープ・アール・ヌーヴォーへ!
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
アントワープのアール・ヌーヴォー建築は、アントワープ駅から11番のトラム「Eksterlaar行き」で13分ほど行った、Berchem(ベルヘム)駅周辺に広がっているそうです。
このベルヘム地区の地図の真ん中を走るのがCogels-Osylei(コーグレス・オシレイ通り)。この道をを中心に隣接する6本の道上にも壮麗な邸宅が個性と美を競い合っています。
大半の家は当時の実力派の建築家たちによって、1894年から1914年の間に建てられたものだとか。
1980年に景観保護地区に指定されたこの地区の家は、ほとんどがフランドルの建築遺産リストに登録されているとのことです。
この範囲を全部歩いても2kmほど。ゆっくり写真を撮りながら見てまわり、半日かからない感じです。
アール・ヌーヴォーめぐりに加え、もちろんフランダースの犬で有名なスポットも行くつもりなので、キオスクでトラム1日券を購入し、いざ突撃です! -
右側はブリュッセル⇔アントウェルペンの列車の往復チケット(8.2ユーロ)、左側はアントウェルペン市内のトラム1日券(3ユーロ)です。
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ちなみに、この11番のトラムが止まる停留所は「Antwerpen Centraal Station perron6」という、いわゆる6番乗り場なんですが、中央駅の正面ではなく、駅正面に向かって右側にある Carnostraatにあります。
この写真は、中央駅を背にして撮っています。 -
中央駅から10分程で、トラムはアールヌーヴォー建築が保存される世界でも珍しい住宅街Berchem地区をますぐ走るコーグレス・オシレイ通りに入ります。そしてほどなくすると、ベルヘム駅に到着です。
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美しい石畳のコーグレス・オシレイ通りを走るトラムの線路の両脇には、華麗な装飾をまとったお屋敷が立ち並び、圧巻の景観に息を飲みます。
建築ファンは歓声を挙げずにはいられません!アントワープのアールヌーヴォー街 旧市街・古い町並み
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ベルヘム駅を降りて、今来た道を戻るように、目の前に延びるコーグレス・オシレイ通りに入ると、すぐに目に入るのがこの家。画家クイントン・マセイスの館。
お!ストローヴェンの作か?と思ったら、Jacques De Weerdtという建築家の1904年の作だそうです。
ストローヴェン、アンカール、オルタ、ブレロなど、ブリュッセルのアール・ヌーヴォー建築家の影響を多分に受けた館だとのことです。
【アドレス】Cogels-Osylei 80 -
ブリュッセルにあるストローヴェン作の画家サン・シール邸「癇癪持ちのマカロニ」とそっくりの最上階の丸窓。
屋根のアイアンワークの下あたりに、この家の主、画家クイントン・マセイスの顔のレリーフがあります。見えますか?
サン・シール邸が登場するブリュッセル編はこちら
http://4travel.jp/travelogue/11188788 -
優雅な雰囲気の入口と2階バルコニー。
サン・シール邸に比べると、色合いのせいもあって上品に思えます。
そう、この家を「サン・シール邸の妹」と命名します。 -
2階の窓のデザインが特に素敵です。
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コーグレス・オシレイ通りの「サン・シール邸の妹」に続く78番地、76番地、74番地も、地味ですがもちろんアール・ヌーヴォー建築です。
アントワープの有名な建築家、Jules Hofman(ジュール・ホフマン)の1901年の作です。
74番地と76番地は2軒の家が1軒の大きな家のように見えます。
【アドレス】Cogels-Osylei 74-76-78 -
さて、そのまた隣の家も大邸宅のように見えますが、2軒の家で構成されています。
建築家はFrans Van Dijk (フランス・ヴァン・ダイク)、1901年の作です。
ちなみに、この家はアール・ヌーヴォー様式ではなく、「折衷主義」建築です。
あれ?このブログって「アール・ヌーヴォーを極める」ってタイトルじゃない?って突っ込んだあなた!
「折衷主義」とは、ひとつの様式にとらわれない「いいとこどり」の建築様式だそうで、随所にアール・ヌーヴォーの「いいとこ」要素も見られるってことで、仲間に入れてください!!
てか、基本気に入ったおウチは、なんでも載せちゃうのだ!←開き直り
「折衷主義」は節操がないとか言われたりするそうですが、いいじゃないですか素敵なら!
【アドレス】Cogels-Osylei 70-72 -
この家は「みつばち邸」とも呼ばれています。
なぜかと言うと…
中央の入口に、3匹のみつばちの絵が描かれているのです。 -
ところで、この家のセンターに置かれたこれ、なんだと思いますか?
馬でも繋ぐための棒でしょうか? -
みつばち邸のお向かいには、これまた豪邸…のような4軒の家で構成された館があります。
こちらも折衷主義、フランス・ヴァン・ダイクの1903年の作です。
Scaldis(スヘルデ川邸)と呼ばれるだけあって、屋根にはポセイドンなど水に関係のある神々が座っています。
ファサードだけ見てると、ヴェネチアの貴族の館を思い出すんですよね~。
ヴェネチアン・ゴシックの影響受けてるのかな…と思ったら、16世紀、アントウェルペンの黄金期にイタリア人の商人もたくさん住んでいたらしいというからうなずけます。
【アドレス】Cogels-Osylei 65-71 -
そしてその隣の63番地の家は、ネオ・ルネッサンス様式で、Francis・Toen(フランシス・トーエン)の1905年の作。
屋根には風見計が付いています。
そのまた隣61番地は、Frans・ Reusens(フランス・ルーセンス)の 1905年作。こちらは折衷主義の家です。
この家は、なんといっても屋根の天球儀が目を引きます。
ところで、天球儀ってなんでしょう?(笑)
地球儀なら、かつてご幼少のみぎり、父にねだった覚えもあるんですが…。
てことで、「天球」とやらをググってみました。
それによれば、夜空に輝く星座をつくる星々が貼り付いているように見える仮想の球を「天球」というそうです。
太陽は、その天球上を西から東へと1年かけて動きますが、この星座の間の太陽の通り道を「黄道」といいます。そしてこの黄道上には、12の星座があり、これを黄道12星座というそうです。
【アドレス】Cogels-Osylei 61-63 -
ということで、この屋根に天球儀がある館は、「十二宮の館」とか「黄道の家」とかと呼ばれているそうです。
さしずめ、中央の球体が地球で、その周りを囲む球体が天球、その天球の上の黄色い帯が黄道ってことでしょうか。 -
風見計もアップにしてみました。
風がなかったので、現在も機能しているかは不明です。 -
天球儀の家のお向かいに、色味が私好みの家がありました。
「塔の家」と呼ばれるこの家は、見るからにアール・ヌーヴォーではありません(笑)なんとなく、スイスのコテージを思い出させますが、これも2軒で構成されているそうです。
なぜ、「塔の家」と言われるかと言うと、この写真では全く写っていないのですが、切り妻屋根の後ろあたりに、塔があるんです。アハハ…
建築家Francis・ois Bollekens (フランソワ・ボルケン)が彼の父のために1905年に建てた家とのことです。折衷主義の家です。
【アドレス】Cogels-Osylei 56-58 -
さて、「十二宮の館」の3軒先に現れる家は、「最も美しい家の一つ」と言われているそうなのですが、私にはどうもペンギンの顔のように見えちゃいます。
ま、美の感覚には個人差ありますから…ね(笑)
この家はDe Morgenster(金星邸)と呼ばれているとか。確かに家の前には「Morgenster」って書いてありますね。
Jos Bascourt(ジョゼフ・バスコート) の1904年の作です。
【アドレス】Cogels-Osylei 55 -
この家は、なんといっても2階中央の窓まわりのデザインの美しさと、愛くるしい目のような3階の明り取り窓が印象的です。
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ペンギン館(←私だけがこう呼ぶ)の向かい側には、植物の名前のついた家が並んでいます。
まず最初は「クローバーの館」と呼ばれる家です。ネオ・フランドルルネッサンス様式のこの家は、21歳の建築家Daniel Rosseels(ダニエル・ロッセールス)の1903年の作とのことです。
ちょっと見えにくいですが、建物2階あたりの壁中央に、クローバーのレリーフが見えるでしょうか?
あ!先ほどの「塔の家」の塔が左端に写ってます(笑)
【アドレス】Cogels-Osylei 54 -
そしてそのお隣は、尖った白い破風の上にチューリップが1輪咲いています。
Jules Hofman(ジュール・ホフマン)による1900年作の家で、De Tulp(チューリップ邸)と呼ばれています。
この家は、その名のとおり、家の随所にチューリップのモチーフが見られるんです。
【アドレス】Cogels-Osylei 52 -
まずは、避雷針のように咲く鉄製のチューリップ。何よりの目印です。
白い破風には、築年と「DE TULIP」(チューリップ)って書かれていますね! -
屋根を支える2本の支柱も、チューリップデザインです。
そういえば、アール・ヌーヴォーの家で、家の幅いっぱいのバルコニーって珍しい気がします。 -
「チューリップモチーフを探せ!」というゲームもできそうな玄関周り。
玄関のひさしを支えている支柱にもチューリップ。
玄関横の窓にもチューリップ。
チューリップとは関係ないですが、左サイドには聖母子のモザイクがあります。
こんな低い位置にあるのって珍しくないですか? -
扉のガラスを覆うアイアンワークも、チューリップを思わせるデザインだし
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足元の窓を覆うアイアンワークはハートを思わせる、ラブリーな感じ。
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チューリップ邸のお隣50番地は、私の中の、コーグレス・オシレイNo1!
お隣のチューリップ邸同様、いたるところにひまわりのモチーフがある愛らしい白亜の館。
「Huize Zonnebloem」(ひまわり邸)と呼ばれるジュール・ホフマンの1900年作のこの家は、コーグレス・オシレイ通りの家でピカイチの美しさです。
【アドレス】Cogels-Osylei 50 -
印象的な金のひまわり
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この家も、正面に「Huize Zonnebloem」(ひまわり邸)と書かれていますね。
窓の形も可愛らしいです。 -
2階バルコニー下に、しっかり署名もありました。
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1階開口部の柵にもひまわりの花
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玄関に続く階段の手すりには、ハートが並んでました。
m(~o~)m かわいい~ -
正面の木が邪魔でよく見えなかったんですが、サイドから見てみたら、1階の窓も可愛い形してました。
ほんと美しい家です。手入れも大変だろうけど、こんな家住んでみたいです。 -
ジュール・ホフマン作のこの2軒、チューリップとひまわりの並ぶこの一角は、可愛らしい一角です。
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愛らしい家は、チューリップだけではありません。その隣の一角も続きます。
植物をモチーフとしたアイアンワークなどが、アール・ヌーヴォーの特徴ですが、
このあたりには、まさに様々な花をモチーフにした瀟洒な家が並んでいます。 -
こちらは、ひまわり邸の2軒となりにある「薔薇の館」と呼ばれる家。
ジュール・ホフマンの1898年の作です。
【アドレス】Cogels-Osylei 46 -
印象的なのは、この2階の窓まわり。
ティアラのような庇が素敵です。 -
番地表示の上にもバラの絵が…
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ひさしの屋根にガラスを使っているあたりは、オルタの影響があるように思います。
光ってしまって、はっきり見えませんが、ひさしの下には、お花と天使?の顔のモザイク画があります。 -
薔薇の館の隣の家は、屋根の上のアイリスの花が目印の「アイリス邸」と呼ばれる家。
でも、こちらはジュール・ホフマンの作ではなくT.VandenBoschの1898年の作です。
アイリスのモチーフで飾られた窓、扉、ひさし、柵…建築家T.VandenBoschの自邸ですが、よほどアイリスの花が好きだったのでしょうね
ではアイリスずくしの数々を見ていきましょう。
【アドレス】Cogels-Osylei 44 -
まずは、屋根の上のアイリスの花。
先ほどのチューリップと同じように、とても目立ちます。 -
扉の上「Iris」(アイリス)とモザイクで書かれています。
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玄関周りにはアイリスモチーフがいっぱいです。
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3階のテラス?の下にもアイリスのモザイク画
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玄関扉のひさしを支える支柱も、アイリスモチーフ
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木製の扉にもアイリスの図柄が掘られています。
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アイリス邸の向かい側には、お城?いえいえ「鉄の腕のボールドウィン」と呼ばれる、ネオ・フランドルルネッサンス様式の4軒の家で構成された集合住宅です。
Frans Van Dijk(フランス・ヴァン・ダイク)の1899年作です。
【アドレス】Cogels-Osylei 45-51 -
このお城のような集合住宅を過ぎると、新古典派の白亜の館が四つ角を囲むロータリーとなります。
ここがコーグレス・オシレイ通りの中間地点です。
このロータリーに建つロワール河のシャンボール城を思わせる白亜の館は、ご想像通り12戸からなる集合住宅。
Ernest Dieltiens (アーネスト・デル・ムンド)の1898-99年の作で、バロック風の装飾が美しく、「白い宮殿」と呼ばれているそうです。
【アドレス】Cogels-Osylei 32-40, 33-43 -
ロータリーを超えて少し行くと、市庁舎?と見まごうネオ・フランドルルネッサンス様式の立派な館が現れます。
これも、「太陽とたてがみの館」と呼ばれる3軒の家で構成された集合住宅で、あのペンギン邸と同じジョゼフ・バスコートの1894年の作です。
赤いレンガと白い石の組み合わせが華やかな雰囲気を出しています。
【アドレス】Cogels-Osylei 25-29 -
このあたりは、大邸宅風集合住宅がたくさん並んでいます。
これは、Carolus Magnus(カール大帝)と呼ばれている4軒からなる折衷様式の集合住宅で、J. Bilmeyer & J. Van Rielの1897年の作です。
自然の石を使っているのが特徴で、塔はアーヘン大聖堂を意識しているとか。二つの塔の間にカール大帝。2階の窓の上には美しい半円のモザイク、右に王冠、左に頂に十字架のついた宝珠が見えます。
【アドレス】Cogels-Osylei 6-12 -
コーグレス・オシレイ通りもゴールに近づく頃、カラフルな館が現れます。
レンガの色使いが独創的で、赤や黄色、青のレンガを絶妙に組み合わせ、美しい文様を生み出していて、まるでセーターの編み込み模様のような柄がファサードに描かれています。
これは、Frans Smet-Verhas の1896年作、折衷様式の集合住宅です。
2本の先頭を持つ右側の5番地の家には、青地のプレートに Ooievaar(コウノトリ)と書かれています。
このように家に名前を付けるのは16世紀アントウェルペンの伝統だったそうで、19世紀にこの地で復活させているようです。
これまでも、チューリップとかひまわりとかアイリスとか、いろいろ名前がつけられていましたよね。
このコウノトリ邸2階の窓の真ん中に台座が残っているのですが(見えずらいですが)、かつてはここにコウノトリがとまって魚をくわえていたそうです。どこかへ飛んでいってしまったのでしょうか?…壊れちゃったんでしょうね(笑)
左側3番地の家は、Den Overvloed(豊富)という名前が付いているようなのですが、由来は不明です。
【アドレス】Cogels-Osylei 3-7 -
ベルヘム駅からまっすぐコーグレス・オシレイ通りを歩いてくると、その通りの終点、Transvaalstraat(トランスヴァール通り)との角にあるのがこの館。
Frans Van Dijk(フランス・ヴァン・ダイク)による1903年作の折衷様式の館ですが、3軒の家からなる集合住宅で、角の家にはカフェレストラン「Wattman」が入っています。
【アドレス】Cogels-Osylei 2-4, Tramplein 3 -
レストランなので、室内にも入れます。(笑)ここでランチをすることにしました。
室内の装飾もなかなかユニークでしたが、お食事している方の中でシャッターを切る勇気がなく、自席からこそっと撮った1枚です。
そして、ちょうどお昼時だったので、常連さんが「やぁ!」って感じでやってきていました。でも、私のような異国の一見さんにも、親切な対応でしたし、お食事も美味しかったです。そして、気が付けばお客さんで溢れていました。
お値段は…ちょっと高めかな…。
さて、次はコーグレス・オシレイ通りに負けない、もう1本のアール・ヌーヴォー通り、Walterloostraat (ワーテルロー通り)辺りを巡りたいと思います。
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