2009/10/17 - 2009/10/18
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frau.himmelさん
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2023年9月、待ちに待ったヨーロッパ旅行に出かけます。実に4年ぶりの旅です。今回は久しぶりにベルギー・オランダ方面にも足を延ばしたいと思っています。
さて、前はどんな旅をしていたのか? 埋もれていた昔々の旅行記を引っ張りだして振り返りながら、旅計画を練っています。(2023・4月追記)
★☆★☆★☆★☆
M子さんを偲ぶベルギーの旅☆ゲント編よりつづく
**2001年10月
スイス航空の破綻により『流浪の民』になった私達、日本にいつ帰れるのかという不安を抱えながらも元気に旅を続けております。
毎朝バスでの出発の際、リーダーのNさんの
「おはようございます。今日のスイス航空最新情報です。」
という挨拶から1日が始まります。
昨日までは「残念ながらいいお知らせはありません。」「スイス航空の破綻の影響でサベナ航空も連鎖倒産に見舞われています。」というような暗いニュースだったのですが、今朝は、
「少しだけ進展がありました。スイス政府が介入して、4日から一部運航を再開し始めたようです。でも、私達が乗るブリュッセルからチューリッヒ便はまだ運航の見込みは立っていません。」とのことでした。
そこで、その日はバスをチャーターして、ブリュッセルからフランスを抜けスイスのサンモリッツまで、長い長い旅程になることの報告を受けました。それには運転手が2人必要になるそうです。
移動に時間を多く割かなければならないので、観光は急ぎ足になることは避けられません。
アントワープでは、ノートルダム大聖堂でルーベンスの絵を見るためだけにしか寄れないことが伝えられました。
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◆2009年10月
アントワープに到着して、駅のすぐ前のホテルにチェックインします。
ホテルのレセプションで詳しい地図をもらい、街歩きに出発です。
メイル通りをまっすぐ行って…。
早速、バロック風の大きな建物が見えます。
さすがにダイヤモンド貿易で栄えた豊かな街です。
中はダイヤモンド屋さんでしょうか、それとも…。 -
大通りに消防自動車が何台も止まっています。
すわ!近くで火事! -
有名ブランドのお店でボヤ騒ぎのようです。
野次馬が集まっています。
どこの国も一緒ですね。 -
メイル通りの真ん中に立っているこの彫像はどなたでしょう?
ルーベンスではないみたい…。 -
立派な建物ね、屋根の彫刻が素晴らしいから普通のおうちではないわよね。
ガイドブックで調べましょうか?
なんて、この時はのんびり構えていました。 -
立派なビルもあるわね。
人も多いわね、そういえば今日は土曜日だし…。
えーっ、今日は土曜日?
大聖堂には3時までしか入れないのよ!!
この時点であと10分しかありません。 -
夫が走り出しました。
やっと大聖堂が見えてきましたが、あと5分しかありません。
「もうムリよ!諦めましょう!」
私は、半分諦めて写真を撮っています。そういう場合ではないのにね…(笑)。 -
何たるラッキー!
夫の後ろでロープは締め切られましたが、後から駆けつけた私が連れだとわかると中に入れてもらえました。
その後に来た人は頑として入れてもらえませんでした。
その人の悔しそうな顔が今でも目に浮かびます。
ごめんなさい…。
入場料は一人5ユーロ、でもその下にシニアは4ユーロとあります。申告してちゃっかりシニア料金で入場…。 -
でも、ホントに入れてよかった〜。トシも考えずに急いでくれた夫に感謝です。
明日は日曜日で13時からしか入館できませんが、もうその時間にはアントワープにはいませんので…。
今回ラッキーなことがもう一つ。
「アントワープ聖母大聖堂」に司教区が置かれて450周年となるのを記念して、アントワープ王立美術館所蔵の祭壇画8点も公開されていました。
だから大聖堂なのに、美術館みたいに、壁のアチコチにたくさんの絵が飾られていたのですね。 -
さて、ここがあのフランダースの犬で有名なノートルダム大聖堂なんですね。
恥ずかしいことに私、そのことを2001年の旅行で、たぶんM子さんか誰かに聞いてはじめて知りました。
**写真は40年以上の年月をかけて作られた聖歌隊席。 -
日本のアニメでフランダースの犬が放映されたのは子供達がまだ幼い頃でした。
子供が見ているそばで、家事をやりながらチラリチラリと見た程度なので、あらすじは覚えていません。
ただ、ネロとパトラッシュが、ミルク缶を荷車で引いている姿、あのかわいいアニメの絵そのものはよく覚えています。
**聖ヨゼフ祭壇の衝立 -
今回このアントワープ編を書くにあたって、4トラの皆様の旅行記をたくさん参考にさせていただきました。
皆様の文章があまりにも素晴らしくて、自分のが何と幼稚なことか、恥ずかしい~~。
まあ、それは能力の差なんだから置いといて…、
みなさん、ここにはフランダースの犬に感動していらっした方が多いんですね。
**大聖堂の中のステンドグラス。
きれいな絵のステンドグラスがたくさんあります。 -
そんなに素晴らしいものなら、ぜひ読まなければ…。
ネットで探してあらすじを読みました。
・・・・。
不覚にもウルウルしてしまった私でした。
早速孫娘にも1冊買ってあげよう…。
**写真がボケていますが、アントワープの聖母 です。 -
さて、ネロが死ぬまでに一度は見たかったルーベンスの絵に近づきましょう。
主祭壇の方に進みます。 -
立派なパイプオルガンがあります。
1993年にスイスのメツェレル社で作られたオルガンです。
特にバッハとその時代のフランスの作曲家達の演奏を目的としているそうです。 -
そのオルガンの下にはネロが死ぬほどあこがれた絵、ルーベンスの「キリストの降架」の三連画があります。
今ちょうどガイドさんが絵の説明をしています。
そこに日本人の私が通りかかったからか、話の続きなのかわかりませんが、「ネロ、ジャパン」という言葉が聞こえました。
日本では物語になって大変人気が高い、だから日本からの観光客が多いのだ…、と言うことでも説明したのでしょうが、皆がいっせいに私の方を見ました。
恥ずかしかったけど、日本のためですもの、にこっと笑ってお辞儀をしておきました(笑)。 -
ネロがあこがれたもう一枚の絵、「キリストの上架」です。
かつて、この2枚の絵の前には厚いカーテンが架かっており、銀貨を払った人だけが見ることができました。
貧しいネロにはそんなお金はありません。 -
主祭壇にあった絵はこの絵、「マリア被昇天」です。
ネロがまだ見ぬ母の面影をこの絵に重ねておりました。
住む家を追われ、放火の濡れ衣をきせられ、食べるものもなくなってネロはクリスマスの夜一人でここにやってきます。
それを察したパトラッシュが追いかけ、力尽きたネロのそばに駆け寄ると、「一緒に死のう…。」
いよいよ死の眠りに落ちかけたその時、空が急に明るくなり、今、ネロの目にくっきりとルーベンスの2枚の絵が浮かび上がりました。
「パトラッシュ、とうとう僕は見たんだよ!」…。
冷たくなった二人を聖母マリアが静かに天に導いてくれました。 -
なんて感動的な物語なんでしょう(ウルウル)。
単なる物語ではなく、実在の大聖堂、ルーベンスの絵がモチーフになっているところが皆をひきつけたのでしょう。
日本ではアニメ史上最高の視聴率を出したそうです。
**この絵は同じくルーベンスの「キリストの復活」
(絵葉書よりコピー) -
たぶんこの絵はアントワープ王立美術館所蔵の1点だと思います。
このほかにもルーベンスの「藁のキリスト」や「ピエタ」(マイチェス)、「マドンナを導くルカ」などの絵、カンタン・マサイス、ブリューゲルなどアントワープ出身の画家の絵も展示されていたようです。 -
素晴らしい祭壇画の数々に感動しました。
9年前も、同じように感動したことを思い出しました。
ヨーロッパの文化や芸術に造詣の深かったM子さんのことですもの、きっと今日は私と一緒に回ってくださったと思います。 -
観光客が大勢集まっているマルクト広場です。
-
ゴシック様式のアントワープ市庁舎。
ネロが全身全霊をかけて作成した絵を出展した場所です。ここで結果発表がありましたが、残念ながらネロの絵は入選していませんでした。
この絵に全てをかけていた彼は全てに見放されたと思い、生きる気力をなくしてしまいます。 -
市庁舎の前にあるのは、アントワープの名前の由来となったブラボーの噴水。
-
広場では手回しオルガンを弾いているおじいさんがいます。
この男の子がおじさんをケイタイで写しています。 -
しばらくして来て見たら、オルガンを弾いてみたいという希望者が現れて、おじさんがご丁寧に帽子まで被せています。
さっきの男の子まだいますよ、よっぽど気に入ったのね。 -
疲れたので、カフェで一休み。
ビールとコーヒーを頼みました。
「M子さん、どうぞ召し上がれ。」
こちらのビールにはちょっとしたおつまみがつくんですね。 -
私達もこんな感じでカフェでくつろぎました。
周りをギルドハウスに囲まれて、ノートルダム大聖堂を眺めながら…。
今夜はここ泊まりですからのんびりと、至福の時間です。 -
まだ行きたいところがあります。
そろそろ大聖堂とマルクト広場にお別れをして…。 -
このあと、ルーベンスの家を探しに行き裏道に迷い込んでしまいました。
周りは個人で経営している小さなダイヤモンドの研磨工場や、ダイヤモンド卸問屋みたいなところが並んでいます。
今日は土曜日のせいか人っ子一人通りません。
物陰からダイヤモンド強盗団でも出てきそうな不気味な場所でした。 -
やっと駅が見えたときには正直ほっとしました。
-
ホテルに帰り一休みして、目星をつけておいたレストランに行きました。
ベルギーでは何と言ってもこのムール貝でしょう。
昨日ブルージュでもいただきましたから、今回2度目のムール貝です。
バケツ一杯のムール貝、多そうに見えますが、意外とそんなでもないです。
これなら食べ過ぎる心配はありません。 -
野菜が足りないので、トマトとモッツァレラのサラダをシェアしました。
-
翌朝、チェックアウトする前に町を散策します。
今回のホテルは駅の近く。メゾネット方式になっており、寝室は上、居間は階下にあり、台所もついていました。
その割には安かったんです。 -
ホテルのレセプションの女性に聖ヤコブ教会の場所をしっかり聞いてやってきました。
この路地の向こうに見えています。 -
巨匠ルーベンスが静かに眠る聖ヤコブ教会です。中には多くのルーベンスの作品が飾られているそうです。
どこが入口なんだろう? -
あ、人が入っていくのが見えます。
あそこかな行ってみよう。 -
ここが入口ですね。
でもなにやら入口に白い札が立っています。 -
覗いてみるとミサの真っ最中でした。
中に入るのは憚れるので、そーっと物陰から撮影させていただきました。
そういえば今日は日曜日ですね。 -
残念ですが、仕方がありません。
ルーベンスの痕跡はこの案内板だけです。 -
未練がましく、もう一度教会を撮ります…。
-
では、次にルーベンスハイスに参ります。
もと来た電車通りに出て…。 -
あ、こんなところに小学校かな…。
かわいい絵…!。 -
タカの噴水があります。
この角を曲がるとルーベンスハイスです。 -
ほら、ルーベンスハイスってあります。
こんなに簡単に見つけられたのに、昨日はどうして見つからなかったのだろう? -
1611年、ルーベンスが最初の結婚後に購入した住居兼アトリエです。
-
現在は博物館。
彼の作品や美術収集品が展示されているようです。 -
今の時刻は9時10分。チケットショップは10時開館ですので、まだ空いていません。
残念ながら私達はこれからブリュッセルに向かいますので、内部は見学できません。 -
ホテルに引き返しましょう。
ここは昨夜ムール貝をいただいたレストランです。 -
ここは、今回のホテル・フロリダ。
駅前でとても便利でした。
次回来る機会があればもう一度利用したいホテルです。
さあ、駅に急ぎましょう。 -
アントワープ駅の正面。
ベルギーの重要文化財にも指定されているようです。 -
いよいよブリュッセルに向けて出発です。
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