2016/08/26 - 2016/08/27
1位(同エリア10件中)
+mo2さん
ギリシャの旅行記の番外編「アテネ国立考古学博物館」、ホテルから徒歩15分ほどのところにあったのでオプショナルツアーから帰ってきたあと(19:00?20:00)と帰国日の朝(8:00?10:00)の2回訪問しました。広大な館内に並ぶのはクレタ島を除くギリシャ全土からの出土品、ほとんどの展示品が紀元前のものです。東京国立博物館で2016年6月21日~9月19日に開催されている 特別展「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」(・・ギリシャ旅行の前後で2回いきました)にも多くの作品が出展されていました。
2階建ての館内は年代別・ジャンル別に56の展示室がありました、たくさん写真を撮ってしまったことと自分の整理のために年代別に纏めてみます。
ミケーネ(ミュケナイ)文明編です。
エーゲ海に浮かぶ島々に青銅器文化が誕生したのは、紀元前3,200年頃でこの青銅器時代をヘラディック文明と呼びますが、ヘラディック文明の後期(紀元前16世紀)ミケーネをはじめとするいくつかのギリシャ本土の地に突然大きな力を持つ王が現れます。宮殿や城壁を築きクレタ島すら支配下におきますがこれをミケーネ(ミュケナイ)文明と呼びます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
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館内図の1F-4(丸印)がミケーネの部屋です。
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エントランスの正面の部屋に入ると真正面に迎えてくれるのがこの黄金のマスクです。
国立考古学博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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黄金のマスクはドイツ人考古学者シュリーマンによりミケーネ遺跡の円形墳墓から発掘されたもの。ミケーネを統治した紀元前16世紀頃の王族のものですが、発見当時はトロイア戦争に勝利したアガメムノン王のマスクと信じられており、制作年代が判明した現在でも「アガメムノンのマスク」と呼ばれています。
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「黄金の冠帯」前16世紀 ミケーネ円形墳墓
アガメムノンのマスクと一緒に発掘された副葬品。その大きさから絶大な権力がうかがわれます。 -
左側にみえる円形飾り板やボタンや右側のディアデマ(冠)または帯の一部は2016年6月21日~9月19日に開催された東京国立博物館の「古代ギリシャ展」や2015年10月16日~2016年1月11日に国立西洋美術館で開催された「黄金伝説展~古代地中海世界の秘宝」にも出展されていました。
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人型の金細工他、ホメロスに「黄金に富むミケーネ」と記されていたことが立証される作品群。ミケーネの近隣では黄金は産出しないので彼らがどのようにして金を得たのか議論を呼んでいます。
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これら莫大な黄金の副葬品の9割はシュリーマンがわずか10日間で発見したものです。
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こちらが展示の金製品が発掘されたミケーネの円形墳墓です。
ミケーネ遺跡 史跡・遺跡
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シュリーマンにより発掘された黄金のマスクは「アガメムノンのマスク」を含め全部で5つでそのすべてがアテネ国立考古学博物館に展示されてます。
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これら他のマスクと比べると「アガメムノンのマスク」はあまりに精巧で威厳がある(口ひげ・あごひげなど)ことなどからシュリーマンによる贋作あるいは改ざんいう説もあります。
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小学生の頃、シュリーマンの伝記を読み世界を股に掛けた実業家としての半生とそれをすべて投げうっての発掘者としての後半生に感銘を受けましたが、実際にはかなり評価が分かれる人物のようです。
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しかしながらホメロスの世界を夢見、古代への情熱が熱かったのは紛れもない事実でしょうし、その発見の価値は失われるものではないと思われます。
そのシュリーマン、発掘を始める前2年間にわたり世界を旅していますが、幕末の日本に1カ月あまり滞在していたことはあまり知られていません。 -
獅子頭型リュートン 前16世紀 ミケーネ円形墳墓
強大な力を象徴するライオンのリュートン -
牛頭型リュートン 前16世紀 ミケーネ円形墳墓
牡牛の頭をかたどったリュートンはクレタ島からの輸入品と考えられています。 -
銅剣。
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「ヴァフィオの金杯」 紀元前1450~前1400年 スパルタ近郊のヴァフィオ
ミケーネ文明の金細工の傑作、牡牛が打ち出されています。スパルタ遺跡 史跡・遺跡
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葡萄酒やオリーブオイルを入れた壺など
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中央に現物がなく写真で展示されているキュリクス(高脚杯)は東博の「古代ギリシャ展」に出展されていました。
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海洋生物や植物などがモチーフになった装飾も見られます。
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動物が描かれたものもあります。
これほど発展したミケーネ文明ですが紀元前12世紀頃には海の民、そしてドリス人が侵入してくるとほとんどの宮殿や高度な文明は破壊され、その後4世紀ほどギリシャは著しく文化レベルが後退し暗黒時代に入ります。 -
「スフィンクスの頭部」紀元前13世紀
ミケーネでは数少ない女性像。 -
これはおそらく象牙彫り。「古代ギリシャ展」にミケーネ時代の象牙細工がいくつか出展されていました。
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ミケーネ遺跡の「大斜道」と呼ばれる坂道の南側にあった宗教施設の遺構から出土したフレスコ画で「ミケーネの貴婦人」と呼ばれているもの。
国立考古学博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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「少女の行列(部分)」紀元前14~前13世紀、ティリンスの宮殿の壁画(フレスコ画)
しっくい部分がオリジナルです。高い鼻筋がギリシャ民族の特徴。ミケーネとティリンスの古代遺跡群 史跡・遺跡
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髪形や服装にミノア文明の影響がみられるそうですが、非常にモダンです。
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ミケーネ遺跡から南方へ約20kmのところにあるホメロスに「強力に囲まれたるティリンス」」と添え名させた城壁に囲まれたティリンス遺跡もシュリーマンによって発掘されています。
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