アテネ国立考古学博物館【5】ヘレニズム期（紀元前330年～前31年）

2016/08/26 - 2016/08/27

ギリシャの旅行記の番外編「アテネ国立考古学博物館」、ホテルから徒歩15分ほどのところにあったのでオプショナルツアーから帰ってきたあと（19：00～20：00）と帰国日の朝（8：00-10：00）の２回訪問しました。広大な館内に並ぶのはクレタ島を除くギリシャ全土からの出土品、ほとんどの展示品が紀元前のものです。東京国立博物館で2016年6月21日～9月19日に開催されている 特別展「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」（・・ギリシャ旅行の前後で２回いきました）にも多くの作品が出展されていました。
２階建ての館内は年代別・ジャンル別に56の展示室がありました、たくさん写真を撮ってしまったことと自分の整理のために年代別に纏めてみます。

ヘレニズム期です。
ヘレニズムとは「ヘラス（ギリシア）主義」の意味で、アレクサンドロス大王の死（紀元前323年）からアクティウムの海戦（紀元前31年）までの約300年間に、ギリシアから各地に広まったギリシア風文化を指します。この時代は特に彫刻に優れた作品が多くパリ・ルーヴル美術館蔵の「ミロのヴィーナス」やヴァティカン博物館蔵の「ラオコーン」などが制作されております。
アテネ国立考古学博物館でも素晴らしい作品の数々が見れました。

エリア 国立考古学博物館周辺(ギリシャ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

館内図の1Ｆ-21～24、29～30他（丸印）がヘレニズム期の部屋です。

広いヘレニズム期の部屋、博物館の中心部分にあたりここは何度も通りました。

国立考古学博物館 博物館・美術館・ギャラリー

「馬に乗った少年」紀元前140年頃

クラッシック（古典）期の部屋にあったゼウスのブロンズ像と同じくエヴィア島アルテミシオン岬沖の海底から発見された像です。

筋肉だけでなく浮き出た血管まで再現された馬体はリアルな躍動感です。

｢女性の葬式用彫像｣ 紀元前320年 アテネ出土

こちらも｢女性の葬式用彫像｣と思われます。

｢アフロディ－テの彫像｣　2世紀（オリジナルは紀元前4世紀）
イタリア南部出土

美しいアフロディ－テ像ですが、見る方向により印象が変わります。なおアテネ国立考古学博物館には、「アフロディ－テとパンとエロス」というアフロディ－テ像があるはずで探したのですがどうやら何処かに貸出中のようで見ることができませんでした。

「アルテミスの彫像」ローマ時代の複製（オリジナルは紀元前4世紀）
アテネ出土

「アタランテのヘルメス」紀元前４世紀頃　アタランテ出土
肩から垂らしたマントを手に巻き付け立つヘルメス。

トロイゼンで発見されたヘルメス像
この彫像は西暦2世紀に復元されたもので、オリジナルは紀元前5世紀後半にポリュクレイトス派の流れをくむ彫刻家ナウキデスによって制作されたものです。

紀元前330年ころのセイレーン像。古典期とヘレニズム期の移行期の作品。

こちらは、別のセイレーン。

セイレーンだけでもいくつもあります。
セイレーンは上半身が人間の女性、下半身が鳥の海の怪物で、美しい歌声で人を惑わせ、船を沈めるとされています。

葬礼記念碑：ライオン
墓標として使われたライオン

パリのルーヴル美術館にもよく似た像があります。

こちらもライオン像

これは犬ですね、ペットだったのでしょうか。

「ミロス島のポセイドン像」紀元前130年頃
ミロス島で発見されたヘレニズム期の代表作。

「傷ついたガリア人」紀元前100年頃
デロス島で見つかった像です。瀕死の戦士でしょうか。

「ディオソニスのテーブル台」170-180年頃　トルコ
こちらはローマ時代の作品。ディオニュソスの左にいるのはサテュロス。

「アスクレピオス像」ローマ時代 エピダウロス出土
ギリシア神話に登場する名医であり医神として崇拝されたアスクレピオス。

「皇帝アウグストゥスの像」紀元前12-10年
ローマ時代のものでユービア島のエーゲ海で見つかった像です。馬のだずなを取る旺盛時の皇帝アウグストゥス像で右手は公式な挨拶の形だそうです。

こちらもローマ時代の彫像。左端は第14代ローマ皇帝ハドリアヌスに寵愛されたがナイル川で事故死を遂げた美青年アンティノウスの像と思われます。

中庭も美しい。