2015/04/29 - 2015/05/05
283位(同エリア917件中)
nhさん
この日はプラハからの日帰り観光で、ドイツの古都・ドレスデンに向かった。
行きはバス、帰りは何となく乗りたかったので電車を、それぞれ日本からネットで予約。万全を期して、隣国へのショートトリップを満喫。しかーし、さてプラハに帰ろうという時に、予想もしてなかったアクシデントが発生した…。
- 交通手段
- 鉄道 観光バス
- 航空会社
- ANA チェコ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
プラハで3ヵ所目の宿泊先となるグランディオール。キレイな5つ星ホテルで、今日から2泊お世話になる。
この日は、朝からドレスデンに行くので、チェックインが夜になる旨を伝えて、それまでスーツケースをこのホテルで預かってもらうことにした。 -
このホテルからは、フローレンツのバスターミナルが近く、そこまで歩いていく。
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そして、チェスキー・クルムロフに行ったときにも利用したSTUDENT AGENCYのバスで、ドレスデンへ向かう。
チェスキー・クルムロフとは、出発するバスターミナルが違うこと、それとチェコ国外に出るため、乗る際にはパスポートが必要なので要注意なのだ。 -
約2時間でドレスデンに着いたよー。
ドイツに入ってから、一度パスポートチェックがあったくらいで、あとは快適だった。
バスは、ドレスデン中央駅の横の辺りで停車。 -
ドレスデン中央駅。やはりチェコとは建物の雰囲気が違う感じ。
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そして、旧市街に向かって、大きな通りを歩く。
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周囲には、とにかく大きな四角い建物が並んでいた。
そういえば、ドレスデンは、90年の東西統一までは東ドイツ、つまり社会主義国だった。今となっては、ちょっと信じられないような話しかも。 -
ドイツの歩行者用信号機は「アンペルマン」というキャラクターとなって、いろいろなグッズも発売されるほど人気者なのだ。
確かに、なんか憎めないデザインだねっ。 -
ここアルトマルクト広場には、食べ物屋さんの屋台がたくさん。
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お腹がすいたので、ここでランチにする。
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いただきまーす。
周囲の人は、当然のようにビールを飲んでいた。 -
お腹も満たされたので、街歩きを再開。
この広場の一角には、聖十字架教会があって、地上54メトールのところが展望台になっているので、早速、行ってみた。 -
教会内には、第二次大戦で空襲を受けている様子の写真が展示してあった。
それを見ていると、なぜだか爆弾が落ちてくるような音や、爆発音が耳の遠くから聞こえてくる気がして、恐ろしくなる。
黒くすすんだ外壁が、そんな錯覚を呼び起こさせたのだろうか…。 -
展望台から、街を見渡す。
無差別爆撃を受けたここは、計3900トンもの爆弾が投下され、多くの市民が犠牲になったそうだ。
歴史的にも価値がある美しいこの街を、ドイツ人は空襲を受けることはないと信じていたそうで、また、ドイツから爆撃を受けていた英国内でも、ドレスデンでの爆撃には非難の声が上がったという…。
そんな話しをどうやって理解してよいのか分からず、しばらく復興したこの街を眺めていた。 -
この旅行の始まりは、ナチス・ドイツが破壊したワルシャワだった。そして、いまは連合軍によって破壊されたドレスデンに居る。
どちらもいまは、美しい街へと再建された。戦争って一体何だろうか。気が付けば今回の旅は、そんなことを改めて考える機会が幾度もあった。 -
さて、もう降りよう。
いろいろなことを考えながら、ゆっくりと下へ向かった。 -
教会前にはオブジェがあった。
一人だけ色付きの少年に、一瞬、ドキっとする。 -
日本でも、もはや懐かしいものになった電話ボックス。
ちなみに、上の黄色と黒はドレスデンの紋章だ。 -
今度はフラウエン教会が見えてきた。
大きなドームがとっても印象的。 -
この銅像はどなた様?と近づいてみたら、世界史の教科書に出てくるマルティン・ルターだった。
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このフラウエン教会も空襲で崩壊。なんと50年ほど瓦礫の山のままになっていて、再生工事に着手したのは、東西ドイツ統一後という。
その際、資材はオリジナルを可能な限り活用したため、近くでみると、白と黒のつぎはぎだらけになっている。
ワルシャワの旧市街地もそうだったけど、これって、考えただけでも気の遠くなる作業だ。でも、そういう形で再生しようという発想が何よりスゴい。 -
この石碑は、当時の教会の一部。
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もう一度、教会の全景を目に焼き付けて、次のスポットへ。
ん~、なんというか、もの凄い存在感だったなぁ。 -
フラウエン教会の周囲にある美術館、アルベルティヌム。
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そういえば、ドレスデンに来るにあたっては、ガイドブック等を持ってこなかったので、この辺りのお店で観光マップを購入した。
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そして、いきなり現れた外壁「君主の行列」。
地図をよく見てなかったせいもあるが、心の準備もなくこの光景に出くわしたので、インパクトがかなり大きかった。 -
奇跡的に空襲の被害を受けなかったというこの外壁。辺りは火の海だったはずなのに…
もう見事としか言いようがなく、同時に、無事であったことが喜ばしくも思えるほどだ。 -
歴代のザクセン君主が描かれていて、スタートはここから。
-
この外壁にはマイセン磁器のタイルが2万4千枚以上、使われているそうだ。
それが全長100メートルにわたって描かれているのだから、もうスゴイっ。 -
ちなみに、壁画の裏はこうなっていた。ちょっと興奮気味だったため、ここでクールダウン。
ガイドブックや観光案内を見すぎてしまうと、実際のものを目にしたときに、その確認作業となってしまうことがある。しかし、ドレスデンの観光に際しては、さほどの下調べ等もしなかったので、見るものがとても新鮮だった。 -
エルベ川の先は新市街。
新市街には世界一美しい牛乳屋さんがある。どんなものか、ちょっと気になって行ってみようとも思ったけど、このまま旧市街の雰囲気に触れていたい、という欲求が勝った。 -
アウグストゥス橋とエルベ川をみながら、ここでアイスクリーム休憩。
そういえば、ドレスデンって、新しい橋を架けたことによって、世界遺産を抹消された唯一のところなんだって。 -
アイスを食べ終えて、観光を再開。
右側の宮廷教会の横が広場のようになっていて、そこの周囲の景色がまたステキなのだ。 -
ここもそうだけど、ドレスデンの歴史的な建物は、ほとんどの外壁が黒くなっている。
これはもともと、黒色砂岩を使用しているからだそう。
それに加えて、戦争で焼けたことも要因。 -
宮廷教会。
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歌劇場、ゼンパーオーパー。
つまるところ、ゼンパーさんが設計したオーパー(オペラ、歌劇場)の意味。 -
ゼンパーオーパーは違った角度でみても、これまた素晴らしいのだ。
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宮廷教会とドレスデン城(右)。
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そして、ゼンパーオーパーの横というか、すぐ近くにアルテマイスター絵画館がある。
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アルテマイスター絵画館には、ラファエロが描いたあの「システィーナのマドンナ」がある。
ちなみに、館内は撮影不可。 -
これがシスティーナのマドンナ(の顔)。
絵画の下に描かれている天使をみれば、あぁ、この絵ねってなると思うんだけど…。 -
アルテマイスター絵画館は、フェルメールの「手紙を読む女」と「取り持ち女」の2点も所有しているし、結構、良かったなぁ。満足、満足。
ということで、これはツヴィンガー宮殿の中庭からみた美術館の全景。 -
ツヴィンガー宮殿は、フリードリヒ・アウグスト1世が建築したもので、当時、木造建築が主体だったドレスデンに石造の宮殿を、ということで1711年から建設が開始されたそうな。
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たくさんの彫刻で飾られたバロック建築の傑作。ごもっとも。
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ここの中庭は、そんなに広いわけではないんだけど、周りを囲っている建造物に思わずうっとり。
すごいなぁ~と辺りを眺めながら、しばらく見入っていた。 -
さて、ツヴィンガー宮殿を出よう。
外堀もキレイなのだ。 -
勇ましく宮殿を後にした割には、このすぐ近くにある「カフェ・シンケルヴァッヘ」で、再び休憩をとる(笑)。
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ここで名物ケーキのアイアシェッケを注文してみた。
甘さ控えめのチーズケーキで、たまらず秒殺。おいし~。 -
そろそろ駅に戻ろう、とカフェを出て再び歩き始めた。
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トラムも走ってるんだけど、乗り方も、どこに行くのかもサッパリ分からないので、ただ通りすぎるのを眺めるのみ。
そして、19時7分発のプラハに帰る電車をネットで予約しておいたため、余裕をもってドレスデン中央駅に向かった。 -
さて、事件はここから。
19時7分発は確かに停車している。しかし、よく見ると逆方向のベルリンと表示されていたので、チケットを駅員さんに見せて確認したら、確かにこの列車でOKという。
しかし、予約した車両に乗ると、避けたはずのコンパートメント。「ん?変だなぁ」と首をかしげながらも、今度は、乗車していた人に聞いたら、「この電車じゃないわよ」と言うではないか。マジでー…(汗)
そして、さっきの駅員さんに、もう一度チケットを見せたら、「OH!プラ~ハっ」と驚き、すぐにインフォメーションに行けと言う。
あのねぇ…。
この時はかなり焦っていたものの、駅員さんがちょっと巻き舌気味に「プラ~ハ」と発したのが妙にカッコいいなぁという、どうでも良いことを考えながら、インフォメーションに向かってダッシュした。 -
聞けば、この日ドレスデンからプラハに行く電車は、運休になったとのこと。
見知らぬ土地で、夜に電車が運休になったと言われてもねぇ…。
最悪はドレスデンで宿を探すしかないのかもしれない。とはいえ、プラハでは大枚をはたいた5つ星ホテルが待っている。しかも荷物を預けただけで、まだチェックインもしてないのに…。なんで帰りは電車にしたんだろう…。
えーん、プラハに帰りたいよぉ(泣) -
インフォメーションで、じゃあどうするの?と聞くと、途中駅までバスに乗って、そこからならプラハまでの列車があるので、それに乗って欲しいとのことだった。
しかも、バスは「そこを曲がってずっと先のところ辺りに後ほど迎えにくるから、そこらへんに行って待ってて」、と超アバウトな答え。
皆、どこで待ってていいのかよく分からないまま、しかも長い間待つ。こんなんで本当にプラハに戻れるのだろうか、と不安もピークに。そして、バスが到着したのはもう夜の9時近かった…。
本当にね、トホホなのだ…。 -
バスはわりと長く走って、名前もろくに読めない駅に到着。ここで駅員さんに、プラハ行き列車の発車するホームを聞いて、再び待つ。
この時、すでに夜の10時近く…。さすがに疲労困憊で、思考回路がうまく働かないっす。 -
列車がキターっ!
-
ということで、プラハの駅に着いたのは22時45分。何はともあれ、帰ってこれて良かった、良かった。
しかし、治安は悪くないとはいえ、見知らぬ土地でウロウロする時間じゃあ、ありません。 -
プラハ駅から地下鉄を乗り継いで、やっとホテルに到着。
随分と遅くなっちゃったけど、朝に預けた荷物を受け取って、チェックインした。 -
やっぱりニッポン人にはバスタブだよね~。
そんな感じでプラハに帰ってこれて良かった、という安堵の気持ち一杯に、この日も爆睡した。
つづく…。
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この旅行記へのコメント (5)
-
- yamt2525さん 2016/12/16 18:22:55
- いがいにアバウトなドイツ人
- 大変でしたね。
日本人と同じでドイツ人は几帳面でしっかりしてるなんては、
過去の話か、電車に限ってはアバウトさを僕も実感しました。
- nhさん からの返信 2016/12/17 22:29:55
- RE: いがいにアバウトなドイツ人
- yamt2525さま
はじめまして。
投票と書き込み、ありがとうございました。
以前、ドイツの鉄道を乗った時に、時間に正確でスゴいなぁと思ったのですが…。
今回、ドレスデン駅のインフォメーションでも長蛇の列に並んで、
やっと私の番と思った矢先、「英語がわからないから、隣の窓口に並んで」と言われて、
あ然となったことも付け加えておきます(笑)。
yamt2525さんの旅行記のアザム教会も素敵ですね。
今年のGWはミュンヘンに行ったのですが、
こんな美しい教会のことをいま知って、あ然としております…。
今後ともどうぞ宜しくお願いします。
nh
-
- sanaboさん 2016/10/29 19:18:27
- こんばんは☆
- nhさん、
お久しぶりです(←掲示板では、という意味ですけど)
ラハを拠点の旅行記、拝見しては読み逃げばかりでゴメンナサイ!
本当にnhさんのコメントは軽妙でお上手なので、
毎回楽しく拝見させていただいてます♪
ドレスデンではどうなることかと思いましたが、
無事荷物を預けた5つ星ホテルにお戻りになれて良かったです(ホッ!)
プラハはずっと昔に行きましたが、是非とも再訪したい街で
チェスキークルムロフやドレスデンも行ってみたい街♪
また楽しみにお邪魔させていただきますね。
これからもよろしくお願いいたします^^
sanabo
- sanaboさん からの返信 2016/10/29 19:22:43
- ラハ→プラハです(汗)
- なぜか、プラハのプが抜けてました。
失礼しました! sanabo
- nhさん からの返信 2016/10/30 20:38:06
- ありがとうございました
- sanaboさま
ご無沙汰しております。
おぼえて頂いていて、とても光栄です。
再び訪問して頂きまして、ありがとうございます。
そして、こちらこそ、読み逃げばかりで大変申し訳ありません…(汗)
プラハも街並みが綺麗ですが、ドレスデンもいいところでした。
そんなことをふと思い出したある日、
「やっぱり、この旅行は記録に残しておこう」と、いま慌てて記載している次第です(汗)
しかし、sanaboの旅行記も、いつみても素敵ですね〜。
とくに「どうやったら、あんな構図で、こんな綺麗な写真が撮れるんだろう?」と、
常に羨望の眼差したっぷりで、見させて頂いてます。
そういえば、チェスキー・クルムロフは世界一美しい町と言われていますが、
先日、sanaboさんの旅行記をみて、「むむむ、サン・シュリアックの方が世界一かも…」
と思ってしまいました…(笑)。
ということで、私もまたお邪魔させて頂きます。
今後とも、どうぞ宜しくお願いします
nh
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