2016/05/03 - 2016/05/03
28位(同エリア1166件中)
エンリケさん
2016年GWのネパール旅行3日目(ネパール観光2日目)終盤。
この日はカトマンドゥ近郊の古都パタン、チベット仏教の聖地ボウダナートと周って、最後にヒンドゥー教の聖地パシュパティナートを訪れます。
ガンジス川の支流、バグマティ川の川岸にあるパシュパティナートは、破壊の神シヴァを祀るネパール最大のヒンドゥー寺院。
周辺には遺体を荼毘に付す火葬場や異教徒お断りの施設が多くあり、数あるネパールの観光スポットの中でもかなりディープな雰囲気。
有名な火葬の儀式には立ち会えませんでしたが、ちょっとしたヒンドゥー世界の異文化感を味わうことのできたひとときとなりました。
<旅程表>
2016年
5月1日(日) 成田→バンコク
5月2日(月) バンコク→カトマンドゥ
○5月3日(火) カトマンドゥ→パタン→ボウダナート
→パシュパティナート→カトマンドゥ
5月4日(水) カトマンドゥ→ポカラ
5月5日(木) ポカラ(サランコットハイキング)
5月6日(金) ポカラ→カトマンドゥ→ナガルコット
5月7日(土) ナガルコット→バクタプル→カトマンドゥ
5月8日(日) カトマンドゥ→バンコク
5月9日(月) バンコク→成田
- 旅行の満足度
- 3.0
- 観光
- 3.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- タイ国際航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
5月3日(火)
14時50分、ボウダナートのストゥーパを一望できるテラスでの昼食を終え、次はここからほど近いヒンドゥー教の聖地、パシュパティナートに向かいます。ボーダナート 寺院・教会
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通りに出ると、電線の自己主張が激しく、ある意味芸術的だったので思わずパチリ。
欧米人も日本の電線を見て驚くようですが、上には上がいますね(笑)。
ただ、こんなに自己主張が激しいのに、ネパールではほとんどの時間帯、電気が通っていないというのがまたシュール。 -
さて、ボウダナートからパシュパティナートへは歩いて行けるとの情報があったので、わたしもタクシーを使わず徒歩での移動に挑戦。
ストゥーパの門を出て大通りを渡り、左手に見える脇道を真っ直ぐ行けばパシュパティナートに着くはずなのですが、脇道はご覧のとおり未舗装のほこりっぽい道路。
撒き上がる土煙や排気ガス、それに、先ほど飲んだ一瓶分のビールの酔いとで、次第に気持ち悪くなっていきます・・・。 -
途中、吐き気に襲われ、休憩を入れながらゆっくり歩くことに。
気休めに景色を眺めながら歩いていると、左手の崖を挟んで向こう側に学校らしきものが。
何とはなしにカメラを構えると、校庭から歓声ともに手を振る子どもたちの姿が。 -
子どもたちの期待に応えて、なけなしのズームでパチリ。
この前年に訪れたスリランカと違って、ネパールはある意味都会的なのか、旅人に積極的に興味を示したり話しかけてきたりする人がほとんどおらず、ために、地元の人の写真を撮る機会がこれまで全くなかったのですが、これは嬉しい機会です。
やはり都会的なクールさを装う大人と違って、子ども同士だと開放的な気分になるものですね。 -
こちらのポーズをとってくれた女の子たちをパチリ。
そういえばネパールはアジアの最貧国ながらも、少なくともカトマンドゥなど都市部では日中働いていたり物乞いをしている子どもは見かけず。
義務教育の制度は存外しっかりしているのかな、と思って調べてみたら、小学校入学率は90.7%(2012年)なものの、貧困などの理由で義務教育終了まで継続して通える子どもの数は67.5%に過ぎないとのこと。
【外務省:世界の学校を見てみよう〜ネパール連邦民主共和国】
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/kuni/nepal.html
外国人の目に留まらない農村部では学校に通えない子どもたちが多いのでしょうね。
アジアでは日本やタイと並んで欧米列強に一度も植民地化されたことのない古くからの独立国のはずなのに・・・国王独裁により都市部と農村部の格差が拡大し、農村部に根を張るマオイスト(ネパール共産党毛沢東主義派)との闘争激化やそれに続く王制廃止など、混乱が続く政治体制のため、教育制度の確立の方もうまくいっていないようです。 -
15時30分、時折休んだりしながら30分近くかかって、リンガなどヒンドゥー教のシンボルのある聖地らしき河原に到着。
ここが目指していたパシュパティナートの一部か?ガウリ ガート 建造物
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一角にはこんなグロテスクとも思えるオレンジ色の像が。
調べてみたら、ここは“ガウリガート”と呼ばれる“ガート”(洗濯や沐浴の場として使われる川岸に設置された階段状の施設)とのこと。
周りには誰もおらず、パシュパティナートはもう少し先のようです。 -
道なりに少し進むと上に続く階段が現れ、昇ってみると、市民の憩いの場所となっている広々とした丘が。
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丘の西側からは、カトマンドゥの街並みがこんなふうに見渡せます。
大気汚染のせいなのか、相変わらずどんよりとした空ですが、その下の街並みは明るい色の多いパステル調で、以外にカラフル。
・・・街の中を実際に歩いているときは、停電や自動車の排気ガス、巻き上げられる土煙りのせいもあって土色のどんよりとした街並みに見えたものですが、こうして高いところから眺めてみるとだいぶ印象が変わってくるものですね。 -
15時40分、丘の上を横断してついにパシュパティナートの入口へ。
周りを見渡すと外国人らしき人はまったく見かけず、アウェイ感満載ですが、とにかく来た以上は中に入ってみたいと思います。
受付で外国人に課せられる入場料1,000ルピー(約1,020円)を払っていざGO!パシュパティナート寺院 寺院・教会
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誘導にしたがい、門をくぐって少し行くと、橋が見えてきました。
これがガンジス川へと続くヒンドゥー教の聖なる川、バグマティ川に架かる橋か・・・。 -
橋の上をよく見ると、こんなライオン丸のようなコスプレをした人が。
どうやら写真でよく見る“サドゥー”と呼ばれる修行僧のようです。
・・・といっても、周囲の人から大して気に留められているふうでもなく、あまり神聖な雰囲気は感じません。
外国人観光客がカメラを向けるとチップを請求する輩のようで、どうやら今は観光客向けのキャラクターに成り下がっているような感じですね・・・。 -
橋の上から南側の下流方向をパチリ。
右側に見えるのがいわゆる“ガート”で、朝夕はここで火葬が行われるのだそう。
水の量はこの時期乾季のせいか少なく、ところどころ土が見えていて、沐浴をしている人はいないようです。 -
今度は北側の上流方向をパチリ。
左に見える建物がメインのパシュパティナート寺院で、この前でも火葬が行われます。
このパシュパティナート寺院はヒンドゥー教徒以外の立ち入りを禁止しているため、外国人観光客は遠くから見守るだけとなっています。 -
橋を渡るとその先は昇り階段になっていて、何やら山の上の寺院群につながっている模様。
こちらの方はヒンドゥー教徒以外でも立ち入りは禁止されていないようなので、とりあえず他の参拝者の後に続いて階段を昇ってみることにします。 -
階段の両脇には“ムルガスタリ森”と呼ばれる森が広がっていて、こんなふうにニホンザルに似たサルがいっぱい。
食べ物を持っていると襲われることもあるので、ものを食べながらの散策は厳禁となっています。
ちなみに“ムルガスタリ”とは“鹿のすみか”という意味。
パシュパティナートの祭神となっているシヴァ神の化身“パシュパティ”(“獣の王”の意)は“金の角を持つ鹿”の姿をしているところから、その名がついたそうです。ムルガスタリの森 文化・芸術・歴史
-
16時、5分ほどで階段を昇り切り、山の上の寺院群へ。
石造りやレンガ造りの様々な建物がありますが、この辺りの建物はそれほどメインではないらしく、参拝に来たヒンドゥー教徒たちは、少し見学してはまた別の場所へ移ってしまっている模様。 -
こちらの石造りのストゥーパ状の建物の手前には、シヴァ神の化身であるリンガ(男性器をかたどった彫像)がいっぱい。
こう並べられるとなんだか元気になってくる思いです(笑)。 -
ヒンドゥー教の神様が祀られている祠にはサルたちもお参り。
単にお供え物を物色しているだけかもしれませんが・・・。 -
こちらの独特の形をした寺院の手前には三つ又の鉾が。
三つ又の鉾といえばギリシャ神話の海皇ポセイドンを思い浮かべますが、ヒンドゥー教においては、破壊を司る神シヴァの象徴なのだそうです。
シヴァ神を象徴するという意味での三つ又の鉾はインドでは見た記憶がないですが、ヒンドゥー教は絶対神に近いと思われるシヴァ神でさえいくつものローカルな化身を持つ多神教だけに、地域によって祀られ方も様々なのでしょうね。 -
山の上を貫く参拝路を通り、そのまま山の反対側に降りて行くと、出口付近に赤レンガの高い壁を持つ由緒ありげな建物が。
入ろうと思い、階段を降りて行くと・・・。 -
建物入口には“入場はヒンドゥー教徒のみ”との表示が。
調べてみると、この赤レンガの建物は“グヘシュワリ寺院”といい、シヴァ神の妻パールヴァティーの化身である戦いの女神“カーリー”を祀る寺院とのこと。
入れないものはしょうがないので、来た道を引き返すことにします。 -
16時20分、再び山を昇り降りして、パシュパティナートのガート側まで戻ってきました。
ここでガートをのぞいてみると・・・。 -
何やら木を組んだり藁のようなものを積み上げたりといった作業が。
こらから行われる火葬の準備でしょうか・・・。 -
パシュパティナート寺院の手前のガートでも、何やら火葬の準備らしき作業が行われている模様・・・。
夕方になって、火葬の時間が近づいてきたということでしょうか。 -
パシュパティナート寺院の対岸には、“エッカイダス・ルドゥラ”というシヴァ神の象徴であるリンガを祀った11の白い屋根の塔が並んでおり、その辺りからたくさんの人々がガートで行われている火葬の準備の様子を見守っています。
-
よく見ると人々に混じってサルも見物。
人間の様子を観察してやがては自分の仲間も火葬にしたりしないのかな・・・。 -
下流の方のガートでは一足先に作業が終わり、こんなオレンジ色の鮮やかな祭壇が完成。
この際だから火葬そのものの様子も見ておこうと思ったのですが、17時を過ぎても一向に始まる気配はなく・・・。
停電が続くカトマンドゥでは、暗くなる前にホテルへ帰る必要があったため、残念ながらこの辺りで見学を切り上げることにします。 -
さて、ここを去る前に、パシュパティナート寺院本体を見ておこうと思い、ガート側とは反対側の入口から近づいてみることに。
夕方になってだいぶ観光客が少なくなった通路を歩いて行き・・・。 -
パシュパティナート寺院入口にやってきました。
正面2階に掲げられているのは、三つ又の鉾を持ちリンガを手にするヒンドゥー教の破壊の神シヴァ。
“パシュパティナート”の名前の元となった獣の王“パシュパティ”の本体神であり、この寺院の主祭神です。
ちなみにこのパシュパティナート寺院、ネパール最大のヒンドゥー教寺院というだけでなく、インド亜大陸にある4大シヴァ寺院のひとつとされているのだとか。
(ガイドブックの受け売りですが、ほか3つはいくら調べても出てこない・・・。)
・・・パシュパティナート寺院が見られるのはヒンドゥー教徒以外は立入禁止のためここまで。
門の向こうに鎮座するシヴァ神の乗り物、金色のナンディー(聖牛)のお尻を目に焼き付け、寺院を去ることにします。 -
17時30分、パシュパティナートを出て門前町入口を左に曲がり、5分ほど歩いて車や人通りで賑わうゴウサラの交差点へ。
そこで、タメル地区行きのマイクロバスを見つけ、ぎゅうぎゅう詰めの中を10分ほど揺られて、無事、タメル地区に到着(運賃は20ルピー=約20円)。
この後はボウダナートで食べたカレーがまだ腹に残っていて食欲がなかったので、ホテルに戻ってそのまま就寝。
・・・この日は古都パタン、チベット仏教の聖地ボウダナート、ヒンドゥー教の聖地パシュパティナートと、カトマンドゥ近郊の異文化感満載の世界遺産を見られ、充実した時を過ごすことができた一日となりました。
翌日はカトマンドゥを離れ、ネパール中央部の昔ながらの観光地、ポカラを目指します!
(震災1年後のネパール4日目〜ポカラへの道に続く。)
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この旅行記へのコメント (4)
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- わんぱく大将さん 2016/11/15 11:36:15
- マチャプチャレ
- エンリケさん
ロンドンに用事で1泊、出ておりました。返信、遅なってすみませんなあ。
アジア、いいでしょう? ヨーロッパに住んでますが、実はアジア好き。
このネパールも32年前位に行きましたね。 ネパールと聞くとポカラで早朝見たマチャプチャレを思い出します。きれかったなあ〜。 おかげで、その後はまだ、みんなが行ってない頃にカンボジアやインドネシアと。アジア、はまりますよ〜。
大将
- エンリケさん からの返信 2016/11/17 01:09:03
- ノスタルジーあふれるアジア
- わんぱく大将さん
こんばんは。ご丁寧にコメントありがとうございます。
1980年代のネパールですか。
きっと今よりも素朴でノスタルジーにあふれた光景が見られたのでしょうね。
アジア、年齢を重ねると、あのほこりっぽさがたまらなくなってきますね。
やっぱり、昔の日本へのノスタルジーなんでしょうね。
これからしばらくはアジアの旅が続きそうですね。
-
- 川岸 町子さん 2016/08/22 23:04:20
- 金たらい
- エンリケさん、おばんでした☆
またまた懐かしいパシュパティナートを見せて頂き、うれしくなりました。
訪れた時に確か、火葬をやっていて、煙の向かう方向の人々が鼻をおさえていたことを覚えています。
狭い川の片側で行われた火葬でした。
今は入場料が1000円ほどすることに驚きました\(◎o◎)/!
ネパールの物価を考えると、1000円は、かなり高額ですよねー!
記憶によると、大きなdonation boxがあったと思います。
最後のお写真いいですね〜(*^▽^*)
ネパールの街角の光景、とっても趣あります。
左側にあるのは、金たらいでしょうか?
金たらいは、ネパールでよく見かけたものです。
精肉の塊や魚を入れて、道端で売っていて、これまた驚きでした\(◎o◎)/!
品質の良いサランラップの国から見ると、驚きの連続でした(笑)
ネパールでは今もなお、金たらいが活躍しているのかなと、思いました。
町子
- エンリケさん からの返信 2016/08/23 23:04:23
- ネパールはアジアのタイムカプセルですね。
- 川岸 町子さん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます。
わたしは残念ながら火葬の儀式を見ることができませんでしたが、地元の方でもそうなってしまうくらい、きつい臭いが漂ってくるのですね。
それとも、死者の煙を吸ってはならないということなのでしょうか・・・。
ネパールは公共交通機関の運賃は外国人でも安いのですが、このパシュパティナートやカトマンドゥのダルバール広場など、観光地への入場料は完全に外国人価格ですよね。
それでも、スリランカよりはマシでしたが。
> 最後のお写真いいですね〜(*^▽^*)
> ネパールの街角の光景、とっても趣あります。
お褒めいただき恐縮です。
カラフルなメキシコや整然としたヨーロッパの街並みもいいですが、こういうアジアの雑踏も一種魅力的ですよね。
> 左側にあるのは、金たらいでしょうか?
> 金たらいは、ネパールでよく見かけたものです。
> 精肉の塊や魚を入れて、道端で売っていて、これまた驚きでした\(◎o◎)/!
なるほど。町子さんもかつて興味を持たれたものなのですね。
経済成長の遅いネパール。それゆえに、昔ながらの生活スタイルが今なお街の至るところに残っているのでしょうね。
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