2015/12/28 - 2015/12/31
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はなだいこさん
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横浜住まいの2人が数年前に博多から高速船で渡った釜山へ、
今度は、大阪からクルーズ船を利用し、のんびり出かけてみることにしました。
大阪の港を午後3時に出港して瀬戸内海を横切り、下関と門司の間をすり抜けたらそこは日本海。
釜山には翌朝の10時に到着します。
中国地方から四国まで、縦に瀬戸内海を渡った事は何度もありますが、横切るのは初めてで、たぶんこの船に乗るのでなければ、そういう経験は出来ないんじゃないかな。
船から眺める瀬戸内海の光景が何よりも楽しみでした・・・・・が、しかし・・・。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
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-
大阪の街であれこれ楽しみ、今日はいよいよ釜山に向けて出港です。
出港時刻は午後3時なのですが、1時半までに港で乗船の受付を完了しておくように、との事でした。
大阪南港にある大阪国際フェリーターミナルへは、地下鉄と無料のシャトルバスを乗り継いで向かいます。
変てこりんな形のこの建物が、そのターミナルです。
(撮影は船上から) -
1時ちょっと前に着いたターミナルには、9割くらいが韓国人かと思われる大勢の乗船客が集まっていて、皆さん、とても大きな荷物を脇にくつろいでいました。
けれども、乗船受付カウンターには7~8人しか並んでいません。
私たちは当然その最後尾につきますが・・・。
「あんなにくつろいでいる彼らは、すでに何らかの方法で乗船受付済み?」
ん~、もしかしたらそんなことが出来るのかと、悔しい気分で並んでいましたが、受付開始時刻に振り向くと大行列ができていましたよ。
「どうせ乗れるんだからいいじゃん、ケンチャナヨ」の人々だったのかな~?
私たちのすぐ後ろに並んだ韓国アジュンマが、スキあらば横に並び追い越そうとするのを、夫がカバンや足先でさりげなく防御すること十数分。
静かな争い。
日韓冷戦。
ようやく開いた1階の乗船受付カウンターでパスポートを提示し、乗船券を受け取ることが出来たときはホッとしました。
すると、冷戦の終了を祝うかのように
「燃油料金が下がったので千円お返しします」
「荷物はお預かりして船室までお運びしますので、それまで係員が案内する3階の
休憩室でおくつろぎください」
とのうれしいお言葉が続きます。 -
案内されたのはこんなところでした。
3階の展望台兼休憩所の一画が、ほんのちょっとだけリッチなくつろぎスペースになっています。
空港のビジネスラウンジみたいな飲食サービスはなかったけれど、親切な案内嬢は、
「乗船時刻が来たらお迎えに参ります」
と言って去って行きました。 -
3階からは外にも出られるので、自分たちが乗る船の写真を撮ったり、遠くの景色を撮影したりしてお迎えを待ちます。
海の向こうのあの観覧車はどこの物なのか?
気にはなるけれど、未だに調べようとしない私たち。
ディズニー関係? -
しばしの休息後、ようやくお迎えの女性が来たので、後をついて1階に降ります。
大行列の脇をすり抜けて、 -
先頭に。
アコーディオンカーテンの向こうにはパスポートコントロールがありました。
以前、博多から高速船で釜山に渡ったときにも感じたことですが、船での出入国手続きには、空港で感じるような緊迫感と言うか緊張感が全くありません。
パスポートを渡したら、ページを開いてハンコをペトッと押して、ものの10秒で手続き完了。
手荷物検査もないので、夫のリュックの中にある刺身包丁もポケットの中の手投げ弾も、船の旅ならフリーパスです。 -
ターミナルの向こうにはパンスタードリーム号が着岸しています。
たぶん、たくさんの貨物類を搬入しているところでしょう。
わが街横浜の大桟橋にちょくちょくやってくる超大型の豪華スーパー客船と比べたら、たぶん幼稚園児みたいな船なんでしょうが、わんぱくでもいい、一晩だけお世話してほしい。 -
ターミナルの外には、歩いたってすぐの距離なのにバスが待機していて、日本人らしきおじ様2人と乗車しますが、しばらく待っても一向に次のお客さんが来ません。
結局、運転手と案内嬢が何やら相談したうえ、見切り発車となりました。 -
船の右脇腹、人間で言えばちょうど肝臓のあたりから真っ先に乗り込み、フロント(と言うのかな)のある階までは
-
エスカレーターで上がります。
-
ロビーでは、見たところ日本人でも韓国人でもなさそうな女性2人が、バイオリンとチェロの2重奏で迎えてくれました、
と言うのはちょっぴりウソ。
早く乗り込みすぎたせいなのか、私たちのロビー通過時には女性二人の姿はなく、いったん部屋に入ってから船内探索に出かけた頃に、ようやく音楽が聞こえてきたというのが本当のところです。 -
チェロは(バイオリンも)骨組みだけのこんな楽器で、演奏されていたのは、夫によると、
「シューベルトの鱒・・・だったと思う。
少なくとも鰹ではない」
との事です。 -
カウンターの、こんなに綺麗な整形疑惑美女(夫の言葉)に船室の場所を尋ねると、
-
案内の女性を呼んでくれたので、彼女に導かれてさらに上の階に向かいます。
後の船内探索で判明したのですが、下の階にあるのは窓のない部屋や雑魚寝部屋で、階段を上がると窓のある、ちょっとばかりお高めの部屋が並んでいます・・・って、当たり前ですね。
以前読んだ桐島洋子さんの本に、
「私が船で長旅をすると知った母に、『船旅の階級差別はものすごく大きいから、無理をしてでも良い船室をとりなさい』と言われたことがある」
とあったのを思い出しました。 -
部屋の前には大きなバッグが到着済み。
下船時にも自分で運ばなくていいとの事でした。
ちょっとした階級差別?
一晩限りの上流階級? -
予約したツインルームは、一応窓がある、こんな感じの部屋です。
-
テレビに冷蔵庫に小さなテーブル。
それにトイレとシャワーとクローゼットが備え付けられたかなり狭い部屋でしたが、名前だけは一丁前に「デラックススイートルーム」と言います。
なにも大名旅行をしようとしてこの部屋を選んだわけではないんですよ。
このひとつ下のランクの部屋は、似たような間取りでもう少し安い「ジュニアルーム」なんですが、4部屋しかないそちらは満室。
それ以外の部屋は、ものすごく高い「ロイヤルスイート」(一人一泊8万5千円!)を除いて、全室「男女別の相部屋が基本」との事なのでこの部屋を選ぶしかなかったと、そういうわけです。 -
荷物をチャチャッと整理して上がった甲板には、冬の日差しが照りつけます。
周囲には高い建物が一切ないので、四方が遠くまで見渡せて、何ともいい気分。 -
後続のお客さんたちも次々と到着し、
船内のあちこちがだいぶにぎやかになってきた、ちょうどその頃、 -
夫は早くも大浴場に向かっていたのでした。
時刻はまだ2時30分。
事前情報では「風呂の利用は出港時刻の3時から」のはずですが、
「韓国のケンチャナ船なんだから大丈夫」
と言って出向いた夫によると、すでに先客がいたそうです。 -
一番風呂は気持ちいいですからね~。
何度も乗っている人は狙ってるのかもしれません。
街なかの銭湯ほどの広さはないけれど、窓の外は、まだ大阪湾とはいえ一応海だし。
夫の後に続いて、私もお隣の女湯に入ってきました。
案内の表示が「風呂」とか「大浴場」ではなく「サウナ」ってところが、もう半分韓国という感じで、そう言えば小さな売店の値段表示も、すべてウォンでした。
で、女湯ですが、すいていたという男湯と違って、にぎやかな韓国人のおば様方で満員御礼。
元気なアジュンマの1人に日本語で話しかけられました。
なんでも、身体の具合が悪いので、奈良にある天理教の神社にお参りしてきたんだそうです。
韓国からわざわざ。
お祈り、効くといいんですが・・・。 -
定刻を20分くらい過ぎたところで、船の脇腹の自動車入口穴ぼこもふさがれ、
-
快晴の空のもと、船は港を離れます。
さようなら、得体の知れない観覧車。 -
出港してから1時間くらい経ったでしょうか。
遠くに見えるのは六甲山あたり?(曖昧) -
一旦船室に戻ってくつろいでいると、
「間もなく何とか大橋の下を通過します」
という放送が流れたので再び甲板へ。
確かに「何とか大橋(後で調べたら明石海峡大橋と言うんだそう)」が遠くに見えるけれど、なんせゆったりとした船足だから、あんまり「間もなく」じゃなありません。
そして何より寒い!
船首に向かって歩くのが一苦労の強風だから、体感温度は零下何度かだったと思います。
とてもじゃないけど我慢できないので部屋に退避していると、 -
本当の「間もなく」になったあたりで、夫が呼びに来てくれました。
-
時刻は16時40分。
橋の向こうは淡路島です。
ここ数年、「とみに怪獣化しつつある」(口の悪い夫の言葉です。ごめんなさい)上沼恵美子さんの出身地で、玉ねぎの故郷でもある島だったかな。 -
沈む夕日がとても綺麗・・・だけれど、とにかく寒くてたまりません。
私はこの辺で完全にギブアップです。
夫は夕食の前後に2度、またまた甲板に上がったようですが、
「日の入りが早いのでほぼ真っ暗」
「遠くに陸地の明かりがチラホラ見えるだけで、きれいな夜景なんてものは無い」
そして
「寒さが半端じゃない」
とのことで、
瀬戸内海の景色を楽しみたかったら、暑くて日の長い夏にするか、大阪港に10時に着く逆コースに乗った方が良さそうです。 -
凍えた私が部屋で暖をとっている間に、まだまだ元気な夫は船内探索に向かいました。
広い厨房では夕食の仕込中。
「料理人は男ばかりだった」そうです。
船の厨房って、未だに男の世界なんでしょうか? -
無人の不気味なゲーム部屋。
近くにはカラオケルームもあったとのこと。 -
「下のフロアは船室の半分くらいがドア開けっ放しだった」
とかで、窓の無い蚕棚の4人部屋なんかも無断撮影して帰ってきました。
確かに他人と一緒のこの部屋でドアを閉めておいたら、息が詰まりそうになるのかもしれません。
それとも例によってのケンチャナヨ精神の現れなのか?
翌朝、私が船内めぐりをしたときには、7割くらいの部屋がドア解放状態でした。
ある部屋をちらっと覗いたら、私たちの部屋より大きな窓のある雑魚寝4人部屋(たぶんファミリールーム)でしたが、身内で占領できるならこちらの方が明らかにいい!。 -
さて、私の身体が暖まり、放浪夫も帰って来たちょうどその頃、
「夕食の時間です」
との待ち遠しい船内放送がありました。
レストランはこんな案配で、 -
6時が近づくと、夕食を待つ大勢の行列の前で従業員のお出迎えがありましたが、
そんな中、私たちは再度のVIP待遇で、レストラン奥の別室に案内されました。 -
待っていたのは参鶏湯。
幾度となく訪問している韓国で、まだ一度も食べたことのない参鶏湯に、こんな所で初めてお目にかかることになりました。
初対面だから判らないけれど、参鶏湯てあんなにボリュームのあるものなの?
ひとめ見て「ああ、これは食べきれない」と思いました。
そしてまたこの参鶏湯がぬるい!
初めてとはいえ、いくらなんでもこれは無いだろうと、こういう事は我慢しない夫が係りを呼んで一旦お引き取り願い、熱くし直してもらいましたが、他の2組の皆様は、上流階級のたしなみなのか、それとも猫舌なのか、そのままお食べになっておられました。
韓国では、ぬるくなったスープ類の温め直しを頼むのはごく当たり前の事だから、こういう時はちゃんと言った方がいいです。 -
食べても食べても一向に減った感じがしない参鶏湯。
夕食の全体像はこんな様子で、このセットが5500円(赤ワインのサービス付)します。
高いでしょ。
私もそう思います。
なにも瀬戸内海上で、こんな値段で、参鶏湯バージンを失わなくたっていいんだけれど、これにはちょっとした訳があります。
私たちのとっても狭いデラックススイートルームは、食事が行列のバイキングなら2万3千円で、別室での参鶏湯夕食・朝食付きだったら2万5千円と、2000円違いでした。
ちなみに、他の部屋(ロイヤルスイートを除く)は食事が別料金で、バイキングなら1500円ですが参鶏湯は5500円。
「2000円足せば5500円の参鶏湯が食べられるのならそっちにしよう」
という、いじましい考えで初チャレンジとなったと・・・。
これがホントのところです。 -
一日上流階級用の別室はこんな部屋でした。
客は3組だけでしたが、さすがは皆さん上流階級だけあって、静かに粛々と食事を進めていらっしゃいました(私たちは別)。
それにしてもたったの3組。
「あんな参鶏湯に5500円も出すなんてアホちゃうか!」
という大阪人の声が聞こえてきそう。 -
夕食タイムが終わったレストラン脇のステージでは、何やら行われていました。
けれどもオール韓国語とあって、私たちは早々に部屋に引き上げ、少しだけアルコールを飲み足して眠りにつきました。
夜中に夫が何やらガサガサと動き回っていましたが、朝聞いたら、部屋があまりにも乾燥しているので、シャワールームをびしょびしょにしたり、濡れタオルを床に敷いたりしていたんだそう。
確かに「のどが弱い人は要注意」と言っていいくらいの乾燥状態でした。 -
そして朝食。
5500円に含まれる朝食の、なんと質素なこと。
私には十分な量でしたが、夫は全く物足りなそうです。
足りなかったらバイキングの方へ取りに行ってもいいみたいなんですが、そこは偽物とはいえ船内では上流階級。
じっと我慢の夫でした。
帰りにバイキングレストランの中を通ると、悔しいことに、あちらの方がはるかに料理が豊富で美味しそうでした。
もちろんお替わり自由だし・・・。 -
7時半に外に出てみましたが、昇る朝日はあっても、陸地はまだ見えません。
そして相変わらず寒い! -
そこで上階の船首にある上流階級用(しつこい!)の休憩室に避難し、外を眺めながら珈琲を頂きました。
天気は快晴で波は穏やか。
それでも廊下を歩くときは身体が微妙に左右に振られるので、結構揺れているのがわかります。
穏やかな海でこれなんだから、ちょっとでも荒れていたら、船に弱い人は大変だろうな~。 -
時刻はぼちぼち8時半、と言う頃、船首の窓にうっすらと陸地が見えるようになりました。
私はここからの眺めだけで十分なのに、夫が呼びに来て、 -
寒い寒い甲板に連れ出され、悲鳴を上げながらモデルのお勤めを終えると直ちに、暖かな船室に逃げ帰りました。
こんな写真は出したくないんですが・・・。 -
寒さに強いわけではないけれど、
「船が港に入るところを外で見ていたかった」
と言う夫は、着岸寸前まで、誰もいない甲板に立っていたみたい。 -
釜山名物(?)の山すそ階段住宅が見えてきました。
-
入り江をまたぐ綺麗な橋。
-
ここをくぐると19時間の航海は終わり、つかの間の上流階級生活ともお別れです。
それにしても素晴らしく良い天気! -
大荷物はすでに取りに来てくれたので船室に待機していると、今度は案内嬢のお迎えがありました。
下船時は階段でなくエレベーターでのご案内。 -
わざわざ下船口まで導いてくれました。
-
案内嬢にお礼を言って外に出てみれば、ここでもまた一番乗りって、一体どういう訳なのか?
同じフロアに並ぶあの狭いデラックススイートルームは、他にも泊っている人がたくさんいたのに、何故?
何がなんだかよく判らないけれど、優遇されたんだから「これで良いのだ」、と天才バカボン化する私。
そして入国手続きもあっという間で、わくわく初体験の大阪釜山クルーズは、ここに目出度く完結したのでした。 -
初めて利用する釜山ビジネスホテルは、ロッテホテルの脇にありました。
ピカピカの新品ホテルの、明るくきれいで広さもそこそこ(25平米くらい)あるツインルームは、お値段も手ごろで申し分なし。
釜山では次回もここを利用することになると思います。
旅行記にホテル情報はほとんど書かないんだけれど、ここは女性にもお勧めなのでちょっとだけ触れておきました。
シングルルームもありますよ。 -
今回の釜山旅は「大阪から船で釜山に行くこと」自体が一大目的だから、その目的を果たした今、なんならこのままソウルに移動したっていいんだけれど、とりあえずホテルに荷物を預け、とても美味しいスンデがたっぷり入ったクッパが頂ける店に向かいました。
ロッテホテルの裏手に似たような店が3軒並んでいて、数年前、そのうちの一軒で初めて食べたスンデの美味しさとボリュームが忘れられなくての再訪です。
あの時は、「スンデさん、今まで何とは無しに敬遠していてごめんなさい」といった気分になりましたから。
スンデの美味しさをここで知り、その後、ソウルのスンデ屋でも2度ばかり食べてみたのですが、味はともかくスンデの量が少なくて2度ともがっかりしたので、ここでリベンジをはかります。
記憶をたどり、ここだったかな、と思って入った店のスンデクッパは、期待通りにやわらかくて美味しくてスンデもたっぷり入っていて、お見事と言うほかありません。
横浜に支店を出してほしい店の一軒です。 -
とても嬉しいスンデとの再会後は、私が通っている韓国語教室の先生の、釜山でのお勧めおやつを探してみることにしました。
先生からの情報は
「いろいろな『種』がたくさん入ったホットク」
と言うもの。
ただそれだけです。
一体どこをどう探したらいいのか、と思いながら歩いていたら、一軒の屋台にちょっとした行列ができていました。
覗いてみるとビンゴ!
あっという間に発見! -
これがその、鳩が喜びそうな豆だか種だかがたっぷりと挟まれたホットクです。
フワッとした触感のすぐあとに、種のサクサクした歯ごたえがあって、その種の淡白な味わいが「大人のおやつ」と言った感じを醸し出していました。
だけど、食べ物にしろ何にしろ、流行り廃りの激しいところがある韓国で、いつまで生き残れるかな~、とも思います。
食べるなら今! -
釜山旅の小さな目的も二つ果たし、もうこれで本当にソウルに移動したって構わないんですが、まだ、2泊予約してあるホテルにチェックインもしていません。
そこで翌日は、時間つぶしも兼ねて、ちょっとばかり遠出をしてみることにしました。
向かった先は、4年前にも一度訪れ、旅行記にも記録を残した巨済島にある蒸し牡蠣の専門店、「ウォンジョコジェクルグイ」。
直訳すると、ウォンジョ(元祖)コジェ(巨済)クルグイ(焼き牡蠣)という意味です。
行くことが決まったのは、特にあても無く街を散策していた時、夫が急に
「暇だから行ってみようか」と言い出したからでした。
しかし、時刻はすでに12時過ぎ。
大急ぎで沙上のバスターミナルに向かい、発車間際のバスに飛び乗ったと、そんな案配でした。
沙上から巨済島の古懸(コヒョン)までバスで約1時間(7200w)、さらにタクシーで20分くらいの海岸沿いにある小さな店です。
ところが、この突然の無計画な行き先決定が、後ほど大きな不幸を招き寄せることになるのでした。 -
無計画に出向いたがゆえの失敗その1は、
「店のデータが、夫の頭の中にある店名だけだったこと」
実は前回来た時も、店の住所や電話番号を控えてくるのを忘れ、唯一持っていた「店の看板が写っている店頭の写真」だけを頼りに、「わかりました」と言うタクシーの運転手に任せきりで、なんとかたどり着いたのでした。
それが今度は、韓国語不可の夫がカタカナで覚えた店名だけが唯一の店情報。
スマホの類は持っていないので、タクシーを止めては「ウォンジョコジェクルグイ(元祖巨済島焼き牡蠣)!」と叫ぶしかありません。
夫は5~6台のタクシーのドアを開けては、運転手に「ウォンジョコ」「ウォンジョコ」言っていましたが、悲しい事に、みな首を傾げるばかりです。
私はもう帰るしかないかなと思い始めましたが、あきらめの悪い(?)夫は、近くにあった島の案内図を写真にとって拡大し、記憶にある店の場所付近を指さしながら、再びタクシーを止めては「ウォンジョコ!」を開始。
すると、3台目くらいの運転手が「OK」と言ってくれたんだそうです(喜!)。
こうして無計画で準備不足の2人は、無事に目的の店にたどり着けました・・・かとお思いかもしれませんが・・・そうは行かない(悲!)。
1万5千wも出せば行かれるはずなのに、2万5千wを超えても車は元気に、確信を持って走り続け、メーターが3万wに近づいたころ、ようやくたどり着いたのでした。
わけの判らないところに。
見ると夫は、2万wあたりでこれはダメかもしれないと悟ったらしく、さほどイライラした様子も見せずに「帰ろうか」と言います。
するとどこかに電話している模様だった運転手が戻ってきて、車に乗るよう促されました。
そして再び発車。
景色を眺めながら、もうちょっとだけ運転手に任せてみようと思っていたら、ありました、見覚えのある看板が!
手間もお金もかかりましたが、これでようやく牡蠣にありつけそうです・・・が、 -
無計画に出向いたがゆえの失敗その2は、
「ポン酢を持参しなかったこと」
むいてそのまま食べれば、牡蠣の旨味に海水の塩加減が加わって、十分に美味しいんですが、何せ数が多いから、その単調さに飽きが来ます。
辛いつけダレが付いてくるし、醤油も頼めるんだけれど、一番よく合うのはやはりポン酢です。
しかしそれは置いてない。
従って、最後まで味に変化をつけて美味しくいただきたかったら、ポン酢を時参すべし。
これが前回の訪問時に得た大事な教訓だったのに、急に行こうと決めたため、うかつにも忘れてしまった私達なのでした。 -
長々と我が家の失敗談をお話ししてきましたが、
この店で頂けるのはこれ。
黙って座れば、この大鍋が目の前のコンロ上に置かれます。 -
火を付けて蓋をしたら、待つことしばし。
-
新鮮でふっくらプックリとした、熱々蒸し牡蠣の出来上がり!
4年前には小ぶりの牡蠣が75個(!)入っていましたが、今回はやや大きめの物が55個。
とても美味しいのですが、ゆうべから少しばかり胃の調子に不安がある私は6個食べただけで、あとは残念ながら夫に任せたと言うか、押し付けたと言うか(笑)。 -
私たちの旅行記を見てここに行ったという方が何人かいらっしゃるのですが、中には1人で出かけたという男性もいました。
あの大量の牡蠣を1人で!
「すごいな~」
と思いましたが、ウチも今回は、夫がほとんど1人で平らげたわけで・・・。
「どうだった?」
「最後はちょっと苦しかった」
だそうです。
牡蠣に目がない方だったら、バス旅を楽しみながら、一度訪ねてみても良いかもしれません。
バスの終点の古懸ターミナル近くには、明るく・大きく、快適で安い「海水温泉施設」(チムチルバン)もあります。 -
のどまで牡蠣が詰まっていそうな夫と、優しい味の牡蠣の雑炊でお腹を満たした私。
店にお願いしてタクシーを呼んでもらい、帰途につきます。
店からバスターミナルまでは、迎車代無しで1万5千w。
バスターミナルから店までは、島内観光付きで3万4千wかかったのに・・・。
これに対して、あの大量の牡蠣は、ひと鍋2万5千wなのでした。 -
釜山滞在の最終日、「寒いから」とホテルの部屋でごろごろしている私を尻目に、夫は大好きな釜田市場に行ってくると言います。
釜田市場までは、ロッテホテル前から地下伝いに歩いて10分くらいかな。
縦横に交差する何本もの細い路地からなる、市民のための食料品市場ですが、観光客が買って帰って嬉しい物も色々あります。
魚市場が好きでたまらない夫ですが、釜山ではチャガルチよりもこちらの市場の方が好きみたい。 -
釜山発11時のKTXの車内で食べようと、夫が買ってきたものは、
ひとザルたっぷりで3000wの焼き栗。
旅先であっても昼酒はめったにやらない夫が買ってきたビールによく合います。 -
韓国で幾度となく食べた中で一番美味しかったキンパ。
太さが普通サイズの2倍はあり、具だくさんで味も上品でお安くて、これまたソジュによく合います。 -
これがその断面。
-
怪しい形状の干し貝は、なじみの居酒屋のおじさんたちへのお土産だとか・・・。
-
そしてここで夫が必ず買うのは、細い路地が作る交差点の真ん中の、一日中陽の当たらない凍えるような場所に店を広げているおばあちゃんが売っている塩です。
一升枡に山盛りで2000w。
夫が買おうとすると、いつも可愛らしく微笑み、升の塩を買い物袋に移してから、手でさらに山盛り3杯すくって、おまけしてくれるんだそうです。
写真を撮っていいかと(身振りで)聞くととても恥ずかしがるので、うつむいているところをカシャリと一枚。
それにしても外国土産に塩を2キロ!
ま、持って帰るのは夫だから、別にいいんですけど・・・。 -
市場での買い物を終えたところで釜山旅はほぼ完了。
立派な構えの釜山駅からKTXに乗れば、2時間半後には最終目的地のソウルです。 -
発車の20分くらい前、夫はアルコールの買い出しに、
私は駅の正面入り口脇の店で、一本1000wのおでんをひとつまみ。
こんな所にこんな店があるなんて、いいな~韓国は。 -
電車は定刻通りに出発しました。
だけどこの韓国新幹線、座席の向きが変えられません。
そして半分は進行方向を向いていて、あとの半分は反対向き。
そんな訳だから、車両の真ん中の席は、知らぬ同士が向かい合わせでチャンチキおけさ状態になりますとは夫の表現。
幸いにも私たちの席は前向きで、真ん中席でもありません。
さて、
大阪からここまでは、嬉しいことに毎日快晴の空の下での旅が楽しめました。
この先も好天が続いてくれるといいなあ。
そんなこんなで釜山日記はおしまい。
後はソウル日記に続く・・・かな?
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この旅行記へのコメント (3)
-
- まむーとさん 2016/01/22 22:38:05
- 天保山!
- はなだいこさん、こんばんは♪
充実した旅行記で楽しくて、ウフフ♪と何回も笑いました!
大阪港から見える観覧車は天保山らしき観覧車でしょうか。
天保山は日本1低い山です。
山と言うか丘。
水族館の海遊館やマーケットがあります。
我が家ではそういえば行った事ないです。
船ではセレブでしたね!面白セレブさんです。
旦那さんの行動スタイルは私と同じで共感しています。
違うのは私は制止される事が多いので、見守るって事は大切な事だと思いました。
他にも同じ部屋グレードだったのに、セレブ扱いだったのは日本人だから?リピート狙い?
タイタニックの身分階級を思い出しました!
牡蠣! 私はシーズン殻付牡蠣を10キロは食べます。
この前、ゴマ油のみが美味しいかったです。
ダイショーの粗びき味塩こしょうも美味しかったです。
ソウル日記も必ず書いてくださいね!
そうそう!
ノリャンジンで、マダムからもらわれた帽子を被られてましたね♪
はなだいこさんファンの私なんで、すぐ分かりましたよ!
まむーと
- はなだいこさん からの返信 2016/01/23 13:54:52
- 驚きました!
- こんにちは
「日本一低い山」って、なんだか面白そうですけど、
国土地理院さんが決めたんでしょうか?
それとも大阪の都市伝説?
海遊館には一度行ってみたいと思っているので、
その時、「あ〜これがまむーとさんが言っていたあれか」
と、眺めてきますね。
船でのセレブ扱いについては、未だに理由がわかりませんが、
「もしかしたら、あの高くてぬるい参鶏湯の秘密のおまけなのかもしれない」
と、夫は言っています。
色々な感想を嬉しく読ませていただきましたが、
あの帽子にお気づきとは驚きました!
「写真の帽子はノリャンジンで・・・云々」
と書こうとして、やめた部分でしたし。
もうびっくりでしたよ。
今回のソウルでは、初体験の事もあり、面白い出会いもあったので、
「何か書けるかな」という感じもありますが、どうなるかな〜?
市場やカニさん関係の秘密の連絡事項(笑)は、別途メッセージで送りますね。
親愛なるまむーとさんへ
はなだいこ
- まむーとさん からの返信 2016/01/23 21:58:58
- マダムの帽子(*^O^*)
- こんばんは〜
帽子は日韓国際親善会議inノリャンジン大会での大切な品!
フフ♪
私の市場の師匠の事なんですから、すぐに分かりましたよ♪
天保山は標高4.53mの築山。
(人工の山→知らんかった!→それなのに山?!)
国土地理院発行の地形図に山名と共に掲載されており、山頂には二等三角点がある。大阪市ホームページでは日本一低い山と記載があり、天保山山岳会でも日本一低い山としている。
2014年4月9日、国土地理院による調査により標高3mの山、 日和山 (仙台市) の認定により、2番目に低い山となった。
観覧車の横にチラリと赤いのが見えてますが、それが海遊館です。
市場で、お土産に買われた干した貝美味しかったですか?
私は貝が大好きなので、すごく食べたい!と思いました。
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