2015/12/31 - 2016/01/07
271位(同エリア27495件中)
はなだいこさん
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- クチコミ35件
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- フォロワー37人
大阪であれこれ楽しんでから、船で瀬戸内海を横断して釜山に渡り、
KTXで最終目的地のソウルにやって来ました。
ちょっとばかり「変則手」も含まれる旅行記になっていますが、
またまた、新しい出会いや経験をすることが出来た旅でした。
中でも白眉は、韓国人(牡蠣の名店「モリョ」のご主人)の家庭に招かれたこと。
そして仁川の遊園地の、日本には無い「おもしろ怖い」アトラクション!!
もちろん、馬場の畜産物市場では最高級韓牛のお持込み焼肉を楽しみ、ノリャンジンの魚市場ではズワイガニに舌鼓を打ってきました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
まずはお宿にチェックイン。
このところ私たちの定宿と化しつつあるのが
鐘路三街駅の出口から歩いて3分ほどのところにあるホステルです。
この宿では、いつもダブルルームを2部屋確保しての
別居生活を営むことにしています。
1部屋一泊35000wの5%引き(常連割引)。
ここに合計10泊すると、次からは5%割引になります。
朝起きてから一緒に出掛けるまでと、夜、散々飲んで食べて帰った後の時間、
それぞれの部屋で気ままに過ごせるのは、お互いにかなり気楽。
別に夫婦仲が悪いわけではありません。
この料金だからこそ出来る、ちょっとした贅沢です。
今回は予約したのが遅かったせいもあって、夫は2泊した後、残りの5泊は
別の部屋に移らなければならないらしく、「誠に申し訳ない」と言う
宿からの申し出で、最初の2日間をトリプルルームで過ごすことに
なりました。
それがこの部屋。
正規のお値段は一部屋一泊45000wです。 -
そしてこちらは私のダブルルーム。
格安のホステルにしては珍しくバスタブが有り、
共用の洗濯機と乾燥機も備えられていれば、
朝食には無料サービスのお粥とトーストも用意されています。
歩いて3分くらいのところにある鐘路3街駅からは、1号線・3号線・5号線の
3路線が利用でき、私たちのソウル旅に欠かせない鷺梁津魚市場にも
馬場洞畜産物市場にも一本で行くことが出来るのが嬉しい。
一週間から20日くらいの短期語学留学生の利用が多いというのもうなずけるし、
1人で泊っている日本人女性も度々見かけますよ。
この宿の数少ない気になる点は、誰の好みなのか、壁紙や布団の色に
ピンクが多用されていること。
かなり古いお宿だし、今のオーナーは結構若い男の人だから、おそらく
先代の持ち主の仕業じゃないかと思いますが、ことに夫には全く似合わない。 -
到着初日のちょっと遅めのお昼ご飯を摂りに、駅と宿の真ん中あたりの入り組んだ
細い路地沿いにある、全く目立たない、古めかしい店に向かいます。
店名は「ハルモニカルググス」 -
中に入るとこんな案配で、厨房前の4つのテーブル席以外に、かなり広い奥の間が
2つか3つある、外観からはうかがい知れないくらい大きな店ですが、 -
昼時の2時間くらいは、地元住民らしき人々やサラリーマン(女性も多数)が
次から次へと押しかけ、極寒の冬でも酷暑の夏でも常に大行列が出来る店。
以前からこの店の事は気になっていたんだけれど、夫が行列を忌み嫌うのと、
その行列の主が完全に韓国人ばかりという事に怖気づいたせいもあり、
「入りたいけど入れない」状態が続いていました。
現地の人ばかりで観光客のいない店が大好きな私たちではありますが、
最初に入店するときは何度もためらい、ドキドキしながら飛び込むのが常です。
しかしこの日は、混み合う時間帯を過ぎていたため、思い切ってサッと入店。 -
黙っていても出てくるのはカルグクスで、日本全国にある某チェーンうどん屋がやっているように、
うどんを打っている様子を店の外から見ることが出来ます。
餃子の親分みたいなものも置いてありますが、明るい時間帯は誰もがみんな
5500wのカルグクス。
打ち立て茹で立てのモチモチ麺とスープの美味しさは格別で、そのボリュームも、夫に言わせると
「日本の立ち食いうどんの3倍くらいある」
という大変な量ですが、女性客もたくさん入っています。
そして、今まで韓国で何度も頂いたカルグクスの中でも、ピカイチの美味しさ。
自分で見つけた地元住民客ばかりの店に意を決して入ってみたら、
こんなに美味しいカルグクス!
とても嬉しいソウル第一食になりました。 -
満腹になって宿に帰る途中、今度は真新しい韓屋を発見。
前回のソウル旅の時には無かったはずです。 -
重々しい扉の脇には、わざと古めかしく見えるように作られたとおぼしき、
「BEYONDSTAY」と書かれた金看板が張り付けられていました。
多分宿屋だろうと判断し、おずおずと覗いてみると・・・、 -
扉の裏の小さな中庭の向こうから、
-
こんなファミリー・プラス1がにこやかに迎えてくれました。
前の3人がご家族で、とても可愛らしい奥さんは日本女性。
ポンポコのお腹の中には、出番を待つ2番目の子供。
韓国に遊び(だったか留学だったか)に来ていた彼女と韓国人の彼氏が恋に落ち、
結婚して子供を授かり、そしてつい最近、旦那さんと後ろのプラス1のお兄さんが
この宿屋を始めた、とのことでした。 -
英語は当然のように話せるうえ、日本語も上手に操る二人のお兄さんの
「珈琲でもいかがですか」と言う言葉に甘え、図々しくも部屋に上がりこんで一服しながら色々な話を聞いている間に、
落ち着かない好奇心夫は韓屋内の探索。 -
新品でピカピカのバスタブを備えたオンドルルームや、
これまた出来立ての匂いがするドミトリー(写真)などが用意されていたそうです。
Airbnb(だったか?)という宿屋情報サイトにだけ、とりあえず利用案内を登録したところ、さっそく何組かの中国人客がやって来たそうですが、日本人客はまだ。
このところソウルですれ違う旅行者は、日本人よりも中国人の方が
はるかに多いですからね~。
「いくらでも安くしますから・・・」
なんて私たちも誘われたけれど、残念ながらホステルに宿代は全額支払い済みです。
心惹かれる出来立ての韓屋と、親切なご家族プラス1。 -
美味しいカルグクスの後に、思いもかけぬ嬉しい接待を受け、
幸せ気分で見送りのご主人に別れを告げます。
宿屋経営が順調に行くといいのですが。
「2019年1月・追記」
うまくいかなかったのか、宿屋経営終了しており、お洒落なカフェに変わっていました。経営者が同一かどうかは不明。 -
宿に戻って大阪釜山と同行してくれた衣類の洗濯・乾燥を済ませ、しばしくつろいだ後は、ソウル到着初日の夕食を摂りに光化門にある店に向かいます。
知る人ぞ知る牡蠣の名店、モリョ。
鷺梁津水産物市場の生牡蠣には、たま~にイマイチの物(ダメな物ではない)があるけれど、モリョの牡蠣にはハズレがありません。
小粒だけれど味は濃厚。
10000wで量もたっぷり。
釜山の西、巨済島の隣の統営(トミョン)という海の街から毎日運ばれてくる逸品です。 -
香りよく焼き上げられた牡蠣のチヂミや写真のケランマリ(玉子焼き)も美味しいけれど、ケランマリはボリュームありすぎ!
食べきれなかった分は包んでもらい、翌朝、おかゆと一緒にいただきました。
以前の旅行記にも書いた事ですが、「モリョ」は牡蠣のクッパ(上品な味わいのスープ!)やビビンバが本当に美味しい店で、ここを知って以降は、
さんざん通った武橋洞のプゴクッ(干鱈のスープ)の店には、ほとんど行かなくなってしまったくらい。
お昼時であればクッパかビビンバのどちらかを。
夜に訪問して一杯やるなら、生牡蠣が苦手な方はケランマリか牡蠣のチヂミをツマミにし、ビビンバかクッパで仕上げたら良いんじゃないかな。
とにかく、ソウルを訪れた牡蠣好きが外してはいけない店、行かなかったらもったいない店です。
但し牡蠣のことですから、「生」が食べられるのはおおよそ10月末頃から4月一杯くらいまで。
半人前の注文も受けてくれますよ。 -
そしてこちらは、いつものように話し込む夫とご主人の徐成煥さん。
が、2人ともすでに老眼のお年頃なので、スマートフォンの小さな画面が
とても見にくそう。
と言うところで、話は突然、7か月後のソウルに飛びます。 -
この旅のほぼ7か月後の7月末、私より先にソウル入りしてモリョを訪問した夫に、
ご主人が、奥さんと行ったカナダ旅行や御自宅の写真をたくさん見せてくれたそうです。
例の老眼では見にくいスマートフォンで。
その中の一枚、CDがたくさん並べられた棚の写真が何となく気になったという夫。
ご主人が席を立ったスキにその一枚を勝手に超拡大してみたら、
「CDのこんなジャケットが見えてきた」
と言います。
頬杖の男の人はグレン・グールドというピアニスト(私は知らない)。
戻ってきたご主人に
「もしかしてゴルドベルク変奏曲?」(バッハの曲らしいけれど、これももちろん私は知らない)
と尋ねると、驚いた顔で
「その通りです!」
それからはご主人の話に一段と弾みがつき、挙句、「店が休みの今度の土日のいずれかに
自分の家に来ませんか?」と誘ってくれたんだそう。
これまでの何回もの韓国旅の最中、韓国人の親切には幾度となく出会っていますが、こんなに嬉しい申し出は初めてです。
夫の返事はもちろん
「お世話になります」
そこで、その嬉しく楽しかった家庭訪問の様子を、先回りしてこの旅行記に載せてしまうことにします。 -
待ち合わせは、モリョご夫婦が住む街を通る3号線の鼎鉢山(チョンバルサン)駅。
宿の近くの鐘路3街駅から一本でたどり着けますが、一時間くらいかかりました。
ソウル近郊にいくつか作られた「新都市」のひとつが、この駅のある街なんだそうです。
駅の周囲からしてすでに緑が多く、ソウルとは全く空気が異なるとても綺麗な街。 -
ご主人が作ってくれた計画表がこれで、
11時に3号線の4番出口で待ち合わせたら、まずは街を散策。
その後、街一番のカルグクスの店で昼食を摂って御自宅訪問。
そして最後には車で20分くらいのところにあるという烏頭山(オドゥサン)
統一展望台に連れて行ってくれるとの事でした。
展望台は臨津江(イムジン河)と漢江の合流地点の高台にあり、
双眼鏡を覗けば北朝鮮で暮らす人の姿も見えるらしい場所。
韓国人も外国人旅行者も自由に行かれる、「北」に最も近い展望台なんだそうです。 -
約束の時間ピッタリに迎えに来てくれたお二人。
-
ご主人運転の車に乗り込むと、後部座席で私の隣に座った栗原はるみさん似の奥さんが、
易しい韓国語を選んで、ゆっくり、色々と話しかけてくれます。
全部を聞き取れないのがもどかしい! -
最初に連れて行ってくれたのは、新都市の建設に合わせて造成されたという、とても広々とした開放的な美しい公園でした。
公園が出来た当初は身の丈ほどだったというたくさんの木々が今では立派に育ち、
公園の中心に水をたたえる大きな池の周囲に、心地よい日陰を作ってくれています。
この辺りは休日の2人の散策コースなんだとか。
そしてこの後、綺麗に保存された韓屋の古民家を見学してから連れて行ってくれたのは、 -
席を予約しておいてくれたというタッカンマリの店でした。
大人気のカルグクスの店は予約を受けていないとの事で、予定変更。
鍋が運ばれてくると当然のように、真っ昼間からビールにマッコルリのやったりとったりが始まりました。
(マッコルリと「ル」を発音しないと市場の食堂でも通じないことがあったので、
とりあえず「ル」、入れてみました・・・が、それはともかく)
何度も席を立っては、私たちの方に涼しい風が来るようエアコンの向きを調整してくれ、
ビールを注ぎ、
鍋を管理してくれるご主人。
東大門のタッカンマリの横丁では当たり前のように目にすることですが、
最初から最後まで決して火を弱めない韓国人流のタッカンマリは、
山のように湧いてくるアクなんか全く気にしない方式なので、
ここは一番、夫が鍋奉行に変身するかなと半ば期待していましたが、
色々と気遣ってくれるご主人に任せたまま。
夫も大人になりました。 -
お二人の家は、タッカンマリの店から車を飛ばして5分くらいのところにある、15階建てのマンションの最上階でした。
途中、たくさんの高級住宅が立ち並ぶ「この街のビバリーヒルズ」(by奥さん)と言われる一画を通ったこともあり、
「これが韓国の庶民の家です」
と、ご主人。
さっそくCDをセットすると、 -
自分で組み立てたというこんな機械が3台も並べられた立派なオーディオ機器で、
様々なクラシック音楽やジャズ、夫のリクエストした曲などを次々と聴かせてくれました。
夫の記憶によると、ご主人がセットした1曲目はトーマス・ハンプソン(?)の
「Beautiful Dreamer」。
アメリカ生まれの歌手で、ドイツで言えばフィッシャーディスカウ(?)や
ヘルマン・プライ(?)クラスの名バリトンなんだそう。
夫は高校時代に芸術系の選択科目として音楽を選んでいたのですが、
その授業はいつも必ずこの歌の合唱から始まったんだそうで、
静かに聞き入るご主人の邪魔をしながら、懐かしそうに口ずさんでいました。
神奈川県立横浜平沼高校。
かつては神奈川県中の才媛やいい所の御嬢さんを一手に引き受けていた女子高だったそうで、先輩には岸恵子さんや草笛光子さんがいます。
(ミニ情報を付け加えておけば、私たちが散々お世話になっている横浜の市民酒場の
名店、「栄屋酒場」の2代目当主・三宅明治さんも先輩です)
その後はダニエル・シャフラン(?)のチェロでシューベルトの「鱒」。
ようやく聞き覚えのある曲が登場。
そして夫リクエストの「魔笛」(モーツアルト)などなど。
あとはよく判らないので省略。
しばらくすると「奥さんは何か聴きたい曲がありますか?」と聞かれたので、
「美空ひばりの悲しい酒」
と答えました。
何を言い出すかと呆れ顔の夫。
しかし・・・ -
こんなにたくさんのCDコレクションの中には、ちゃんと、美空ひばりの一枚も
あったんですよ!
(夫はこれよりはるかに小さな画像を超拡大して、グレン・グールドを発見したのでした)
韓国人家庭のリビングに流れるしみじみと素晴らしいひばりさんの歌声。
聴きたい曲は素直に言ってみるもんですね~。
お手製のオーディオ機器とその配置などがいいおかげなんでしょう。
どの曲を聴いても目の前で演奏され、歌われているように聞こえたのにも驚きました。 -
明るい窓際に目をやると、そこには奥さんの趣味だというたくさんのアンティーク。
-
広いリビングをチョロチョロ走り回るのは、とても可愛らしい愛犬のポチ(?)。
-
そして音楽に聞き入る二人。
ご主人の話によると、長年勤めた銀行を辞めて「モリョ」を開業したのは2004年だそうです。
なぜ牡蠣なのかと聞いたら、
「光化門近辺には牡蠣の店が無かったから」
とのことでしたが、
転職で大成功し、韓国人にも多くの日本人観光客にも愛されている「モリョ」も、
ご主人が62歳になる4年後には営業を終えることにしているんだそうです。
「その後はどうするんですか?」
と尋ねると、
「まずは九州鹿児島でレンタカーを借りたら日本海沿いを青森まで北上し、
今度は太平洋を眺めながら下ってきたい。目標は日本一周。」
との答えが直ちに返ってきました。
素敵な夢。
もちろん奥さんとの二人旅です。
4年後の横浜通過時には、なんとしても我が家に寄っていただかなければなりません。 -
一方こちらは片言韓国語で懸命にしゃべる私と、それに付き合って下さる奥さん。
統一展望台にはちょっとした都合で行かれなくなってしまいましたが、
2時間余りを楽しく過ごし、お暇(おいとま・・・こう書くんですね!)することにしました。
大収穫の夏の韓国旅。
そして時は1月に戻る。 -
が、その前にちょっと寄り道。
モリョでは嬉しい出会いもありました。
私たちの旅行記を参考に、ノリャンジンの魚市場や馬場の畜産物市場の食堂に
何度もチャレンジしてくれているママさんトラベラーのまむーとさん。
夫が一人で出かけたモリョに少し遅れて入ってきて、旅行記に度々登場する夫の顔をみつけ、声をかけてくれました。
もちろん初対面です。
「覚えてもらえるような顔をしててよかった」
と、夫。
その出会いを記念して、ご本人のお許しの元、私達しか知らないまむーとさんのお姿を
ここにド~ンと載せておきます。
ド~ンと。
左肩を。 -
1月の旅の某日、ソウルから北東に向かって走る京義線で、DMZ(非武装地帯)方面に行ってみることにしました。
京義線のとりあえずの終点・ムンサン駅は、こんなに立派なビルになっているけれど、
3階に売店、1階にカフェがあるだけのただの駅舎。
何のためにこんなに身がスカスカの空洞ビルを建てたのか判りません。
ソウルからここまでは1時半ほどで、電車料金は2000wくらいだったかな。
外国の公共交通機関の料金は安い!
のではなく、日本が異様に高いんですが・・・。 -
非武装地帯方面乗継ぎのホームにはシャッターが下りていて、電車の到着時以外は立ち入り禁止の模様です。
ここから先どうしたらいいのかを片言の韓国語で案内窓口の女性に聞くと、
京義線のホントの終点、都羅山駅までの往復切符を買わされました。
一人5000w。 -
印刷切符を眺めると、帰りの電車も、その座席までもが指定済みでした。
帰りは何本かの電車の中から選べるだろうと思っていましたが不可。
これは一体どういうわけ?
と思っても、それを問いただす韓国語能力は無し。 -
電車まで1時間近くあったので、ムンサンの街を散策することにしました。
しかし、商店や住宅、大きなビルなどが立ち並ぶ街のメインストリートらしき通りを歩いても、人影はまばら。
超閑散。
駅近くの小さな市場らしきところに行っても、ほとんどの店が閉まっていて、
開いている店の前にもほんの少しばかりの品物しか並べられていません。
時刻は水曜の10時前後。
店が開くにはまだ早かったのかな? -
寂しい街から駅に戻ると、
「電車が着くよ」
と、言っている(らしい)放送が聞こえてきました。
チラッと待合室を覗くと人の気配は無し。
みんなはすでにホームに向かい、「私たちが最後?」と、急いで階段を降りたらホームもガラガラで、おじさんが一人、ポツンと佇んでいるだけでした。
? ? ? ? ?
電車丸ごと3人で貸し切り? -
どういう事かと首を傾げたビクターの犬状態の私たちの前に、
厳しい顔つきの電車が入線してきて、これが3両編成。
てことは一人1両か?
わくわくの興味津々で通過する窓から中を眺めると、どういう訳かたくさんの乗客の姿が見えて・・・、 -
?状態のままで乗り込むと、多国籍らしき乗客はみんな、写真左の緑の札を首から下げていました。
ここでようやく納得。
何のことはない、ソウルからのDMZツアー電車じゃないですか。
非武装地帯には個人では行かれないことはもちろん知っています。
だから、最終的にはどこかでツアーに加わらざるを得ないしても、
ソウル発のバスや電車ツアーに参加することもなかろうとここまできましたが、
DMZを目指した個人旅はムンサンにてあっけなく終了。
こんな所から乗り込んできた怪しい客を見張っていた車掌(ガイド?)さんから、
私達にも緑札が配給されます。
ちなみに右の紫札は、終点の都羅山駅で9500wのツアーに参加させられた時に
配られたものです。 -
厳しい表情の先頭車両に対し、こちらはほのぼのとした最後尾。
-
車内も一体何ごとかというようなお花畑状態でした。
-
ちょっとしたカフェコーナーもありましたが、アルコール類は無し。
-
ほんの数分で着いた臨津江駅では電車から降ろされて、さらにホームからも追い出され、
再入場の際には軍人さんによるパスポートチェックがありました。
先にホームに戻った私が振り向くと、夫がこんなシーンを撮影していたので驚きましたが、何のお咎めも無かったらしく、ホッとしました。
そして電車はふたたび出発。
終点の都羅山駅の観光窓口(?)で9500wのツアーに正式参加し、バスに乗込んだら、
統一展望台→統一村の食堂で昼食→第3トンネルの順に回るみたいでした。
展望台やトンネルの話は、他の方たちのたくさんの旅行記に書かれていると思うので、ここでは
別の話をちょっとだけ書いておきます。 -
統一村での昼食後、自力では自由に来られない国境の村なんだから見なきゃ損々とばかり、遠くに見える民家の方まで行ってみることにしました。
勝手に村の中を歩いてはいけないんじゃないかとも思いましたが、注意されたら
「ごめんなさい」と戻ればいいだけの話じゃん、と夫。
監視の目が届かなかったのかどうか、幸いにしてここでもお咎めは無し。
散策中、残念ながら村人の姿は見えなかったけれど、国境の村を守る兵隊さんには出会えました。
道路脇にズラリと並ぶ黒い鉄板の兵隊さん。
こんな物(ごめんなさい!)でも、夜目には本物に見えることもあるんでしょうか。
9500wの安いツアーですが、当然立ち寄ると思っていた臨津閣には行かないことが分かったのは、
「都羅山駅近くの公園で解散」と知らされた時でした。
もちろん、ろくな下調べもしないでやって来た私たちが悪いんですが、
やはり無念。
そこで後日、自力で行ってみることにしました。
但し、後日と言っても時は7月。
話は再び7か月後の韓国に飛びます。
(ちなみに、帰りの電車も結局のところツアー電車でした) -
ムンサン駅から臨津閣まではタクシーで7000wくらい。
駅前にタクシーはたくさん止まっているし、帰りの車は観光案内所に頼めば呼んでくれます。
もちろん迎車料金はとられません。
この辺も日本のタクシー会社に真似てほしいところですね~。
冬のツアー時にはパスポートチェックがあった臨津江駅ですが、
その前でタクシーを降りると、ホームは入場自由。 -
とそこに、ソウルからのツアー電車が到着しました。
彼らも手前の門からいったん外に出され、駅舎の中でパスポートチェックをうけてから、再度電車に乗り込むことになるはず。
う~ん、懐かしい。 -
駅から臨津閣までは歩いて10分ほどです。
-
快晴の展望台から眺める臨津江の両岸は、田んぼと山並みの深い緑色。
空は青空。 -
足元には蛙。
このまま展望台にいたら干からびてしまうと、夫が捕獲したちょうどその時、 -
先ほどのツアー電車が臨津江を超えて行きました。
-
展望台の裏手のバラ線の向こうには監視塔が立ち、
-
片や国境の方角を向いて伏せ、銃を構える兵隊さん、
片や観光客側を注視(監視?)する兵士、
と、緊迫感が漂っていますが、 -
金網のこちら側には綺麗に整地された快適な緑の公園が広がっています。
そしてそこには、巨大なモアイ像のような謎の物体が隣国の方向を向いて建てられ、 -
長いおしめのような、越中ふんどし(見たことはない)のような、これまた謎の布がはためき、
-
地面に立てられた色とりどりの風車は、柔らかな風を受けてくるくる回っていますが、
なんでここに風車?
なんでおしめ?
モアイ像? -
しかし、そののどかな公園の空には川の両岸を監視しながら頻繁に行きかうヘリコプター。
-
一方、地上に再び目をやると、そこには兵士やヘリコプターの監視の目など、ものともしない平和なカップル。
-
この公園、新婚さんに人気の写真スポットなんでしょうか。
カメラマンを雇っての傍若無人(?)な撮影大会は延々と続いていました。
ホーチミンの街なかでは何度か、こんな撮影シーンを見たことがあるので、
「ベトナム人はこういう事が好きらしい」という事は知っていましたが、
韓国の若者も好きだったんですね~。
そして季節は1月に戻る。 -
DMZツアーから帰還するとちょっとばかり疲れを感じたので、宿のすぐ近くの仁寺洞汗蒸幕(6000w)で汗を流し、
その晩の食事は部屋でとることにしました。
まずは夫が見つけてきた鶏屋さんにローストチキンの買い出し。
一羽9000wと格安です。
串刺しにされた丸鳥がくるくる回りながらこんがりと色付き、脂がしたたり落ちてている姿は、ん~、ホントに美味しそう! -
が、持ち帰ってみると、店頭では程よいサイズに見えた丸鳥の大きい事ったらありません。
安さと見た目につられて買ってみたいと思われた方、ボリュームには要注意です。 -
鶏だけではあんまりなのでもう一品。
一度やってみたかった「出前」にチャレンジすることにしました。
注文先は宿のすぐ近くの中華料理店。
店頭にはいつも、出前用のバイクが10台くらい、ズラリと並んでいます。 -
そして店の中には配達ブラザーズがたくさんスタンバイ。
そういえば韓国は「出前文化」の国でもありました。
以前、漢江の畔で何かのチラシを配布しているお兄さんがいたのでもらってみると、これが写真メニュー付きの出前の案内。
「散歩の途中でおなかがすいたら、電話をくれれば川っぷちのベンチまで配達しますよ」
ってわけなのでした。 -
出前注文の韓国語には全く自信がないので、フロントのお姉さんにお願いすると、
注文から5分も経たないうちに(!)ドアがノックされ、海鮮チャーハンが到着しました。
「宿まで」でなく、3階奥の自室まで持ってきてくれる出前。
高級ホテルのスイートルーム(利用したことはない)から注文しても、出前ブラザーズは、岡持ち片手に豪華なロビーを横切り、立派なエレベーターに乗って、最上階のドアの前まで配達してくれるんでしょうか?
ま、それはともかく、
キムチにたくわん、ジャージャー麺に使われるような甘い肉味噌と辛いスープが付いたチャーハンは8000w。
海老もイカもご飯もつやつやしてとても美味しそうでした。
が、一口食べてみると、このチャーハンには塩気が全く無い!
醤油っ気も無し!
後ほどフロントの女性に聞くと、韓国人にとってチャーハンは、甘い肉味噌をかけていただく物のようなのでした。
美味しそうに焼きあがった脂ジュージューのサンマを、ソースかトマトケチャップで食べる感じ?
マグロの刺身にイチゴジャム?
不味いわけではないけれど、見た目が美味しそうな分、舌に広がる甘みの違和感が大きく、ふた口チャレンジした後は日本から持参の粗塩を振っていただきました。 -
私たちは時々、そこに行って何かをやるとか見るとかいう目的もなく、
「適当な地下鉄に乗って終点まで行ってみる」
という事をやります。
そこで快晴の翌日、1号線に乗って終点の仁川まで小旅行。
仁川には、かつては清国の租界地(中国人居留地)だったチャイナタウンがあり、
朝鮮戦争時に国連軍が北朝鮮軍からソウルを奪回するための起点となった
「仁川上陸作戦」をテーマとする記念館があったり、
月尾島(ウォルミド)という海辺の景勝地などもあることは知っていました。
その全てに行ってみましたが(思いのほか見どころの多い街!)、ここでは月尾島にあった遊園地の事だけを紹介することにします。
「何でこんなにたくさんバイキング!」
と言いたくなるくらいバイキングだらけの遊園地で、大きなものだけでも5台。
幼児用のボートサイズの可愛らしい物も何台かありましたが、日本では見たことがないアトラクションが二つがありましたよ。
一つは面白く、
一つは恐ろしいアトラクション。 -
面白い方がこれ。
アポロディスコとかディスコパンパンなどと呼ばれているもので、
こんな円形遊具に客が腰かけて背中の鉄棒を握ったのを確認すると、
脇の小屋の中にいる「機械操作ディスクジョッキーお兄さん」が右に左に
円盤を回転させ始めます。
急に回転を早めたり弱めたり、突然逆方向に回し始めたり。 -
またそれだけでなく、円盤の傾きも急激に・自在に変えるものだから、お客さんは
左右に振られ上下に跳ね上げられて、男の人でも身体を支えきれずに椅子から
転げ落ちることもあるくらい。
狙われるのはもっぱらスカートをはいた女性で、どんなに長いスカートをはいていても
お兄さんの手練れの技にはかなわず、時にあられもない姿をさらすことになります。
そしてもうひとつ面白いのは、先ほど「機械操作ディスクジョッキーお兄さん」と書いたように、円盤操作係がDJも兼ねていることで、私には全く聞き取れませんでしたが、
翻弄されているお客さんをネタに何やら達者にしゃべり続けていました。
時々回転を止めては、反応の良さそうなお客さんに話しかけていじったり。
機械の周りに群がるたくさん(!)の見物客は時に大爆笑。
男性の見物客は時にワクワク。
全国的に有名なアトラクションだそうです。
遊園地好きの方は是非一度お試しを! -
続いてこちらは恐ろしい方。
遊園地の外れに、一番大きなバイキングのてっぺんよりはるかに高い柱が2本傾けて建てられ、その間を何物かが上下に行ったり来たりしていました。 -
写真にとって拡大してみると椅子に座っているらしい人間が二人、まっさかさまになっていました。
そこで混雑した遊園地の人混みをかき分けて現場に直行。 -
すると2本の鉄柱の間にはすでに二人を降ろした椅子が並び、その両端から鉄柱の先端に
何本ものロープ(太いゴム?)が伸びていました。
すでに想像はついたかと思いますが、つまりはこういう事。
2人を座らせて身体を厳重に厳重に固定したら、
椅子の下の止め金を外して、 -
ビヨーンと天空に向かって跳ね上げる。
逆バンジー。
跳ね上げシーンを目の前で見たくてしばらく待ったけれど、次のお客さんがやってきません。
さすがに皆さん怖いんでしょうかね~。
で、あきらめてその場を離れ、遠くから振り向くとビヨーン。
急いで戻るとお客さんは来ない。
待ちきれずに立ち去ると、またビヨーン。
勇気あるどなたかの体験レポ、お待ちしています。 -
そして夜は馬場の畜産物市場へ。
市場内の肉屋で最高級韓牛を安く買い、それを焼肉屋に持ち込んで食べられるシステムがある市場です。
5000wの席料が言わば持ち込み料で、キムチやニンニク、サンチュや玉ねぎや生青唐辛子などはいくらでもお替わり可。
今までのソウル旅行記で何度も紹介しているので、
「行ってきました!」
という報告は何人かの方からいただきましたが、
持ち込み焼肉屋では、まだ一度も日本人客を見かけた事はありません。
夫(韓国語能力なし)はいつものように肉切りお姉さん(日本語不可)の手元を監視中。
私たちとはとうに馴染みの仲良しお姉さんで、私たちの好みもよ~く知っているのに、目を離すといつのまにか、 -
これくらい厚く切られてしまう事があるため、注意が必要です。
もちろん厚切りにして目方を増やし、儲けようなんて魂胆からやっているわけではありません。
肉も、サービスでたっぷり出してくれるレバも、韓国人好みの厚切りやぶつ切りにするのが常だから、
「日本人のリクエストに応じて薄く切らねば」
と頭では分かっていても身体が許さず、気が付くといつもの厚さで切ってしまっている、という、
そんな感じ。 -
時々ハッと気づいては、厚く切ってしまった肉の横から包丁を入れ、薄く削いでくれたりして。
その時の「しまった!」という表情が可愛らしい親切お姉さん。
「レバをください」
と頼むと(ここ数年はわざわざ頼まなくても)、向かいの店にレバの塊をもらいに行き、
「もういい」
と言うまで、いくらでも薄切りレバ(無料サービス)を造ってくれるお姉さん。
1年前には100g8000wだった「1++」の最高級韓牛は9900wに値上がりしていましたが、
それでも破格の安さです。
今回初めてサムギョプサルも切ってもらいましたが、こちらは100gがたったの2000wでしたよ。
チャドルパギも必ずおまけでくれるので、買ったことは無し。
街なかの高い焼肉屋で散財している場合ではありませんよ~。 -
この日は初めてご主人にお会いしました。
お姉さんが
「いつも来てくれる日本人のお客さんよ」
みたいなことを言ってくれたんでしょう。
丁寧に挨拶されたけれど、この市場を快適なものにしてくれている最初の大事な1人がこのお姉さんなんだから、
私達こそお礼を言わなければならないのに。 -
そしてこちらは私たちにとっての大事な二人目。
時分どきにはとても混み合う人気のお持込炭火焼肉屋で、いつもいつもあれこれと
気づかってくれるアジュンマ。
ある夏、日本の焼肉屋では必ず注文する「厚切り玉ねぎ」を、言葉では頼めないので絵に書いて頼んだら、すぐに理解して提供してくれ、
薄切りにんにくを網の端で焼いていたら、たっぷりのごま油とにんにくが入った金属製の容器を持ってきて、
「これで揚げニンニクにしたら美味しい」
と教えてくれ・・・。
そして、
その冬に再訪したら、黙っていてもその両方を持ってきてくれた!
そんなアジュンマです。
ただこの日残念だったのは、同じ様に色々と気づかってくれた美人社長さんがいなかったこと。
私の拙い韓国語でどうしたのか尋ねては見たのですが、悲しいことに
「社長さんは」
だけしか聞き取れず・・・。
ところが、少ししたら、 -
その社長さんが登場!
驚きと喜びのあまり、一段と下落した私の韓国語能力で聞き取ったいくつかの単語からの想像ですが、今は新しく出来た(作った?)店の店長になっている模様でした。
「いつもの日本人夫婦が来てますよ」
と連絡してくれたのはもちろん気配りアジュンマなんでしょう。
それを聞いて急いで飛んできてくれたらしい元社長さん。
私たちの韓国旅は、たくさんの韓国人の親切や気配りに支えられている。
それによって、より楽しい旅行になっている。
そんなことを最初に感じさせてくれた鷺梁津(ノリャンジン)水産物市場と
そこの食堂の変貌についての報告を、この長い旅行記の締めにしたいと思います。 -
真冬の早朝6時半のソウルはまだ真っ暗。
ノリャンジン市場に行ったことがある人でも判らないかもしれない写真は、ノリャンジン駅の
線路を超えて市場に渡る陸橋です。
「明るい時間帯の写真はすでにたくさん載せたからもういいかな」
と思い、こんな写真。 -
しかし市場はすでに始動中でした。
ここノリャンジン市場はソウル最大の魚市場で、200mくらいの長い通路が5本あり、
その両側に数百軒の小売水産物店が立ち並びます。
ソウル市民はそこで海老を買い、蟹を目利きし、平目を刺身に造ってもらって
市場内にたくさんある食堂に「持ち込み」、「席料だけ」を払って頂く。
そんな楽しみ方ができる市場です・・・(このシステムを真似たのが馬場の肉市場)、
なんてことも今までしつこく書いてきたので、ここでは別の話を。 -
ノリャンジンはソウル最大の魚市場ですが、東京築地の場内市場(プロの買い出し人用)と場外市場(主に市民と観光客用)が一緒くたになったような市場だから、
早朝の奥まったところでは、まだセリが行われていました。
活気のあるセリの模様は、ソウルも築地も鹿児島も函館も、もっとあちこちの魚市場に行ったけれど以下省略でみな同じ。
河岸の男の人たちのきびきびとした働きっぷりは、どこで見ても気持ちの良いもんです。 -
幾多の思い出のあるノリャンジン市場ですが、その思い出の中心・核心にあるのは地下の食堂です。
市場の中で多分唯一の、テーブル席が用意されているところが嬉しい食堂。
板敷きの席では腰が疲れてしまって、とてもじゃないけど長居できませんから。
たぶん400席くらいはある広大な店ですが、
そして他にも食堂はたくさんあるんですが、
しばしば行列ができる人気店です。
韓国語が全くできなかった頃、市場で大胆に魚介類を買って、システムもよく判らないまま、日本語も全く通じないと知った上でチャレンジしたこの店。
何度も繰り返している韓国旅の中でも、最高のドキドキ経験でした。 -
ある時は、日本語が全く話せない韓国人の女の子に思い切って話しかけて仲良くなり、
-
ある時は、隣席のアジョシに、「シュワッと泡を噴出させないためのマッコリの扱い方」を教わり、
-
その向かいの女性(マッコリアジョシの仲間の奥さん)には、彼女がかぶっていたお手製だという帽子を頂き・・・等々と、
偶然隣り合わせになった韓国人との楽しい交流もいろいろありました。
そして何よりも、店を仕切る二人のアジュンマの親切なこと。
一週間のソウル滞在時、一日おきに3回通ったこともある、私たちがソウルで最も愛している店。 -
この旅でも2回訪れ、ぎっしり身の詰まったズワイガニや生牡蠣などを堪能しました。
写真は、私たちのカニを綺麗にさばいてくれる奥さんの手元を見つめる新人店員たち。
1年後には彼女たちも上手にカニを解体できるようになっていることでしょう。
1年後には・・・。 -
時は流れて2か月後の3月。
夫が一人でソウルへ、そしてノリャンジンへ向かいました。
インターネット情報によると、ノリャンジン市場内の小売店と食堂は、市場棟の老朽化を理由に、新施設への移転を半ば強制されているとの事でした。
右手の白くて低い市場棟の向こうに巨大な建物が出来ています。 -
市場への階段を下りると、小売店の頭上には、こんなビラビラが至る所につるされ、
-
通路には街宣車が入り込み、
-
お揃いのベストを身に着けた人たちが、おそらくは「強制移転反対」などと叫びながらでしょう、拳を振り上げていました。
小売の業者たちからは
「移転で賃貸料が高くなり、市場の風情も失われて客足が遠のく」
などとの声が上がり、
食堂経営者にとっては
「家賃が上がったうえ、店の面積がかなり狭くなってしまう」
というわけで、
新建物はとうに完成しているのに、移転はほとんど進んでいない模様でした。 -
何となく不安な心地で、いつものように魚介の買い出し前の挨拶をするため、店に向かうスロープを降ります。
すると、年中無休のはずの店は真っ暗。
スロープの反対側の食堂も覗いてみましたが、こちらもほぼ真っ暗で、かすかに見える店内は、大震災の直後ででもあるかのように、ひどく荒れ果てていました。 -
そこでもう一度私たちの店へ。
そしてガラスのドアにレンズを当て、ストロボを焚いてみると、こちらの店内は開店直前みたいに整然としていて、電話機や電卓のランプもチカチカしています。
あちらの店が閉鎖されたのは明らか。
じゃ、私たちの店は?
あの大事な思い出の店は?
落ち着かない気分で2階の食堂街に上がってみると、そこにあったたくさんの店もすべて、閉鎖されていたのでした。 -
さらに時は流れて7月末。
にぎわい時の市場に向かうも閑散。 -
魚介の店がびっしりと並んでいた通路のあちこちに歯の抜けたような隙間ができ、休憩所になったり資材置き場になったりしていました。
-
そして、2列目以降の店はほぼ消滅。
たぶんこういう事になってしまうだろうと予測はしていましたが、ここから消滅したほとんど全ての店が、 -
隣の巨大新施設に移転したんでしょう。
この中に私たちの店はあるのか?
あれだけの広さをこの建物の中に確保できるのか?
規模は縮小していても、どこかで営業を再開していてほしい。
それが私たちの願いです。 -
中に入ってみると、何列もあるピカピカの通路には小売店が並び、お客さんもそこそこ入っていますが、店が一軒もなくて、荷物置き場になっている通路もあります。
埋まっているのは全体の4分の1くらい。 -
2階には今までは無かったインフォメーションセンターも出来ていたけれど、
-
その先の広大な空間はがらんどう。
ここにもいつかはたくさんの店が入るんでしょうが、今はとにかく何にもなし。 -
けれども、そのがらんどうの周囲には、今までは無かった肉の専門店(写真)が出店していたり、これまたノリャンジンには無かった乾物の店なんかも、何軒か並んでいたりしました。
-
そして、その肉屋の裏の通路に、旧市場から移転してきたとおぼしき食堂が、
何軒も営業を再開しているのを発見。
その通路を歩きながら店の中を覗いてみると、ほとんどの店がテーブル席を導入していました。
私たちにしてみれば「ようやく気づいたか」と言ったところですが、そんなことより、
肝心の「私たちの店」がありません。 -
さてどうしたものかと思いながら1階に目をやると、建物中央にあるエスカレーターの左手前に、旧市場から姿を消していた、仲良しの「アワビ姉さん」(夫の命名)らしき姿が見えました。
-
急いで降りてみるとまぎれもなく「アワビ姉さん」。
再会できたことを喜んでいると、ここでもまたご家族(娘さん)を紹介されました。
(ちなみに右の女の子は、宿でおととい知り合った日本人留学生のTさん。昨日は馬場、
今日はノリャンジンと連れ回したから、さぞや驚きの連続だったかと・・・)
銀座4丁目の交差点みたいな、新市場の超一等地に新たな店を構えることができたおかげなんでしょう。
お客さんがひっきりなしにやってきます。
以前は貝の専門店だったのですが、真新しい水槽には美味しそうなズワイガニがたくさん。
移転を機に扱う品を増やしたらしく、経営は順風満帆みたいでした。
そのお姉さんに私たちの店の事を聞いてみると、
「ある」
と言います。
指さす方向は2階の奥の方。
そこで今一度2階に上がり、くまなく探すと -
2階の奥の奥。
食堂街ではない、別棟みたいなところにポツンと一軒。
ありました!
私たちの店が! -
奥さんもご主人も、
「よくぞ探して来てくれました」
と言う感じで大歓迎してくれたけれど、嬉しいのはこちらです。 -
予想通り、店の規模は縮小されていましたが、テーブル席は増加。
-
大広間のオンドル席もなくなっていたけれど、明るい窓際の席からは線路が見下ろせます。
-
しばらくすると、アワビ姉さんのところで買ったカニ(40000w)が奥さんと共に登場。
カニの蒸し料は6000wです。 -
私たちは奥さんが綺麗にさばいてくれたモノをひたすら食べるだけ。
-
アワビ姉さん推奨のツブ貝(5000w・食堂での調理料金は3000w)も美味しければ、
-
海老(16尾5000w・調理代は4000w)の塩焼きも美味。
最初は塩焼きの海老をそのままで。
途中からは韓国方式に変えてサンチュにくるみ、コチュジャンやキムチと共に頂きます。 -
ビールの空き瓶が何本か並び、ソジジュやマッコリに移行し始めた頃、
この店では見たことのない怪しい動きの女性を発見しました。
手元の皿の上に御飯を広げ、そこにペットボトルの液体を振りかけると手早く混ぜ合わせている模様。
「これはもしや?」
と近寄ると、思った通り。 -
酢飯を作り、寿司を握っていたのでした。
-
寿しだねは白身のみで、おそらくは1階の市場の水槽にたくさん生息している平目でしょう。
市場で買った活けの魚はその店でお造りにされた後、食堂まで配達してくれるのですが、
それを握ってくれる店があるとは知らなかった~!
写真を撮らせてもらったお礼を言って席に戻ると、寿司は、皮をむいたきゅうりにエゴマにワカメ、コチュジャン風の味噌と共にどこかの席に運ばれていきましたが、
「もしかしたら寿司を味噌で食べてるんじゃないか」
などと話しているところに -
届けてくれましたよ。
おすそわけのお寿司を。 -
これがまた、見た目も綺麗なら食べても美味しい。
ようやく見つけた「私たちの店」は、またもや嬉しい出会いを演出してくれたのでした。 -
締めの一品は、奥さんが店の片隅で作ってくれるカニチャーハン。
御飯は1000wで調理代はサービス。
味は安心のカニみそ塩味。 -
仕上がりまでの様子をじっくり観察させてもらった後、たっぷりの海苔を混ぜ込んで完成したチャーハンを、カニの甲羅に盛る私たち。
鍋のおこげもガリガリ落として・・・。 -
ノリャンジン水産物市場。
次回の来訪時には、旧市場の店は全て消滅していることでしょう。
ありがとうノリャンジン。
そして、おやすみなさい。
私たちの店。
アワビ姉さん。
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この旅行記へのコメント (7)
-
- ゆのっち26さん 2017/02/04 15:52:54
- ノリャンジン市場
- はなだいこさんへ
初めまして!ゆのっち26と申します。
私の旅行記に投票して下さりありがとうございます!
ノリャンジン市場はいいですよねー!
主人は訪韓の度に行きたい所だと言っています。
まだ新しい建物の方には行った事がありません。いつも鮑を買うお店は古い建物の方で食堂もそのお店が提携してる所へ行ってます。でも食堂は自分達で選べるんですね!知らなかったです。次ノリャンジンに行った時は新しい建物の2階にあるはなだいこさんオススメの食堂に行きたいです!が名前も場所も分かりません。次回の旅行記でその食堂の場所を詳しく載せて下さい!
ゆのっち26より
-
- ぷっ太郎さん 2016/11/05 12:29:45
- ”いいねぇ”を有難う御座いました。
はなだいこさん、
こんにちは。
旅行記への”いいねぇ”を有難う御座いました。
掲示板へのコメントは初めてですが、
以前から、はなだいこさんの旅行記を閲覧させて
もらって、楽しませて頂いておりました。
馬場洞の焼肉横丁はヴォリュームが多過ぎたので
はんだいこさんの「お持ち込み焼肉」に興味が
ありました。が、LCCチケットも取れずにいたので
二の足を踏んでおりました。
次のサイトで
www.koreatravel-expert.com/seoulyakinikumjd/
www.wowseoul.jp/shopping/mjmm
セルフ式焼肉(=お持ち込み焼肉)が紹介されていた事や
LCCチケットが取れましたので、今年、やっと
セルフ式焼肉を楽しむことが出来ました。
やはり、韓牛自体をシンプルに楽しむであれば
セルフ式焼肉は最適と感じております。
では、また。
良い休日をお過ごしください。
ぷっ太郎。
- はなだいこさん からの返信 2016/11/10 09:11:54
- おはようございます
- 馬場の炭火焼肉の店は、私たちと同じ店にいらっしゃったようですね。
私は夫と一緒に入った事しかありませんが、夫は何度もあの店で
一人焼肉をやっています。
私たちも最初は平屋の焼肉横丁の一軒と馴染みになって、何回も
通ったのですが、最近はお持込焼肉屋一辺倒です。
ホーチミンの「文字だけ旅行記」も、街の雰囲気が生き生きと
活写されていて面白い!
この冬、久しぶりにホーチミンに行く予定ですが、私はチョロンの
市場が楽しみ。
夫はビアホイに毎日行きたいと言っています。
ではまた
はなだいこ
-
- たんたんさん 2016/11/01 00:20:00
- 圧巻でした!
- 一気に読ませていただきました。感服致しました。
私もご主人を見かけたらお声がけさせて頂きます(笑)
- はなだいこさん からの返信 2016/11/03 07:57:58
- おはようございます
- どうぞ声をかけてやってください。
人相ほど悪い人ではありませんから(笑)。
但し、浜っ子は照れ屋だから、最初は「愛想が無い人」と感じるかも、です。
市場ではたいてい二人で行動しているので、夫の近くにいる日本人が
私です。
たぶん。
その節はよろしくお願いします。
はなだいこ
-
- まむーとさん 2016/10/30 14:20:06
- 総集編!
- はなだいこさん、お久しぶりです!
充実した濃い総集編でスゴい内容でした。
私も登場しましたが顔だし不可ですいません。普段着だし、とにかく迷いに迷っての到着、そして写真は緊張するのです。。
同じ場所に行っていても、そんな場所があったのかの旅行記でした!
ノリャンジンの今と移り変わりを見せてもらい、あの市場を3月に見られて良かったと思いました。
モリョの御夫妻のプライベートも興味深かったです。美味しかったモリョでした。ご馳走さまでした!
来年3月にちょこっとソウルに行きます。
伊丹、成田、香港、仁川(ここで1泊24時間)、セブ、仁川(ここで半日)、千歳、那覇、伊丹のスタンプラリー旅行を予定しています。
ソウルではやはり海鮮でやはり牡蠣ですね。
次回は時間がないのとこどもは一人なので、初狙いの開拓をします。
半日ソウルは、その仁川の遊園地がおもしろそうですね。
いつも人と人の繋がりが深く素敵です。
旅に深みが出ています。
私も続きを書かなくてはですね♪
- はなだいこさん からの返信 2016/11/03 07:48:37
- おはようございます
- 昨日の横浜は12月並みの寒さで、家のリビングにもついに
ストーブが登場しました。
旅行記も、無駄に長くなってしまったけれど、一応完成させることが出来て
ホッとしています。
写真にとられるのは夫も苦手で、たいていムスッとした顔で写っているんですが、
まむーとさんとのラブラブ写真では珍しくまともな顔。
お会いできたのが嬉しかったみたいです。
それにしても今度の旅行はすごいコースですね〜!!!
「伊丹、成田、香港、仁川(ここで1泊24時間)、セブ、仁川(ここで半日)、千歳、那覇、伊丹」
って、まむーとさんがご自身で立てた計画なのか、
何らかの事情でこういう複雑な面白い(!)行程になってしまったのか。
興味は尽きません。
いつもいつも嬉しいメッセージをありがとうございます。
はなだいこ
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