2015晩秋哀愁九州ツーリング　今年の紅葉は・・あかんの？

2015/11/21 - 2015/11/25

大阪の泉大津からフェリーに乗って新門司へ。
大分・宮崎・熊本・福岡を紅葉を中心に回ってみた。
昨年の１１月末に同じ様なルートを走った折に遭遇した見事な紅葉をもう一度見たくて企画。
天候に恵まれず、紅葉も不作だったが楽しい旅が出来た。

エリア 大分

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: バイク
• 旅行の手配内容: 個別手配

2015年11月21日(土）晴れ

こちらはGPSロガーの記録から作成した全ルート。実際の走行記録である。

そもそも今回の九州ツーリングは昨年の同時期に行ったルートの紅葉があまりに素晴らしかったので再訪したかっただけのツーリング。

ま、それだけでは愛想が無いので何か所か追加ポイントがあるが、基本は紅葉を愛でる旅だ。

奈良にも紅葉の名所は数あれど、今年の紅葉は具合が悪い。
主にモミジだが、鮮やかな赤や黄色になる前に、暗いエンジ色に変色してちりちりになって落葉してしまう。
長らく温かい日が続き、妙に雨が集中したからか。

テレビでは１１月以降の紅葉は例年並みに楽しめる！と胸を張って言ってたが・・
一抹の不安を抱きつつフェリーに乗る事に。

夕方に大阪の泉大津からフェリーに乗るのだが、自宅は２時半に出れば余裕。
フェリー会社はいつもの阪九フェリー。
個室を確保してもお値段は良心的。おまけに新造船だ。

荷物のパッキングが出来ていなかったので午前中にする。スロースターターにも程がある。

2時半に自宅を出て、南阪奈から近畿自動車道、堺泉北有料道路、阪神高速をつないで１時間程で到着。
いつものコンビニで買い出しをして乗船。

阪九フェリー (泉大津～新門司) 乗り物

乗船開始時間は意外に早く4時20分に乗船指示が出た。バイクは３台。
私とW800のおっちゃんと、還暦に息子から250?のスクーターをプレゼントされて九州に行くというおっちゃん。
あ！今気づいた。還暦のおっちゃんのバイクは真っ赤なスクーター。還暦だから？　笑

ま、いずれにせよ全員おっちゃん。

夕食はカフェテリア形式で食べたい物を選んで食べられる。
財布に1200円しか入ってない状態で行ってしまった。
ちょっとした皿は500円とか600円とかする。どきどきしながら抑えて選んで1060円だった。

今宵の船は新造船の「いずみ」。2015年1月に就航したばかり。
露天風呂まである。
部屋はデラックスシングルでバイク750?超とセットで約14000円。

高速を自走する手もあるが、高速代（約6800円）＋ガソリン代（約3600円）＋宿泊費（約5000円）を考えたら船の方が安い。
楽して九州に到着出来るのだから、疲れやすいオッサンの選択に迷いはない。

何もかも新しくて気持ちのいい船旅に心もうきうき？（そんな子どもみたいな事はもはやない。笑）
しかし、それにしても振動が無さすぎる。
でっかい内燃機関を使うのは新造船も同じだろうが、ハイブリッドでモーター駆動なの？　と思う程に無振動。
港を出る時も出てからも、自宅の居間にいる位の振動の無さに驚いた。
（自分の部屋は７階だったが、他の場所では振動はあった。７階の防振設計が素晴らしいのか？）

明石大橋を通過するというので珍しく行ってみた。（初めてじゃないのでね・・）
多くの乗船客がカメラ片手にデッキで上を見上げている。
まあ、橋の下をくぐるだけと言ったら身も蓋もないか・・。

明日は早いので早々に就寝。

2015年11月22日（日）　曇りのちパラパラ

新門司着は６時。地図上①
阪九フェリーでは7時半まで滞在を伸ばせるサービスもあるが、泉大津で願い出たら「バイクはあかん」と言われた。
なので、６時に強制的に下ろされる。
早い！早すぎる！

真っ暗やん。星が見えない。曇っているみたいだ。
走り出す。交通量は極小。すいすい走れる。
気温は13度。電熱ジャケットを仕込んで来たが電熱の必要性はゼロ。まったく寒くない。

阪九フェリー 乗り物

パニアとトップケースに荷物をある程度積んでいる為かヘッドライトの光軸が上を向いている。
停車して光軸を下げる。多分、電子制御サスを荷物有りで設定したらレベリングを合わせてくれる筈だけど・・

走っていると徐々に明るくはなって行くが、いつまでも暗い。
昨年も同じ１１月の下旬に同じルートを走った。その時は感動的な日の出を見られた。
この天気じゃあ無理・・。涙

新門司から走ると、道の駅おこしかけが軽く休憩にいい場所。地図上②

道の駅 豊前おこしかけ 道の駅

ぐるっと国東半島をまわって北から両子寺を目指す。
去年はこのルートで感動的な景色が展開した。
しかし今年は紅葉の具合が悪い。今日の天気が悪いせいもあるが色が冴えない。

写真は両子寺に向かう途中の景観。九州にはこういう景観が多い様に思う。火山の島なので地盤は岩？

両子寺に到着。地図上③
去年に比べると駐車場も空いてるし客も少ない。
案の定、紅葉はダメ。

ピークは過ぎているのか、色を失ってチリチリになってしまっている。奈良と同じだ。
境内にお金を払って入る気にもなれず、参道でささっと写真を撮ってあとにする。

両子寺 寺・神社・教会

富貴寺も同じ。地図上④
もはやバイクをちゃんと駐車場に入れて境内まで行く気になれない。
道端に停車してささっと写真を撮って終わり。

これは、今年の紅葉は駄目だな・・。ターゲットを変えないと。

富貴寺(大分県豊後高田市) 寺・神社・教会

と思って走っていると、こういうのが出迎えてくれた。町の辻々に案山子が・・。最近流行ってるのね。

●めがね橋

大分県速見郡日出町にあるいい感じの橋。
九州には石造りの橋が多い。

確か石造りの技術が進んでいたとどこかで聞いた事がある。
いずれにしても見ていて落ち着くのは何故だろう。

●別府市竹細工伝統産業会館　地図上⑤

入場料は300円。駐車場は広いが、全体に傾斜しておりバイクを心配せずに置ける場所は限られる。

別府市竹細工伝統産業会館 美術館・博物館

ささっと見れば２０分程で終わってしまう展示。
でも、じっくり見るとその細工の凄さに唖然とする。

竹細工という語感から想像していた域を完全に超えていた。
30年使った竹の籠も展示されていたが、まったく傷んでいない。すごいね。
入ってすぐの所に直径２ｍ程の作品が置いてあるが、これがまあすごい。よくあんな物が作れるもんだ。
竹細工の見方が変わった。興味のある方はぜひ。

●こつこつ庵　地図上⑦

次点の店もちゃんと調べていた。こつこつ庵。

外観はちょっと・・大丈夫か？って感じ。
入って行くとスタッフが忙しく動いている。

フロアに誰もいないので、暖簾をあげて声を掛けたら中のオバちゃんが「何？」とぶっきらぼうに。
「何って？　客ですやん」と私。

この時点で「あかん・・出よう」と思ったら、店長らしいちょっとイケメンの兄ちゃんが「おひとりですか？」と
接客を始めてくれたのでカウンターに座る。

こつこつ庵 グルメ・レストラン

いわゆる居酒屋的な店でメニューは多い。
だんご汁が有名とトリップアドバイザー等に出ていたのでそれを注文。
と、隣に目をやると、おっちゃんが山の様に注文して山の様に食べている。

大分と言えば、とり天でしょ！

だんご汁定食でも、そこそこお腹は膨れたのだが、とり天を単品で追加。なかなか旨かったぜ。
唐揚げじゃないんだなあ・・。とり天なんだなあ・・・。と分かった様な顔をして言ってみる。

壁に目をやるとメニューが短冊に書かれて掛けてある。
これはどこにでもある光景。違うのは・・　すべてがダジャレで出来ている。店長のいたずら？
もうちょっと店長が落ち着いてたら聞いてみたんだが、戦争の様に忙しくされていたので聞きそびれた。

だんご汁は想定内だったが、とり天は美味しかった。
カウンターで食べていると、次から次から予約の客が入って来るのも頷ける。

●丹賀砲台跡　地図上⑧

ずいぶんと前から寄ってみたかった戦争遺産だ。
近くは何度か通っているのだが、少しだけ足を伸ばさないといけないので二の次にしてきた。
本当は明日の朝から行く予定だったが、天気予報では明日の方がやばい。
なので、行ってみた。やっと行けた！

豊伊海峡（ほうよかいきょう：大分と愛媛の間の海）を敵船が侵入して来た際に撃沈するために佐伯市鶴見に置かれた。
巡洋艦「伊吹」の砲塔を移設。射程は３０Kmを誇った。

しかし試射の際に暴発し多数の死傷者を出す。
そして実際に敵艦に向けて使われることはなく今に至る。現在は砲身は取り除かれ代わりにドームが設置されている。

海岸線をうにゃうにゃ走る事20分程だろうか。結構遠いな・・と思い始めた頃に到着。
おっちゃんが門番よろしくチケットブースに座っているが、バイクで寄って行くと「無料なんです。リフトが故障してしまってますけど、どうぞ。」と言ってくれた。

丹賀砲台園地 名所・史跡

他に車も人も見えない。聞きしに勝る閑散さ。
壊れたリフトを横目に階段を登る。段数は１６９段。
１６９段という段数は大した事ないと感じる。

でもね・・階段の斜度が途中まで４５度。４５度でっせ！
途中からも少しだけマシになるけど大差なし。
踊り場もないのでなんかの拍子に落ちたら下まで？　ひえ〜　笑
途中で５回くらい息を整えて登る。高さは５０ｍらしいけど、あ〜しんど。

戦争遺産の多くがそうだが、どこか悲しさが伝わって来る。
まさに命をかけて作ったり守ったりしたものだからかもしれない。
実際にそこに多くの人が関わり、そして命に関わる事が起こったからか。

人が一人もいないのも物悲しさに拍車をかける。
試射でたくさんの死傷者が出ている事から、通路や部屋で撮った写真に妙なモノが写らないか心配しながらシャッターを切る。

最後に螺旋階段を登って砲身が設置されていた場所へ。
確か焼酎のCMで使われていた場所だ。

魚眼レンズで撮るとこんな感じ

短編のビデオが見られる様にディスプレーが設置されている。
試してみるが・・フリーズ。
やっぱり・・　鳥のフンのような物がかかったりしてるのでダメかなと思ったよ・・笑

気を取り直してドームから外へ。
１６９段の急坂で汗だくになった体に風が心地よい。
試射以外に実際に撃った事はなかった砲塔だったが日々緊張感が漂っていたんだろうな。
空気が清々しい。緊張感ただよう戦時下でも同じ風が吹いていたのだろうか。

風に吹かれながら汗だくになった体を冷ます。
寒くないのでバイクにジャケットを置いて来ても良かったんだが・・。
天気があやしいので合羽代わりになるゴアテックスのジャケットは置いていけないのよ。
で、着て行くとしっかり暑い・・。

山頂でコーヒーを飲みながら涼んでいると、ドームから男性の声がするのに気付いた。

あら？他の客が来たのかな？
聞き耳を立てる。

う〜ん、なんか違うな。
まさか！　出たか？

必死になって聞いていると・・とうとう出たみたいだ・・。

確認しにいくと、さっき試してフリーズした様に見えていたビデオがいつの間にか動いていた。
せっかくなので８つのプログラムのうちフリーズして見られない物を除いて全部見てしもた。

え？　最初動かなかったのが急に動いたのは「？」のせい？　やっぱり出てたのか・・　笑

下りは屋外を歩いて下りる遊歩道もあるみたいだが、さっき登って来た御影石製の斜度４５度の１６９段を下りる。
なんだろう・・せっかく来たんだから建物の声をもう少し聞いていたかったのかも知れない。
しかし、なんかの拍子につまづいたら・・終わりやな・・そんな事を考えながら下りる。

入口から外へ出る。空は鉛色でいつ雨が降ってもおかしくない。
戦争遺跡にはこんな空が似合う。いや・・それは勝手な妄想か・・。

入口のおっちゃんに礼を言って立ち去ろうとしたらブースにおっちゃんの姿はなかった。
こんな時間から新たに来る客もいないだろうし、用を足しに行ったかな。
でも、あのおっちゃん自身が本当はいなかったのかも・・そんな思いが脳裏をよぎる。やめて〜

●ルートイン佐伯駅前　地図上⑨

丹賀砲台跡から佐伯（「さえき」じゃない「さいき」）のルートインまで３０キロ弱。
あと６キロというところで降りだした。

と言ってもシールドに雨粒は付くが水滴が流れる程じゃない。
ゴアテックスジャケットなので関係ないが、晴天用のジャケットだったら合羽をどうするか悩む雨量だ。止まるか本格的に降りだすか？
ほどなくホテルに到着。

車寄せの軒下にバイクを停めてチェックイン。
以下、よくあるライダーとホテルスタッフのやり取り。

私：バイクはどこに置いたらいいですか？
ホテルの姉ちゃん（以下姉ちゃん）：「？」　あたふたしながら男性スタッフに質問
　　　　　　　　　　　　　　　　　そして「一番奥です。屋根は無いですけど」
姉ちゃん：見に行きましょうか？
私：そうですね
私：（玄関横に停めてあるバイクを指さして）「ここは具合悪いんですね？」
姉ちゃん：はい、ダメです。
私：（邪魔になりそうにない場所を指さして）「ここもダメですか？←往生際が悪い」
姉ちゃん：そこもダメです。
私：冷たいのね・・（笑いながらですよ）
姉ちゃん：・・・
私：一番奥って、そこに車も停められるんですよね。車あったらどうしたらいいんですか？
姉ちゃん：そうですねえ・・その時はどこへでも。

姉ちゃんはここでフロントに戻る。

駐車場はホテルの裏でぐるっと建物をまいた場所にある。
一番奥を見に行ってみた。歩くこと６０ｍ程か。
他の場所と何か違いがあるか？
違いはなんもない・・。バイクとか駐輪場とか書いてあると思っていた私は拍子抜けした。

なんでここなんだろうか？　ライダーをいじめているとしか思えない。
何か明確な理由があれば伝えるべきだが、何の説明もなかった。

ホテルルートイン佐伯駅前 宿・ホテル

このルートインはできたばっかり。（上の写真はグーグルストリートから）
グーグルストリートで事前にロケーションを確認して来たが駅前には建築中のホテルが。ただし地図データとは違う場所だった。ま、こんなもんか。
なので、スタッフもまだこなれていない。商売はむずかしいね。

初日と二日目を動画にまとめてみた。お暇な時にどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=MnFXazUHJF8

お天気星取り表　２勝０敗

続きはこちらへ　http://4travel.jp/travelogue/11079921